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三菱HCキャピタル株式会社の環境イニシアチブおよびパフォーマンスに関する包括的分析

更新日:2025年4月21日
業種:金融・保険業(7777)

1. はじめに

1.1. 三菱HCキャピタルの概要

三菱HCキャピタル株式会社(以下、MHC)は、2021年4月に三菱UFJリース株式会社と日立キャピタル株式会社が経営統合して誕生した、日本を代表する総合リース・金融サービス企業である 1。同社は、リース事業を中核としつつ、ファイナンス、アセットマネジメント、環境関連サービス、不動産関連サービス、PFI事業、中古機器売買など、多岐にわたる事業をグローバルに展開している 3。特に、単なる金融機能の提供に留まらず、有形・無形資産を広く保有する「アセットホルダー」として、リース会社の枠を超えた先進的なアセットビジネスを積極的に展開し、新たな社会価値の提供を目指している点が特徴的である 3。世界20以上の国・地域に拠点を持ち、グローバルなネットワークを活用した事業展開を進めている 4

1.2. 本レポートの目的と範囲

本レポートは、MHCの環境分野における取り組みとパフォーマンスについて、「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の3つの重点領域に焦点を当て、包括的かつ詳細な分析を行うことを目的とする。具体的には、各領域における具体的な施策、目標、実績を詳述するとともに、環境要因に関連する潜在的なリスクと事業機会を分析する。さらに、同業他社の先進事例や競合企業の動向との比較、CDP、MSCI、Sustainalytics等の外部評価機関による環境スコアのベンチマーキングを通じて、MHCの現状の立ち位置を評価する。最終的には、現状の課題を特定し、今後の戦略的な方向性に関する提言を行う。本分析は、MHCの環境スコア算定に必要な詳細情報の収集、および学術的な深度を持つ客観的な評価を提供することを目指すものである。

1.3. リース・金融業界におけるESGの重要性

近年、リース・金融業界において、ESG(環境・社会・ガバナンス)要素、特に環境側面の重要性が国内外で急速に高まっている 9。金融機関やリース会社は、投融資活動を通じて経済全体の資金循環を担っており、持続可能な経済への移行(トランジション)を資金面から支える重要な役割を期待されている 10。気候変動リスクが金融システムの安定性に与える影響も認識され、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示や、投融資ポートフォリオにおける排出量(Scope3 カテゴリー15)の管理・削減が国際的な潮流となっている 11。MHC自身も、サステナビリティへの取り組みが企業の長期的な成長とステークホルダーからの信頼獲得に不可欠であるとの認識を示している 5

2. 三菱HCキャピタルの環境への取り組み

2.1. 全体的な枠組みと方針

MHCは、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを経営の根幹に据え、体系的な推進体制と方針を整備している。

サステナビリティに関する基本的な考え方

MHCは、地球環境の保全、人権の尊重、多様性の受容といったサステナビリティへの取り組みを、企業が果たすべき社会に対する本質的な責任であると認識している。環境・社会・経済の課題解決を目指す事業活動を通じてステークホルダーからの信頼を得ながら、長期的な成長を追求することが企業の存続に不可欠であると考えている 5

環境方針

  • 「地球環境の保全と持続的な発展が可能な社会づくりに貢献するため、環境・社会と調和した事業活動を行う」ことを基本理念として掲げている 26。具体的な行動指針として、以下の5項目を定めている 26

  • 環境課題解決に向けた革新的ソリューションの提供とステークホルダーとの協創推進、関連法令・規制の遵守。

  • 環境負荷低減・社会発展に寄与するサービス・ソリューション開発努力、環境・社会への影響の正しい認識、環境配慮型製品・サービスの利活用努力。

  • 脱炭素社会、高度循環社会、生物多様性保全に貢献する自然共生社会を目指し、バリューチェーンを通じたCO2排出量低減、水・資源・エネルギー利用効率向上、自然資本へのインパクト最小化努力。

  • 事業展開地域社会との信頼関係構築、社会との課題解決への取り組み、地球環境保全と持続可能な発展の両立。問題発生時の適時・適切な公表と再発防止策の実施。

  • よき企業市民としての環境・社会問題への意識向上、環境保全活動や地域・社会貢献活動の推進。

マテリアリティ(重要課題)

MHCは、持続的な発展のために取り組むべき優先的な重要課題(マテリアリティ)として6項目を特定した。これには「脱炭素社会の推進」と「サーキュラーエコノミーの実現」が含まれている 5。マテリアリティの特定プロセスは、ISO26000やSDGs等の国際ガイドラインに基づきESG課題をリストアップし、従業員アンケートや社内インタビュー、主要顧客・株主等の外部ステークホルダーへのインタビューを通じて候補を抽出し、最終的に経営理念や経営ビジョンとの関連性を踏まえ、サステナビリティ委員会、経営会議、取締役会での議論を経て決定された 5

サステナブルファイナンス・フレームワーク

これらの取り組みを加速し、ステークホルダーへのコミュニケーションを強化するため、「サステナブルファイナンス・フレームワーク」を策定した 4。グリーン/ソーシャル/サステナビリティ/サステナビリティ・リンク・ファイナンスの実行を、社会課題解決やサステナビリティ推進のための資金調達機会、およびステークホルダーへの情報発信機会と位置付けている 4。本フレームワークについては、DNV ビジネスアシュアランスジャパン株式会社による第三者評価を受けている 4

