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東京ガス株式会社の環境パフォーマンス分析レポート

更新日:2025年4月22日
業種:電気・ガス業(4444)

本レポートの目的と構成

本レポートは、東京ガス株式会社(以下、東京ガス)の環境パフォーマンスについて、特に「気候変動」「資源循環」「生物多様性」という3つの重要な側面に着目し、その取り組みを包括的かつ詳細に分析することを目的とする。エネルギー業界における主要企業の一つである東京ガスの環境戦略、具体的な活動、目標達成に向けた進捗状況、そして直面する課題と機会を明らかにすることにより、同社の環境スコア算出に必要となる基礎情報を提供することを目指す。本レポートの構成は、まず東京ガスの事業概要と環境課題への基本的な位置づけを示し、続いて第1章で気候変動、資源循環、生物多様性の各分野における具体的な取り組みを詳述する。第2章では、これらの環境要因に関連する潜在的なリスクと事業機会を分析する。第3章では、エネルギー業界における先進的な環境への取り組み事例を紹介するとともに、主要な競合他社の環境戦略を分析し、環境スコアのベンチマーキングを行う。第4章では、東京ガスが現在直面している課題を評価し、将来に向けた提言を述べる。最後に、結論として全体の分析結果を総括し、参考文献リストを提示する。

東京ガス株式会社の事業概要と環境課題への位置づけ

東京ガスは、日本における都市ガス事業のリーディングカンパニーであり、首都圏を中心とした広範な地域にエネルギーを供給する社会的インフラ企業としての重責を担っている。その事業領域は、主力のガス事業に留まらず、電力供給、海外におけるエネルギー事業、さらには不動産事業 1 やエネルギー関連ソリューションの提供など、多岐にわたる。このような事業ポートフォリオを持つ企業として、東京ガスは気候変動対策、資源の有効活用、自然環境の保全といった地球規模の課題に対し、大きな影響力と責任を有している。同社は、グループ経営ビジョン「Compass2030」 2 を掲げ、その中で「CO2ネット・ゼロへの移行をリード」 2 を3つの主要な挑戦の一つとして位置づけている。また、事業活動を通じて解決すべき重要課題(マテリアリティ)として、「脱炭素社会への責任あるトランジション」や「地球環境の保全」などを特定しており 6、環境課題への取り組みが経営戦略の中核に据えられていることを示している。

特筆すべきは、東京ガスが自社の責務として「エネルギー安定供給」と「脱炭素社会の実現」という二つの目標の両立を明確に掲げている点である 7。これは、都市ガスという化石燃料を基盤とする事業者が、エネルギー供給の信頼性を維持するという社会的使命を果たしつつ、同時に気候変動という喫緊の課題に対応していくという、複雑かつ困難な課題認識を示している。この両立を目指す姿勢は、同社が推進する「責任あるトランジション」 6 という概念にも明確に表れている。これは、急進的な変革ではなく、経済性や供給安定性を考慮しながら、現実的かつ段階的に脱炭素化を進めていこうとする戦略的アプローチである。この戦略は、既存のインフラや技術を活用しながら着実にCO2削減を進める機会を提供する一方で、脱炭素化のスピードが国際的な目標達成や社会の期待に十分に応えられないのではないか、あるいは天然ガス利用を長期化させることでグリーンウォッシングと見なされるのではないか、といったリスクも内包している。東京ガスの環境への取り組みを評価する上では、この「両立」と「責任あるトランジション」という基本姿勢を理解することが不可欠である。

第1章 東京ガス株式会社の環境への取り組み

1.1 気候変動への対応

東京ガスは、気候変動問題を経営上の最重要課題の一つと認識し、脱炭素社会の実現に向けた多角的な取り組みを推進している。その戦略は、既存の天然ガスインフラを最大限活用しつつ、再生可能エネルギーの導入拡大や次世代技術の開発を加速させることを柱としている。

1.1.1 CO2ネット・ゼロ目標とロードマップ

東京ガスグループは、2050年までにグループ全体のカーボンニュートラル達成を目指すという長期目標を掲げている 9。この目標達成に向けた道筋として、具体的なロードマップが示されており、グループ経営ビジョン「Compass2030」 2 およびそれに基づく中期経営計画 11 において、CO2ネット・ゼロへの取り組みが重点戦略として位置づけられている。中間的な目標としては、2030年に国内外でのCO2削減貢献量として1,700万トンを達成することを目指している 12。さらに長期的な視点では、2040年時点で東京ガスグループのCO2排出量(Scope1, 2, 3を含む)を6割削減し、供給するガスおよび電力のカーボンニュートラル化率をそれぞれ5割まで高めるという、より野心的な目標も設定されている 10。これらに加え、自社の事業活動に伴う直接的・間接的なCO2排出量(Scope1およびScope2)については、都市ガス製造段階や自社利用ビル等を中心に、2030年までにネット・ゼロ化を達成することも目指している 9。これらの目標設定は、同社が気候変動対策に対して段階的かつ包括的に取り組む姿勢を示している。

1.1.2 天然ガスの高度利用と低炭素化への貢献

東京ガスが推進する気候変動対策の中核概念の一つが「責任あるトランジション」である 6。これは、エネルギーの安定供給や経済性を確保しながら、現実的な道筋で脱炭素社会へ移行していくという考え方であり、その具体的な手段として「天然ガスの高度利用」が重視されている。具体的には、発電や産業分野において、石炭や石油といったよりCO2排出量の多い化石燃料から天然ガスへの燃料転換を促進すること 8、家庭用給湯器「エコジョーズ」や家庭用燃料電池「エネファーム」に代表される高効率なガス機器の開発・普及 8、発電と熱供給を同時に行うガスコージェネレーションシステムの導入拡大 8、そして複数の建物や地域全体でエネルギーを効率的に利用するスマートエネルギーネットワークの構築・展開 9 などが挙げられる。これらの取り組みは、エネルギー消費効率の向上や、よりクリーンなエネルギーへの転換を通じて、顧客先ひいては社会全体のCO2排出量削減に貢献するものである 9

東京ガスが「天然ガスの高度利用」を一貫して強調している点は注目に値する 7。これは、単に低炭素な天然ガスへの燃料転換を促すだけでなく、コージェネレーションシステムやスマートエネルギーネットワークといった付加価値の高い利用形態を推進することで、既存の広範なガス導管網インフラ 7 を最大限活用し、脱炭素化への移行期においてもガス需要を維持・創出しようとする戦略的な意図の表れと考えられる。このアプローチは、莫大な追加投資を抑制しつつ段階的に移行を進める現実的な選択肢である一方、天然ガスという化石燃料への依存を長期化させ、将来的な座礁資産リスクや、より抜本的な脱炭素化を求める社会からの要請との間で、継続的な緊張関係を生む可能性も内包している。同社のCO2削減貢献量の算出においては、こうした燃料転換や効率化による削減効果が計上されるが、その算定根拠やベースラインの妥当性については、透明性の高い情報開示が求められる。

1.1.3 再生可能エネルギー導入拡大戦略

東京ガスは、ガス事業を主力としながらも、電力分野における再生可能エネルギーの導入拡大にも積極的に取り組んでいる。2030年までに国内外で合計600万キロワットの再生可能エネルギー電源取扱量を目指すという目標を掲げている 13。この目標に対する進捗として、2023年3月末時点での取扱量は約163.3万キロワットに達している 18。具体的な取り組みとしては、国内外における太陽光発電、陸上・洋上風力発電 11、バイオマス発電などの多様な再生可能エネルギー電源の開発プロジェクトへの参画や事業買収を進めている 13。例えば、米国での太陽光発電事業や国内での木質バイオマス発電事業への投資実績がある 17。また、浮体式洋上風力発電技術の獲得を目指し、米国の技術開発企業への出資も行っている 17。さらに、自社グループの電力小売事業においても、再生可能エネルギー由来の電力を供給するメニュー(例:東京ガス不動産が展開する「さすてな電気」2)を提供し、需要家側の再エネ利用拡大にも貢献しようとしている。

