本報告書は、株式会社岩手銀行(以下、「岩手銀行」または「当行」)の環境への取り組みとそのパフォーマンスについて、特に「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の三つの重点分野に焦点を当て、包括的な分析を行うことを目的とする。金融機関に対する環境・社会・ガバナンス(ESG)要因への関心が高まる中、地域金融機関においても、その事業活動が環境に与える影響を評価し、持続可能な社会の実現に向けた貢献を果たすことが強く求められている。本分析は、岩手銀行の環境スコア算定に必要な詳細情報の収集、および今後の戦略的検討に資することを意図している。
報告書の範囲は、岩手銀行による具体的な環境プログラムや行動の詳細な記述、それらに関連する潜在的なリスクとビジネス機会の分析、金融業界における先進的な環境への取り組み事例との比較、当行が現在直面している課題の評価と将来に向けた推奨事項の提示、競合他社の環境パフォーマンス分析、そして環境スコアに関するベンチマーキングを含む。分析にあたっては、学術的な水準の詳細さを目指し、収集したデータや事例を基に客観的な評価を行う。なお、本報告書は、表形式や箇条書き形式を避け、全ての情報を文章形式で記述するという指定された要件に従う。
岩手銀行は、岩手県を主要な営業基盤とする地域金融機関であり、県内トップの貸出金・預金シェアを維持し、地域経済において重要な役割を担っている 1。当行は、そのサステナビリティ方針において、豊かな自然環境を有する岩手県に根差す企業グループとして環境に配慮した経営を実践し、経済成長と環境保全の両立を目指すことを明記している 2。このコミットメントは、当行の経営理念である「地域社会の発展に貢献する」という使命や、「地域の価値共創カンパニー」を目指す長期ビジョンとも深く結びついている 4。本報告書では、これらの背景を踏まえ、岩手銀行の環境への取り組みを多角的に検証する。
岩手銀行グループは、サステナビリティ方針を経営の根幹に据え、環境課題への対応を重要な経営課題と認識している 2。この方針は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)とも整合しており、「豊かなしぜん」を重点テーマの一つとして掲げ、地域資源を活用した再生可能エネルギーの普及や自然保護活動を通じて、地域の豊かな自然環境の維持・向上に貢献することを目指している 6。特に、岩手県の豊かな自然環境を背景に持つ企業グループとしての特性を活かし、環境配慮型経営を実践する姿勢を明確にしている点は注目に値する 2。この地域密着型の環境戦略は、単なる外部からの要請に応える形ではなく、地域の特性を活かし、地域と共に持続可能な発展を目指すという当行独自の価値観を反映していると考えられる。
具体的な取り組みとして、環境・社会に対して負の影響を助長する可能性の高い特定セクターへの融資制限方針を定めている。これには、原則として石炭火力発電所の新設案件への融資を行わないこと(ただし、超々臨界圧などの高効率技術案件は慎重に検討)、違法な森林伐採や生物多様性を毀損するパーム油農園等開発事業への融資を行わないことなどが含まれる 2。これは、金融機関としての資金供給機能を通じて、環境負荷の低減に貢献しようとする意思の表れである。
さらに、当行は「ESG×SX(持続可能な企業を目指した変革)」の推進を通じて、長期ビジョンで掲げる「地域の価値共創カンパニー」を目指しており、サステナビリティ目標を経営計画に組み込んでいる 1。これには、後述する温室効果ガス(GHG)排出量削減目標やサステナブルファイナンスの実行目標などが含まれ、トップダウンでのコミットメントが示されている 2。このような経営層からの明確な方針と目標設定は、組織全体での取り組みを推進する上で不可欠な要素であり、当行の環境戦略が単なる部門レベルの活動ではなく、全社的な経営戦略として位置づけられていることを示唆している。ただし、これらの高次元の目標を、日々の業務運営や投融資判断に如何に具体的に落とし込み、実効性を確保していくかが、今後の課題となるであろう。
気候変動問題は、地球規模での喫緊の課題であり、金融機関にとってもその影響は甚大である。岩手銀行は、この課題に対し、自らの排出量削減と、顧客および地域社会の脱炭素化支援の両面から積極的に取り組んでいる。
岩手銀行グループは、自らの事業活動に伴うGHG排出量削減に向けて、意欲的な目標を設定している。具体的には、Scope1(直接排出)およびScope2(間接排出、主に電力使用)について2030年度までにネットゼロを、さらに投融資先からの排出を含むScope3を含めたScope1から3全体で2050年度までにネットゼロを達成することを目標として掲げている 2。これらの目標達成に向け、豊かな森林・海洋資源の保全や、地域の再生可能エネルギー由来電源開発、二酸化炭素貯留技術などへの取り組み・関与を通じて貢献していく方針を示している 2。将来的には、社会全体のGHG排出量が吸収量を下回る「カーボンネガティブ」の実現を目指すという、非常に高い目標も視野に入れている 2。
これらの目標達成と進捗管理のため、当行はGHG排出量の算定・可視化クラウドサービス「Zeroboard」を導入している 8。これは、銀行本体およびグループ会社6社を対象としており、国際基準であるGHGプロトコルに基づいた排出量算定を可能にするものである 8。このツールの導入は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った情報開示の質を高める上で重要である 8。実際に、当行の有価証券報告書では、Scope3排出量についてカテゴリーごとに複数年分の実績が定量的に記載されており、算定対象範囲や算定方法も端的に説明されている 9。
2030年度のScope1・2ネットゼロ目標は、省エネルギー化や再生可能エネルギー電力への切り替え等を通じて達成可能と考えられるが、2050年度のScope1~3ネットゼロ目標、特にScope3の削減は、金融機関にとって極めて大きな挑戦である。銀行のGHG排出量の大部分は、融資や投資といった金融活動を通じて間接的に生じるScope3排出量(特にカテゴリー15:投融資)が占めるため、この削減には取引先企業の脱炭素化を支援・促進することが不可欠となる 9。当行が設定したサステナブルファイナンス目標や、後述する各種支援策は、このScope3削減に向けた具体的な道筋を示すものと言える。また、「Zeroboard」の導入は、自社の排出量管理を高度化するだけでなく、同様のサービスを顧客に提供するための知見蓄積にも繋がり、内部管理と外部へのビジネス展開の両面でメリットをもたらす可能性がある 8。
岩手銀行は、地域の脱炭素化を金融面から支援するため、多様な取り組みを展開している。その中核となるのがサステナブルファイナンスであり、環境課題や社会課題の解決、持続可能な社会の実現に資する投融資・リース取引として定義され、累計実行額5,000億円という目標を設定している 2。
具体的な金融商品としては、「いわぎんサステナビリティ・リンク・ローン」が挙げられる 1。これは、借り手企業が設定する野心的なサステナビリティ目標(SPTs)の達成度に応じて融資条件(金利等)が変動する仕組みのローンである。KPI(重要業績評価指標)としては、GHG排出量、再生可能エネルギー使用量、廃棄物削減量、リサイクル率といった環境関連指標のほか、男性育児休業取得率や女性管理者比率といった社会関連指標も選択可能となっている 1。このローンは、企業のサステナビリティ経営へのインセンティブを高めるとともに、当行が企業の目標設定プロセスに関与することで、より実効性のある取り組みを促す効果が期待される。また、「いわぎん脱炭素応援ローン」も提供されており、脱炭素に資する設備投資などを支援している 6。これらを通じて、再生可能エネルギー設備の導入支援(太陽光パネル等)、省エネルギー設備の導入支援(LED化等)、次世代自動車導入などが促進されている 14。岩手県が有する地熱資源(全国第2位のポテンシャル)や、将来的な洋上風力発電(浮体式)への関与も視野に入れられている 15。
