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日立建機株式会社の環境戦略およびパフォーマンスに関する包括的分析：気候変動、資源循環、生物多様性への対応

更新日：2025年5月13日
日立建機6305
業種：製造業(3333)

はじめに

本報告書の目的と範囲

本報告書は、日立建機株式会社（以下、HCM）の環境への取り組みとパフォーマンスに関して、特に「気候変動」、「資源循環」、「生物多様性」の三つの主要分野に焦点を当て、包括的かつ学術的な水準での分析を行うことを目的とする。具体的には、HCMが実施している具体的な行動計画やプログラムを詳細に記述し、これらの環境要因に関連して同社が直面する可能性のある潜在的なリスクと事業機会を評価する。さらに、建設機械業界における先進的な環境慣行の事例や競合他社の環境パフォーマンスとの比較を通じて、HCMの現状を多角的に考察する。最終的には、HCMが抱える現在の環境課題を明らかにし、持続可能な成長に向けた戦略的な提言を行う。本報告書で収集・分析された情報は、HCMの環境スコア算出に必要な詳細データを提供するとともに、この分野における学術的研究の基礎資料となることを意図している。なお、利用者からの指示に基づき、本報告書の最終成果物においては、全てのデータ、比較、ベンチマーク結果は表や箇条書き形式を避け、物語形式の文章のみで記述する。

日立建機株式会社の環境課題への取り組みの重要性

建設機械業界は、その製造プロセスから製品の使用、そして最終的な廃棄に至るまで、バリューチェーン全体を通じて環境に大きな影響を与える産業である。HCMは、この業界における主要なグローバル企業として、投資家、規制当局、そして社会全体から、その環境スチュワードシップに対する厳しい視線に晒されている。積極的かつ効果的な環境マネジメントは、単に規制遵守やリスク軽減のためだけでなく、新たな事業機会の特定、ブランド評価の向上、そして持続可能な開発目標（SDGs）やパリ協定といった地球規模の持続可能性目標への貢献という観点からも、HCMにとって極めて重要である。本項では、建設機械業界が抱えるCO2排出量の問題や一般的な環境リスク、事業機会といった広範な業界動向と社会的要請の中で、HCMの環境への取り組みを位置づける 1。建設機械の稼働によるCO2排出量は、国内産業部門の約3.4％（2022年度）のうち約1.7％を占めると報告されており 1、その環境負荷の大きさが認識されている。特に、建設機械のライフサイクル全体で考慮すると、製品の使用段階での燃料消費がCO2、SO2、NOx排出量の70％以上を占めるという研究結果もあり 2、製品自体の環境性能向上が不可欠である。これは、HCMの環境戦略において、自社の事業活動（スコープ1および2）における排出量削減努力に加え、製品使用段階（スコープ3カテゴリー11「販売した製品の使用」）での排出量削減が極めて大きな比重を占めることを示唆している。したがって、HCMの環境影響低減の成否は、顧客による低燃費・低排出ガス型機械の採用や、顧客の現場における再生可能エネルギー利用の普及といった、HCMの直接的な管理範囲を超えた要因にも大きく左右される。この事実は、HCMが環境戦略を推進する上で、顧客エンゲージメント、技術革新、そして場合によってはエネルギー供給インフラに関する協調的な取り組みを必要とすることを示している。

第1部：日立建機株式会社の環境戦略と主要分野別取り組み

1.1. 気候変動への対応

HCMは気候変動を経営上の最重要課題の一つと認識し、脱炭素社会の実現に向けた多岐にわたる取り組みを推進している。これには、温室効果ガス排出量の削減目標設定と実績管理、再生可能エネルギーの導入と省エネルギーの推進、低炭素型製品・ソリューションの開発、そしてTCFD提言に基づく情報開示とリスク・機会への対応が含まれる。

1.1.1. 温室効果ガス排出量削減目標と実績

HCMは、バリューチェーン全体での温室効果ガス排出量削減に向けて具体的な目標を設定し、その達成に努めている。製品使用段階（スコープ3、カテゴリー11）においては、2010年度を基準として、2025年度までにCO2排出量を22％削減、2030年度までに33％削減するという目標を掲げている。2023年度の実績としては、20.1％の削減を達成した 3。一方、生産段階（スコープ1および2）では、同じく2010年度比で2025年度までに40％削減、2030年度までに45％削減する目標を設定しており、2023年度には40.4％の削減を達成し、2025年度目標を前倒しでクリアした 3。これらの取り組みの先に、2050年までにバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル実現という長期目標を掲げている 4。

2023年度の具体的な排出量を見ると、スコープ1（直接排出）は91,884トンCO2、スコープ2（エネルギー起源の間接排出）は150,638トンCO2であった 6。したがって、スコープ1と2の合計排出量は242,522トンCO2となる。スコープ3排出量については、2023年度のデータによると、「購入した製品・サービス」が1,310,098トンCO2、「販売した製品の使用」が最も大きく14,946,578トンCO2を占めている。その他のカテゴリーでは、「資本財」が172,814トンCO2、「スコープ1、2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動」が46,809トンCO2、「輸送、配送（上流）」が30,507トンCO2、「事業から出る廃棄物」が11,014トンCO2、「出張」が3,420トンCO2、「雇用者の通勤」が13,768トンCO2と報告されている 6。2023年度のスコープ3排出量合計は16,579,300トンCO2であった 7。これらの数値は、特に製品使用段階における排出量がバリューチェーン全体のカーボンフットプリントに占める割合がいかに大きいかを示しており、この領域への集中的な取り組みの重要性を浮き彫りにしている。

スコープ1および2に関する2025年度の削減目標を早期に達成したことは、HCMの事業運営における効率改善努力が実を結んでいる証左と言える。しかしながら、スコープ3排出量、特に「販売した製品の使用」に起因する排出量は、その規模が格段に大きく、より複雑な課題を提示している。製品使用時の排出量削減進捗（2023年度時点で20.1％削減、2030年目標33％）は、事業活動における排出量削減と比較して、進捗ペースが緩やかであるように見受けられる。この背景には、HCMの直接的な管理下にあるスコープ1および2の排出削減努力が比較的迅速に成果を上げやすいのに対し、スコープ3、とりわけ製品使用段階の排出削減は、顧客の製品選択、使用方法、さらには顧客が利用するエネルギー源の炭素集約度といった外部要因に大きく依存するためであると考えられる。具体的には、HCMのスコープ1および2の合計排出量242,522トンCO2に対し、「販売した製品の使用」だけで14,946,578トンCO2と、約61.6倍の規模である 6。この規模の差を考慮すると、スコープ3におけるわずかな改善率の遅れも、全体のカーボンニュートラル目標達成に対して大きな影響を及ぼしかねない。したがって、HCMが2050年のカーボンニュートラルを達成するためには、自社製品の低炭素化を一層加速させるとともに、顧客が低炭素型製品へ移行しやすい環境整備（例えば、充電インフラの普及支援や運用コンサルティングなど）にも積極的に関与していく必要性が示唆される。

1.1.2. 再生可能エネルギー導入と省エネルギー推進

HCMは、再生可能エネルギーの導入を積極的に推進している。具体的には、インドのタタ日立やブラッドケン社を含むグループ内の各拠点において、太陽光発電設備の設置を進めている 6。2023年度における太陽光発電による発電量は20,548 MWhに達した 6。再生可能エネルギーの活用と並行して、HCMは多岐にわたる省エネルギー施策も実施している。これには、フォークリフトの台数最適化、エア工具の電動化、アモルファストランスやLED照明といった高効率機器の導入などが含まれる 6。さらに、生産工場におけるエネルギー消費量の削減を目的として、2021年4月には「日立建機エネルギー管理システム」を導入した 9。日本国内の6工場においては、2024年度の省エネルギー目標（再生可能エネルギー利用等を除く）として、73,000トンCO2の削減を目指している 3。

報告されている太陽光発電量20,548 MWh 6 は、HCMの再生可能エネルギーへの取り組みを示す具体的な成果であるが、その全体的なエネルギーミックスにおける位置づけや排出量削減への真の貢献度を評価するためには、同社の総エネルギー消費量との比較が必要となる。2023年度のスコープ2排出量は150,638トンCO2であり、これは主に購入電力および熱に由来するものである 6。このスコープ2排出量の大部分が購入電力に起因することを考慮すると、HCMの事業拠点が存在する各地域の電力系統の炭素集約度が、同社の間接的なカーボンフットプリントに大きな影響を与える。HCMはIEAの国別排出係数を使用していると言及しており 6、地域ごとの電力系統の炭素強度の違いを認識していることがうかがえる。もしHCMの主要な生産拠点が炭素集約度の高い電力系統に依存している地域に位置する場合、敷地内での太陽光発電導入だけではスコープ2排出量の大幅な削減は困難であり、認証された再生可能電力の購入量を大幅に増やすか、自家発電能力を現在の太陽光発電設備以上に拡張するといった戦略的な対応が求められる。これは、HCMが事業を展開する国々のエネルギーシステム全体の脱炭素化という外部要因への依存を示唆している。