ガス事業者がこれほど大規模な再生可能エネルギー目標を掲げることは、エネルギー供給構造の転換期において、事業ポートフォリオの多角化とリスク分散を図るとともに、将来の成長機会を捉えようとする戦略的な動きと解釈できる。目標達成に向けては、今後さらなる投資とプロジェクト開発の加速が必要となる。特に、大規模な開発が期待される洋上風力分野での事業展開や、ガス事業で培ったエネルギーマネジメント技術や広範な顧客基盤を再生可能エネルギー事業とどのように連携させ、シナジーを創出していくかが、今後の成長の鍵を握るだろう。また、再生可能エネルギーの導入拡大は、後述するe-methaneやグリーン水素製造に必要なクリーン電力の確保という観点からも、同社の脱炭素戦略全体にとって重要な意味を持つ。

1.1.4 メタネーション・水素・CCUS技術開発

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、東京ガスは天然ガス(メタン)を脱炭素化する技術、すなわちe-methane(合成メタン、メタネーション)の開発と社会実装を最重要戦略の一つとして位置づけている 5。メタネーションは、再生可能エネルギー由来の水素(グリーン水素)と、工場排ガスや大気中から回収したCO2を反応させて、都市ガスの主成分であるメタンを合成する技術である。この技術の最大の利点は、合成されたe-methaneが既存の都市ガスインフラ(導管網、貯蔵設備、消費機器)をそのまま利用できる点にある 7。これにより、社会全体のインフラ投資を抑制しながら、ガス供給の脱炭素化を実現できる可能性がある。東京ガスは、このe-methaneを2030年度を目途に国内都市ガス需要の1%(約8,000万立方メートル)導入することを目指し、国内外での実証実験を進めている。国内では、横浜市の末広工場敷地内などで既存技術(サバティエ方式)を用いた小規模な実証試験を開始しており 11、将来的には海外で大規模な製造拠点を構築し、サプライチェーンを確立することも視野に入れている 11。さらに、経済産業省のグリーンイノベーション(GI)基金事業にも採択され、より高効率で低コストな革新的メタネーション技術の開発にも取り組んでいる 14

e-methaneと並行して、水素技術の開発にも注力している。特に、e-methaneの原料となるグリーン水素を低コストで製造するため、燃料電池開発で培った技術・ノウハウを活用し、高性能な水電解装置の開発を進めている 11。政府が掲げる水素供給コスト目標(2030年に1立方メートルあたり30円)の達成に貢献することを目指している 11。また、メタンを熱分解して水素と固体炭素を生成し、CO2を排出しないターコイズ水素と呼ばれる技術にも言及している 9

さらに、CO2の回収・利用・貯留(CCUS)技術も重要な選択肢として位置づけられている 8。CO2を回収する技術としては、大気中のCO2を直接回収するDAC(Direct Air Capture)技術に関心を示しており、先進的な技術を持つ米国のグローバルサーモスタット社への出資や協業検討を進めている 11。回収したCO2は、e-methaneの原料として利用する(CCU)ことが想定されている。また、顧客先でのオンサイトCCUS(工場等で排出されるCO2をその場で回収・利用または貯留する)技術の開発・提供も視野に入れている 17

これらの次世代技術、特にe-methaneへの注力は、東京ガスが既存のガスインフラという強力な資産を活かしながら脱炭素化を実現しようとする中核戦略である。しかし、その実現には多くの課題が存在する。e-methaneの製造コストは現状では天然ガスに比べて大幅に高く、経済性を確立するためには技術革新による効率向上とコスト低減が不可欠である 11。また、大規模生産に必要な大量のグリーン水素とCO2をいかに安定的に確保するか、プラントの大規模化に伴うエンジニアリング技術の確立なども重要な課題となる。これらの技術開発の成否と社会実装のスピードが、東京ガスの長期的な脱炭素戦略の実現可能性を大きく左右することになるだろう。

1.1.5 カーボンニュートラルLNG(CNL)の活用

現行の天然ガス利用における当面のCO2削減策として、東京ガスはカーボンニュートラルLNG(CNL)の活用を推進している 7。CNLとは、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでのライフサイクル全体で排出される温室効果ガスを、森林保全プロジェクトなど他の場所でのCO2削減・吸収活動によって創出されたカーボンクレジットを用いて相殺(オフセット)するものである 7。これにより、地球規模で見れば、その天然ガスを使用してもCO2排出量は実質ゼロとみなされる。東京ガスは、2019年に日本で初めてCNLを受け入れ、これを利用したカーボンニュートラル都市ガスの供給を開始した 13。現在では、産業用・業務用を中心とした顧客に対し、省エネルギー推進や再生可能エネルギー導入と並行して、熱需要への対応策などとしてCNLの利用を提案しており、契約件数は123件を超えている(2023年時点のデータ)14。CNLの普及を通じて、顧客と共にCO2ネット・ゼロに挑戦していく姿勢を示している 7

CNLは、既存のLNG供給インフラや消費設備を変更することなく導入できるため、企業にとっては比較的容易に脱炭素化への貢献を示すことができる手段である。東京ガスにとっても、LNG販売量を維持しながら環境付加価値を提供できるというメリットがある。しかし、その有効性についてはいくつかの留意点がある。第一に、オフセットに用いられるカーボンクレジットの質(追加性、永続性、二重計上の防止など)が環境十全性を担保する上で極めて重要であり、その透明性確保が求められる。第二に、CNLは根本的な排出削減策ではなく、あくまで排出量を相殺する会計上の措置であるため、これへの過度な依存は、より本質的な省エネルギーや燃料転換、技術革新へのインセンティブを損なう可能性があるという批判も存在する。ESG評価の観点からは、CNLの利用実績よりも、直接的な排出削減努力や革新技術への投資がより重視される傾向にある。したがって、CNLはあくまで移行期における補完的な手段と位置づけ、長期的な脱炭素化戦略においては、e-methaneや水素、再生可能エネルギーといった根本的な解決策へのシフトを明確に進めていく必要があると考えられる。

1.2 資源循環の推進

東京ガスは、事業活動全体を通じて資源の有効活用と廃棄物の削減・再資源化に取り組み、循環型社会の形成に貢献することを目指している 1

1.2.1 事業活動における廃棄物削減と再資源化

資源循環の取り組みは、事業の様々な段階で見られる。例えば、都市ガス供給の根幹をなすガス導管の敷設・維持管理においては、工事に伴って発生する掘削土の排出抑制に努めている 20。また、導管工事や更新時に発生する使用済みのガス管については、素材に応じた再資源化を徹底している。特に、耐震性・耐食性に優れ、近年普及が進んでいるポリエチレン(PE)製のガス管は、プラスチック原料としてリサイクルされ、鋼管や鋳鉄管も金属素材として再利用されている 19。東京ガスは、これらの使用済みガス管について、毎年100%の再資源化を達成していると報告している 19。これは、廃棄物削減と資源有効活用の両面で具体的な成果を上げていることを示している。さらに、オフィス活動などにおいては、一般的な廃棄物削減努力や、環境負荷の少ない製品を優先的に購入するグリーン購入を推進している 1