2.2. 気候変動

MHCは、気候変動を重大なリスクであると同時に新たな事業機会をもたらすものと認識し 33、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを強化している。

目標

  • Scope1および2 温室効果ガス(GHG)排出量:2030年度までに2019年度比で55%削減、2050年度までにネットゼロ達成を目標としている 4。基準年(2019年度)の排出量は11,292 t-CO2eであり、2030年度の目標値は5,081 t-CO2eとなる 33

  • 再生可能エネルギー:英国子会社では、2030年までに100%再生可能エネルギー電力の調達を継続する目標を設定している 36。グループ全体としては、国内グループ会社のエネルギー使用量を前年度比1%削減する短期目標を掲げている 34

実績

  • Scope1および2:2023年度実績として、基準年比で41.8%削減(6,574 t-CO2e)を達成した 33。国内グループ会社のエネルギー使用量は、2023年度に前年度(2022年度)比で4.1%削減された 33

  • 再生可能エネルギー利用:グループ全体の間接エネルギー消費における再生可能エネルギー比率は、2023年度に39.2%に達し、2022年度の33.2%、2021年度の23.3%から着実に向上している 33。英国子会社は100%再エネ電力調達目標を達成した 36

  • Scope3:2023年度のScope3排出量は6,644,227 t-CO₂eと報告されている 33。金融・リース事業の特性上、カテゴリー15(投融資)が主要な排出源の一つと考えられる 9。今後はカテゴリー11(販売した製品の使用)の算定も検討する方針である 33。英国子会社では、Scope3の特定カテゴリー(事業活動に伴う移動、従業員の通勤、廃棄物)および下流リース資産について、2030年までに30%削減する目標を設定している 36

取り組み

  • TCFD提言への対応:2021年11月にTCFD提言への賛同を表明し 5、気候関連財務情報の開示充実と、事業活動を通じた顧客の脱炭素化貢献を推進している 5。サステナビリティ委員会、経営会議、取締役会を通じて気候変動に関するガバナンス体制を構築している 37

  • グリーン/サステナブルファイナンス:サステナブルファイナンス・フレームワークを活用し、脱炭素化に貢献するプロジェクトへの資金供給を積極的に行っている 4。具体例として、環境改善効果(CO₂年間4.5トン削減見込み)を評価する「GX Assessment Lease」39、CASBEE Aランク以上、LEED Gold以上、ZEB認証等の基準を満たすグリーンビルディングへのファイナンス 4、契約全体のエネルギー効率を20~30%以上改善する設備導入支援 4、太陽光発電事業へのリースファイナンス 28 などが挙げられる。

  • 再生可能エネルギー投資・サービス:再生可能エネルギー分野への直接投資(例: デンマークのEuropean Energy社との戦略的パートナーシップによるグリーン水素事業への参画 41)、エネルギーサービスカンパニー(ESCO)事業、LED導入支援ファイナンスなどを展開している 39。英国子会社では、電力セクターにおけるプロジェクトファイナンスを再生可能エネルギー案件に限定している 36。北米拠点(Mitsubishi HC Capital America)のサステナブル開発グループ(SDG)は、クリーン技術、モビリティ電動化、EV商用化支援サービスに注力している 6

  • パートナーシップ:株式会社ゼロボードと協業し、顧客のCO2排出量可視化サービスを提供している 3。英国ではGRIDSERVE社と提携し、太陽光発電によるEV普及を支援している 36

  • CDPへの情報開示:環境情報開示プラットフォームであるCDPに対し、気候変動に関する情報開示を行っている 1

Scope3排出量の課題と機会

MHCはScope1および2に関して明確な目標を設定し、着実な進捗を示しているものの 33、同社の事業モデルを考慮すると、排出量の大部分はScope3、特にカテゴリー15(投融資)に存在すると考えられる 9。英国子会社を除き 36、グループ全体での具体的なScope3削減目標が示されていない点は、ネットゼロバンキングアライアンス(NZBA)47 等の先進的な業界慣行と比較して、ギャップが存在する可能性がある。しかしながら、同社がグリーンファイナンス 4 やゼロボードとの連携による顧客支援 3 に注力していることは、この課題への対応策であり、顧客の排出量削減に影響を与えることで、Scope3排出量の管理・削減という課題を、新たな事業機会へと転換しようとする戦略的な意図がうかがえる。

2.3. 資源循環

MHCは、「サーキュラーエコノミーの実現」をマテリアリティの一つとして特定し 5、リース・アセットマネジメント事業の特性を活かした資源循環の取り組みを推進している。

目標

廃プラスチック:リース物件等の営業資産から生じる廃プラスチックについて、2030年度までに有効利用率(マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルの合計比率)100%達成を目指す。対象は、多量排出事業者であるMHC本社およびMHC環境ソリューションズ株式会社(旧 MHCリユースサービス株式会社、MHCエコビジネス株式会社)である 49