1.1.3. 低炭素型製品・ソリューション開発戦略

HCMは、低炭素型製品の開発と市場への普及を戦略の柱と位置付けており、特に電動化技術に注力している。その製品ポートフォリオには、ZE85などのバッテリー駆動式油圧ショベルや、エンジンを搭載しない完全電動式のダンプトラックが含まれる 5。例えば、完全電動リジッドダンプトラックEH3500AC-3は、1日20時間稼働した場合、CO2排出量を6.8トン削減できると試算されている 9。バッテリー駆動式ソリューションに加えて、HCMは水素エンジンの開発も進めている 5。同社の製品戦略は、コンパクトな機種から鉱山用の超大型機に至るまで、幅広い製品レンジでの電動化を推進し、有線式の選択肢も提供することで、多様な顧客ニーズに対応し、これらの新技術の早期市場導入を目指している 5。また、Solution LinkageシリーズをはじめとするICTソリューションは、顧客の作業現場における運用効率の向上やCO2排出量の削減にも貢献している 13。

電動および水素駆動の建設機械の多様なラインナップ開発は、スコープ3排出量削減に向けた重要な布石である。しかしながら、これらの新技術の市場浸透率は、初期導入コストの高さ、特に遠隔地の建設現場や鉱山における充電・水素充填インフラの未整備、そして従来型のディーゼル機械と比較した場合の運用性能の同等性といった外部要因に大きく左右される。建設機械の電動化は、排ガスゼロや騒音低減といったメリットを提供する一方で 12、現場での電源確保や充電インフラの整備が課題として認識されている 12。これらの機械の初期費用は、従来機よりも高額になる傾向がある。このため、HCMの製品開発戦略の成功は、これらの導入障壁に対処する市場開発戦略と不可分である。具体的には、革新的なファイナンスオプションの提供、エネルギー供給事業者との連携による現場での充電・充填ソリューションの開発、あるいは「バッテリー・アズ・ア・サービス」のような新しいビジネスモデルの構築を通じて、初期投資のハードルを下げ、低炭素フリートへの移行を加速させることが求められる。

1.1.4. TCFD提言に基づく情報開示と気候関連リスク・機会への対応

HCMは、2020年10月に気候関連財務情報開示タスクフォース（TCFD）の提言への賛同を表明し、以降、そのフレームワークに沿った気候関連情報の開示を進めている 13。同社は、地球の平均気温が1.5℃および4℃上昇するシナリオに基づいた分析を実施し、気候変動が事業に及ぼす潜在的なリスクと機会を評価している 3。この分析を通じて特定された主要な移行リスクには、脱炭素化に関する規制の強化や、気候変動への意識の高まりに伴う投資行動の変化などが挙げられる。一方で、脱炭素技術の開発における競争優位性の確立が事業機会として認識されている 13。物理的リスクとしては、台風や洪水といった自然災害の頻発化・激甚化が、事業運営の継続性やサプライチェーンの安定性に対する脅威として捉えられている 13。これらのリスクと機会に対応するため、HCMは、脱炭素化技術への研究開発投資の強化、コンパクト電動製品の生産能力増強、水素関連技術の開発推進、自社事業における再生可能エネルギー利用の促進、そして事業継続計画（BCP）の強化といった戦略的措置を講じている 13。さらに、2019年に導入され、その後5,000円/トンCO2から14,000円/トンCO2へと引き上げられたインターナルカーボンプライシング（ICP）制度は、投資判断における気候変動要素の組み込みを促進し、低炭素プロジェクトへの資金配分を後押しするツールとして活用されている 5。

インターナルカーボンプライシングの価格引き上げ 5 は、HCMが気候関連コストを事業の意思決定プロセスに組み込むというコミットメントを強化していることを示唆している。しかし、このICP制度の真の有効性は、資本配分やプロジェクト選択に実際にどの程度の影響を与えているか、そして現在の価格水準が、特に大規模な設備投資において、低炭素代替技術への大幅なシフトを促すのに十分であるかどうかにかかっている。ICPは、炭素集約的なプロジェクトの魅力を相対的に低下させ、低炭素プロジェクトをより魅力的にすることを目的としている。その効果は、ICPが投資承認プロセスにどれだけ深く統合されているか、また、その価格が様々なグリーン技術の限界削減費用に対してどの程度の水準にあるかによって決まる。ICP価格の上昇は、一般的に炭素コストをより真剣に考慮していることを示すが、HCMがICPによって具体的に投資判断やプロジェクト設計をどのように変更したかの事例を開示することで、その実質的な影響力をより明確に示すことができるだろう。

また、HCMは物理的リスクとして自然災害を認識している 13。同社が日本、インド、インドネシアなど世界各地に製造拠点を有していることを考慮すると 6、主要な生産拠点およびサプライチェーンの重要な結節点における、より詳細な気候脆弱性評価とそれに対応する適応策の開示は、同社のレジリエンスを包括的に理解する上で極めて重要となる。アジア地域における製造業およびサプライチェーンに対する物理的気候リスクは重大な懸念事項として指摘されており 6、HCMのTCFD報告書では自然災害リスクとBCP強化が言及されているが 13、主要生産拠点（日本、インド、インドネシア等）ごとの具体的な気候脆弱性評価や、一般的なBCPを超えた詳細な適応策については、TCFDの要求水準が高まる中で、さらなる情報開示が期待される。

1.2. 資源循環の推進

HCMは、持続可能な社会の実現に向けて資源循環の推進を重要な柱と位置づけ、製品ライフサイクル全体での資源効率向上、部品再生（リマン）事業の強化、廃棄物削減と再資源化率の向上、そして水資源の効率的利用と削減に取り組んでいる。

1.2.1. 製品ライフサイクル全体での資源効率向上策

HCMは、製品の設計から廃棄に至るまでのライフサイクル全体を通じて資源効率を高めることを目指している 3。この取り組みの中核には、製品の長寿命化設計があり 5、製品ライフサイクルを1.5倍に延長することを目標としている 5。同社は、3R（リデュース、リユース、リサイクル）にRenewable（再生可能）を加えた「4R」の概念を推進している 8。また、ICT/IoTソリューションである「ConSite」は、適切なメンテナンスを通じて機械の長寿命化に貢献するとともに、燃料消費量の低減提案を通じて間接的に資源効率の向上も支援している 18。

製品の長寿命化 5 は、サーキュラーエコノミー戦略の要である。しかし、この戦略は、従来型の新車販売に依存するビジネスモデルと潜在的に相反する可能性を秘めている。HCMがこの課題を克服し、持続的な成長を達成するためには、メンテナンス、部品供給、ソリューション提供、レンタル事業といった、資源の新規投入から収益を切り離したサービスベースの収益モデルへの転換が不可欠となる 18。同社が「PREMIUM USED」（保証付き中古車）事業 5 やレンタル事業 8 に注力していることは、この方向性へのシフトを裏付けている。このビジネスモデル転換の成否は、これらの循環型収益源が、従来の販売モデルと比較してどの程度の規模と収益性を確保できるかにかかっている。

1.2.2. 部品再生（リマン）事業とリユース・リサイクル実績

HCMは、使用済み部品を新品同等の性能に再生するリマン事業をグローバルに展開し、資源の有効活用と環境負荷低減に貢献している 8。リマン部品の再利用重量を、2022年度比で2025年度に40％増、2030年度に150％増とする目標を掲げている。2023年度の実績は7％増であった 3。同社はザンビアを含む世界各地に再生拠点を有し、国内の再生事業については播州工場に集約・統合し、グローバルなマザー工場としての機能を強化する計画である 5。2023年度のリマン事業の売上収益は約420億円であり、2030年度には約800億円への拡大を目指している 5。建設機械のリサイクル率は、主要素材が鉄であることから約95％と認識されている 25。

2023年度における再生部品の重量ベースでの再利用増加率が7％ 3 であったことは、2025年度目標の40％増、2030年度目標の150％増という野心的なターゲットと比較すると、穏当な伸び率と言える。これは、目標達成に向けて、使用済み部品（コア）の回収率向上、リマン生産能力の増強、そして市場におけるリマン部品の受容性向上といった各側面で、大幅な取り組みの加速が必要であることを示唆している。国内リマン事業の播州工場への集約 5 は、効率化と規模拡大に向けた戦略的な一手と考えられる。リマン事業の収益目標（2023年度420億円から2030年度800億円へ 5）もまた、持続的な高成長を前提としており、この事業の成功は、HCMの資源循環戦略にとって極めて重要であると同時に、新品部品販売と比較して高い利益率をもたらす可能性も秘めている。

1.2.3. 廃棄物削減と再資源化率向上への取り組み

HCMは、事業活動から発生する廃棄物の削減に積極的に取り組んでいる。2023年度には、生産高原単位当たりの廃棄物有価物等発生量が2010年度比で25.7％改善した 3。同社は3R活動を推進し、生産拠点におけるゼロエミッションを目指しており、国内における再資源化率目標として、2025年度に94％、2030年度に99.5％以上（いずれも2010年度比）を掲げている。2023年度の国内再資源化率は93％であった 3。プラスチック廃棄物のリサイクル率については、2023年度実績が82.3％であったのに対し、2025年度目標は99.4％と設定されている 3。2023年度の廃棄物有価物総発生量は100,805トンで、そのうち82,555トンがリサイクルされ、18,250トンが埋め立て処分された 27。国内生産拠点では、播州工場と多田機工の2拠点が2023年度にゼロエミッション（埋立処分率0.5％以下）を達成した 27。

2023年度のプラスチック廃棄物のリサイクル率82.3％は良好な水準ではあるものの、2025年度目標である99.4％ 3 との間には依然として大きな隔たりがあり、プラスチックが依然として処理の難しい廃棄物ストリームであることを示唆している。この目標を達成するためには、残り約17％のプラスチック廃棄物に対するリサイクル技術の確立や、現在の取り組みの大幅なスケールアップが必要となるだろう。また、国内全体の再資源化率は93％と高いものの、全世界での埋立廃棄物量が18,250トン 27 に上ることは、特に海外拠点における改善の余地を示している。ゼロエミッション達成拠点が国内2拠点 27 に留まっていることから、埋立廃棄物の大部分が海外の生産拠点または非生産拠点から発生している可能性があり、これらの拠点に対しては、国内とは異なる、あるいはよりカスタマイズされた廃棄物管理戦略が求められる。