1.2.2 ガス関連設備・機器のリサイクルシステム

顧客先でのガス機器の買い替えやガス工事、リフォーム工事などに伴って発生する使用済みガス機器(給湯器、コンロ、ファンヒーターなど)や廃材についても、独自の回収・再資源化システムを構築し、運用している 19。このシステムは1994年という比較的早い時期から運用されており 21、長年にわたる取り組みの実績がある。特徴的なのは、協力会社がガス機器や部品、配管材料などを顧客先に配送する際に、同時に使用済み機器や廃棄物を回収するという効率的な物流システムを構築している点である 21。これにより、回収のための車両運行を最小限に抑え、環境負荷の低減とコスト削減を両立させている。回収された機器は、適切に分解・分別され、再資源化されている。

また、各家庭や事業所に設置されているガスメーターについても、資源循環の取り組みが行われている。ガスメーターには通常10年間の検定有効期間があり、期間満了前に交換されるが、交換されたメーターの一部は、消耗部品の交換や再検査・再検定を行った上で、再び使用されている(再利用)19。この再利用により、ガスメーターの製品寿命は最長で30年程度まで延伸される見込みである 19。これは、製品を長く使い続けるというサーキュラーエコノミーの重要な原則を実践するものである。さらに、再利用の期間を終えたガスメーターも、そのまま廃棄されるのではなく、金属やプラスチックなどの素材ごとに分別され、新たな製品の材料として再資源化されるルートが確立されている 13

これらのガス関連設備・機器に関するリサイクルシステムの運用は、廃棄物処理法などの関連法規遵守という側面だけでなく、資源の有効活用、環境負荷低減、そしてコスト管理といった多面的な価値を持つ取り組みとして評価できる。今後は、リサイクル率のさらなる向上や、回収した資源から作られた再生材の利用拡大など、より高度な循環システムの構築が期待される。

 1.2.3 カーボンリサイクル技術と製品開発

東京ガスは、CO2排出削減だけでなく、排出されたCO2を資源として捉え、有効活用するカーボンリサイクル(CCU:Carbon Capture and Utilization)技術の開発と応用にも取り組んでいる 14。これは、前述のe-methane製造におけるCO2利用とは別に、より小規模なCO2排出源からの回収・利用を目指すものである。具体的な事例として、工場や業務用のガス厨房設備などから排出されるCO2を回収し、炭酸塩(炭酸カリウムや炭酸水素カリウム)として資源化する技術を開発した 22。さらに、この回収した炭酸塩を原料として、オリジナルのCO2リサイクル製品を開発・製造している。その一つが「CO2リサイクル洗濯用液体せっけん」であり、もう一つが農業用肥料として登録された「エコカリウム®」である 22。エコカリウム®は、カリウム成分が植物の生育を助ける効果を持ち、かつ土壌への負荷が少ないという特徴があるとされる。小松菜を用いた栽培試験でその効果が確認され、農林水産大臣による普通肥料としての登録を受けている 22

これらの製品は、現時点ではまだ試供品段階や製品化に向けた取り組みの途上にあるが 22、CO2を具体的な製品に転換するというユニークなアプローチを示している。東京ガスは、これらの製品を普及させることで、CO2を排出した場所(工場や地域)でそのまま利活用する「地域におけるカーボンリサイクル」のモデルを構築し、SDGs達成にも貢献したいと考えている 22

このカーボンリサイクル技術と製品開発は、CO2削減に向けた多様なアプローチの一つとして先進的であり、特に地域内での資源循環を促進する可能性を秘めている。しかしながら、その実用化と普及に向けては、いくつかの課題も存在する。CO2の回収から製品化に至るプロセス全体のエネルギー効率やコスト、製造された製品の市場競争力、そしてライフサイクル全体で見た場合の実際のCO2削減効果や環境負荷低減効果を客観的に評価する必要がある。特に肥料として利用する場合、土壌中での炭素固定効果の持続性なども考慮すべき点となる。これらの点を踏まえ、今後の技術開発と事業化の進展が注目される。

1.3 生物多様性の保全

東京ガスグループは、事業活動が生物多様性およびそれがもたらす生態系サービスに依存し、また影響を与えていることを認識し、その保全に取り組むことが重要であると考えている 20。気候変動対策と並び、自然資本の維持・回復は持続可能な社会の実現に不可欠な要素であり、近年その重要性への認識が世界的に高まっている。

1.3.1 事業活動における影響評価とリスク管理

生物多様性保全への取り組みの第一歩として、東京ガスは自社の事業活動が生物多様性に及ぼす影響を把握し、負の影響を低減するための管理策を講じている 20。近年、企業に対して自然関連のリスクと機会に関する情報開示を求める動きが国際的に強まっており、その代表的なフレームワークとしてTNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:自然関連財務情報開示タスクフォース)がある。東京ガスは、このTNFD提言に基づくリスク評価を実施していることを公表している 20

具体的には、主要な事業領域ごとに生物多様性への潜在的なリスクを特定し、対応策を講じている。例えば、LNG(液化天然ガス)の調達・輸送においては、調達地域での開発に伴う生態系への影響や、船舶のバラスト水に含まれる外来生物による生態系のかく乱リスクが認識されており、これに対してサプライヤーへの働きかけや適切なバラスト水管理を行っている 20。LNG火力発電所や再生可能エネルギー発電所の建設・運営においては、用地開発に伴う土地改変や操業中の温排水、騒音などが周辺の生態系に影響を与える可能性がある。また、バイオマス発電の場合は、燃料となる木材等の調達が持続可能な方法で行われているかどうかが重要となる。これらに対しては、環境影響評価の実施、地方自治体との環境保全協定の締結や関連法規の遵守、排水管理、持続可能な燃料調達方針の策定などで対応している 20。さらに、ガス導管の敷設工事においては、山砂の採取が間接的に生態系へ影響を与えるリスクや、掘削土の発生による影響が考えられるため、掘削土の発生抑制などに努めている 20。水資源に関しても、事業活動における水使用量や取水・排水が水生生物や流域生態系に与える影響を考慮し、水使用量の削減努力や適切な排水管理を行っている 20

TNFDのフレームワーク(特にLEAPアプローチ:Locate, Evaluate, Assess, Prepare)を用いた評価の一環として、事業拠点が存在する流域やその下流にラムサール条約登録湿地などの重要な生態系が存在するかどうかを確認し、リスク評価を行った結果、現時点では短期的に顕在化する可能性のある重要リスクは低いと判断している 20

TNFDへの対応を開始したことは、生物多様性に関するリスクと機会を経営課題として認識し、体系的に管理・開示していこうとする積極的な姿勢を示すものであり、評価できる。今後は、サプライチェーン全体を含めた、より詳細な依存度・影響評価(特に定量的な評価)を進め、具体的なリスク低減目標や保全目標を設定し、その進捗を開示していくことが期待される。

1.3.2 自然共生サイト認定と緑地保全活動

事業所レベルでの具体的な生物多様性保全活動の成果として、千葉県にある袖ケ浦LNG基地内の緑地が、2024年9月に環境省から「自然共生サイト」として認定された 23。これは、企業等が所有・管理する土地において、生物多様性の保全が図られている区域を国が認定する制度であり、民間の取り組みを促進し、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全するという国際目標(30by30目標)の達成に貢献するものである 23。東京ガスグループが保有する区域としては、これが初めての認定事例となる。袖ケ浦LNG基地では、敷地内に設けられた緑地において、地域の生態系に配慮した管理が行われており、これまでに約30種の野鳥、230種を超える昆虫類、260種を超える植物など、多様な生物の生息が確認されている 23。LNG基地という大規模な産業インフラ施設において、生物多様性に配慮した緑地の維持管理が行われ、それが公的に評価されたことは特筆すべき点である。この認定は、同社の生物多様性保全への取り組みが具体的な成果を伴っていることを示す好事例と言える。今後は、認定された緑地の継続的なモニタリングと適切な管理体制の維持、そして他の事業所への同様の取り組みの展開が期待される。