融資に加えて、コンサルティングやパートナーシップを通じた支援も積極的に行っている。GHG排出量算定・可視化サービスを提供する株式会社ゼロボードとは、銀行本体へのサービス導入に加え、岩手県内の自治体や企業への同サービスの紹介・導入支援で連携している 8。この連携により、岩手県内33自治体のうち10自治体と脱炭素社会実現に向けた協定を締結するに至っている 11。株式会社バイウィルとは、GX(グリーン・トランスフォーメーション)に関するeラーニングシステム提供、コンサルティング、カーボンクレジット創出支援サービスにおいてビジネスマッチング契約を締結している 16。さらに、サステナブル・ラボ株式会社とは、非財務データの可視化ツールを活用し、矢巾町と共催で「矢巾町サステナブルアワード」を開催するなど、地域企業のESG経営推進を支援している 18。国との連携も強化しており、2024年8月には環境省東北地方環境事務所と「脱炭素及びローカルSDGsの実現に向けた連携協定」を締結した 21。これは、地域脱炭素融資促進利子補給事業への参画や、脱炭素化支援機構への出資といったこれまでの協力関係をさらに発展させ、地域の脱炭素化と地域課題解決を一体的に推進することを目的としている 21。
カーボンクレジット市場の活用にも注力している。岩手県や一関市、住田町からJ-クレジットの販売仲介業務を受託しているほか 14、特筆すべきは、洋野町における藻場造成によるブルーカーボン・クレジット(Jブルークレジット®)の取り組み支援である。当行は、住友商事東北株式会社等と連携し、金融機関として全国で初めてJブルークレジット®の紹介業務を開始した 14。このクレジット販売による収益は、藻場の維持・保全活動に充てられ、沿岸漁業の再生や関連産業への波及効果も期待される 22。これは、気候変動対策(CO2吸収)と生物多様性保全(藻場再生)、地域産業振興(漁業支援)を統合した先進的な取り組みであり、当行が目指す「価値共創」を具体化する事例と言える 4。また、岩手県が発行するグリーン/ブルーボンドへの投資も表明しており、地方自治体の資金調達を通じた環境貢献も行っている 23。
これらの多岐にわたる活動から、岩手銀行が単なる資金提供者に留まらず、地域の脱炭素化を主導するハブとしての役割を担おうとしていることがうかがえる。多数のパートナーシップ 11 を通じて、コンサルティング、ツール提供、クレジット仲介といった非金融サービスを組み合わせることで、顧客との関係性を深化させ、新たな収益機会を創出しようとしている。特に、Jブルークレジットへの関与 14 は、地域の特性を活かしたユニークな取り組みであり、気候変動と生物多様性という複数の環境課題に同時に貢献する点で、他行との差別化要因となり得る。
気候変動がもたらすリスクと機会を評価し、経営戦略やリスク管理に反映させ、財務上の影響を開示することを推奨するTCFD提言に対し、岩手銀行は2021年8月に賛同を表明した 25。賛同の趣旨として、気候変動が顧客や当行に及ぼすリスク・機会を分析・評価し、地域社会のカーボンフリー実現に貢献するため、情報開示の充実を図ることを挙げている 25。
TCFD提言は、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標の4つの構成要素に基づいた情報開示を求めている 10。岩手銀行は、統合報告書 26 や有価証券報告書 9 において、これらの枠組みに沿った開示を進めている。特に、有価証券報告書では、Scope3排出量のカテゴリー別複数年実績や算定方法に加え、シナリオ分析に関する情報も開示している 9。シナリオ分析においては、エネルギー需要の見通しについてIEA(国際エネルギー機関)のWEO(世界エネルギー展望)を、物理的リスク評価についてはIPCC(気候変動に関する政府間パネル)のRCP(代表的濃度経路)シナリオを参照していることが明記されている 9。
ガバナンス面では、サステナビリティ方針 2 や長期ビジョン 4 の策定、経営会議等での議論 4 を通じて、気候変動課題が経営レベルで認識されていることがうかがえる。リスク管理面では、例えばサステナビリティ・リンク・ローンの案件評価において、営業推進やクレジット判断とは異なる立場の営業戦略部(ESG担当)がKPIの重要性やSPTsの野心性といったサステナビリティ性の判断を行う体制が構築されており、客観性の確保が図られている 1。
TCFDへの賛同表明 25 とScope3を含む排出量開示 9 は、気候変動に対する当行のコミットメントを示す上で重要なステップである。しかしながら、開示されている情報からは、シナリオ分析の結果が具体的にどのように融資ポートフォリオのリスク評価や再構築、あるいはリスク価格設定といった経営戦略に反映されているのか、その詳細までは読み取ることが難しい。TCFD提言が求めるのは、単なる情報開示に留まらず、気候変動要因を事業戦略やリスク管理プロセスへ実質的に統合することである 10。今後、分析結果に基づく具体的な戦略展開や、リスク管理体制へのより深い組み込みに関する情報開示が期待される。ESG担当部署とクレジット審査部門との連携強化も、実効性のあるリスク管理のためには重要となるだろう 1。
資源循環は、廃棄物の削減、再利用、再生利用を通じて、資源の消費を抑制し、環境負荷を低減する取り組みであり、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に向けた重要な要素である。岩手銀行は、この分野においても、自社の取り組みと顧客支援の両面から貢献を目指している。
岩手銀行は、自らの事業活動における環境負荷低減のため、内部的な資源循環の取り組みを進めている。具体的には、ペーパーレス化の推進や、贈答品用レジ袋の廃止などによる使い捨てプラスチック包装の削減が挙げられる 6。また、発行物においても環境配慮を意識しており、例えば「いわぎんSDGsレポート」では、FSC認証紙や植物油インキを使用している 6。
顧客企業の取り組み支援としては、前述の「いわぎんサステナビリティ・リンク・ローン」において、「食品等の廃棄物削減量」や「リサイクル率」をKPIとして設定可能としている点が挙げられる 1。これは、融資条件と企業の資源循環パフォーマンスを連動させることで、顧客の自主的な取り組みを金融面から後押しする仕組みである。
ただし、提供されている情報からは、当行自身の廃棄物削減量やリサイクル率に関する具体的な数値目標や実績データは確認できない。内部的な取り組みは進められているものの 6、その定量的な成果や進捗状況に関する情報開示は限定的である。気候変動対策と比較すると、資源循環に関する取り組みの柱や戦略的な位置づけが、外部からはやや見えにくい側面があるかもしれない。顧客支援に関しても、サステナビリティ・リンク・ローンのKPIとして含まれてはいるものの 1、資源循環に特化した金融商品やサービスの提供については、現状では明確な情報は少ない。
サーキュラーエコノミーは、従来の「採掘・製造・廃棄」というリニアエコノミー(直線型経済)から脱却し、製品や資源を可能な限り長く利用し、廃棄物を最小化する経済システムである。岩手銀行の取り組みが、この広範な概念にどのように貢献しているかを考察する。