1.2.4. 水資源の効率的利用と削減策

HCMは、水資源の効率的な利用と保全にコミットしている。水使用量削減（生産高原単位）の目標は、2010年度比で2025年度までに34％削減であったが、2023年度には40％削減を達成し、目標を前倒しでクリアした 3。2030年度の目標は「水再生利用の高度化、地域インパクト最小化」と設定されている 3。具体的な取り組みとしては、塗装工程におけるロボット化や条件最適化による水使用量の削減、塗装設備の使用水の長寿命化、循環水の利用拡大、配管漏水の修理、節水型蛇口の設置などが挙げられる 18。また、インドのタタ日立やニュージーランドのブラッドケン社などの拠点では、雨水貯留活用も行われている 18。2023年度の総取水量は1,045千立方メートルであった（171。ただし、7では1,200千立方メートルとの記載もあり、最終報告書作成にあたっては数値の精査が必要である）。

2025年度の水使用量削減目標を前倒しで達成したことは特筆すべき成果である。2030年に向けた「水再生利用の高度化、地域インパクト最小化」という目標 3 は、単なる総量削減から、より高度な水管理体制への移行を示唆しており、具体的には水フットプリントの算定や、HCMが事業を展開する特定地域における水ストレスへの対応などが含まれる可能性がある。これは、企業の水スチュワードシップに関する世界的な潮流とも合致する。HCMは水ストレスの高い地域を特定していると言及しており 8、これらの地域がどこであり、そこで具体的にどのような「高度な水再生利用」や「地域インパクト最小化」プロジェクトが計画・実施されているのかを開示することで、単なる効率改善を超えた、より成熟した水スチュワードシップへの取り組みを示すことができるだろう。

1.3. 生物多様性の保全

HCMは、事業活動と自然環境との共生を目指し、生物多様性の保全に向けた方針策定と具体的な活動を展開している。

1.3.1. 生物多様性方針と影響評価

HCMは、「豊かな大地、豊かな街を未来へ 安全で持続可能な社会の実現に貢献します」というビジョンのもと、事業活動が生物多様性の恩恵に依存し、また生態系に影響を及ぼす可能性があることを認識し、自然共生社会の実現を目指す「生物多様性方針」を定めている 28。この方針には、国際条約および国内関連法令の遵守、バリューチェーンを通じたサーキュラーエコノミーの推進とネイチャーポジティブの実現、環境負荷の低減などが盛り込まれている 28。同社は、生物多様性の損失を防ぐ「ノーネットロス」を目標とし、将来的には2050年までに「ネットポジティブインパクト」の創出を目指している 5。そのために、生物多様性保全のための優先地域を選定し、事業が生態系に与える影響と依存関係、リスク・機会を評価し、適切な対応を進める計画である 5。影響回避・低減・最小化、そして残存影響に対する代償措置という優先順位（ミティゲーションヒエラルキー）の考え方を取り入れることも明記されている 28。方針には、ステークホルダーとのエンゲージメントや情報開示に関する記述も含まれる 28。なお、2010年に策定された旧「日立建機環境行動指針」においても、生態系の保全が言及されていた 30。

包括的な方針が整備され、「ノーネットロス」や「ネットポジティブ」といった長期目標が設定されている一方で 5、現時点での開示情報からは、影響評価の具体的な方法論、「優先地域」の特定・管理方法、そして2050年の目標達成に向けた定量的な中間目標に関する詳細が不足している。方針の実効性は、これらの運用細則にかかっていると言える。日立ハイテクの報告書におけるTNFDへの言及 31 や、HCM自身が「30by30アライアンス」に参加していること 33 は、自然関連情報開示に関するより厳格なフレームワークへの意識の高まりと、将来的な整合性確保の可能性を示唆している。HCMは生物多様性条約などの国際条約に基づき、森林の不法伐採禁止を含む各国の関連法令を遵守し、事業活動地域における生物多様性保全に努めるとしている 34。しかし、具体的な影響評価の方法（例えば、どのようなツールや指標を用いているか）やその結果、特にGRIスタンダード304-2で求められるような著しいインパクトに関する詳細な記述は、統合報告書などの開示資料からは十分に確認できない。TNFDへの対応や「30by30アライアンス」への参加 33 は前向きな動きであるが、これらのコミットメントがHCMの具体的な行動計画にどのように落とし込まれているのか、さらなる情報開示が望まれる。生物多様性に関する定量的な中間目標が欠如している点は、進捗管理の観点からも課題と言える。今後、より詳細な方法論やTNFDに整合したパイロット評価が進行中であるかどうかが注目される。

1.3.2. 具体的な保全活動事例（国内外）

HCMおよびグループ各社は、国内外で多様な生物多様性保全活動を実施している。海外では、ザンビアでの植林活動「Plant a Million Zambia」への参加 5 や、中国内モンゴル自治区のホルチン砂漠における緑化活動 8 が挙げられる。国内では、日立建機ティエラが琵琶湖周辺で「魚のゆりかご水田プロジェクト」に参加し、水田の生態系再生や自然観察会を通じた環境教育を推進している 5。北海道の浦幌試験場では、自然環境調査や森林保全活動が行われている 29。その他、タイでの「地球の森プロジェクト」への支援や、琵琶湖・霞ヶ浦周辺での自然保護活動も過去に報告されている 30。また、鉱山採掘終了後の環境保全と安定的な跡地利用を可能とするための土壌の復元（リハビリテーション）は、ビジネスパートナーが積極的に取り組むべき重要な課題として認識されている 28。

報告されている活動の多くは、地域社会との連携や従業員参加型、あるいは外部NPOプロジェクトへの支援といった形態をとっている 5。これらは地域社会への貢献や局所的な生息環境の改善には価値があるものの、HCMの主要な事業活動やバリューチェーン（例えば、製品に使用される原材料の採掘や工場用地の利用など）が生物多様性に与える根本的な影響を緩和するという観点からは、これらの活動の戦略的な位置づけをより明確にする必要がある。例えば、これらの保全活動が、特定の事業活動による影響を相殺するために戦略的に選択されたものなのか、あるいはより広範な社会貢献活動の一環としての性格が強いのか、その関連性を具体的に示すことが求められる。特に、建設機械のライフサイクル全体を考慮すると、上流（原材料の採掘・加工）および下流（機械を使用した建設プロジェクトによる土地利用改変）における生物多様性への影響は潜在的に大きい。HCMの生物多様性戦略および活動が、これらのより広範かつ体系的な影響に、局所的なプロジェクトを超えてどのように対処しているのかを分析する必要がある。

1.3.3. 土地利用と原材料調達における配慮

HCMの生物多様性方針では、違法伐採の禁止を含む関連法令の遵守と、事業活動地域における生物多様性保全への努力が明記されている 28。また、新工場建設時の土地利用における生物多様性への配慮も方針に含まれている 36。日立建機グループサステナブル調達ガイドライン 37 は、サプライヤーに対し、生物多様性に配慮した紙製品や事務用品の優先調達、生態系に配慮した原材料の採掘・生産、土地取得や建物建て替え時における希少生物の保護や生息地の分断回避、在来種による緑化推進、汚染防止や3R活動の継続的改善などを求めている。ビジネスパートナーによる鉱山跡地のリハビリテーションも重要な取り組みとして強調されている 28。

サステナブル調達ガイドライン 37 は、生物多様性への配慮をサプライチェーンにまで拡大するための枠組みを提供するものである。しかし、その実効性は、サプライヤーに対するこれらのガイドラインの評価、監視、そして遵守徹底の厳格さにかかっている。HCMがサプライヤーの遵守状況をどのように確認し、不遵守の場合にどのように対処するのか、そのプロセスに関する開示は、ガイドラインの実効性を評価する上で不可欠である。特に、重機の原材料となる金属などの採掘は、土地利用や生物多様性に大きな影響を与える可能性があるため、この分野におけるサプライチェーン管理の徹底は極めて重要である。

第2部：事業環境分析と戦略的考察

2.1. 環境要因に伴う潜在的リスクと事業機会

建設機械業界は、地球環境問題への意識の高まりとともに、規制、市場、評判といった多岐にわたるリスクに直面している。一方で、これらの環境要因は新たな事業機会創出の源泉ともなり得る。HCMにとって、これらのリスクと機会を的確に把握し、戦略に織り込むことが持続的な成長の鍵となる。

2.1.1. 規制、市場、評判リスク分析

世界的に環境規制は強化の一途をたどっており、建設機械業界もその例外ではない。機械に対する排出ガス基準の厳格化や炭素価格制度（カーボンプライシング）の導入は、企業のコンプライアンスコストを増加させ、製品需要にも影響を与える可能性がある 1。市場リスクとしては、環境性能の高い製品やソリューションへの顧客嗜好のシフトが挙げられ、炭素集約度の高い従来型機械は陳腐化する可能性がある 14。また、環境問題への対応が不十分と見なされた場合、ブランドイメージの低下、投資家からの評価悪化、さらには優秀な人材獲得の困難化といった評判リスクに繋がる 13。気候変動に伴う物理的リスク、例えば異常気象の頻発化・激甚化は、企業の事業運営やサプライチェーンの寸断を引き起こす可能性がある 13。HCMにとっては、特に脱炭素化関連規制が製品開発や販売戦略に与える影響、そして日本、インド、インドネシアなど世界各地に点在する生産拠点やサプライチェーンが直面する物理的リスクが具体的に懸念される 13。