実績

  • 廃プラスチック有効利用率(2023年度):MHC本社で95.2%、MHC環境ソリューションズで97.1%と、目標達成に向けて高い水準で推移している 49

  • 中古機器売却高(2023年度):産業機械、半導体製造装置、科学・医療機器、建設機械、情報機器など、150億円相当の中古機器を販売した 49

  • PC再生(2023年度):リース返却物件や遊休資産を買い取り、適切なデータ消去を行った上で、47万台以上のPCを再生・販売した 49

  • 再リース契約額(2023年度):カスタマーソリューションユニットにおける再リース契約額は480億円に上った 49

取り組み(ライフサイクルアプローチ 49

  • Narrowing the loop(導入時: 資源効率の最大化):脱炭素化・省エネ設備や航空機エンジンの提供、オペレーティングリース、シェアリング、レンタル等の多様なファイナンス機能を通じて、効率的な資源利用を促進する 49。関連ビジネス例として、ESGリース促進事業、GX Assessment Lease、中古設備・機器リースなどが挙げられる 49

  • Slowing the loop(使用時: ストックの活用):リース契約満了時の再リース(通常1年更新)や二次リース(残価を元本とするリース)の選択肢を提供し、資産の長期利用を可能にする 49。不動産再生事業では、築古オフィス等を取得し、設備更新やリニューアルにより資産価値を再生する。航空機エンジンリース事業では、適切な整備・保守により長期使用を実現する 49

  • Closing the loop(使用後: 資源循環):リース返却物件の二次利用促進、遊休資産の買取・再リース、多様な資産のリファービッシュ・リユース(例: 船舶コンテナの陸上倉庫利用)、航空機エンジン等の部品取り(パーツアウト)事業、適正処理の実施 49。MHC環境ソリューションズ(旧 MHCリユースサービス/MHCエコビジネス)を通じて、資産の買取、金属等のリサイクル、解体・搬出サービスを提供している 50。家電リサイクル法にも対応している 39。過去には3R(リデュース、リユース、リサイクル)推進がガイドラインに盛り込まれていた 52

  • パートナーシップ:株式会社ZEROと提携し、食品ロス削減ボックス「fuubo」の販売・運営支援を行っている 49。Seismic GroupおよびPulPac社と協業し、ドライモールドファイバー製法による紙製パッケージ製造装置へのファイナンスを提供している 53。地域内での水素製造・供給・消費を完結させる「第三者保有オンサイト型水素供給モデル」(国内初)の実証事業を検討している 54

資源循環とコアビジネスの連関

MHCの資源循環への取り組みは、同社のリース・アセットマネジメントというコアビジネスモデルと深く結びついている 5。製造業とは異なり、MHCの主なインパクトは、再リースによる資産寿命の延長(Slowing the loop 49)と、中古市場の活性化による再利用の促進(Closing the loop 49)を通じて生み出される。PC再生(47万台超)49 や再リース契約額(480億円)49 の実績は、この組み込まれた資源循環の規模を示している。廃プラスチック削減目標 49 も重要であるが、同社の資源循環全体への貢献度としては、リース資産そのもののライフサイクル管理の方が大きい可能性がある。つまり、資源循環は単なる「取り組み」ではなく、ビジネスモデルの最適化と本質的に関連していると言える。

2.4. 生物多様性

MHCは、環境方針において生物多様性保全への貢献を目指すことを掲げているものの、気候変動や資源循環と比較して、具体的な取り組みに関する情報開示は限定的である。

方針・コミットメント

環境行動指針の3番目に「生物多様性の保全に貢献する自然共生社会をめざすため、…自然資本へのインパクトの最小化に努めます」と明記されている 26。過去のガイドラインでは、リース終了物件の3Rを通じた貢献が言及されていた 52。親会社・グループ会社(三菱商事、MUFG)は、より明確な方針、TNFDへの対応検討、30by30アライアンスへの参加など、積極的な動きを見せている 55

取り組み

MHC独自の具体的な取り組みに関する情報は、現時点での開示資料からは少ない 30。グループとしての活動としては、MHC AmericaのSDG部門が気候変動対応型農業や水処理分野へのファイナンスに言及している 6。また、MHCグループとして花粉の少ない森づくり活動に参加している 68。三菱マテリアルとの関連で、生物多様性保全方針策定や太陽光発電事業に関する言及がある 60。ファイナンス面では、サステナブルファイナンス・フレームワークにおいて「陸上及び水生生物の多様性の保全」が適格グリーンプロジェクトのカテゴリーに含まれている 32。また、グリーンビルディング基準 4 は、責任ある土地利用を通じて間接的に生物多様性に貢献する可能性がある。

リスク評価

MHC自身によるTNFDへの整合性評価や、具体的な生物多様性リスク評価に関する言及は、提供された情報からは確認できなかった 65。親会社・グループ会社ではTNFD枠組みの活用が進められている 55

生物多様性に関するギャップとグループへの依存の可能性

気候変動や資源循環と比較して、MHCが独自に開示している生物多様性に関する戦略や具体的な取り組みは、現時点では不十分に見受けられる 30。方針 26 やグリーンファイナンスの適格分野 32 には含まれているものの、具体的な行動や目標設定は乏しい。これは、三菱グループやMUFG全体の取り組み 55 に依存している可能性を示唆するが、MHCとしての貢献度が明確に示されていない。TNFDなど自然関連リスクへの関心の高まりや、競合他社(例: ORIX 65)の活動を踏まえると、この分野はMHCにとって今後の強化・開示が求められる領域であり、潜在的なギャップとなっている。