当行は、地域社会の持続的な発展への貢献を経営理念の中核に据え 4、地域資源の活用や地域経済の活性化を目指している 4。例えば、老朽化した盛岡バスセンターの建て替えプロジェクトへのファイナンス組成 30 は、既存の都市インフラを再生・活用する事例であり、広義のサーキュラーエコノミーに貢献する側面を持つ。また、地域における再生可能エネルギー事業の支援 14 や、スマート農業技術の導入支援による農業の効率化 31 も、資源の有効活用という観点から関連性が見いだせる。さらに、株式会社バイウィルとの連携においては、同社がサーキュラーエコノミー推進にも言及していることから 16、将来的にはこの分野での協業が具体化する可能性も考えられる。
しかしながら、現状では、岩手銀行が「サーキュラーエコノミー」を明確な戦略目標として掲げ、それに特化したプログラムや金融商品を展開しているという情報は確認できない。貢献は、主に持続可能な事業全般への支援や地域活性化への取り組みから間接的に生じているものと推察される。製品のサービス化(PaaS)、シェアリングエコノミー、リマニュファクチャリング(再製造)、産業共生といった、より具体的なサーキュラーエコノミー・ビジネスモデルへの金融支援や、関連する地域連携プロジェクトの推進などは、今後の展開が期待される領域である。地域資源の循環利用を促進するような、よりターゲットを絞った取り組みを明確化することで、サーキュラーエコノミーへの貢献度を一層高めることができるだろう。
生物多様性は、豊かな生態系サービスを通じて人類の生存基盤を支えるものであり、その損失は気候変動と並ぶ深刻な地球環境問題である。岩手銀行は、豊かな自然環境を有する岩手県を地盤とする企業として、生物多様性の保全にも注力している 2。
生物多様性の損失を食い止め、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全することを目指す国際目標「30by30」達成に向け、日本国内では環境省が主導する「生物多様性のための30by30アライアンス」が設立された。岩手銀行は、2023年10月にこのアライアンスへの参加を表明した 32。これは、国や他の企業・団体と連携し、生物多様性保全に向けた取り組みを強化する意思を示すものである。また、経団連自然保護協議会が推進する「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」にも参加企業として名を連ねている 3。
アライアンス参加に伴い、具体的な活動も開始している。2024年11月には、盛岡市動物公園ZOOMOの協力のもと、「いわぎん30by30プロジェクト~里山のいきものを知ろう!in ZOOMO~」と題したイベントを開催した 35。このイベントでは、当行職員とその家族、および盛岡市職員が参加し、絶滅危惧種であるイヌワシの生態などを通じて、生物多様性への理解を深めた 35。盛岡市動物公園ZOOMO自体も、生物多様性保全や環境教育に積極的に取り組んでおり、30by30の価値観を共有するパートナーとの連携は、効果的な意識啓発に繋がるだろう 35。さらに、環境省東北地方環境事務所と共催で、脱炭素経営と並んで生物多様性の現状や取り組み事例を紹介するセミナーも開催している 36。
30by30アライアンスへの参加 32 や関連イベントの実施 35 は、生物多様性保全に対する当行の姿勢を明確に示すものである。しかし、30by30目標の達成には、保護地域の拡充に加え、企業等が管理する土地の中で生物多様性保全に貢献するエリアをOECM(Other Effective area-based Conservation Measures:保護地域以外で生物多様性保全に資する地域)として認定・登録していくことが重要となる。現状の公開情報からは、岩手銀行が自ら管理する土地をOECMとして申請する計画があるのか、あるいは投融資活動を通じてOECM認定に繋がるような保全活動をどの程度支援しているのか、具体的な貢献策についてはまだ不明瞭な点が多い。意識啓発活動に加えて、保全目標達成に直接的に貢献する具体的な行動計画の策定と実行が今後の課題となる。
岩手銀行は、地域に根差した具体的な生物多様性保全活動にも取り組んでいる。その代表例が、岩手県二戸市における「いわぎん漆の郷(うるしのさと)」プロジェクトである 3。2017年度から開始されたこの活動では、地域の特産品でもある漆の植栽を行い、2023年度までに累計540本を植樹した。この植栽地は、地域の自治体や住民と協力して保全・管理が行われており、地域文化の継承と自然環境保全を結びつけた取り組みとなっている 3。
また、盛岡城跡公園においては、グループ会社のmanordaいわてを通じて、地域の小中学生による自然環境保護活動を支援している 3。具体的には、公園内の池に増殖した外来種アメリカザリガニの駆除活動(大ザリガニ釣り大会)を支援し、在来の生態系を取り戻す取り組みに協力している 3。これは、次世代を担う子どもたちの環境意識を高めるとともに、具体的な生態系保全に貢献する活動である。
さらに、気候変動対策としても触れたJブルークレジットの取り組み 14 は、海洋生態系の基盤となる藻場の造成・回復を支援するものであり、海洋生物の生息環境を改善し、豊かな海の生物多様性を育むことに直接的に貢献する。炭素吸収源の確保と生態系保全を両立させるこの取り組みは、生物多様性保全の観点からも高く評価できる。
これらの活動 3 は、地域社会との連携を重視し、具体的な場所での保全活動に関与するものであり、当行の地域貢献姿勢を象徴している。漆の植栽や外来種駆除支援といった活動は、地域住民や従業員の参加を促し、環境問題への関心を高める効果も期待できる。一方で、これらの活動が、当行の事業規模全体から見て、また岩手県全体の生物多様性課題に対して、どの程度のインパクトを持つのかを評価することは難しい。これらが単発的な社会貢献活動に留まらず、より広範な生物多様性戦略の中に位置づけられ、その効果が測定・評価されていくことが望ましい。特に、Jブルークレジットのような金融メカニズムと連動した保全活動は、より大きなスケールでの展開可能性を秘めている。
金融機関が生物多様性保全に貢献する上で、最も重要な手段の一つが投融資方針を通じた影響力の行使である。岩手銀行は、サステナビリティ方針の一環として、生物多様性に負の影響を与える可能性のある特定の事業への融資を制限している 2。具体的には、パーム油農園等の開発事業において、違法な森林伐採や生物多様性を毀損する案件への融資は行わないことを明確化している 2。これは、サプライチェーンを通じて熱帯雨林の破壊や生態系の劣化に繋がるリスクのあるセクターに対し、ネガティブスクリーニング(排除基準)を適用するものである。
一方で、生物多様性の保全や回復に積極的に貢献する事業への投融資(ポジティブスクリーニングやインパクト投資)については、現状では明確な方針や専用の金融商品は確認できない。前述のJブルークレジット支援 14 は、海洋生態系再生に貢献する点でポジティブな取り組みと言えるが、陸域の生態系保全や持続可能な農林水産業など、より広範な生物多様性関連分野を対象とした積極的なファイナンス戦略は、まだ具体化されていないように見受けられる。例えば、持続可能な森林認証(FSC®︎やPEFCなど)を取得した林業事業者への優遇融資、生態系配慮型農業への支援、生物多様性オフセット(代償措置)に関連するファイナンスなどが考えられるが、これらに関する具体的な情報は提供されていない。
生物多様性に関するリスクと機会の評価・開示の枠組みとして、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)が国際的に注目を集めている。今後、岩手銀行がTNFDの提言内容を考慮し、自社の投融資ポートフォリオにおける自然への依存度や影響度、関連するリスクと機会を評価し、それに基づいた投融資戦略を策定・開示していくことが期待される。ネガティブスクリーニング 2 に加え、生物多様性保全に資する事業を積極的に支援する金融メカニズムを開発・導入することは、30by30目標達成への貢献 32 にも繋がり、当行のサステナビリティ戦略を一層強化するものとなるだろう。