建設業界のサプライチェーン全体に及ぶ「脱炭素ドミノ」効果 46 は、HCMが直接的な規制だけでなく、顧客（大手建設会社など）やサプライヤーに対する脱炭素化圧力からも間接的な影響を受けることを意味する。これは、HCMの環境パフォーマンスが、取引先の持続可能性目標達成における一要素となるという、複雑な相互依存関係を生み出す。大手ゼネコンなどの顧客は、自らのESG目標達成のため、建設機械の稼働に伴う排出量（スコープ1）や購入する資本財に含まれる排出量（スコープ3）の削減をますます重視するようになるだろう 46。これは、HCMの電動機械や水素燃料機械に対する市場の牽引力となる一方で、HCMがこの需要に応えられない場合や競合他社がより迅速に対応した場合にはリスクともなり得る。同様に、HCM自身のサプライヤーも、HCMのスコープ3排出量の一部を構成するため、HCMが全体のカーボンフットプリント削減圧力を受けることは、サプライヤーに対する脱炭素化要求へと繋がる。このような相互連関性を踏まえると、HCMの環境戦略は、販売戦略や調達戦略と深く統合され、バリューチェーン全体での協調を促進するものでなければならない。

2.1.2. 環境配慮型事業による成長機会

環境配慮型建設機械の市場は、大きな成長機会を秘めている。特に、電動式および水素燃料式の建設機械に対する需要は世界的に高まっており 1、世界の電動建設機械市場は2024年から2032年にかけて年平均成長率21.7％で拡大すると予測されている 49。HCMによるこれらの先端技術への投資は、この成長市場を獲得するための重要な布石となる 5。サーキュラーエコノミー型のビジネスモデル、例えば強化されたリマン事業、レンタルサービス、製品のサービス化（PaaS）などは、資源依存度を低減しつつ、新たな収益源と顧客ロイヤルティを創出する可能性を秘めている 8。顧客の作業効率向上と排出量削減に貢献するソリューション（ICT施工ソリューションやConSiteなど）もまた、主要な事業機会と言える 18。さらに、優れたESGパフォーマンスは、投資の誘致やブランド価値の向上にも繋がる 13。

梅田靖教授が指摘するように 50、「機械の所有」から「機械の利用（アクセス）」へのシフトは、サーキュラーエコノミーの文脈において根本的なビジネスモデル変革の機会を提示している。このモデルでは、メーカーが製品ライフサイクル全体を通じて性能に責任を持つため、耐久性が高く、メンテナンスやアップグレードが容易な機械を設計・製造するインセンティブが働く。HCMが既存のレンタル事業 8 やConSiteソリューション 18 をさらに発展させ、例えば「機械の稼働時間」や成果ベースの契約といった形で提供できれば、より安定的かつ継続的な収益を生み出し、顧客との関係性を深化させることが可能となる。これは、メーカーと顧客双方のインセンティブを、稼働時間の最大化、効率性の向上、そしてライフサイクル全体での環境負荷最小化へと合致させる。さらに、高価な新型グリーン技術も、利用量ベースのモデルで提供することで、顧客の導入障壁を低減できる可能性がある。HCMがこのサービス化の流れをうまく捉え、事業規模を拡大できれば、資源効率を本質的に高めながら、競争優位性を確立できるだろう。

2.2. 建設機械業界における環境先進事例

建設機械および鉱山機械セクターにおいては、主要企業が環境負荷低減に向けた先進的な取り組みを加速させている。これらの事例は、HCMが自社の戦略を評価し、さらなる改善を図る上での重要な示唆を与える。

2.2.1. 気候変動対策の先進事例

気候変動対策では、競合他社による電動化、代替燃料技術の開発、そしてバリューチェーン全体での排出量削減努力が顕著である。例えば、コマツは電動ミニショベル向けに水素混焼エンジンを用いた発電機のコンセプト機を開発するなど、電動化と並行して水素利用技術にも注力している 39。キャタピラーは、バッテリー駆動の電動大型鉱山トラックや代替燃料対応製品の開発を進めている 55。ボルボCEは、幅広い電動機械のラインナップに加え、製品ごとのカーボンフットプリント（PCF）報告書を公開し、透明性の高い情報開示を行っている点が特筆される 60。中国メーカーでは、SANYが太陽光発電や水素製造への投資を含むクリーンエネルギー利用を強化し、多数の「ライトハウス工場」（先進的なスマート工場）を稼働させ、電動製品群を拡充している 68。XCMGは、「双炭」（カーボンピークアウトとカーボンニュートラル）目標達成に向けた行動計画を策定し、新エネルギー製品の市場浸透率目標やグリーンサプライチェーン構想を推進している 74。これらの企業は、工場照明のLED化やフォークリフトの電動化 84、バイオマスボイラーの導入 84 といった具体的な省エネ・再エネ施策も着実に実行している。

2.2.2. 資源循環の先進事例

資源循環の分野では、リマニュファクチャリング（再生）事業の規模拡大と高度化が共通のトレンドである。コマツの「リマン」事業は、長年にわたり部品再生を通じて資源効率向上に貢献しており、廃棄物削減やプラスチックリサイクルの取り組みも進めている 54。キャタピラーの「Cat Reman」プログラムは、2022年に1億4000万ポンド（約63,500トン）の使用済み部品を回収・再生しており、埋立廃棄物量の原単位削減目標も設定している 4。ボルボCEは、認定中古車制度、リマン部品（新品製造比で原材料85％、エネルギー80％削減を謳う）、そして機械全体の認定再生プログラムを通じて、サーキュラーエコノミーを推進している 52。SANYは、使用済み設備の再生や梱包材のリサイクルといった具体的な取り組みを報告している 68。XCMGも、リマニュファクチャリング、梱包材リサイクル、そしてスマートエネルギー管理システムによる資源消費抑制に注力している 74。

2.2.3. 生物多様性保全の先進事例

生物多様性保全に関しては、各社が方針策定や地域貢献活動を進めている。コマツは「生物多様性ガイドライン」を定め、「ワンサイト・ワンテーマ活動」として各事業所でのビオトープ創出など、地域に根差した保全活動を展開している 54。ボルボグループ（ボルボCEの親会社）は、ライフサイクル影響評価（ReCiPeモデルなど）を用いて生物多様性への影響を推定し、ミティゲーションヒエラルキー（回避、最小化、回復・代償）に従った対応や、深海採掘の一時停止を呼びかけるなど、より踏み込んだ姿勢を見せている 97。XCMGは、エチオピアでの干ばつ対策として家庭用貯水槽を建設するなどの社会貢献活動を通じて、間接的に生態系保全に寄与している 75。業界全体としては、自然関連財務情報開示タスクフォース（TNFD）の枠組み採用 99 や、ネイチャーポジティブへの貢献を目指す動き 101 が広がりつつある。また、サプライヤーに対して生物多様性への配慮を求めること 36 も重要な先進事例として挙げられる。

これらの先進事例に共通するテーマは、環境への配慮を製品の設計段階（エコデザイン、サーキュラーデザイン 102）から、サプライチェーン管理（グリーン調達 37）、そして製品寿命の終わり（リマニュファクチャリング、リサイクル 87）に至るまで、バリューチェーン全体で統合的に取り組むというホリスティックなアプローチである。ボルボCEが詳細な製品カーボンフットプリント報告書を公開していること 60 は、ライフサイクル視点での環境管理の深化を示している。コマツやキャタピラーは、長年にわたり大規模なリマン事業を展開し、使用済み製品の価値最大化を図っている 56。XCMGやSANYは、グリーンサプライチェーンやグリーン製造といった生産プロセス全体の環境負荷低減を強調している 68。これらの動向は、個別の環境対策から、より体系的でバリューチェーン全体を網羅する環境戦略へと業界が移行しつつあることを示している。HCM自身のConSiteによるライフサイクル管理、リマン事業、サプライヤーガイドラインといった取り組みは、この潮流と軌を一にするものであるが、これらの先進事例と比較した場合の統合の深さや定量的な成果が、今後の評価における重要なポイントとなるだろう。

2.3. 日立建機が直面する現在の課題

これまでの分析を踏まえると、HCMは環境経営において着実な進展を見せている一方で、いくつかの重要な課題に直面している。第一に、スコープ3排出量、特に製品使用段階における排出量の削減加速である。これは、新エネルギー製品の顧客への普及をより一層促進する必要性を示唆している（1.1.1.項の分析より）。第二に、リマン事業の成長目標（2030年度までに150％増）達成に向けた、使用済み部品の回収率向上と事業規模の拡大である（1.2.2.項の分析より）。第三に、プラスチック廃棄物のリサイクル率を2025年度目標の99.4％まで引き上げるための具体的な道筋の明確化である（1.2.3.項の分析より）。第四に、生物多様性方針の運用深化であり、これには詳細な影響評価の実施、定量的な中間目標の設定、そしてサプライヤーに対する生物多様性ガイドライン遵守の徹底が含まれる（1.3.1.項および1.3.3.項の分析より）。第五に、バリューチェーン全体の脱炭素化という複雑な相互依存関係の効果的な管理である（2.1.1.項の分析より）。第六に、従来の販売中心のビジネスモデルと、サーキュラーエコノミー型のサービスベースの提供モデルとのバランスを戦略的に取ることである（1.2.1.項の分析より）。第七に、インターナルカーボンプライシングが低炭素投資を実質的に促進しているかどうかの継続的な検証と、必要に応じた制度強化である（1.1.4.項の分析より）。そして最後に、主要なグローバル生産拠点における気候変動に対する脆弱性評価の実施と、具体的な適応計画の開示である（1.1.4.項の分析より）。