3. 環境関連のリスクと機会

MHCは、事業活動に影響を与える可能性のある環境関連のリスクと機会を認識し、特にTCFDフレームワークを活用して気候変動関連のリスク・機会の特定と管理を進めている。

3.1. リスク分析

TCFDフレームワークの活用

MHCはTCFD提言に賛同し、気候変動を重要なリスクとして認識し、その特定・評価・管理を進めている 33

移行リスク

  • 政策・法規制:炭素税導入やGHG排出量報告規制強化による事業運営費用の増加 37。顧客事業への影響を通じたMHCの与信関連費用の増加 37。業界全体としても、政策変更は大きなリスク要因である 11

  • 技術:既存アセット(航空機、エンジン、建物等)の陳腐化、減価償却費の増加、残存価値リスク 37。化石燃料関連資産等の座礁資産化リスク 13

  • 市場:低炭素オプションへの顧客行動の変化 70、非グリーン資産価値の低下可能性 37、再生可能エネルギー市場における競争激化による価格低下 37。広範な市場ボラティリティリスク 13

  • 評判:気候変動対応の遅れによる投資家や金融機関からの評価低下 13。議論のある産業へのファイナンスに伴うレピュテーションリスク 13

物理的リスク

  • 急性:異常気象(台風、洪水等)によるリース・担保資産の毀損、事業中断、運営コスト増加 13。再生可能エネルギー発電設備への影響(太陽光パネル効率低下、風力発電への影響)37

  • 慢性:気温上昇等による顧客事業環境の悪化、アセットの使用価値(収益性、耐用年数等)や使用機会の低下(不動産、農業等)13。海面上昇による沿岸資産への影響 11

生物多様性・自然関連リスク

(MHCに関する詳細情報は少ない)MHCがファイナンスするセクター(農業、林業等)における生態系劣化に伴うリスク(グループ会社経由の可能性 55)。生態学的に影響を受けやすい地域へのファイナンス活動に関連するリスク 65

資源循環リスク

廃棄物管理に関する規制リスク、循環型ソリューションが機能しない場合の最終処分コスト増加リスク(49 から示唆)。プラスチック規制がリース資産に与える影響リスク(49 の目標から示唆)。

3.2. 機会分析

グリーン/サステナブルファイナンス

MHC自身が重要な機会と認識 4。日本国内におけるグリーンボンド・ローン市場の拡大 19。MHCは環境ファイナンス、ESCO、GX Assessment Lease等を積極的に提供 39。グリーンビルディング、省エネ、再エネ分野へのファイナンス 4。顧客のトランジション支援機会 10

サステナブル技術リース

EV、充電インフラ、省エネ設備、デジタル製造、気候変動対応型農業、水処理技術など 6。顧客のクリーンエネルギー目標達成支援 7

サーキュラーエコノミー・ビジネスモデル

中古機器販売、リファービッシュ、再リース、パーツアウトによる収益機会 39。廃棄物管理・リサイクルソリューションの提供 51。繊維パッケージのような循環型ソリューションへのファイナンス 53

新規市場・サービス

水素バリューチェーンへの関与 28、カーボンクレジット取引(親会社経由 55)、CO2可視化サービス(ゼロボードとの連携 3)。EV関連サービス(メンテナンス、充電、中古バッテリー事業)70

レピュテーション・企業価値向上

ステークホルダーからの好意的な評価、ESG投資家の誘致 15。グリーン/サステナブルファイナンスによる資金調達コスト低減の可能性 20

ファイナンスにおけるリスク・機会の連関

MHCのコアビジネスは、気候変動リスクと機会が交差する点に位置している。炭素集約型資産へのファイナンスは移行リスクを生み出す一方 37、グリーン資産・ソリューションへのファイナンスは機会を創出する 4。このポートフォリオの移行を効果的に管理すること、すなわち高リスクセクターへのエクスポージャーを削減しつつグリーンファイナンスを拡大することが、長期的な価値創造とリスク軽減の鍵となる。MHCのTCFD開示 37 はこの二重性を認識しているが、実際のポートフォリオ転換の実行とそのペースが極めて重要となる。

機会創出のためのパートナーシップ活用

MHCは、特に新興のグリーン市場において、新たな機会へのアクセスや包括的なソリューション提供のために、パートナーシップを積極的に活用している 3。具体例として、ゼロボード(CO2算定 3)、Seismic/PulPac(サステナブル包装 53)、GRIDSERVE(EV 36)、European Energy(グリーン水素 41)、EV関連OEM・インフラ事業者 6 が挙げられる。この戦略により、単なるファイナンス提供を超えた 7、EV商用化支援 6 や水素 41 のような複雑な分野への効果的な参入が可能となっている。

4. 業界のベストプラクティス

リース・金融業界における環境分野のベストプラクティスは、競合他社の先進的な取り組みや業界全体の動向から見出すことができる。以下に、気候変動、資源管理、生物多様性の各分野における先進事例を示す。

4.1. 気候変動対策の先進事例

  • Scope1、2のみならず、Scope3(特に投融資排出量)を含む野心的かつ科学的根拠に基づいた目標設定(例: NZBAコミットメント 47)。芙蓉総合リース(以下、FGL)のRE100参加と2030年カーボンニュートラル目標(Scope1&2)86。オリックス(以下、ORIX)の2050年ネットゼロ目標と中間目標 35