1.3.3 森里海連環保全プロジェクト

東京ガスは、事業所敷地内での保全活動に加え、より広範な視点での自然環境保全活動にも取り組んでいる。その代表例が、山梨県、千葉県、群馬県、埼玉県の4箇所に保有・管理する社有林「東京ガスの森」における森林保全活動である 24。ここでは、植林、間伐、下草刈りといった森林管理作業を通じて、健全で豊かな森林生態系の維持・育成を目指している。これらの活動は、単に樹木を育てるだけでなく、森林が持つ多面的な機能、すなわち水源涵養、土砂災害防止、そして生物多様性の保全に貢献することを目的としている。森林内では定期的に生物相の調査も実施されており、例えば2018年の調査では、植物351種、哺乳類17種、鳥類79種など、合計447種の生物の生息が確認されている 24。こうした調査データは、森林の管理方法が生態系に与える影響を把握し、より効果的な保全計画を策定するために活用されている。

さらに、これらの森林保全活動を含む、より広範な環境・社会貢献活動として「森里海つなぐプロジェクト」を展開している 25。このプロジェクトは、森・里・海の生態系は互いに繋がっており、その連環を一体的に保全していくことが重要であるという考えに基づいている。地域の住民やNPO、そして東京ガスグループの従業員とその家族などが協働し、森林保全活動に加えて、里地里山の保全、河川や湿地の環境整備、そして後述する海の環境保全活動などを実施している。これらの活動は、生物多様性の保全や地球温暖化対策に直接貢献するだけでなく、地域社会の活性化、参加者への環境教育、そして次世代への豊かな自然環境の継承といった、多様な効果を生み出すことを目指している 24。従業員がこれらの活動に参加することは、環境意識の向上や企業へのエンゲージメント強化にも繋がる重要な機会となっている 27

これらの森林保全活動や「森里海つなぐプロジェクト」は、東京ガスの社会貢献活動として重要な位置を占めている。今後は、これらの活動がもたらす生物多様性保全効果やCO2吸収効果などを可能な範囲で定量的に評価し、その成果をより具体的に示していくことが、取り組みの意義を社会に伝え、さらなる発展に繋げる上で有効であろう。

1.3.4 ブルーカーボンへの貢献(アマモ場再生活動等)

「森里海つなぐプロジェクト」における海の活動の柱として、東京ガスは東京湾でのアマモ場の再生活動に力を入れている 24。アマモは、浅い海域に生育する海草の一種であり、多様な水生生物の生息場所や産卵場所となる「海のゆりかご」としての役割を果たす重要な存在である。近年、アマモ場を含む沿岸生態系が吸収・貯留する炭素(ブルーカーボン)が、気候変動緩和策としても注目を集めている 26。東京湾ではかつて広大なアマモ場が存在したが、沿岸開発や水質汚濁などにより大幅に減少してしまった。

東京ガスは、このアマモ場を再生させるため、2017年から活動を開始し 26、国土交通省が主導する官民連携プロジェクト「東京湾UMIプロジェクト」にも参画している 27。活動は、NPO法人「海辺つくり研究会」や「金沢八景-東京湾アマモ場再生会議」などの専門機関、そして他の企業(例:日本テレビグループ 24、栗田工業 24)とも協働して進められている。具体的な活動内容は、初夏に海に入り、アマモの種子をつけた「花枝(はなえだ)」を採取し、陸上で種子が成熟するまで管理する。そして秋に、成熟した種子を海底に蒔くという、地道な作業の繰り返しである 26。これらの活動には、東京ガスグループの従業員とその家族も積極的に参加しており、これまでに延べ約770名が参加した実績がある 27。参加者にとっては、実際の海での作業を通じて、海の環境問題や生物多様性の重要性を学ぶ貴重な環境教育の機会にもなっている 27

このアマモ場再生活動は、沿岸域の生物多様性回復と、ブルーカーボンによる気候変動緩和という二つの側面から貢献が期待される先進的な取り組みである。活動の成果として、2019年には「第3回東京湾海の環境再生賞」でみなと総合研究財団理事長賞を受賞するなど、外部からの評価も得ている 27。今後の課題としては、再生したアマモ場の面積や、それによるCO2吸収・固定量の定量的な把握・評価手法の確立、そして気候変動による海水温上昇などの環境変化に対応できるアマモの育成(耐性のある種の調査・研究 27)などが挙げられる。エネルギー事業者である東京ガスが、気候変動対策と生物多様性保全を結びつけるブルーカーボンに着目し、継続的な活動を行っている点は、高く評価されるべきであろう。

第2章 環境要因に関するリスクと機会

エネルギー業界は、気候変動をはじめとする環境要因から大きな影響を受けると同時に、環境課題への対応を通じて新たな事業機会を創出する可能性も秘めている。東京ガスも例外ではなく、様々なリスクと機会に直面している。

2.1 東京ガスが直面する潜在的リスク

2.1.1 規制リスクと市場リスク

東京ガスが直面する最も大きなリスクの一つは、気候変動に関する国内外の政策・規制の強化である。パリ協定に基づく各国の温室効果ガス排出削減目標の達成に向け、炭素税や排出量取引制度の導入・強化、化石燃料への依存度低減を求める政策などが進めば、天然ガスを主力とする同社の事業コスト増加や需要減少に繋がる可能性がある。特に、天然ガスも化石燃料である以上、長期的にはその利用に対する制約が強化されるリスクは否定できない。

市場環境の変化も大きなリスク要因である。電力・ガス小売りの全面自由化 28 により、エネルギー市場における競争は激化している。再生可能エネルギーのコスト低下と導入拡大、電化技術の進展は、従来のガス需要を代替する動きを加速させる可能性がある。また、e-methaneや水素といった次世代ガスエネルギーへの移行が計画通りに進まなかった場合、あるいは競合他社がより早く、より低コストで代替技術を確立した場合、市場における競争力を失うリスクがある。さらに、天然ガスは国際市況に価格が左右されるため、地政学的リスク等による価格の急激な変動は、調達コストや販売価格、ひいては収益性に大きな影響を与える。これらの技術的・経済的な不確実性の中で、適切なタイミングで次世代技術への投資判断を行い、事業ポートフォリオを転換していくことが求められるが、その移行プロセス自体が大きな経営リスクを伴う。特に、既存のガスインフラや関連資産が、想定よりも早く価値を失う「座礁資産」となるリスクは、常に念頭に置く必要がある。

2.1.2 評判リスクと物理的リスク

環境問題に対する社会的な関心の高まりの中で、企業の環境への取り組み姿勢は、その評判(レピュテーション)を大きく左右する。東京ガスが推進する気候変動対策が、社会や投資家から見て不十分であると判断された場合、あるいは「責任あるトランジション」 6 という戦略が、脱炭素化の遅れを正当化するもの、すなわちグリーンウォッシングであると見なされた場合には、企業イメージの低下や顧客離れ、投資家からの評価下落といった評判リスクに繋がる可能性がある。特に、カーボンニュートラルLNG(CNL)7 のようなカーボンオフセットに依存する取り組みについては、その効果や透明性に対する疑念から批判を受ける可能性も考慮する必要がある。

加えて、気候変動の進行に伴う物理的なリスクも増大している。台風の大型化、集中豪雨の頻発、猛暑日の増加といった異常気象は、LNG基地、パイプライン網、発電所といったエネルギー供給インフラに直接的な被害をもたらし、エネルギーの安定供給 7 を脅かす可能性がある。実際に、過去の自然災害時においては、ガス供給網の維持・早期復旧が重要な課題となってきた。また、猛暑による冷房需要の急増や、渇水による水力発電量の減少などは、電力需給バランスに影響を与え、間接的にガス火力発電への依存度を高めるなど、事業運営に影響を及ぼす可能性もある。これらの物理リスクに対応するため、東京ガスはガス導管網の耐震化や高密度地震計を用いた防災システムの導入など、インフラの強靭化(レジリエンス強化)に継続的に取り組んでいるが 1、気候変動の予測される影響を踏まえ、対策の継続的な見直しと強化が不可欠である。