これらの課題に共通する横断的な課題として、HCMの環境報告における透明性と具体性のさらなる向上が挙げられる。特に、影響評価（とりわけ生物多様性分野）の方法論、インターナルカーボンプライシングの具体的な成果、サプライチェーンにおける環境プログラムの実効性などについて、より詳細な情報開示が求められる。HCMは多くのデータを開示しているものの 3、方針、活動、そしてバリューチェーン全体での定量的なインパクトとの間の繋がりを強化する余地がある。例えば、競合であるボルボCEは詳細な製品カーボンフットプリント報告書を公開しており 60、透明性において高い水準を示している。CDPやMSCIといったESG評価機関が要求する情報開示レベルも年々高度化しており 103、HCMがこれらの進化するベストプラクティスに追随できない場合、ステークホルダーからの評価において課題が生じる可能性がある。

第3部：競合他社分析とベンチマーキング

3.1. 主要競合他社の特定と環境戦略概要

HCMの主要なグローバル競合企業としては、コマツ（日本）、キャタピラー（米国）、ボルボ建設機械（スウェーデン、ボルボグループ傘下）、三一重工業（SANY Heavy Industry、中国）、そして徐工集団（XCMG、中国）が挙げられる。これらの企業は、それぞれ独自の環境戦略を掲げ、持続可能性への取り組みを強化している。

コマツは、「ダントツバリュー」を掲げ、2050年のカーボンニュートラル達成を目標とし、その中間目標として2030年までにCO2排出量を50％削減（2010年比）、再生可能エネルギー使用率50％を目指している。電動化、水素技術、リマン事業、生物多様性ガイドラインの策定など、包括的な環境戦略を展開している 39。

キャタピラーは、顧客がより持続可能な世界を構築することを支援するというコミットメントのもと、2030年に向けたサステナビリティ目標を設定している。これには、スコープ1および2のGHG排出量30％削減（2018年比）、水リスクの高い地域における水管理戦略の実施、埋立廃棄物原単位の削減、リマニュファクチャリングからの売上増加、そして全ての新製品を前世代よりも持続可能なものにすることなどが含まれる。2023年からはスコープ3排出量の開示も開始した 55。

ボルボCE（ボルボグループ）は、2040年までにバリューチェーン全体でのGHG排出量実質ゼロを目指し、2030年までに大幅な削減を計画している。広範な電動機械のラインナップ、製品カーボンフットプリント報告書の公開、リマニュファクチャリング・再構築・中古車活用を含むサーキュラーエコノミーへの注力、そして気候効率の高い生産拠点の実現などが特徴である 52。

SANY Heavy Industryは、「双炭」目標（カーボンピークアウトとカーボンニュートラル）の達成に向け、全工程での脱炭素化、グリーンファクトリー（33のライトハウス工場を含む）、グリーンサプライチェーンの構築、太陽光や水素を含むクリーンエネルギー利用の拡大、VOC排出量削減、廃棄物削減、梱包材節約などを推進している 68。

XCMGは、2049年までの事業活動におけるカーボンニュートラル、2027年までのカーボンピークアウトを目標とし、再生可能エネルギー利用率（2035年までに50％）、新エネルギー製品の市場浸透率（2035年までに35％）に関する目標を設定している。グリーンサプライチェーン構想「サプライチェーン同盟排出削減行動」、グリーン・インテリジェント製造、廃棄物管理、エネルギー消費量削減などにも取り組んでいる 74。

3.2. 競合他社の環境パフォーマンス比較分析

HCMの環境パフォーマンスを競合他社と比較分析することは、同社の相対的な強みと改善領域を特定する上で有益である。以下、気候変動、資源循環、生物多様性の各分野における比較を行う。

3.2.1. 気候変動への取り組み比較

GHG排出量削減目標に関しては、各社が独自の基準年と目標年、削減率を設定している。コマツは2030年までにCO2排出量50％削減（2010年比）を目標とし 39、キャタピラーはスコープ1・2で2030年までに30％削減（2018年比）を掲げている 56。ボルボCEは2040年までのネットゼロを目標とし 60、XCMGは2049年までの事業活動におけるカーボンニュートラルを目指している 74。HCMの目標（2030年までにスコープ3製品で33％削減、スコープ1・2で45％削減、いずれも2010年比 3）は、これらの目標と比較して遜色のない水準であるが、特にスコープ3製品使用時の排出量削減の進捗が全体の目標達成の鍵を握る。再生可能エネルギー導入率については、コマツが2030年までに50％という明確な目標を掲げているのに対し 39、HCMの具体的な導入率目標は公表資料からは確認できなかった。電動・代替燃料製品ポートフォリオの幅広さや成熟度においては、ボルボCEが広範な電動機械ラインナップと詳細な製品カーボンフットプリント情報開示で先行している印象を受ける 60。SANYやXCMGといった中国メーカーも、国内の「双炭」政策を背景に、電動化や新エネルギー技術への投資を急速に進めており 68、市場投入のスピードと規模において競争が激化している。

3.2.2. 資源循環への取り組み比較

リマニュファクチャリング事業の規模では、キャタピラーが2022年に1億4000万ポンド（約63,500トン）の部品を回収・再生したと報告しており 56、その規模の大きさがうかがえる。ボルボCEのリマン部品は、原材料の85％を再利用し、エネルギー消費を80％削減すると謳っている 92。HCMの2023年度のリマン事業売上は約420億円 5、再生部品の重量ベース増加率は前年度比7％であった 3。コマツも長年にわたりリマン事業を展開している。廃棄物削減に関しては、キャタピラーが埋立廃棄物原単位の50％削減目標を掲げている 56。HCMは国内再資源化率93％（2023年度）と高い水準を維持しているが 3、グローバルでの埋立廃棄物総量や、特に海外拠点でのゼロエミッション達成に向けた取り組みの進捗が比較のポイントとなる。水管理については、各社が原単位削減目標を設定しているが、水ストレス地域における具体的なリスク評価と対応策の開示レベルには差が見られる。

3.2.3. 生物多様性保全への取り組み比較

生物多様性保全に関しては、コマツが詳細な「生物多様性ガイドライン」を策定し、各事業所での具体的な保全活動を展開している点が特徴的である 95。ボルボグループは、ライフサイクルアセスメント手法（ReCiPeモデル）を用いた影響評価やミティゲーションヒエラルキーの適用など、より科学的アプローチを取り入れようとしている 97。HCMは「ノーネットロス」から「ネットポジティブインパクト」への長期目標を掲げているが 5、具体的な影響評価手法や定量的な中間目標に関する開示は、主要な競合他社と比較して、まだ発展途上にあると言えるかもしれない。サプライチェーンにおける生物多様性配慮の組み込み度合いも、各社のコミットメントの深さを示す指標となる。

競合他社の動向を見ると、ボルボCEのような企業は、製品ライフサイクル全体での炭素排出量（PCF報告書 60）や生物多様性への影響評価手法（97）に関して、より進んだ定量的評価と透明性の高い情報開示を行っている。これはHCMが今後目指すべき方向性の一つを示唆している。また、SANYやXCMGといった中国の競合企業は、国内の強力な政策支援を背景に、電動化やグリーン製造技術の分野で急速にその規模を拡大しており、新エネルギー製品の市場投入スピードと生産能力において、HCMにとって大きな競争圧力となる可能性がある 68。コマツやキャタピラーは、リマン事業において長年の実績と広範なグローバルネットワークを有しており 56、HCMの野心的なリマン事業成長目標は、これらの強力な競合との比較において評価される必要がある。これらの分析から、HCMは自社の取り組みを加速させるだけでなく、環境に関する主張の透明性と定量的根拠を強化し、業界リーダーとしての地位を維持・向上させる必要があることが示唆される。

3.3. 環境スコアのベンチマーキング

3.3.1. 主要なESG評価機関によるスコア比較（CDP、MSCI、Sustainalytics、FTSE Russell、S&P Global/DJSI等）

HCMおよび主要競合他社のESG評価を概観すると、各社の強みや課題が異なる側面から浮き彫りになる。

HCMのCDP評価は、2024年において気候変動が「B」、水セキュリティが「B」であった 33。これは、2022年の気候変動「A-」、水セキュリティ「B」 15 から気候変動の評価が一段階低下したことを示している。MSCI ESGレーティングに関しては、親会社である日立製作所が「AA」評価を得ているが 138、HCM単独のMSCIレーティングは公表資料からは直接確認できなかった。SustainalyticsによるESGリスクレーティングでは、HCMは22.4（ミディアムリスク）と評価され、機械セクター570社中65位（2025年4月時点）に位置付けられている 139。FTSE Russellについては、FTSE Blossom Japan Sector Relative Indexの構成銘柄に選定されており 15、一定のESGパフォーマンスが認められている。S&P Global ESGスコアでは66点を獲得（2024年9月時点）し 142、DJSI Asia Pacific Indexの構成銘柄にも選定されている（2022年12月時点）15。また、S&P Globalサステナビリティイヤーブック2025のメンバーにも選出され、業界内で上位15％の評価を得ている 142。