  • 主要ポートフォリオを対象とした高度なTCFDシナリオ分析の実施(例: 東京センチュリー 70、みずほリース 72、農林中央金庫 69)。

  • 気候変動リスクを中核的な信用リスク評価やポートフォリオ管理に統合すること 11

  • 太陽光発電以外(洋上風力、水素、バイオマス等)の再生可能エネルギー分野への大規模な投資と事業開発 10。ORIXの大規模な再エネポートフォリオ 35。三井住友ファイナンス&リース(以下、SMFL)の再エネ生産者トップ5入り目標 94

  • アドバイザリーや技術ソリューションを含む、顧客の脱炭素化への包括的な支援提供(例: MHC/ゼロボード 3、FGLのRE Action支援プログラム 92)。

4.2. 資源管理の先進事例

  • 単純なリユース・リサイクルを超えた、Product-as-a-Service(PaaS)や大規模なリファービッシュ・再製造プログラムなど、先進的なサーキュラーエコノミー・ビジネスモデルの開発(リース事業における潜在的可能性 49)。

  • 特定の廃棄物だけでなく、バリューチェーン全体を対象とした廃棄物削減や資源循環に関する定量的な目標設定(MHCの廃プラ目標 49 は具体的だが、より広範な目標設定が望ましい)。

  • 高付加価値リサイクルや資源回収のためのインフラ投資(例: ORIXエコサービスの寄居工場 87、金属回収 87)。

  • クローズドループシステム構築のための業界横断的な連携(例: MHC/PulPac 53)。

4.3. 生物多様性保全の先進事例

  • 国際的なフレームワーク(TNFD、SBTN等)と整合した明確な生物多様性方針の採択。ORIXの方針と禁止取引リスト 65。三菱商事の詳細方針 63

  • 主要ポートフォリオや事業活動における自然関連リスク・依存度評価の実施(TNFD整合性)65

  • 生物多様性への配慮をファイナンス判断や環境・社会リスク管理(ESRM)システムに統合すること 65

  • 自然資本ソリューションや保全プロジェクトへの直接投資またはファイナンスを通じた投資(例: ORIX運営水族館の保全活動 65、大京の「いきものPASS」65)。

  • 30by30アライアンス等のイニシアチブへの参画(MUFG 57、その他参加可能性 59)。

統合の重要性

全ての分野におけるベストプラクティスは、環境への配慮を単なるCSR活動としてではなく、中核的な事業戦略、リスク管理、商品開発に深く統合することを強調している。これは、融資条件とサステナビリティ目標を連動させること(SLL 76)、信用評価にESG要素を組み込むこと 91、環境ソリューションに特化した事業部門を開発すること 6 などに表れている。周辺的なCSR活動ではなく、このような深い統合こそが、このセクターにおけるベストプラクティスを構成すると言える。

5. 競合他社の環境分析

MHCの環境パフォーマンスを評価する上で、主要な競合他社の取り組みとの比較は不可欠である。ここでは、ORIX、SMFL(SMBCグループ)、東京センチュリー(TC)、FGLを主要競合企業として取り上げ、各社の環境への取り組みを比較分析する。

5.1. 主要競合企業の概要

ORIX

多角的な金融サービスを展開。環境・エネルギー、不動産、PE投資など幅広い事業ポートフォリオを持つ 100

SMFL (SMBCグループ)

三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)傘下の大手リース会社。グローバルな航空機リース事業(SMBC Aviation Capital)も展開 101。グループ全体でのサステナビリティ推進体制を持つ 91

東京センチュリー (TC)

設備リース、オートモビリティ、スペシャルティ(航空機、不動産等)、国際事業など、多様な事業を展開 102。パートナーシップ戦略を重視 103

芙蓉総合リース (FGL)

リース・割賦販売を主軸としつつ、不動産、医療・福祉、エネルギー・環境などを戦略分野と位置づける 92。CSV(Creating Shared Value)経営を推進 92

MHC

三菱UFJリースと日立キャピタルの統合により誕生した業界大手 2

5.2. 取り組みの比較分析

ORIX Corporation (オリックス)

  • 気候変動:2050年ネットゼロ目標、2030年度までにGHG排出量50%削減(Scope1&2、2020年度比)、GHG排出産業への投融資残高50%削減(2030年度まで、2020年度比)35。再生可能エネルギー事業への注力 35。TCFD賛同 105。石炭火力関連方針は目標から推測される。

  • 資源循環:廃棄物リサイクル・処理事業(オリックス環境)、不要品の再利用・リサイクル支援 87。リース事業固有の資産寿命延長への貢献。

  • 生物多様性:明確な方針、禁止取引リスト、再エネ事業ガイドライン、Robecoによるサステナブル投資統合、水族館での保全活動(AQTION!)、大京による生態系配慮型開発 65

  • その他:サステナブル投融資方針 106、グリーンボンド発行 93、国連グローバル・コンパクト署名 106、PRI署名 74。投資判断におけるサステナビリティ・スコアカード活用 74