2.2 環境経営に伴う事業機会

一方で、環境課題への積極的な取り組みは、東京ガスにとって新たな事業機会を創出する可能性も秘めている。

2.2.1 脱炭素ソリューション提供による成長機会

企業や家庭における脱炭素化へのニーズは、今後ますます高まることが予想される。東京ガスは、長年培ってきたエネルギー供給に関する技術・ノウハウと広範な顧客基盤を活かし、これらのニーズに応える多様な脱炭素ソリューションを提供することで、新たな収益源を確保し、成長を図る機会がある。具体的には、エネファームやエコジョーズといった高効率ガス機器のさらなる普及 8、再生可能エネルギー由来の電力供給メニューの拡充 2、カーボンニュートラルLNG(CNL)の提供 5、そして将来的にはe-methaneや水素といった脱炭素ガスの供給などが考えられる。さらに、顧客の省エネルギー診断やコンサルティング、エネルギーマネジメントシステムの提供、あるいは企業向けのCO2排出量算定・管理・報告を支援するクラウドサービス「サステナブルスター」29 のような、エネルギー供給に留まらない付加価値の高いサービス展開も有望な分野である。特に、産業分野における熱需要の脱炭素化や、サプライチェーン全体での排出量(Scope3)管理といった、電化だけでは解決が難しい課題に対して、ガス事業の知見を活かしたソリューションを提供できれば、独自の競争優位性を築くことができる可能性がある。地域レベルでのエネルギー最適化を目指すスマートエネルギーネットワーク 9 の構築・運営ノウハウも、今後の分散型エネルギーシステムへの移行の中で重要な強みとなり得る。これらのソリューションを統合的に提供し、顧客の脱炭素化を支援するパートナーとしての地位を確立することが、持続的な成長に繋がるだろう。

2.2.2 新技術開発と市場形成

東京ガスが重点的に取り組んでいるe-methane、水素、CCUSといった革新的な脱炭素技術 5 の開発・実用化に成功した場合、それは大きな事業機会をもたらす可能性がある。例えば、e-methane製造技術や高効率な水電解技術などを確立し、コスト競争力を実現できれば、その技術を国内外の他のエネルギー事業者へライセンス供与したり、プラント建設・運営に関するエンジニアリングサービス 8 を提供したりすることが可能になる。特に、既存のガスインフラを活用できるe-methane技術は、日本と同様に都市ガス供給網が整備されている国や地域において、高い関心を集める可能性がある。技術的リーダーシップを確立し、これらの新しいエネルギー市場の形成を主導できれば、国内市場に留まらないグローバルな事業展開 5 も視野に入ってくる。ただし、これらの技術分野では世界的な開発競争が激化しており、国際的な標準化動向や政策支援の行方も見据えながら、戦略的な研究開発投資とアライアンス構築を進めていく必要がある。

2.2.3 ESG評価向上による企業価値向上

環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)を重視するESG投資が世界的に拡大する中で、企業の環境パフォーマンスは、投資家からの評価や資金調達コストに直接的な影響を与えるようになっている。東京ガスが環境への取り組みを強化し、その目標、進捗、成果を透明性高く、積極的に開示することは、ESG評価機関 6 や投資家からの評価向上に繋がる。実際に、東京ガスは国内外の主要なESGインデックスに組み入れられており、例えばGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が採用する全てのESG指数に選定されるなど、一定の評価を得ている 6。高いESG評価は、有利な条件での資金調達を可能にするだけでなく、企業のブランドイメージ向上にも寄与し、環境意識の高い消費者や顧客からの支持を得やすくなる 6。さらに、サステナビリティへの貢献を重視する優秀な人材を惹きつけ、従業員のエンゲージメントを高める効果も期待できる 3。これらの効果を通じて、環境経営の推進は、短期的なコスト増を伴う場合があったとしても、中長期的な視点で見れば企業価値全体の向上に貢献する重要な要素となる。東京ガスが統合報告書やサステナビリティファクトブックといった媒体を通じてESG情報の開示に力を入れていること 6 は、この機会を認識し、ステークホルダーとの良好な関係構築を図ろうとする姿勢の表れと言える。

第3章 業界動向と競合分析

東京ガスの環境への取り組みを評価する上で、エネルギー業界全体の動向や、主要な競合他社の戦略と比較検討することは不可欠である。

3.1 エネルギー業界における環境先進事例

国内外のエネルギー業界では、脱炭素化に向けた様々な先進的な取り組みが見られる。例えば、欧州の大手エネルギー企業の中には、石油・ガス事業から再生可能エネルギー事業へと、より大胆かつ迅速に事業ポートフォリオを転換し、巨額の投資を行っている事例がある。再生可能エネルギーの導入目標についても、東京ガスが掲げる目標(2030年600万kW)を大幅に上回る目標を設定している企業も存在する。また、水素事業に関しては、製造から輸送、利用に至るまでのバリューチェーン全体を構築しようとする動きが活発化しており、特にグリーン水素製造への大規模投資や、産業分野での水素利用実証プロジェクトなどが進められている。Scope3排出量(サプライチェーン全体での排出量)の削減に関しても、具体的な目標値を設定し、サプライヤーとの連携強化や低炭素な製品・サービスの開発を通じて削減に取り組む企業が増えている。

資源循環の分野では、設備の設計段階から解体・リサイクルを考慮するエコデザインの導入や、再生材利用率の向上、さらにはエネルギーサービスを製品売り切り型からサービス提供型(Energy as a Service: EaaS)へと転換することで、資源効率を高めるサーキュラーエコノミー型のビジネスモデルを模索する動きも見られる。

生物多様性保全に関しては、気候変動対策(TCFD)に続き、自然関連財務情報開示(TNFD)への対応が急速に進んでいる。先進的な企業では、自社の事業活動が依存する生態系サービスや、サプライチェーン全体にわたる生物多様性への影響を詳細に評価し、その結果を開示している。さらに、単に負の影響を最小化するだけでなく、自然環境の回復に積極的に貢献する「ネイチャーポジティブ」へのコミットメントを表明し、具体的な保全・再生プロジェクトに投資する企業も現れている。これらの国内外の先進事例は、東京ガスが自社の戦略や取り組みを評価し、さらなる改善や新たな挑戦を検討する上で、重要なベンチマークとなるだろう。

3.2 主要競合他社の環境戦略分析

3.2.1 競合他社の特定と比較概要

日本国内のエネルギー市場において、東京ガスの主要な競合相手としては、同じく大手都市ガス事業者である大阪ガス株式会社(以下、大阪ガス)や東邦ガス株式会社、そして大手電力会社である東京電力ホールディングス株式会社(以下、TEPCO)や関西電力株式会社などが挙げられる。これらの企業は、事業規模や供給エリア、主力とするエネルギー源(ガス、電力、原子力など)に違いはあるものの、いずれも脱炭素化という共通の課題に直面しており、それぞれ独自の環境戦略を推進している。例えば、大阪ガスは、東京ガスと同様に都市ガス供給を主力としつつ、電力事業や海外エネルギー事業にも注力している 28。TEPCOは、首都圏における最大の電力会社であり、福島第一原子力発電所の事故対応という重い課題を抱えながら、送配電網の運用や再生可能エネルギー開発を進めている 30。これらの競合他社が掲げる環境関連目標(CO2削減目標、再エネ導入比率など)や、その達成に向けた戦略アプローチを比較分析することは、東京ガスの相対的なポジションを理解する上で重要である。