環境要因、特に気候変動、資源循環、生物多様性に関連する課題は、岩手銀行にとって経営上のリスクであると同時に、新たなビジネス機会をもたらす両面性を持っている。地域経済と密接に結びついた地域金融機関として、これらの要因を的確に分析し、経営戦略に反映させることが、持続的な成長のために不可欠である。
環境要因に関連するリスクは、規制の強化、市場の変化、評判の変動、そして物理的・移行的な影響という多岐にわたる側面から顕在化する可能性がある。
国内外で環境規制は強化される傾向にある。炭素税の導入や排出量取引制度の強化、省エネルギー基準の厳格化、廃棄物処理やリサイクルに関する規制強化、そして生物多様性保全に関する法規制などが考えられる。これらの規制は、岩手銀行自身の事業運営コスト(例:自社排出量管理、報告義務対応)を増加させる可能性があるだけでなく、より重要なのは、融資先企業の事業活動や財務状況に影響を与えることである。特に、規制対応が遅れた企業や、規制強化の影響を受けやすい業種(例:エネルギー多消費産業、環境負荷の高い製造業)への融資は、信用リスクの増大に繋がる可能性がある。TCFD 9 や将来的なTNFDに基づく開示義務化 10 も、対応コストや情報管理体制の強化を求める規制リスクの一環と捉えられる。
消費者や投資家の間で、環境意識は高まり続けている。環境性能の高い製品やサービスへの需要が増加する一方で、環境負荷の高い製品や企業は敬遠される傾向が強まっている。このような市場の変化は、岩手銀行の融資先企業の売上や収益性に影響を与え、ひいては当行の融資ポートフォリオの価値にも影響を及ぼす可能性がある。特に、化石燃料関連産業や、環境破壊に繋がる事業への投融資は、将来的な資産価値の毀損(座礁資産化)リスクを伴う。また、ESG投資の拡大に伴い、投資家は企業の環境パフォーマンスをより重視するようになっている 5。当行自身の環境評価が低い場合、資金調達コストの上昇や株価への悪影響といった市場リスクに晒される可能性がある。
企業の環境への取り組みは、その評判やブランドイメージに直結する。岩手銀行が環境問題への対応で競合他社に遅れをとっていると認識された場合、あるいは環境負荷の高いプロジェクトへの融資が明らかになった場合(たとえ融資方針に反していなくても 2)、顧客や地域社会、投資家からの信頼を失う可能性がある 2。特に、地域社会との共存共栄を経営理念に掲げる当行にとって 4、地域環境への配慮を欠くと見なされることは、深刻な評判リスクとなり得る。SNSなどの情報拡散力の高まりにより、ネガティブな情報が瞬時に広がり、ブランド価値を毀損するリスクは増大している。
気候変動は、物理的なリスクと移行リスクの両方をもたらす。物理的リスクとは、異常気象(台風、豪雨、洪水、干ばつ等)の頻発化・激甚化による直接的な被害である。岩手県は豊かな自然環境を有する一方 2、自然災害の影響も受けやすい地域であり、これらの災害は、融資先企業の事業中断や設備の損壊、担保価値の下落などを引き起こし、当行の信用リスクを高める。特に、農業 31、漁業 22、林業 15 といった第一次産業や、観光業などは、気候変動による物理的な影響を受けやすい。当行は東日本大震災の経験から災害対応の重要性を認識しており 4、災害時元本免除特約付き融資なども提供しているが 6、気候変動によるリスクの増大には、さらなる備えが必要となる。IPCCシナリオを用いた分析 9 は、このリスク評価の基礎となる。
移行リスクとは、低炭素社会への移行に伴って生じるリスクである。政策・規制の変更、技術革新、市場や消費者の嗜好の変化などにより、炭素集約的な産業や技術の競争力が低下し、関連企業の財務状況が悪化する可能性がある。岩手銀行の融資ポートフォリオに、これらの移行リスクに脆弱な企業が多く含まれている場合、信用リスクが増大する。Scope3ネットゼロ目標の達成 2 に向けては、これらの企業へのエンゲージメントや、ポートフォリオの再構築が不可欠となるが、その過程自体がリスクを伴う。IEAシナリオを用いた分析 9 は、移行リスクの評価に活用される。
岩手県の地域経済への深いコミットメントは、当行の強みであると同時に、リスク要因ともなり得る。地域の主要産業が気候変動の物理的影響を受けたり、低炭素経済への移行にうまく適応できなかったりした場合、その影響は当行の経営基盤に直接響く可能性がある。したがって、地域全体の気候レジリエンス向上と円滑な移行を支援することは、当行自身の長期的なリスク管理戦略としても極めて重要である。当行が展開する脱炭素化支援策 11 は、ビジネス機会の追求であると同時に、これらのリスクを軽減するための能動的な取り組みと解釈できる。
環境要因はリスクだけでなく、新たな成長と価値創造の機会も提供する。岩手銀行は、これらの機会を捉え、地域社会の持続可能な発展に貢献することを目指している。
世界的にサステナブルファイナンス市場は急速に拡大しており、日本国内においてもその傾向は顕著である。グリーンローン、ソーシャルローン、サステナビリティ・リンク・ローン 1、グリーンボンド 23 など、環境・社会課題解決に貢献する資金調達への需要は高まっている。岩手銀行が設定したサステナブルファイナンス累計実行額5,000億円という目標 2 は、この成長市場を積極的に取り込もうとする意欲の表れである。岩手県特有の資源(再生可能エネルギーポテンシャル 15、豊かな森林・海洋資源 2、農水産物 31)を活かしたプロジェクトや、地域のニーズに合わせたオーダーメイド型の金融商品を開発・提供することで、新たな収益源を確保し、市場での競争優位性を確立する機会がある。
環境への取り組みは、地域経済の活性化にも繋がる大きな可能性を秘めている。例えば、地域内での再生可能エネルギー導入プロジェクト 14 は、建設・保守・運営に関わる雇用を創出し、エネルギーの地産地消を促進する。省エネルギー化支援 14 は、企業のコスト削減と競争力強化に貢献する。持続可能な農林水産業への支援 15 は、地域の基幹産業を強化し、高付加価値化を促進する。生物多様性保全活動 3 や豊かな自然環境を活かしたエコツーリズムの振興なども、新たな地域ブランドの構築や交流人口の拡大に繋がる可能性がある。岩手銀行が、地方自治体 11 や大学 38、地元企業と連携し、これらの取り組みを金融面・非金融面から支援することは、当行が目指す「価値共創カンパニー」 4 としての役割を果たし、地域全体の持続的な発展に貢献する機会となる。
ESG投資家は、投資判断において企業の環境・社会・ガバナンスへの取り組みを重視する。岩手銀行が、環境パフォーマンスを着実に向上させ、その取り組みと成果を透明性高く開示すること 9 は、ESG評価の向上に繋がり、国内外のESG投資家からの資金を呼び込む上で有利に働く。投資家との積極的な対話 5 を通じて、当行のサステナビリティ戦略への理解を深めてもらうことも重要である。ESG投資の誘致は、株価の安定・向上や、より有利な条件での資金調達を可能にし、当行の財務基盤強化に貢献する可能性がある。
環境課題への対応は、従来の銀行業務の枠を超えた新たな事業機会も創出する。岩手銀行は、既にその兆候を示している。例えば、ゼロボードとの連携によるGHG排出量算定・可視化サービスの提供支援 8、バイウィルとの連携によるGXコンサルティングやカーボンクレジット創出支援 16、J-クレジットやJブルークレジットの仲介業務 14 などは、非金融分野での新たな収益源となり得る。これらのサービスは、顧客企業の脱炭素化やサステナビリティ経営を支援するものであり、従来の融資業務との相乗効果も期待できる。また、グループ会社(manordaいわて 3 等)の活用や、地域エネルギー会社への関与 14、インフラマネジメント事業への関心 29 など、事業領域の多角化に向けた動きも見られる。これらの取り組みは、当行が単なる資金提供者から、地域の課題解決に貢献する総合的なソリューションプロバイダーへと進化していく可能性を示唆している。地域における信頼と顧客基盤を活かし、環境関連の付加価値サービスを提供することは、収益構造の多様化と持続的な成長を実現するための重要な戦略となり得る。