Sumitomo Mitsui Finance and Leasing (SMFL) / SMFG

  • 気候変動:グループ(SMFG)として2050年ネットゼロ目標(投融資排出量含む)47。SMFLも自社Scope1&2およびグループでのネットゼロ目標を設定 107。SMFGはNZBA、PCAF、ポセイドン原則に加盟 48。TCFD報告 47。新規石炭火力発電への支援禁止方針 91。大規模なグリーン/サステナブルファイナンス目標(SMFG: 2030年までに50兆円、SMFL: サステナビリティ事業契約額2兆円 10748。再エネ注力、トップ5生産者目標(SMFL)94。グリーンローン/ボンド 47

  • 資源循環:SMFLはリース終了機器活用、中古取引、工場廃棄物処理支援、排出量遵守管理サービス等を通じてサーキュラーエコノミーを推進 94

  • 生物多様性:グループ(SMFG)としての方針が存在する可能性、プロジェクトに対する環境・社会リスク評価の重視 91。SMFGとしてTNFDへの取り組み言及あり 109。SMFL独自の具体的取り組みは情報限定的。

  • その他:グループとして国連グローバル・コンパクト署名 47。信用供与業務へのESG統合重視 91。GREENxGLOBE 2030計画 48

Tokyo Century Corporation (TC)

  • 気候変動:2040年度カーボンニュートラル方針 110。TCFD賛同・コンソーシアム参加 110。オフィス活動におけるGHG削減目標(電力、紙、燃料)112。大規模な再エネ事業(太陽光発電目標 112)。中期経営計画におけるグリーン戦略 24。航空機リース子会社(ACG)のESG報告とサステナブルファイナンス実績 113。グリーンボンド発行 115

  • 資源循環:リファービッシュ事業推進(PC販売目標 112)。プラスチック資源循環法関連の取り組み 115。サーキュラーエコノミー貢献への注力 110

  • 生物多様性:タイ子会社による保全活動、植林ボランティア参加 114。投融資に関する環境・社会マネジメント方針に生物多様性側面が含まれる可能性 110。独自の方針・目標は詳細不明。

  • その他:国連グローバル・コンパクト署名 111。GXリーグ参加 111。パートナーシップ重視 103。多数のESGインデックスに選定 110

Fuyo General Lease (FGL)

  • 気候変動:RE100加盟(国内リース初)、2030年カーボンニュートラル目標(Scope1&2)86。2023年度再エネ電力使用率85% 86。CO2削減貢献量目標(2026年度50万t-CO2/年)を債券・ローンに連動 95。戦略分野としてエネルギー・環境を重視 92。芙蓉RE Action支援プログラム(中小企業向けグリーンボンド)92

  • 資源循環:廃プラスチックリサイクル率目標(2026年度100%)を債券・ローンに連動 98。顧客業務量削減時間目標(効率化・デジタル化関連)96

  • 生物多様性:独自の具体的取り組み・目標は情報限定的。

  • その他:CSV経営重視 92。サステナビリティ・リンク・ボンド/ローンを広範に活用 76。人材育成費用目標をファイナンスに連動 95

目標設定と開示レベルの多様性

競合他社間では、目標の野心度(Scope3包含、ネットゼロ達成年等)や開示の詳細度(特に資源循環、生物多様性)に大きなばらつきが見られる。ORIXは生物多様性に関する開示が充実しており 65、FGLは具体的なKPIを持つサステナビリティ・リンク・ファイナンスを多用している 98。SMFL/SMFGとORIXは、投融資排出量削減に関する明確な目標または関連目標を持っている 47。TCは2040年のカーボンニュートラル目標を掲げている 110。これは、業界における基準が進化していることを示しており、MHCにとってベンチマークとなる。

サステナブルファイナンスの戦略的活用

FGL 98 等の競合他社は、サステナブルファイナンス(グリーンボンド、サステナビリティボンド、サステナビリティ・リンク・ボンド/ローン)を、単なる資金調達手段としてだけでなく、コミットメントを示し、特定のESG目標(KPI/SPT)達成に向けた社内パフォーマンスを促進するための戦略的ツールとして活用している。これは、調達資金の使途を事前に定義されたグリーンプロジェクトに限定する従来型のグリーンファイナンスとは異なるアプローチである。MHCもサステナブルファイナンス・フレームワーク 4 を有しているが、使途特定型とパフォーマンス連動型のどちらをどの程度活用しているか、さらなる明確化が望まれる。

6. 環境パフォーマンスとスコアのベンチマーキング

MHCの環境パフォーマンスを客観的に評価するため、自社目標に対する進捗状況を確認するとともに、主要な外部評価機関によるESGスコアを競合他社と比較する。

6.1. MHCのパフォーマンス評価

目標達成状況

  • 気候変動:Scope1および2排出量は、2030年度目標(基準年比-55%)に対し、2023年度時点で-41.8%削減と進捗しているが、目標達成にはさらなる努力が必要である 33