コマツは、CDP評価において気候変動および水セキュリティの両分野で最高評価である「Aリスト」企業として長年にわたり認定されている（気候変動は9年連続、水セキュリティは5年連続）145。MSCI ESGレーティングでは、MSCI Japan ESG Select Leaders IndexおよびMSCI Japan Empowering Women Indexの構成銘柄に選定されている 146。SustainalyticsによるESGリスクレーティングは22.1（ミディアムリスク）で、機械セクター591社中59位（2024年6月時点）である 148。FTSE RussellのFTSE Blossom Japan Indexの構成銘柄にも選定されている 147。S&P Global/DJSIにおいては、DJSI World Indexに19年連続で選定されており、世界的に高い評価を維持している 151。

キャタピラーのCDPスコアについては、Net0Trackerによると「F」との情報があるが 152、これは他の評価と比較して著しく低く、公式なCDP開示や他の情報源との照合による確認が必要である。MSCI ESGレーティングでは、イスラエル関連の「社会的論争」事項の評価見直し後、「AA」評価となっている（従来は「A」）153。SustainalyticsによるESGリスクレーティングは28.33（ミディアムリスク）である 154。

ボルボグループ（ボルボCEを含む）のCDP評価は、ボルボ・カーズ（別事業体だがグループの方向性を示唆）が気候変動で「Aリスト」評価を受けている 156。ボルボグループ自体の2015年のCDPスコアは100点満点の「A」であった 159。SustainalyticsによるESGリスクレーティングでは、ボルボAB（グループ）が28.3（ミディアムリスク）で機械セクター570社中194位（2024年12月時点）160、ボルボ・カーABは24.6（ミディアムリスク）161 となっている。S&P Global ESGスコアでは、ABボルボは47点（2024年10月時点）と評価されている 162。

SANY Heavy IndustryのCDPスコアは直接確認できなかったが、DitchCarbonによる分析ではスコア17とされ、業界内で上位89％に位置するとされている（ただしこれはCDP公式スコアではない）128。SustainalyticsによるESGリスクレーティングでは、Sany Heavy Equipment Int'l Holdingsが36.1（ハイリスク）で439位/570社 163、Sany Heavy Industry Co., Ltd.が30.8（ハイリスク）で272位/591社 164、Sany Renewable Energyが28.7（ミディアムリスク）165 と、事業部門や関連会社によって評価が異なる。S&P Global ESGスコアでは、Sany Heavy Equipment Int'l Holdingsが31点（2024年11月時点）となっている 166。

XCMG Construction MachineryのCDPスコアは直接確認できなかった。SustainalyticsによるESGリスクレーティングは42.5（深刻なリスク）と評価され、機械セクター570社中549位（2025年2月時点）と、相対的に低い評価となっている 167。S&P Global ESGスコアは22点（2025年1月時点）である 136。

3.3.2. スコアリング結果の分析と日立建機の相対的ポジション

HCMのCDPスコア（2024年：気候変動B、水セキュリティB 33）は、CDPの評価段階でいう「マネジメントレベル」に該当し、気候変動や水問題に対して協調的な行動をとっているものの、コマツ（両分野でAリスト 145）のような「リーダーシップレベル」（A/A-評価）にはまだ到達していないことを示唆している。SustainalyticsのESGリスクレーティング22.4（ミディアムリスク 140）は、コマツの22.1（ミディアムリスク 148）とほぼ同水準であり、リスク管理において一定の評価を得ている。S&P Global ESGスコア66点 143、DJSI Asia Pacific Indexへの選定 15、S&P Globalサステナビリティイヤーブックへの掲載 142 は、全般的なESGパフォーマンスが良好であることを示す肯定的な指標である。しかしながら、CDPスコアを主要なベンチマークとして考慮した場合、特定の環境分野においては世界のトップランナー企業との間に差が見られる。

HCMのESG評価が機関によって異なる背景には、各評価機関の評価方法論や重点項目の違いがあると考えられる。例えば、S&P GlobalのCSA（DJSIおよびS&P Global ESGスコアの基礎）は、環境・社会・ガバナンス（E・S・G）の各側面を包括的に評価するのに対し、CDPは環境テーマ、特に気候変動と水セキュリティ、森林に特化した詳細な情報開示とパフォーマンスを問う 103。HCMがS&P Globalで比較的高いスコアを得ているのは、ガバナンスや社会側面での取り組みが評価されている可能性がある一方で、CDPでリーダーシップレベルに達していないのは、気候変動や水に関する特定の開示項目やパフォーマンス指標において、トップティア企業が満たすような野心的な科学的根拠に基づく目標（全スコープをカバー）、包括的なリスク評価、詳細な移行計画といった基準 103 を満たす上で、さらなる努力が必要であることを示唆しているのかもしれない。この差異を詳細に分析し、特にCDP評価向上につながる具体的なアクションを特定することが、HCMの環境パフォーマンスと外部評価を一層高める上で重要となるだろう。

第4部：結論と提言

4.1. 日立建機の環境パフォーマンスに関する総括的評価

本報告書における分析の結果、HCMは気候変動への対応、資源循環の推進、生物多様性の保全という三つの主要分野において、積極的かつ多角的な取り組みを進めていることが確認された。特筆すべき成果としては、生産段階（スコープ1および2）における温室効果ガス排出量削減目標の早期達成 3、水使用量原単位削減目標の達成 3、TCFD提言に沿った包括的な気候関連情報開示の実施 13、そして成長を続けるリマン事業 5 などが挙げられる。これらの取り組みは、HCMが環境課題を経営の重要事項と捉え、具体的な行動を通じて環境負荷低減に努めていることを示している。

しかしながら、いくつかの課題も明らかになった。製品使用段階（スコープ3）における排出量削減の進捗は、生産段階と比較して緩やかであり 3、2050年カーボンニュートラル達成のためには、この分野での一層の努力が求められる。プラスチック廃棄物のリサイクル率向上 3 や、生物多様性に関する影響評価の具体化と定量的な中間目標の設定（1.3.項の分析より）も、今後の重要な取り組み事項である。また、CDP評価など一部のESG評価においては、世界のトップランナー企業と比較して改善の余地があることも示された（3.3.2.項の分析より）。これらの課題は、HCMが持続可能な成長を達成し、環境リーダーシップを発揮していく上で、戦略的な対応が必要とされる領域である。

4.2. 持続可能な成長に向けた戦略的提言

HCMが環境パフォーマンスを一層向上させ、持続可能な成長を実現するためには、以下の戦略的提言を考慮することが有益である。

4.2.1. 気候変動対策の強化領域

製品使用段階における排出量削減を加速するため、特に排出量の大きい製品カテゴリーにおけるゼロエミッション機械（電動式、水素燃料式）の開発と市場浸透を一層強化することを提言する。その際、充電インフラの未整備や初期導入コストの高さといった顧客の導入障壁を克服するためのパートナーシップ構築や新たなビジネスモデル（例えば、バッテリー・アズ・ア・サービスやリースオプションの拡充など）の展開を検討すべきである（1.1.3.項の分析に基づく）。スコープ3排出量、特に製品使用に関する、より野心的な科学的根拠に基づく目標（SBT）を設定し、サプライヤーに対する脱炭素化支援プログラムを強化することも重要である（2.1.1.項および3.3.2.項の分析に基づく）。インターナルカーボンプライシングについては、その価格水準が低炭素投資を十分に促進するレベルにあるかを継続的に評価し、必要に応じて価格を引き上げることを検討すべきである（1.1.4.項の分析に基づく）。さらに、主要なグローバル生産拠点および重要なサプライチェーン拠点における詳細な気候脆弱性評価を実施し、その結果と具体的な適応計画を開示することで、物理的リスクへの対応力を示すことが求められる（1.1.4.項の分析に基づく）。

4.2.2. 資源循環型ビジネスモデルの深化

リマン事業を大幅にスケールアップするための戦略を強化し、使用済み部品（コア）の回収率向上、グローバルなリマン生産能力の増強、そしてリマン部品の利点（環境負荷低減、コスト削減、新品同等性能）に関する積極的な市場啓発を行うことを提言する（1.2.2.項の分析に基づく）。製品設計段階から耐久性、修理可能性、リサイクル可能性を一層重視する「サーキュラーデザイン」への研究開発投資を拡大すべきである。「機械の所有から利用へ」というトレンドに対応し、レンタル事業や製品のサービス化（PaaS）モデルを拡充することで、新規販売への依存度を低減し、顧客との長期的な関係構築を目指すことが望ましい（1.2.1.項および2.1.2.項の分析に基づく）。プラスチック廃棄物のリサイクル率99.4％という野心的な目標達成に向けては、材料技術の革新やリサイクル専門事業者との連携強化など、具体的なターゲットを定めた取り組みを推進すべきである（1.2.3.項の分析に基づく）。

4.2.3. 生物多様性保全への貢献拡大

バリューチェーン全体を通じた生物多様性への影響と依存関係に関する評価方法論を確立し、その結果をTNFDフレームワーク 31 に沿って開示することを提言する。「ノーネットロス」および「ネットポジティブインパクト」という長期目標達成に向けた、定量的かつ期限付きの中間目標を設定することが不可欠である（1.3.1.項の分析に基づく）。サプライヤーに対する生物多様性への配慮要求を、単なるガイドラインの提示から、具体的なモニタリングや能力開発支援を含む実効性の高いエンゲージメントへと深化させるべきである（1.3.3.項の分析に基づく）。また、地域社会で実施する保全プロジェクトについては、単なる社会貢献活動に留まらず、自社の事業活動やバリューチェーンにおける主要な生物多様性インパクトを緩和するという戦略的な観点から位置づけ、その関連性を明確にすることが望まれる（1.3.2.項の分析に基づく）。