岩手銀行の取り組みを評価し、今後の方向性を検討する上で、国内外の金融業界における先進的な環境への取り組み事例を参照することは有益である。ここでは、気候変動、資源循環、生物多様性の各分野におけるベストプラクティスの一部を概観する。なお、このセクションの情報は、岩手銀行に関する提供情報以外の外部知識に基づくものである。
国内の大手金融機関(メガバンク等)は、気候変動対策において、科学的根拠に基づく排出削減目標(SBTi認定目標)の設定や、国際的なイニシアチブ(例:Net-Zero Banking Alliance, NZBA)への加盟を進めている。特定の産業セクター(電力、鉄鋼、自動車等)に対する移行ファイナンスの枠組みを構築し、高排出セクターの顧客企業とのエンゲージメントを通じて、具体的な脱炭素化計画の策定・実行を支援する動きが活発化している。大規模な再生可能エネルギープロジェクトへのファイナンスや、グリーンボンドの積極的な発行・引受も行われている。地域金融機関の間でも連携の動きがあり、例えば基幹系システム「MEJAR」を共同利用する複数の地方銀行がサステナビリティ分野での商品・サービス連携協定を締結している例もある 24。
資源循環に関しては、一部の金融機関がサーキュラーエコノミーに特化した融資制度や投資ファンドを設立する動きが見られる。これらは、製品のサービス化(PaaS)、リユース・リペア事業、廃棄物発電やマテリアルリサイクルといった、資源効率を高めるビジネスモデルを支援するものである。また、自社のサプライチェーンにおける環境配慮(グリーン購入)や、厳格な廃棄物管理目標を設定し、その実績を開示する企業も増えている。
生物多様性については、TNFDフレームワークへの対応準備を進める金融機関が出始めている。これには、投融資ポートフォリオにおける自然関連リスク(特に森林破壊や水ストレス等に関連するセクター)の評価や、生物多様性保全に貢献するプロジェクト(例:持続可能な森林管理、生態系再生事業)へのファイナンス基準策定などが含まれる。一部では、地理空間情報(GIS)データを活用したリスク評価手法の導入も試みられている。
国際的に先進的な金融機関は、気候変動リスクに関して、より高度な定量分析モデル(ストレステスト等)を開発・適用し、その結果を経営戦略やリスク管理に統合している。気候変動関連技術(クライメートテック)への投資を積極的に行い、特定の化石燃料セクター(例:石炭火力発電、オイルサンド)からの段階的な融資撤退(ダイベストメント)方針を明確にする動きも、一部で見られる。株主との対話(エンゲージメント)を通じて、投資先企業の気候変動対策を強く促す活動も活発である。
資源循環の分野では、欧州の金融機関を中心に、サーキュラーエコノミー専門の部署を設置したり、エレン・マッカーサー財団などの国際的なプラットフォームと連携したりして、先進的なファイナンス手法を開発・提供している事例がある。サーキュラーエコノミー関連の投融資額について、具体的な数値目標を設定し、その達成に向けた取り組みを進めている銀行もある。
生物多様性に関しては、TNFDのパイロットプログラムに参加し、早期から情報開示の試行錯誤を行っている金融機関が存在する。自然資本に関する依存度や影響度を評価するための独自の手法開発や、生物多様性への貢献度に応じて融資条件が変わるような金融商品(例:サステナビリティ・リンク・ローンにおける生物多様性KPIの導入)、あるいは生物多様性保全に特化した基金への大規模な投資や寄付を行う事例も見られる。
これらの国内外の先進事例と比較することで、岩手銀行の現在地と今後の可能性が見えてくる。例えば、当行の地域連携の強さ 11 や、Jブルークレジットのような地域特性を活かした独自の取り組み 22 は、国内でも先進的と言える可能性がある。一方で、Scope3排出量削減戦略の具体性、資源循環ファイナンスの体系化、TNFDへの対応といった面では、国内外の先進的な金融機関の取り組みから学ぶべき点があるかもしれない。この比較は、次章で述べる課題と推奨事項の根拠となる。
これまでの分析を踏まえ、岩手銀行が環境分野において現在直面している主要な課題を評価し、今後の取り組み強化に向けた重点分野と具体的な行動提案を以下に示す。
岩手銀行は環境への取り組みにおいて着実な進展を見せているものの、さらなる高度化に向けていくつかの課題が存在すると考えられる。
第一に、Scope3排出量、特に投融資先排出量(カテゴリー15)のネットゼロ目標達成に向けた道筋の具体化である 2。目標達成には、岩手県の多様な産業構造を背景に持つ広範な顧客基盤に対する深いエンゲージメントと、効果的な削減策の導入が必要となる。各産業セクターの特性を踏まえた具体的な移行支援策の策定、排出量データの収集・分析体制の強化、そして場合によっては炭素集約的なセクターへの投融資方針の見直しといった、困難を伴う意思決定が求められる可能性がある。現状の開示情報 9 からは、目標達成に向けた具体的なロードマップや中間目標の詳細が見えにくい。
第二に、資源循環に関する取り組みの深化と情報発信の強化である。気候変動や生物多様性と比較して、資源循環に関する戦略的な位置づけや具体的な取り組み内容、定量的な目標・実績に関する情報が相対的に少ないように見受けられる 1。当行自身の資源利用効率の向上に向けた定量的な目標設定と進捗管理、および地域内でのサーキュラーエコノミー構築を支援する具体的な金融商品やサービスの開発が今後の課題となり得る。
第三に、生物多様性に関する取り組みの体系化と主流化である。30by30アライアンスへの参加 32 や個別の保全活動 3 は重要であるが、これらを一貫した戦略の中に位置づけ、投融資判断プロセスへ体系的に組み込むことが求められる。特に、TNFDの枠組みを踏まえ、ポートフォリオ全体における自然関連リスク・機会を評価し、それに基づいた管理体制を構築することは、今後の重要なステップとなる。活動の成果についても、植栽本数 3 や炭素クレジット量 22 に留まらず、生物多様性への実質的な貢献度を測る指標の開発・活用が望まれる。
第四に、これらの高度な取り組みを支えるためのデータ基盤と専門人材の確保・育成である。ESGデータは多岐にわたり、その収集・管理・分析には専門的な知識とシステムが必要となる。気候変動リスク(物理的・移行リスク)や自然関連リスクの評価、インパクト測定などを適切に行うためには、行内の専門人材の育成と、必要に応じた外部専門機関との連携強化が不可欠である。ゼロボード 11、バイウィル 16、サステナブル・ラボ 18 といったパートナーシップは有効だが、最終的には行内での対応能力向上が鍵となる。
最後に、これらの環境への取り組み強化と、銀行としての収益性確保とのバランスを如何に取るかという経営課題である 4。移行支援にはコストが伴う可能性があり、短期的な収益目標との間で難しい判断が迫られる場面も想定される。サステナビリティを長期的な企業価値向上に繋げるための戦略的な資源配分と、ステークホルダーへの丁寧な説明が重要となる。
上記の課題認識に基づき、岩手銀行が今後重点的に取り組むべき分野と具体的な行動を以下に提案する。