  • 資源循環:廃プラスチック有効利用率は、2030年度目標(100%)に対し、2023年度時点で95~97%と高い水準にある 49

取り組みの質的評価

  • 気候変動分野では、グリーンファイナンスの積極的な活用や、ゼロボード等のパートナーシップを通じたソリューション提供において活発な動きが見られる 3

  • 資源循環分野では、リースというコアビジネスと一体化した取り組みが強みであり、中古機器販売やPC再生などで具体的な成果を上げている 49

  • 生物多様性分野では、方針レベルでの言及はあるものの、具体的な行動計画や実績に関する情報開示が他の分野に比べて遅れている印象を受ける 30

6.2. ESGスコア比較分析(CDP, MSCI, Sustainalytics等)

以下に、MHCおよび主要競合他社の最新(入手可能な範囲)のESGスコアを記述的に示す。評価機関や評価時期によってスコアは変動する可能性がある点に留意が必要である。

Mitsubishi HC Capital (MHC)

  • CDP 気候変動:B (2022年評価/2023年報告)1

  • CDP 水セキュリティ:C (2024年報告/2023年評価)42

  • MSCI ESGレーティング:明確な単独評価は見当たらず。MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数、MSCI日本株女性活躍指数(WIN)の構成銘柄として選定されている 119。親会社の三菱商事はMSCI日本株ESGセレクト・リーダーズ指数の構成銘柄である 55。MUFGグループはA評価(2023年度)120

  • Sustainalytics ESGリスクレーティング:24.6 (Medium Risk)(最終フルアップデート:2023年6月、最終更新:2024年5月)121。マネジメントスコア:Average、エクスポージャー:Medium。

ORIX Corporation (ORIX)

  • CDP 気候変動:B (2023年評価)89

  • MSCI ESGレーティング:AA (2021年2月/2024年言及)89

  • Sustainalytics ESGリスクレーティング:19.7 (Low Risk)(最終フルアップデート:2025年3月)100。マネジメントスコア:Strong、エクスポージャー:Medium。

Sumitomo Mitsui Finance and Leasing (SMFL) / SMFG / SMTG

  • CDP 気候変動:B (SMTG、2023年評価)123

  • MSCI ESGレーティング:AA (SMTG、2024年6月時点)123

  • Sustainalytics ESGリスクレーティング:20.2 (SMFG、Medium Risk)(最終フルアップデート:2023年12月、最終更新:2024年5月)101 / 20.7 (SMTG、Medium Risk)(2024年4月時点)123。マネジメントスコア(SMFG):Strong、エクスポージャー(SMFG):Medium。

Tokyo Century Corporation (TC)

  • CDP 気候変動:B (2023年度評価)116

  • CDP 水セキュリティ:C- (2023年度評価)116

  • MSCI ESGレーティング:AA (2024年)116

  • Sustainalytics ESGリスクレーティング:17.2 (Low Risk)(最終フルアップデート:2024年4月、最終更新:2024年5月)102。マネジメントスコア:Strong、エクスポージャー:Medium。

Fuyo General Lease (FGL)

  • CDP 気候変動:Aリスト選定企業として言及あり 125、ただし、A/A-レベル達成が2026/2029年の目標(SPT)とも読み取れる記述もあり 99、最新の確定スコアは要確認。

  • MSCI ESGレーティング:提供情報なし。

  • Sustainalytics ESGリスクレーティング:26.3 (Medium Risk)(最終フルアップデート:2023年1月)125。マネジメントスコア:Average、エクスポージャー:Medium。

MHCのベンチマーキング上の位置づけ

MHCのCDPスコア(B)は、ORIX、TC、SMFGといった主要な競合他社と同水準であるが、FGL(Aリストの可能性あり)には劣後する可能性がある。Sustainalyticsのスコア(24.6 Medium Risk)は、ORIX(19.7 Low)やTC(17.2 Low)と比較してESGリスクが高いことを示唆しており、SMFG(20.2 Medium)よりも若干高い。FGLのスコア(26.3 Medium)はMHCよりわずかにリスクが高い。MHC単独での明確なMSCIレーティングが不明なため、直接比較は困難である。総じて、入手可能なスコアに基づくと、MHCはこの競合グループの中で中位からやや遅れをとっているように見受けられる。

評価機関による評価の相違

FGLの事例(CDP Aリストの可能性 vs. Sustainalytics Medium Risk)に見られるように、評価機関によって評価が異なる可能性がある点に注意が必要である。これは、各機関が異なる方法論や重点項目を用いているためであり、単一のスコアのみに依存することは、全体像を見誤る可能性があることを示唆している。例えば、CDPは環境情報の開示と行動に特化しているのに対し、Sustainalyticsはより広範なESGリスクを評価対象としている。したがって、企業のESGパフォーマンスを包括的に理解するには、複数の評価結果とその根拠となるデータを考慮することが重要である。

7. 現状の課題と戦略的提言

これまでの分析に基づき、MHCが環境分野で直面している主要な課題を特定し、さらなるパフォーマンス向上と持続的な成長に向けた戦略的な提言を行う。

7.1. 特定された課題

Scope3排出量の管理と目標設定

事業の特性上、重要性が高いと考えられるScope3排出量、特にカテゴリー15(投融資)について、グループ全体での明確かつ野心的な削減目標が欠如している点(上記2.2参照)。顧客排出量の測定と削減への影響力行使は依然として大きな課題である。

生物多様性戦略と情報開示

競合他社の動向や社会的な期待の高まりと比較して、生物多様性に関する具体的な取り組み、リスク評価(TNFD整合性)、詳細な情報開示が不足している点(上記2.4参照)。明確なMHCとしての貢献を示さないまま、グループ全体の活動に依存している可能性がある。