4.2.4. 環境情報開示のさらなる向上

環境報告における透明性と具体性を一層向上させることを提言する。特に、影響評価の方法論（特に生物多様性分野）、インターナルカーボンプライシングの具体的な財務的・戦略的影響、サプライヤー環境プログラムの詳細な成果、生物多様性目標に関する定量的な進捗状況などについて、より詳細な情報開示が求められる。主要製品に関する製品カーボンフットプリント（PCF）報告書を、ボルボCE 60 のように公開することは、ライフサイクル排出量に関するステークホルダーからの情報要求の高まりに応える上で有効である（2.3.項および3.2.項の分析に基づく）。CDP評価などで相対的に低いスコアが示された分野については、評価機関のクライテリアを詳細に分析し、ベストプラクティスに沿った情報開示とパフォーマンス改善に繋げることで、外部評価の向上を目指すべきである（3.3.2.項の分析に基づく）。

参考文献

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  17. 日立建機グループ SDGsへの取り組み (生物多様性関連含む) https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/sdgs/

  18. 日立建機グループ GRIスタンダード対照表 (生物多様性関連) https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/gricomparison/

  19. 日立建機グループ 環境目標 (Scope別CO2削減目標) https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/environment/goals/

  20. 日立建機グループ サプライチェーンCO2排出量 (Scope1,2,3詳細) https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/environment/climate_change/

  21. 日立建機グループ 脱炭素社会の実現に向けて (再生可能エネルギー導入) https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/environment/decarbonized/

  22. 日立建機グループ SDGsケーススタディ (再生可能エネルギー導入事例) https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/sdgs/case-study/

  23. 日立建機グループ 脱炭素社会の実現に向けて (電動化・低炭素化製品) https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/environment/decarbonized/

  24. 日立建機マガジン「Tierra」低炭素型建設機械特集 https://www.hitachicm.com/global/ja/corporate/publicity/magazine/2021/vol135/feature_2/

  25. 日立建機グループ 統合報告書2023 (リサイクル率・製品長寿命化) https://www.hitachicm.com/content/dam/hitachicm/global/ja/sustainability/download/docs/ir2023/ir2023_all_jp_.pdf

  26. 日立建機株式会社 2024年10月25日 決算説明会資料 (部品再生拠点) https://www.hitachicm.com/content/dam/hitachicm/global/ja/ir/library/results/docs/20241025-HCM-CV-J.pdf

  27. 日立建機グループ 環境目標 (廃棄物削減・リサイクル率) https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/environment/goals/

  28. 日立建機グループ 廃棄物の削減 https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/environment/resource/waste/

  29. 日立建機グループ 環境目標 (水使用量削減) https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/environment/goals/

  30. 日立建機グループ 水の有効利用 https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/environment/resource/water/

  31. 日立建機グループ 統合報告書2024 (ダウンロードページ) https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/download/

  32. 日立建機グループ 統合報告書2024 (PDF本体) https://www.hitachicm.com/content/dam/hitachicm/global/ja/sustainability/download/docs/ir2024/ir2024_all_jp_.pdf

  33. 日立建機グループ ESGデータブック2024 (PDF本体) https://www.hitachicm.com/content/dam/hitachicm/global/common/sustainability/download/docs/ESGdatabook2024_JE.pdf

  34. Hitachi Construction Machinery Co Ltd 2024 ESG Databook (SustainabilityReports.com) https://sustainabilityreports.com/reports/hitachi-construction-machinery-co-ltd-2024-esg-databook-pdf/

  35. 日立建機グループ 統合報告書2024 PDF P71-72 (生物多様性方針) https://www.hitachicm.com/content/dam/hitachicm/global/ja/sustainability/download/docs/ir2024/2024_71-72.pdf

  36. 日立建機グループ「環境行動指針」改定（生物多様性への取り組み強化）ニュースリリース (2010年) https://www.hitachicm.com/global/ja/news/topics/2010/10-09-01/

  37. 日立建機グループ 統合報告書2024 PDF (生物多様性保全活動事例の文脈) https://www.hitachicm.com/content/dam/hitachicm/global/ja/sustainability/download/docs/ir2024/ir2024_all_jp_.pdf

  38. 日立建機グループ GRIスタンダード対照表 (生物多様性インパクト・保全活動) https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/gricomparison/

  39. 日立建機グループ サステナブル調達ガイドライン (原材料調達における生物多様性配慮) https://www.hitachicm.com/content/dam/hitachicm/global/ja/sustainability/social/humanrights/docs/HCM_SPG.pdf

  40. 日立建機グループ「環境行動指針」改定（原材料調達・生態系保全）ニュースリリース (2010年) https://www.hitachicm.com/global/ja/news/topics/2010/10-09-01/

  41. 日立建機グループ 統合報告書2024 PDF (土地利用方針の文脈) https://www.hitachicm.com/content/dam/hitachicm/global/ja/sustainability/download/docs/ir2024/ir2024_all_jp_.pdf

  42. 日立建機グループ 自然共生社会の実現に向けて (土地利用方針・鉱山リハビリテーション) https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/environment/nature/

  43. 経済産業省「特定製品のエネルギー消費効率の目標値等に関する検討（建設機械）」(再生可能エネルギー目標の文脈、ただし日立建機に直接言及なし) https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/chikyu_kankyo/denshi_wg/pdf/2021_001_08_01.pdf

  44. 日立建機グループ ESGデータブック2021 (過去データ参照用) https://www.hitachicm.com/content/dam/hitachicm/global/common/sustainability/download/docs/ESGdatabook2021_JE.pdf

  45. 日立建機グループ 統合報告書2024 PDF (生物多様性影響評価の文脈) https://www.hitachicm.com/content/dam/hitachicm/global/ja/sustainability/download/docs/ir2024/ir2024_all_jp_.pdf

  46. 日立建機グループ 表彰・評価 (生物多様性関連の受賞含む) https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/commendation/

  47. 日立建機グループ 統合報告書2024 PDF (生物多様性KPIの文脈) https://www.hitachicm.com/content/dam/hitachicm/global/ja/sustainability/download/docs/ir2024/ir2024_all_jp_.pdf

  48. 日立建機グループ 統合報告書2024 PDF P17-19 (マテリアリティ・生物多様性KPI) https://www.hitachicm.com/content/dam/hitachicm/global/ja/sustainability/download/docs/ir2024/2024_17-19.pdf

  49. 日立建機グループ 統合報告書2023 PDF (製品長寿命化) https://www.hitachicm.com/content/dam/hitachicm/global/ja/sustainability/download/docs/ir2023/ir2023_all_jp_.pdf

  50. 日立建機グループ 統合報告書2024 PDF (製品長寿命化) https://www.hitachicm.com/content/dam/hitachicm/global/ja/sustainability/download/docs/ir2024/ir2024_all_jp_.pdf

  51. 日立ソリューションズ「PALRO活用事例：リスク分析」(建設機械業界の直接的環境リスク分析ではない) https://www.hitachi-solutions.co.jp/paloalto/advantage/risk-analysis.html

  52. 経済産業省「GX建設機械の導入促進に向けたロードマップ中間とりまとめの概要」(建設機械業界の環境リスク) https://www.meti.go.jp/press/2024/01/20250131002/20250131002-2.pdf

  53. MCH Parts「5 Ways to Assess the Environmental Impact of Heavy Construction Machinery」(建設機械の環境影響評価) https://www.mchpartsnyc.com/post/5-ways-to-assess-the-environmental-impact-of-heavy-construction-machinery

  54. WTW「Mitigating environmental risk in construction」(建設業界の環境リスク軽減) https://www.wtwco.com/en-id/insights/2024/09/mitigating-environmental-risk-in-construction

  55. 環境省「TCFDとは」(TCFDの一般的説明) https://www.env.go.jp/content/900500262.pdf

  56. 日立建機グループ 統合報告書2023 PDF P42-46 (TCFD提言に基づく開示) https://www.hitachicm.com/content/dam/hitachicm/global/ja/sustainability/download/docs/ir2023/2023_42-46.pdf

  57. ヤンマー「建設機械の電動化が加速！メリットや今後の課題、ヤンマーの取り組みを解説」(建設機械電動化の市場機会) https://www.yanmar.com/jp/engine/e-powertrain/journal/article3/

  58. Fortune Business Insights「電動建機市場」(建設機械電動化の市場規模予測) https://www.fortunebusinessinsights.com/jp/%E9%9B%BB%E5%8B%95%E5%BB%BA%E6%A9%9F%E5%B8%82%E5%A0%B4-108017

  59. 内閣府「SIP-CEの主な取り組みの進捗状況」(サーキュラーエコノミーの課題、自動車分野) https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/241031/siryo1.pdf

  60. 日立建機マガジン「Tierra」サーキュラーエコノミー特集 (梅田靖教授インタビュー) https://www.hitachicm.com/global/ja/corporate/publicity/magazine/2021/vol134/feature_3/

  61. Fortune Business Insights「鉱山機械市場」(鉱山機械メーカーの環境規制リスク) https://www.fortunebusinessinsights.com/jp/%E9%89%B1%E5%B1%B1%E6%A9%9F%E6%A2%B0%E5%B8%82%E5%A0%B4-104970

  62. コマツレポート2024 サステナビリティ P7 (鉱山機械と石炭需要減少リスク) https://www.komatsu.jp/ja/ir/library/-/media/HOME/ir/library/annual/ja/2024/kr24j_sustainability_07.pdf