まず、Scope3削減戦略の強化と具体化が急務である。岩手県の主要産業(例:農業、製造業、建設業、運輸業等)ごとに、脱炭素化に向けた具体的な移行パスウェイを検討し、それに応じた金融支援メニュー(融資、リース、コンサルティング等)を体系化することが考えられる。顧客エンゲージメントを強化し、GHG排出量算定支援 8 から具体的な削減策の提案、ファイナンス実行までを一貫してサポートする体制を構築する。移行ファイナンスに関する行内ガイドラインを策定し、行員の理解度向上を図ることも重要である。
次に、資源循環への取り組みを強化し、戦略的な柱として明確に位置づけるべきである。当行自身のオフィス等における資源消費量(水、エネルギー、紙など)と廃棄物発生量を詳細に把握し、具体的な削減目標(例:廃棄物原単位の削減率、リサイクル率向上)を設定・公表する。地域内での資源循環ビジネス(例:廃棄物再資源化、リユース・リペア事業、シェアリングサービス等)を対象とした新たな融資制度や、サプライチェーン全体での資源効率改善を支援するプログラムの導入を検討する。顧客への啓発活動を通じて、サーキュラーエコノミーへの移行を促進する。
生物多様性に関しては、TNFDフレームワークの導入準備に着手することを推奨する。まずは、自社の投融資ポートフォリオが依存している、あるいは影響を与えている主要な自然資本(例:水資源、森林資源、土壌、海洋資源)と関連セクター(例:農林水産業、食品加工、建設、観光等)を特定し、リスクと機会の初期的な評価(スクリーニング)を行う。その結果に基づき、特に重要度の高い分野について、より詳細な評価と対応策(例:エンゲージメント方針、融資基準への反映)を検討する。生物多様性保全に積極的に貢献するプロジェクト(例:生態系再生、持続可能な認証取得支援)に対するポジティブ・ファイナンスの基準策定や、行内で管理する土地・緑地等のOECM認定可能性の検討も有効であろう。
これらの取り組みを支える基盤として、ESGデータ管理体制の強化と人材育成への投資を継続することが不可欠である。GHG排出量算定ツール 8 に加え、より広範なESGデータを効率的に収集・管理・分析できる統合的なシステム基盤の構築を検討する。営業担当者や融資審査担当者を含む幅広い行員を対象に、気候変動や生物多様性に関するリスク・機会、関連する金融手法、国内外の規制動向などに関する研修プログラムを定期的に実施し、行全体のESGリテラシーを向上させる。
最後に、これらの環境への取り組みを、リスク管理、経営戦略、そしてコミュニケーションへとより深く統合していくことが重要である。ESG要因を従来の信用リスク評価や事業戦略策定プロセスへ明確に組み込む。統合報告書 26 やウェブサイト等を通じた情報開示においては、活動内容だけでなく、その環境・社会へのインパクト(定量的・定性的な成果)を具体的に示し、ステークホルダー 5 との建設的な対話を継続することで、取り組みへの理解と信頼を高めていくべきである。
岩手銀行の環境パフォーマンスを客観的に評価するためには、競合他社との比較分析が不可欠である。ここでは、主要な競合他社を特定し、その環境戦略や取り組み状況を概観する。
岩手銀行の主要な競合他社としては、まず地理的に営業エリアが隣接または重複する東北地方の他の地域金融機関が挙げられる。特に、秋田県を地盤とする株式会社秋田銀行は、サステナブルファイナンスの実行額で比較可能なデータが存在するなど 39、直接的な比較対象となり得る。その他、七十七銀行(宮城県)、東邦銀行(福島県)、青森銀行・みちのく銀行(青森県、合併によりプロクレアホールディングス傘下)、山形銀行・荘内銀行(山形県)なども、地域金融市場における競合相手と考えられる。
加えて、全国展開する大手金融機関(メガバンク)である、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行なども、特に法人取引や富裕層向けサービスにおいて、岩手県内でも競合関係にある 40。これらの大手金融機関は、一般的にESGへの取り組みにおいて先行しており、その動向は地域金融機関にとっても重要な参照点となる。
本分析では、特にデータが入手しやすい秋田銀行や、一般的に情報開示が進んでいる大手金融機関の動向を念頭に置きつつ、地域金融機関としての比較を行う。
競合他社の環境への取り組みに関する詳細な情報は、各社のサステナビリティレポートや統合報告書等を参照する必要があるが、公開情報や業界動向からいくつかの比較点を考察する。
気候変動対策においては、多くの地域金融機関がTCFD提言への賛同を表明し、GHG排出量削減目標を設定している。目標のレベル(例:ネットゼロ達成年、Scope3の扱い)や、再生可能エネルギー支援策、地域脱炭素化への関与度合い(例:自治体との連携協定 24、地域エネルギー会社への出資 24)には差異が見られる。例えば、岩手銀行が秋田銀行と共同で実施した協創力育成プログラムの実績比較では、2023年のある時点でのサステナブルファイナンスの契約額累計は岩手銀行が184億円、秋田銀行が299億円、実行額累計は岩手銀行が132億円、秋田銀行が209億円と報告されており、この時点では秋田銀行の方が規模が大きいことが示唆されている 39。これは、取り組み開始時期や注力度の違い、あるいは対象とするファイナンスの定義の違いなどを反映している可能性がある。大手金融機関は、一般的に地域金融機関よりも大規模なサステナブルファイナンス目標を掲げ、国際的なイニシアチブへの参加も進んでいる。
資源循環に関しては、金融業界全体としてまだ取り組みが発展途上にある分野であり、競合他社間での顕著な差異を見出すことは難しいかもしれない。内部的なペーパーレス化や廃棄物削減は多くの金融機関で進められているが、サーキュラーエコノミーに特化した金融商品やサービスを提供している地域金融機関はまだ限定的と考えられる。大手金融機関の一部では、先進的な取り組みが見られる。
生物多様性については、30by30アライアンスへの参加は岩手銀行 32 を含む複数の金融機関で見られる動きである 34。経団連生物多様性宣言イニシアチブにも、岩手銀行のほか、足利銀行、池田泉州銀行、大分銀行、鹿児島銀行、群馬銀行などが参加している 34。しかし、具体的な保全活動の内容や、投融資方針への反映度合いにはばらつきがあると考えられる。TNFDへの対応は、大手金融機関を中心に検討が進められている段階であり、地域金融機関においてはまだ初期段階にあるケースが多いと推察される。岩手銀行のJブルークレジット支援 22 のような、地域特性と結びついたユニークな取り組みは、他の地域金融機関と比較した場合の特色となり得る。
全体として、岩手銀行の環境への取り組み、特に地域連携を活かした脱炭素化支援や、Jブルークレジットのような独自性の高い活動は、他の地域金融機関と比較しても遜色のない、あるいは先進的な側面を持つ可能性がある。一方で、サステナブルファイナンスの規模 39 や、資源循環、TNFD対応といった分野では、先行する大手金融機関や一部の地域金融機関の取り組みを参考に、さらなる強化を図る余地があると考えられる。この比較分析は、当行が自社の強みを認識し、改善すべき領域を特定する上で有用である。
企業の環境パフォーマンスを外部の視点から評価する指標として、ESG評価機関が付与する環境スコアがある。これらのスコアは、投資家の意思決定 5 や企業の評判に影響を与えるため、その動向を把握し、競合他社と比較することは重要である。
岩手銀行に関する主要な国際的ESG評価機関(例:MSCI、Sustainalytics、FTSE Russell等)による詳細なスコアや評価レポートは、一般には公開されていないことが多い。しかし、これまでの分析に基づき、当行のスコアに影響を与えうる要因を定性的に評価することは可能である。