ESGレーティングのパフォーマンス

現在のESGスコア(特にSustainalyticsのMedium Risk評価)が、ORIXやTCといった主要な競合他社に比べて見劣りする点(上記6.2参照)。これは投資家の認識や資金調達コストに影響を与える可能性がある。Sustainalyticsによる「Average」というマネジメントスコア 121 の背景要因を理解する必要がある。

目標達成に向けたモメンタム維持

Scope1および2排出量削減は進捗しているものの、2030年目標(-55%)達成のためには、削減ペースを加速させる必要がある(現状-41.8%)33

グローバルな連携

多様なグローバル拠点全体で、環境イニシアチブの一貫した実施と報告体制を確保すること(4 から示唆される課題)。

7.2. 改善に向けた提言

Scope3戦略の策定と開示

  • Scope3排出量、特にカテゴリー15(投融資)について、科学的根拠に基づいた野心的な削減目標を設定・公表する。NZBAやPCAFといったイニシアチブへの参加も検討する 1

  • 投融資排出量の測定能力を強化する(ゼロボード等とのパートナーシップを活用 3)。

  • 顧客エンゲージメント戦略を明確化し、顧客の脱炭素化支援策(グリーンファイナンス商品やアドバイザリーサービス等)と連携させる 6

生物多様性アプローチの強化

  • MHC独自の生物多様性方針と行動計画を策定し、TNFDフレームワークとの整合性を図る。

  • MHCがファイナンスする主要セクターにおける生物多様性リスク・依存度評価を実施する。

  • サステナブルファイナンス・フレームワーク 4 やESRMプロセスに、生物多様性への配慮を明示的に組み込む。

  • 生物多様性に関する具体的な取り組みや指標に関する透明性を高め、報告を充実させる。MHCの事業活動に関連する保全プロジェクトでのパートナーシップを模索する。グループ内の知見を活用する 55

ESG情報開示とエンゲージメントの強化

  • ESG評価機関(MSCI、Sustainalytics等)と積極的に対話し、評価の背景を理解し、弱点とされる領域(例: Sustainalyticsの「Average」マネジメントスコア 121)に対処する。

  • 可能であればMHC単独のMSCIレーティングを公表するか、グループ評価への依存関係を明確にする。

  • Scope3、資源循環指標(廃プラ以外)、生物多様性に関する取り組み等について、報告の粒度を高める。統合報告のさらなる改善も検討する 29

脱炭素化取り組みの加速

  • 残存するScope1および2排出源、特にエネルギー多消費分野における脱炭素化に向けた具体的なロードマップを策定する(ORIXの事例 35 等を参考に)。

  • グローバル拠点全体での再生可能エネルギー利用拡大を継続する 33

サーキュラーエコノミーの強みの活用

  • 再リースや中古機器販売といった中核的な循環型事業活動による環境便益(GHG削減効果、資源節約効果等)を定量化し、報告する 49

  • 廃プラスチック以外の、より広範な資源循環目標の設定を検討する。

戦略的整合性の機会

特定された課題、特にScope3と生物多様性への対応は、MHCが掲げるマテリアリティ(「脱炭素社会の推進」「サーキュラーエコノミーの実現」5)や事業機会(グリーンファイナンス、顧客ソリューション 4)と直接的に整合する。これらの分野を強化することは、単なるリスク軽減やコンプライアンス対応に留まらず、サステナビリティを重視する市場におけるMHCの戦略的ポジショニングと価値提案を強化することにつながる。したがって、これらの提言は是正措置であると同時に、戦略的な補強策でもある。

8. 結論

本レポートでは、三菱HCキャピタル株式会社(MHC)の環境分野における取り組みを、「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の3つの側面から包括的に分析した。

8.1. 主要な分析結果の要約

MHCは、Scope1および2排出量削減目標の設定と進捗、リース事業と一体化した資源循環活動の推進、グリーンファイナンスの積極的な活用といった点で強みを持つ。特に、資源循環に関しては、再リースや中古機器販売を通じて、ビジネスモデル自体がサーキュラーエコノミーに貢献する構造となっている。また、パートナーシップを活用した環境ソリューションの提供も活発である。

一方で、課題も存在する。事業特性上重要となるScope3排出量(特に投融資)に関するグループ全体の明確な削減目標設定と戦略開示、生物多様性に関する具体的な戦略・行動計画・情報開示は、競合他社や社会的な期待と比較して改善の余地がある。ESG評価機関によるスコアも、一部競合に比べてやや低い水準に留まっている。

8.2. 戦略的展望

MHCは、リース・金融セクターにおけるその地位を活かし、自社の事業活動とファイナンス活動を通じて、環境に対して大きなインパクトを与える潜在力を持っている。特定された課題、特にScope3排出量管理と生物多様性への対応を強化することは、リスク耐性を高め、ステークホルダーの期待に応え、市場機会を捉える上で不可欠である。本レポートで提示された提言を実行に移すことで、MHCは環境パフォーマンスを向上させ、その環境スコアを高め、サステナビリティ分野におけるリーダーシップを確立する可能性がある。環境への取り組みを、リスク管理だけでなく、中核的な事業戦略と価値創造の機会として捉え、継続的に強化していくことが、同社の持続的な成長にとって極めて重要となるであろう。

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