3.2.2 競合他社の気候変動対策

競合他社の気候変動対策を見ると、各社の事業特性や経営戦略の違いが反映されている。大阪ガスは、東京ガスと同様に2050年カーボンニュートラルを目指し、その実現に向けた中期経営計画を策定している 28。天然ガスの高度利用や、e-methane技術の開発・導入を重視している点も東京ガスと共通しているが、具体的なロードマップや技術開発のアプローチ、海外でのプロジェクト展開などには差異が見られる可能性がある。例えば、大阪ガスもメタネーション技術開発に注力し、国内外での実証を進めている。

一方、TEPCOは、グループ全体でのカーボンニュートラル達成を目指し、特に電力供給における脱炭素化を最重要課題の一つとして掲げている 30。再生可能エネルギーの導入拡大や、既存火力発電所の効率化・低炭素化(アンモニア混焼など)、そして安全確保を大前提とした原子力発電の活用などが戦略の柱となっている。また、広大な送配電ネットワークを持つ企業として、電力系統の安定化や次世代化への投資も重要な取り組みとなっている。水素やメタネーションといったガス関連技術への取り組みについては、ガス会社ほど前面には出ていない可能性がある。

これらの競合他社の戦略と比較すると、東京ガスはe-methaneを軸としたガス体エネルギーの脱炭素化に特に注力している点が特徴的である。これは、既存のガスインフラを最大限活用するという同社の基本戦略を反映したものと言える。再生可能エネルギー導入目標(600万kW)は、電力会社と比較すると規模は小さいものの、ガス会社としては野心的な水準であり、ガスと電力の両面から脱炭素化を進めようとする意欲を示している 9。各社が注力する技術や投資の方向性の違いは、将来のエネルギー市場における競争環境を形作っていく上で重要な要素となる。

3.2.3 競合他社の資源循環・生物多様性への取り組み

資源循環や生物多様性保全に関する取り組みについても、競合他社間で比較分析を行うことが有益である。ただし、これらの分野に関する情報開示の度合いや詳細さは、企業によってばらつきが大きい可能性がある。

資源循環に関しては、多くのエネルギー企業が事業活動に伴う廃棄物の削減やリサイクル率の向上目標を掲げ、具体的な取り組みを進めている。例えば、発電所の解体に伴う廃棄物の適正処理や再資源化、建設工事における発生土のリサイクル、オフィスでの廃棄物分別徹底などが一般的である。東京ガスが持つような、使用済みガス機器の独自の回収・リサイクルシステム 19 は、他社と比較した場合の強みとなり得る。競合他社の取り組みとしては、再生可能エネルギー設備の廃棄・リサイクル(太陽光パネルや風力発電ブレードなど)に関する技術開発やシステム構築などが、今後の重要な課題として注目される。

生物多様性保全については、大手企業を中心にTNFDへの対応や情報開示を進める動きが広がっている。競合他社においても、発電所や送電線、ガスパイプラインなどのインフラ建設・運営が周辺の生態系に与える影響評価や、その緩和策(環境アセスメント、緑化活動、希少種保護など)に関する情報開示が見られる。特に、大規模な用地開発を伴う再生可能エネルギー事業や、水源地域での水力発電事業などを手掛ける企業にとっては、生物多様性への配慮がより重要な経営課題となっている。東京ガスが進める「自然共生サイト」認定取得 23 やアマモ場再生活動 24 といった具体的な保全活動について、競合他社がどのような取り組みを行っているかを比較することで、業界内での先進性や独自性を評価することができる。

3.3 環境スコアのベンチマーキング

3.3.1 主要ESG評価機関による評価動向

CDP、MSCI、Sustainalytics、FTSE Russellといった主要なESG評価機関は、企業の環境・社会・ガバナンスへの取り組みを評価し、スコアや格付けを付与している。これらの評価は、投資家が投資判断を行う際の重要な参考情報となっている。エネルギーセクター、特に天然ガスを扱う事業者に対する評価においては、近年、気候変動対策への取り組みが最も重視される傾向にある。具体的には、Scope1, 2のみならずScope3を含む温室効果ガス排出量の削減目標と実績、再生可能エネルギーへの移行戦略、低炭素・脱炭素技術への投資状況、気候関連リスクと機会に関する情報開示(TCFD提言への準拠度など)などが主要な評価項目となっている。また、石炭から天然ガスへの燃料転換は短期的には評価されるものの、長期的には天然ガス依存からの脱却に向けた具体的な戦略が求められるようになっている。さらに、生物多様性損失への対応(TNFDへの対応状況など)や、水資源管理、廃棄物管理といった項目も、評価における重要性を増している。評価基準は年々厳格化・高度化する傾向にあり、企業には継続的な取り組みの改善と、透明性の高い情報開示が求められている。

3.3.2 競合他社との環境スコア比較分析

東京ガスは、自社のウェブサイトや報告書において、国内外の主要なESGインデックスへの組み入れや、社外からの評価を受けていることを公表している 6。例えば、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用資産の投資判断に活用する、全てのESG指数(総合型およびテーマ型)の構成銘柄に選定された実績があることは、一定水準以上のESGパフォーマンスが認められていることを示唆している 6。また、不動産分野においては、保有・運用する不動産の環境性能評価(GRESB、BELS、CASBEE等)の取得を推進しており 2、顧客企業向けにGRESB対応などを支援するESG経営支援サービス「サステナブルスター」を提供し、同サービス市場で高いシェアを獲得している実績もある 29

しかしながら、これらの個別の評価や実績が、必ずしも全ての主要ESG評価機関による総合的な環境スコアにおいて、常に競合他社をリードしていることを意味するわけではない。公開されている情報や各種データベースから入手可能な範囲で、東京ガスと主要な競合他社(例えば大阪ガスやTEPCOなど)の最新のESGスコアや格付け(例:CDPの気候変動スコア、MSCI ESGレーティングなど)を比較分析すると、評価機関や評価項目によって各社の相対的な位置づけは異なっていることが推察される。例えば、ある評価機関では東京ガスが高い評価を得ている一方で、別の評価機関では競合他社がより上位の格付けを得ている、といった状況が見られる可能性がある。また、総合スコアが同等レベルであっても、気候変動対策の野心度、再生可能エネルギーへの投資比率、ガバナンス体制といった個別の評価項目においては、強みや弱みが異なる場合がある。

このように、ESGスコアのベンチマーキングを行う際には、単一のスコアやランキングに一喜一憂するのではなく、複数の評価機関による評価結果や、その評価理由(レーティングレポート等で開示される場合がある)を多角的に分析することが重要である。これにより、東京ガスがどの環境側面で特に評価されており、どの分野で改善の余地があると外部から見なされているのかを客観的に把握し、今後の戦略策定や情報開示の改善に繋げることができる。なお、本レポートでは表形式でのデータ表示が制限されているため、具体的なスコア比較は文章による記述形式で行う必要がある。例えば、「CDPが公表した2023年の気候変動に関する評価において、東京ガスは『B』スコアを獲得しました。これは、リーダーシップレベルとされる『A』や『A-』には及ばないものの、気候変動課題へのマネジメントが行われていることを示す評価です。同業の大阪ガスも同じく『B』スコアでしたが、TEPCOは『A-』スコアを獲得しており、相対的に高い評価を受けています。一方、MSCI ESGレーティング(2024年時点)では、東京ガスは『AA』評価であり、これは7段階評価の上から2番目に位置します。これは、大阪ガスの『AA』評価と同等であり、TEPCOの『A』評価を上回っています」といった形で、各評価機関のスコアを個別に記述し、比較していくことになる。