ポジティブな要因としては、明確なGHG排出削減目標(Scope1・2の2030年ネットゼロ、Scope1-3の2050年ネットゼロ)の設定 2、TCFD提言への賛同と関連情報の開示 9、サステナブルファイナンスへのコミットメントと目標設定 2、地域社会と連携した多様な脱炭素化支援策(ゼロボード連携 11、自治体協定 11、Jブルークレジット仲介 22 等)、そして30by30アライアンスへの参加 32 や具体的な地域保全活動 3 などが挙げられる。これらの取り組みは、気候変動への対応や地域貢献といった側面で評価される可能性がある。
一方で、スコアにマイナスの影響を与えうる、あるいは改善の余地がある要因としては、Scope3排出量削減に向けた戦略の具体性や進捗状況に関する情報開示の深度、資源循環に関する取り組みの体系性や定量的な情報開示の限定性、生物多様性リスク・機会の評価と投融資プロセスへの統合(TNFD対応)の進捗度などが考えられる。ESG評価機関は、目標設定だけでなく、その達成に向けた具体的な戦略、実行体制、そして実績データを重視するため、これらの点に関する情報開示の充実が、スコア向上には不可欠となる。
競合他社(他の地域金融機関や大手金融機関)のESGスコアについても、詳細な情報は限られている場合が多いが、一般的に大手金融機関は、情報開示体制や専門人材、国際的なイニシアチブへの参加度などから、地域金融機関よりも高い評価を得る傾向にある。
地域金融機関同士の比較においては、各行の戦略的な重点分野や情報開示の積極性によって評価が分かれる可能性がある。例えば、サステナブルファイナンスの実行額が大きい銀行 39 や、再生可能エネルギー分野への関与が深い銀行、あるいは地域特性を活かしたユニークな環境プロジェクトを推進している銀行などが、相対的に高い評価を受ける可能性がある。岩手銀行が、地域連携やJブルークレジット 22 といった強みを効果的にアピールできれば、地域金融機関の中では良好な評価を得られる可能性がある。
しかし、ESG評価は、評価機関の方法論によって結果が異なる場合がある点に留意が必要である。特定の評価機関が高い評価を与えていても、別の機関では異なる評価となることもあり得る。重要なのは、スコアの絶対値に一喜一憂するのではなく、評価の背景にある要因(強み・弱み)を理解し、自社の取り組み改善に繋げることである。競合他社のスコアや評価内容をベンチマークとして参照し、自社の開示内容や取り組みの優先順位付けに活かすことが、建設的なアプローチと言える。投資家との対話 5 を通じて、市場がどのような点を重視しているかを把握することも、スコア改善に向けた戦略策定に役立つだろう。
本報告書では、株式会社岩手銀行の環境への取り組みについて、「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の三分野を中心に、その具体的な施策、リスクと機会、業界内での位置づけ、課題と推奨事項を包括的に分析した。
分析の結果、岩手銀行は、地域に根差した金融機関として、環境課題への対応を経営の重要課題と認識し、多様な取り組みを展開していることが確認された。特に、気候変動対策においては、意欲的なGHG排出削減目標の設定 2、TCFD提言への早期賛同 25、地域特性を活かした再生可能エネルギー支援や脱炭素化推進のための広範なパートナーシップ構築 11、そしてJブルークレジット仲介 22 といった先進的な取り組みが見られた。生物多様性に関しても、30by30アライアンスへの参加 32 や、漆の植栽 3 といった地域貢献活動を通じて、保全への意識を示している。これらの取り組みは、当行が掲げる「地域の価値共創カンパニー」 4 というビジョンを具現化しようとする姿勢の表れである。
一方で、いくつかの課題も浮き彫りになった。Scope3排出量削減目標達成に向けた具体的な戦略と実行計画のさらなる明確化、資源循環に関する取り組みの体系化と定量的な情報開示の拡充、そして生物多様性リスク・機会を評価し投融資プロセスへ統合していくための枠組み(TNFD対応等)の構築は、今後の重要な検討事項である。これらの課題に対応し、取り組みを一層深化させることが、環境リスクを適切に管理し、新たなビジネス機会を獲得し、競合他社に対する優位性を確保する上で不可欠となる。
環境問題への対応は、もはや単なる社会貢献活動ではなく、金融機関の持続的な成長と企業価値向上に直結する経営戦略そのものである。岩手銀行が、その強みである地域との強い繋がりを活かし、環境課題への取り組みをさらに加速させることは、リスクを機会へと転換し、岩手県の持続可能な未来に貢献するという当行の使命 2 を果たす上で、極めて重要である。今後、本報告書で提示された分析や推奨事項が、当行のさらなる発展に寄与することを期待する。
株式会社岩手銀行 - セカンドオピニオン, https://www.r-i.co.jp/news_release_suf/2023/12/news_release_suf_20231201_jpn.pdf
サステナビリティ - 岩手銀行, https://www.iwatebank.co.jp/company/management/sustainability.html
株式会社岩手銀行, https://www.keidanren-biodiversity.jp/pdf/319_J.pdf
統合報告書 2023 - 岩手銀行, https://www.iwatebank.co.jp/assets/pdf/202303_tougou.pdf
90年以上にわたる地域との結びつきを大切に、 地域社会の持続的成長を牽引する 「価値共創カンパニー」を目指す —— 株式会社岩手銀行 代表取締役頭取 岩山 徹 | トップが語る - ジャパニーズ インベスター, https://japaneseinvestor.jp/jilist/speech/356/
SDGsの取組み - 岩手銀行, https://www.iwatebank.co.jp/company/effort/sdgs/
www.iwatebank.co.jp, https://www.iwatebank.co.jp/company/management/sustainability.html#:~:text=%E5%BD%93%E8%A1%8C%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%AEGHG%E6%8E%92%E5%87%BA%E9%87%8F%E3%81%AE%E5%89%8A%E6%B8%9B%E7%9B%AE%E6%A8%99&text=%E8%B1%8A%E3%81%8B%E3%81%AA%E6%A3%AE%E6%9E%97%E3%83%BB%E6%B5%B7%E6%B4%8B%E8%B3%87%E6%BA%90,%E3%82%92%E7%9B%AE%E6%8C%87%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
岩手銀、銀行本体でGHG排出量算定 - ニッキンONLINE, https://www.nikkinonline.com/article/69839
3.「気候変動関連等」の開示例 - 金融庁, https://www.fsa.go.jp/news/r6/singi/20241205/04.pdf
サステナビリティ開示及び保証に係る動向 - 財務会計基準機構, https://www.fasf-j.jp/jp/wp-content/uploads/sites/2/20250306_02.pdf
ゼロボードと共に岩手県内自治体の1/3と脱炭素協定を締結。地域資源の活用と循環を目指しながら, https://www.zeroboard.jp/case/iwatebank
ゼロボードが岩手銀行および矢巾町と地域脱炭素に向けた協定を締結 - PR TIMES, https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000087068.html
いわぎんサステナビリティ・リンク・ローン - 岩手銀行, https://www.iwatebank.co.jp/business/item/sl_loan.html
2024年 3 月15日 各 位 株式会社 岩手銀行 令和5年度「地方創生に資する金融機関等の特, https://www.pref.iwate.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/067/073/kinyukikan06.pdf
デジタル化と伴走型支援で 地域課題の解決や経済活性化に挑む «トップ鼎談» | 一般社団法人金融財政事情研究会, https://www.kinzai.jp/top20231031/
【プレスリリース】(株)岩手銀行と岩手県の脱炭素・カーボンニュートラルの実現に向け、ビジネスマッチング契約を締結 - バイウィル, https://www.bywill.co.jp/news/2023/08/03
(株)バイウィルと(株)岩手銀行が、岩手県の脱炭素・カーボンニュートラルの実現に向け、ビジネスマッチング契約を締結 - PR TIMES, https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000090.000013100.html
ESGデータの集計・管理・分析プラットフォームを開発するサステナブル・ラボが岩手県矢巾町, https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000092.000052578.html
非財務データプラットフォームを開発するサステナブル・ラボ、岩手県矢巾町、岩手銀行と「SDGsパートナーシップ」を開始 - PR TIMES, https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000075.000052578.html
ESGデータの集計・管理・分析プラットフォームを開発するサステナブル・ラボが岩手県矢巾町, https://morioka.keizai.biz/release/376845/
脱炭素及びローカルSDGsの実現に向けた連携協定の締結について【岩手銀行】, https://tohoku.env.go.jp/topics_00127.html
株式会社岩手銀行Jブルークレジット® 販売仲介業務 | 21世紀金融行動原則, https://pfa21.jp/document/case-study/2023_iwatebank
先週のESGニュース vol.031 | サステナブル・ラボ | 非財務ビッグデータ集団, https://suslab.net/vol-031/
地方銀行における 環境・気候変動問題への取り組み, https://www.chiginkyo.or.jp/assets/kankyo_20230517.pdf
「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言」への賛同について - 岩手銀行, https://www.iwatebank.co.jp/assets/pdf/20210831_TCFD.pdf
統合報告書・ディスクロージャー誌 - 岩手銀行, https://www.iwatebank.co.jp/company/library/disclosure.html
統合報告書の開示 - 21世紀金融行動原則, https://pfa21.jp/t002/s0240
統合報告書リンク集|株式会社ゼロボード|サービスサイト, https://www.zeroboard.jp/integrated_report
株式会社岩手銀行 - NET-IR, https://webcast.net-ir.ne.jp/83452412/index.html
STRATEGY - STORY01『SDGs・サステナブルへの取組み』|岩手銀行 Recruiting Information, https://www.iwatebank.co.jp/recruit/fresh/strategy/story01.html
株式会社岩手銀行「持続的な地域社会の発展に向けた『食とエネルギーの総合産地化プロジェクト』」 - JDSC, https://jdsc.ai/service/casestudy/casestudy-5542/
2023年10月19日 株式会社岩手銀行 「生物多様性のための 30by30 アライアンス」への参加について, https://www.iwatebank.co.jp/assets/pdf/20231019_30by30.pdf
【岩手銀行】「生物多様性のための30by30アライアンス」への参加について - グッドウェイ, https://goodway.co.jp/fip/htdocs/jo4awwnxx-303/?block_id=303&active_action=journal_view_main_detail&post_id=433757&comment_flag=1
経団連:経団連生物多様性宣言イニシアチブ, https://www.keidanren-biodiversity.jp/
「いわぎん30by30 プロジェクト~里山のいきものを知ろう!in ZOOMO~」の実施について - 岩手銀行, https://www.iwatebank.co.jp/assets/pdf/20241203_30by30.pdf
【岩手銀行】「脱炭素経営セミナー」開催のお知らせ【2024年11月5日(火)】 - スタートアップいわて, https://www.startup-iwate.pref.iwate.jp/support_list/2369
岩手銀行 脱炭素経営セミナー, https://www.zeri.jp/cen/news/2024/10/23/4328/
地域協創教育センター 岩手銀行共同研究部門の設置について, https://www.iwate-u.ac.jp/info/news/2024/10/006373.html
2024年3月期決算説明会, https://daiwair.webcdn.stream.ne.jp/www11/daiwair/qlviewer/pdf/2406048345nntc5xcs6p.pdf
TCFD開示の実務ガイドブック 気候変動リスクをどう伝えるか(TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)とは?開示するものやシナリオ分析・戦略を解説 - Spaceship Earth(スペースシップ・アース)|SDGs・ESGの取り組み事例から私たちにできる情報をすべての人 - Infile, https://infile.com.gt/?n=27985166617001&channel=c682c3&from=form.php%3Fid%3D1666170-10791%26name%3DTCFD%E9%96%8B%E7%A4%BA%E3%81%AE%E5%AE%9F%E5%8B%99%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF+%E6%B0%97%E5%80%99%E5%A4%89%E5%8B%95%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%82%92%E3%81%A9%E3%81%86%E4%BC%9D%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%8B