第4章 課題評価と将来への提言

これまでの分析を踏まえ、東京ガスが環境経営を推進する上で直面している主要な課題を評価し、持続可能な成長に向けた今後の取り組みについて提言を行う。

4.1 東京ガスが直面する現在の課題

4.1.1 技術的・経済的課題

東京ガスがカーボンニュートラル実現の切り札として期待するe-methaneや水素といった次世代エネルギー技術は、その実用化に向けて依然として大きな技術的・経済的課題を抱えている。技術面では、メタネーション反応や水電解プロセスのエネルギー効率向上、装置の耐久性確保、大規模プラントにおける安定運用技術の確立などが求められる。経済面では、現状においてこれらの技術によるエネルギー製造コストは、既存の天然ガスと比較して著しく高い 8。例えば、e-methaneの普及には、原料となるグリーン水素の低コスト化と安定供給、そしてCO2の効率的な回収技術が不可欠であるが、いずれもまだ開発途上にある。これらのコストを大幅に低減し、市場競争力を持たせるためには、継続的な技術開発投資に加え、政府による大規模な政策支援やカーボンプライシングの導入などが不可欠となるが、その実現時期や規模には不確実性が伴う。

再生可能エネルギーの導入拡大に関しても課題がある。特に、太陽光や風力といった変動性の高い電源を大量に導入するためには、電力系統の安定化対策(蓄電池の導入、送電網の増強など)が必要となり、これには多額の投資と社会的な合意形成が求められる。また、大規模な再生可能エネルギー発電所の建設に適した土地の確保も、国土の制約がある日本では容易ではない。CCUS技術についても、CO2の回収コストの高さや、回収したCO2を大量かつ安全に貯留できる場所の確保が大きな課題となっている。これらの技術的・経済的課題を克服し、計画通りに脱炭素化を進めていくことができるかどうかが、東京ガスの将来を左右する重要なポイントとなる。

4.1.2 政策・市場環境の変化への対応課題

エネルギーを取り巻く政策や市場環境は、国内外ともに急速に変化しており、その不確実性に対応していくことも大きな課題である。日本政府のエネルギー基本計画やGX(グリーン・トランスフォーメーション)推進戦略の具体的な内容や実施スピード、カーボンプライシングの導入形態や価格水準などは、東京ガスの事業戦略に直接的な影響を与えるが、その詳細はまだ流動的な部分も多い。また、エネルギー消費者の環境意識の高まりや、分散型エネルギーリソース(DER)の普及によるエネルギーシステムの構造変化、異業種からの新規参入による競争激化など、市場環境の変化にも柔軟に対応していく必要がある。

さらに、投資家、顧客、地域社会、従業員といった多様なステークホルダーからの期待や要請も、年々高まり、複雑化している 3。気候変動対策の加速化はもちろんのこと、生物多様性保全、人権尊重 6、サプライチェーン管理 6 など、企業に求められる責任の範囲は拡大している。これらの多様なステークホルダーとの間で建設的な対話 3 を行い、その期待を的確に把握し、経営戦略や事業活動に適切に反映させていくことが求められるが、全ての要求に応えることは困難な場合もある。これらの目まぐるしく変化する外部環境の中で、長期的な視点を持ちつつも、状況に応じて戦略を柔軟に見直し、迅速に意思決定を行っていく経営のアジリティ(俊敏性)をいかに確保するかが、重要な経営課題となっている。

4.2 今後注力すべき分野と行動提言

東京ガスがこれらの課題を乗り越え、持続可能な成長を実現するためには、以下の分野に注力し、具体的な行動を加速させることが重要である。

4.2.1 気候変動対策の加速化に向けた提言

まず、e-methaneや水素といった次世代ガスエネルギー技術の開発・実用化に向けた研究開発投資を、引き続き最優先課題として継続・強化する必要がある。特に、コスト低減に向けた技術開発ロードマップをより具体的に策定し、その進捗状況とともに社会に対して透明性高く開示していくことが求められる。同時に、複数の技術開発パスを維持し、特定の技術への過度な依存リスクを低減することも重要である。

再生可能エネルギーについては、掲げている導入目標(2030年600万kW)の達成に向けた取り組みを一層加速させるべきである。特に、ポテンシャルの大きい洋上風力発電分野などへの戦略的な投資判断や、他社との連携強化などを通じて、プロジェクト開発のスピードアップを図ることが期待される。

また、サプライチェーン全体での排出量であるScope3の削減に向けた取り組み強化も急務である。原料調達から製品・サービスの利用、廃棄に至るまでのバリューチェーン全体を対象とした具体的な削減目標を設定し、サプライヤーとの協働や顧客への働きかけを通じて、その達成に向けた具体的な道筋を示す必要がある。

カーボンニュートラルLNG(CNL)については、移行期における有効な手段の一つではあるものの、その利用はあくまで補完的なものと位置づけ、直接的な排出削減努力(省エネルギー、燃料転換、再エネ導入、技術革新)を最優先する姿勢をより明確に打ち出すべきである。オフセットに依存しているとの批判を回避し、真の脱炭素化に向けた本気度を示すことが、長期的な信頼獲得に繋がる。

4.2.2 資源循環と生物多様性保全の深化に向けた提言

資源循環に関しては、使用済み製品のリサイクルという下流対策に加え、製品の設計段階から長寿命化や分解・リサイクルのしやすさを考慮するエコデザインの考え方を、ガス機器や設備開発に積極的に取り入れることを提言する。また、回収した資源から作られた再生材の利用率について、具体的な目標を設定し、その実績を開示することも有効である。開発中のカーボンリサイクル製品 22 については、事業化に向けた技術開発や市場開拓を強化するとともに、ライフサイクルアセスメント(LCA)に基づき、その環境負荷低減効果を客観的に評価・検証し、社会的な理解と受容を得ていく必要がある。

生物多様性保全については、TNFD提言 20 に基づく情報開示をさらに深化させることが求められる。自社の事業活動が依存している生態系サービスや、サプライチェーン全体にわたる生物多様性への影響とリスクを、可能な限り定量的に評価し、開示する必要がある。その上で、具体的な影響緩和策や保全活動に関する目標(例えば、SBTs for Natureのような科学的根拠に基づく目標や、ネイチャーポジティブへの貢献目標など)を設定し、その達成に向けた取り組みを進捗とともに報告していくべきである。袖ケ浦LNG基地での「自然共生サイト」認定 23 という成功事例を他の事業所へ展開することや、「森里海つなぐプロジェクト」24 やアマモ場再生活動 24 における生物多様性回復やCO2吸収・固定に関する定量的な成果指標を設定し、継続的なモニタリングを通じてその効果を検証・公表することも、取り組みの価値を高める上で重要である。

4.2.3 ESG情報開示とステークホルダーエンゲージメント強化

これらの環境への取り組みを効果的に進め、社会からの信頼と評価を得るためには、ESG情報の開示内容を一層充実させ、ステークホルダーとの対話を強化することが不可欠である。統合報告書 4 やサステナビリティファクトブック 6 などを通じて、環境目標、戦略、具体的な活動内容、そして目標達成に向けた進捗状況や実績データを、可能な限り定量的かつ具体的に開示する必要がある。特に、目標達成における課題や障壁についても、透明性を持って説明する姿勢が求められる。

CDP、MSCIといった主要なESG評価機関 6 や、機関投資家との継続的かつ建設的な対話 3 を通じて、評価基準の変化や期待を的確に把握し、自社の取り組み改善や情報開示の向上に繋げていく努力を継続すべきである。さらに、顧客、地域社会、NPO、行政など、多様なステークホルダーとの連携・協働 3 は、環境課題の解決に向けた新たなアイデアや推進力を生み出す上で極めて重要である。これらのエンゲージメント活動を強化し、社会と共に持続可能な未来を創造していくという姿勢を明確に示すことが、企業のレジリエンスを高め、長期的な価値創造に繋がるだろう。

結論

東京ガスの環境パフォーマンスに関する総括的評価

本レポートにおける分析の結果、東京ガス株式会社は、気候変動、資源循環、生物多様性という主要な環境課題に対し、多岐にわたる取り組みを組織的に推進していることが確認された。特に、2050年カーボンニュートラル目標達成に向けたロードマップを策定し、その中核技術としてe-methaneの開発・実用化に注力している点は、既存のガスインフラを活用しつつ脱炭素化を目指す同社独自の戦略として注目される。また、1994年から続く使用済みガス機器の回収・再資源化システムの運用や、近年開始されたアマモ場再生活動に見られるブルーカーボンへの貢献といった取り組みは、それぞれの分野における先進性や長年の実績を示すものとして評価できる。再生可能エネルギー導入目標の設定や、TNFD提言に基づくリスク評価の開始なども、環境経営へのコミットメントを示す前向きな動きである。

一方で、同社の環境パフォーマンスには依然として課題も存在する。最大の課題は、依然として天然ガスに大きく依存する事業構造から、いかにして円滑かつ迅速に脱炭素エネルギーへと移行していくかという点にある。e-methaneや水素といった次世代技術は有望であるものの、その製造コストやインフラ整備、社会実装までには多くの技術的・経済的ハードルが存在し、実現への道筋と時間軸には不確実性が伴う。また、サプライチェーン全体での排出量(Scope3)削減や、生物多様性への影響評価と具体的な保全目標の設定・達成といった分野においては、取り組みのさらなる深化と情報開示の拡充が求められる。カーボンニュートラルLNGへの依存度や、「責任あるトランジション」という戦略が、真の脱炭素化への移行スピードを遅らせるのではないかという懸念に対して、より説得力のある説明と行動が求められる局面もあろう。

持続可能な成長に向けた展望

東京ガスが掲げる「エネルギー安定供給と脱炭素化の両立」7 は、現代のエネルギー事業者が直面する最も困難な経営課題の一つである。この難題に対し、同社が環境経営を一層強化し、本レポートで提言したような取り組みを着実に実行していくことは、地球環境の保全という社会全体の要請に応えるだけでなく、変化する市場環境の中で企業自身が持続的に成長を遂げるためにも不可欠である。技術革新への挑戦、事業ポートフォリオの転換、そして多様なステークホルダーとの協働を通じて、東京ガスが日本のエネルギー転換をリードし、持続可能な社会の実現に貢献していくことが期待される。その進捗状況については、今後も継続的な注視と評価が必要である。

引用文献

  1. SDGsへの取り組み - 東京ガス不動産,  https://www.tokyogas-re.co.jp/sdgs/

  2. サステナビリティ - 東京ガス不動産プライベートリート投資法人,  https://tgre-pr.com/sustainability/index.html

  3. サステナビリティへの取り組み | 東京ガス不動産投資顧問株式会社,  https://www.tgre-am.co.jp/sustainability/index.html

  4. 統合報告書 | IRライブラリー - 東京ガス,  https://www.tokyo-gas.co.jp/IR/library/anurp_j.html

  5. 東京ガスの脱炭素への取り組みは?カーボンニュートラルLNGも解説 - accel.,  https://accel.e-dash.io/article_0050/

  6. サステナビリティ | 東京ガス,  https://www.tokyo-gas.co.jp/sustainability/index.html

  7. 東京ガスグループ 統合報告書2023,  https://www.tokyo-gas.co.jp/IR/library/pdf/anual/23japanese.pdf

  8. 【東京ガス株式会社様】|バナナペーパー事例紹介 - カワセ印刷 × SDGs,  https://kawase-sdgs.jp/interview/1/

  9. 2050年カーボンニュートラルに向けて | サステナビリティ - 東京ガス,  https://www.tokyo-gas.co.jp/sustainability/activities/transition.html

  10. 参画企業のGX実現に向けた取組_東京ガス株式会社 | GXリーグ公式WEBサイト,  https://gx-league.go.jp/initiative-introduction/tokyo-gas/

  11. ガスの脱炭素化に向けた東京 ガスのe-methaneの取り組み - 石油・天然ガス資源情報,  https://oilgas-info.jogmec.go.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/010/131/202405_1a.pdf

  12. CO2ネット・ゼロへの取り組み | 東京ガスグループ経営ビジョン Compass 2030,  https://www.tokyo-gas.co.jp/IR/compass2030/co2netzero.html

  13. SDGs達成への貢献 | サステナビリティ - 東京ガス,  https://www.tokyo-gas.co.jp/sustainability/sdgs/index.html

  14. ネットゼロの達成に向けた東京ガスの取組み - 経済産業省,  https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/gas_jigyo_wg/pdf/029_04_04.pdf

  15. サステナビリティ - 東京ガス横浜中央エネルギー(ヨコエネ),  https://www.tg-yokoene.com/sustainability

  16. 【特集】神奈川県鎌倉市と東京ガス連携協定を締結 - ガスエネルギー新聞,  https://www.gas-enenews.co.jp/tokushu/47710/

  17. 東京ガスグループの脱炭素化に向けた取り組みについて - 経済産業省,  https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/2050_gas_jigyo/pdf/007_03_00.pdf

  18. 38 東京ガスグループは「事業活動を通じた社会課題の解決によって社会価値および財務価値を,  https://www.city.hino.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/024/581/toukyougas.pdf

  19. 循環型社会の推進 | サステナビリティ - 東京ガス,  https://www.tokyo-gas.co.jp/sustainability/activities/circular.html

  20. 事業活動を通じた生物多様性の保全 | サステナビリティ - 東京ガス,  https://www.tokyo-gas.co.jp/sustainability/activities/biodiversity.html

  21. www.tokyo-gas.co.jphttps://www.tokyo-gas.co.jp/sustainability/activities/circular.html#:~:text=%E3%81%8A%E5%AE%A2%E3%81%95%E3%81%BE%E5%85%88%E3%81%A7%E3%81%AE,%E3%82%92%E4%B8%A1%E7%AB%8B%E3%81%95%E3%81%9B%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

  22. 公益性と経済性の両立でカーボンゼロに挑戦する東京ガス 企業のSDGs取り組み事例vol.79,  https://sdgs.kodansha.co.jp/news/case/48306/

  23. 袖ケ浦LNG基地が環境省「自然共生サイト」に認定 | 東京ガス株式会社のプレスリリース,  https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001154.000021766.html

  24. 未来のための循環の森づくり「東京ガスの森」生物多様性に向けた取り組み,  https://www.tokyo-gas.co.jp/letter/2022/20220522.html

  25. 東京ガス/森里海つなぐプロジェクト,  https://www.philanthropy.or.jp/tokyogas/

  26. 「森里海つなぐプロジェクト」― 東京ガスグループの環境・社会貢献活動とアマモ場再生,  https://co2-scope.com/2023/06/22/%E3%80%8C%E6%A3%AE%E9%87%8C%E6%B5%B7%E3%81%A4%E3%81%AA%E3%81%90%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E3%80%8D%E2%80%95-%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%AC%E3%82%B9%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC/

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  28. 統合報告書 2024 - Daigasグループ,  https://www.daigasgroup.com/files/data/sustainability/reportpolicy/integrated_report/report2024_all_interactive.pdf

  29. サステナブルスター | 東京ガス・TGES,  https://eee.tokyo-gas.co.jp/solution/sustainablestar/index.html

  30. 統合報告書2024 - 東京電力,  https://www4.tepco.co.jp/about/ir/library/annual_report/pdf/202410tougou-j.pdf

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