  63. 大成建設「TAISEI Green Target 2050」(建設業界サプライチェーンの環境リスク) https://www.taisei-sx.jp/environment/tgt/

  64. 内田洋行ITソリューションズ「2022年建設業の経営課題」(建設業界サプライチェーンの脱炭素ドミノ) https://process.uchida-it.co.jp/itnavi/seminarreport/20220927/

  65. 国立環境研究所「気候変動適応情報プラットフォーム」(建設業の物理的リスク、気温上昇) https://adaptation-platform.nies.go.jp/private_sector/guide/pdf/Reference%20Information_A1_2.pdf

  66. 環境省「TCFD開示トレンド」(物理的リスク開示動向、業種別) https://adaptation-platform.nies.go.jp/moej/tcfd-scenario-analysis/trend/

  67. Rabobank「Here’s why companies must address physical climate risks」(物理的気候リスクの経済的影響) https://www.rabobank.com/knowledge/d011459536-here-s-why-companies-must-address-physical-climate-risks

  68. Marsh「Climate change: managing the implications on construction」(建設プロジェクトにおける気候変動の影響) https://www.marsh.com/en/industries/construction/insights/climate-change-managing-the-implications-on-construction.html

  69. ユアサ商事「サステナビリティレポート」(サプライチェーンにおける環境規制強化リスクの一般例) https://www.yuasa.co.jp/sustainability/environment/climate/

  70. ライト工業「ESG経営」(建設業サプライチェーンの自然災害リスク) https://www.raito.co.jp/company/kankyou/esg/esg/

  71. JLL「ESG投資がCRE戦略に与える影響」(ESG投資と不動産評価) https://www.joneslanglasalle.co.jp/ja/trends-and-insights/investor/ESG-investment-guide-cre-strategy

  72. 建設経営者倶楽部「建設業がサステナビリティ活動に取り組む際の重要ポイント」(建設業のESG課題) https://k-kensetu.kyo-ninka.jp/article/site/1874/

  73. MS&AD「グリーン・レジリエンス・レポート2024」(気候・自然関連リスク分析の一般例) https://www.ms-ad-hd.com/ja/csr/main/05/teaserItems1/01/link/greenresiliencereport2024.pdf

  74. 日本ベル投資研究所「フロイント産業 アナリストレポート」(建設機械業界の直接的環境リスク財務影響ではない) https://www.freund.co.jp/news/news_file/file/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%99%E3%83%AB%E6%8A%95%E8%B3%87%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80%20IR%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%202025%E5%B9%B42%E6%9C%88%E6%9C%9F%E7%AC%AC1%E5%9B%9B%E5%8D%8A%E6%9C%9F.pdf

  75. Dialnet「Project scheduling under uncertainty: A fuzzy FMEA-Monte Carlo simulation approach」(建設プロジェクトのリスク分析、環境リスクも一部言及) https://dialnet.unirioja.es/descarga/articulo/9514681.pdf

  76. ResearchGate「Risk analysis of construction a logistics centre in economic and environmental aspects」(建設プロジェクトの経済・環境リスク分析) https://www.researchgate.net/publication/368914078_Risk_analysis_of_construction_a_logistic_centre_in_economic_and_environmental_aspects

  77. NIC「Risk Assessment for Mining Industry」(鉱山機械の環境リスク、財務影響の定量的分析の文脈) https://environmentclearance.nic.in/DownloadPfdFile.aspx?FileName=gok7C9WvdHkRp9u+NRYNAgRBoPeEXnUg4aPHiDqC1IVRFkc6xhQITjpIP73OSipzZ7kTQ09v7bUbERGcOLil6uBPFxOhGb8wkA/xMFN01Vw=&FilePath=93ZZBm8LWEXfg+HAlQix2fE2t8z/pgnoBhDlYdZCxzVPEh4a7F53Cae7tleKGoXI7f3qHsQ4mEt9+y03oib7i6zg1izg9RsZbVmZBd2bUlrJuQea18z4ICRkFCo2EKv6

  78. Columbia Water Center「Mining and Water Risk: Diagnosis, Benchmarking and Quantitative Analysis of Financial Impacts」(鉱業における水リスクと財務影響) https://water.columbia.edu/sites/default/files/content/publications/Mining-and-Water-Risk-Diagnosis-Benchmarking-and-Quantitative-Analysis-of-Financial-Impacts.pdf

  79. 日立建機グループ 気候変動への取り組み (製造拠点、IEA排出係数使用) https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/environment/climate_change/

  80. 環境省「気候変動アクション環境大臣表彰」(製造拠点の物理的リスク評価の直接的情報なし) https://www.env.go.jp/earth/ondanka/min_action_award/files/r05_pamphlet.pdf

  81. 環境省「TCFD開示トレンド」(日本の製造業の物理的リスク事例：小売業の例) https://adaptation-platform.nies.go.jp/moej/tcfd-scenario-analysis/trend/

  82. 環境省「我が国における気候変動関連リスク・機会に係るシナリオ分析事例集」(日本の製造業の物理的リスク影響額の認識) https://www.env.go.jp/earth/ref10_1.pdf

  83. McKinsey「アジアにおける気候リスクと対応」(アジア製造業サプライチェーンの物理的リスク) https://www.mckinsey.com/jp/~/media/McKinsey/Locations/Asia/Japan/Our%20Insights/Climate-risk-and-responses-in-Asia-Full-report-J.pdf

  84. The IIA「アジア太平洋地域 リスク・イン・フォーカス2025」(アジア製造業の気候変動リスク認識) https://www.theiia.org/globalassets/site/foundation/latest-research-and-products/risk-in-focus/2025/asia-pacific-risk-in-focus-2025-hot-topics-japanese.pdf

  85. コマツ「コマツレポート（統合報告書）」(コマツのサステナビリティ報告書) https://komatsu.disclosure.site/ja/themes/121

  86. コマツ「サステナビリティ」(コマツの環境への取り組み概要) https://www.komatsu.jp/ja/sustainability

  87. Komatsu「Sustainability」(コマツの環境への取り組み概要 英語) https://www.komatsu.jp/en/sustainability

  88. Komatsu「ESG Databook 2024」(コマツのESGデータブック 英語) https://komatsu.disclosure.site/en/csr/pdf/KomatsuCSR2024_en.pdf

  89. Caterpillar「2023 Sustainability Report Highlights」(キャタピラーのサステナビリティ目標) https://www.caterpillar.com/en/company/sustainability/sustainability-report.html

  90. Caterpillar「Sustainability Report」(キャタピラーのサステナビリティ報告書ページ) https://www.caterpillar.com/en/company/sustainability/sustainability-report.html

  91. Indiana Department of Environmental Management「Caterpillar Presentation」(キャタピラーの電動化、リマン事業) https://www.in.gov/idem/partnerships/files/quarterly_meeting_06212023_presentation_campion.pdf

  92. Caterpillar「2022 Sustainability Report」(キャタピラーの2022年サステナビリティ報告書、Scope3開示言及) https://www.responsibilityreports.com/HostedData/ResponsibilityReportArchive/c/NYSE_CAT_2022.pdf

  93. UDトラックス「サステナビリティレポート2020」(ボルボグループのサプライヤー行動規範) https://www.udtrucks.com/sites/default/files/2022-11/SR2020_JP.pdf

  94. ボルボ・カー・グループ「サステナビリティレポート2022」(ボルボ・カーズの気候変動対策、直接ボルボCEではない) https://sb-tokyo.com/2024/wp/wp-content/uploads/2023/11/VOLVO-Sustainability-Report-2022-JP.pdf

  95. Volvo CE News「Volvo CE reveals industry’s most extensive Product Carbon Footprint reports」 https://www.volvoce.com/global/en/news-and-events/news-and-stories/2024/volvo-ce-reveals-industrys-most-extensive-product-carbon-footprint-reports/

  96. Heavy Equipment Guide「Volvo CE releases carbon footprint reports as an added sustainability tool for buyers」 https://www.heavyequipmentguide.ca/article/41865/volvo-ce-releases-carbon-footprint-reports-as-an-added-sustainability-tool-for-buyers

  97. 三菱重工「MHI REPORT 2024」(TNFDの一般的説明、直接三一重工ではない) https://www.mhi.com/jp/finance/library/annual/pdf/report_2024_23.pdf

  98. 大栄環境グループ「サステナビリティレポート2023」(資源循環、生物多様性の一般例、直接三一重工ではない) https://www.dinsgr.co.jp/csr/pdf/policy/2023SustainabilityReport.pdf

  99. SANY Heavy Industry「2023 Sustainable Development Report Press Release」 https://www.sanyglobal.com/press_releases/2645/

  100. PR Newswire「SANY Heavy Industry Publishes 2023 Sustainable Development Report」 https://www.prnewswire.com/news-releases/sany-heavy-industry-publishes-2023-sustainable-development-report-302143482.html

  101. ティラド「サステナビリティレポート」(GRIスタンダード参照の一般例、直接徐工集団ではない) https://www.trad.co.jp/images/library/File/csr/2020A4/A4_ALL.pdf

  102. PR Newswire「環境関連ニュース一覧」(徐工集団の合弁会社に関するニュース断片) https://www.prnewswire.com/jp/news-releases/environment-latest-news/environment-latest-news-list/?page=20&pagesize=25

  103. Green Energy Report「XCMG Pushes for Carbon Neutrality within Its Operating Boundaries by 2049」 https://greenenergy.report/latest-news/xcmg-pushes-for-carbon-neutrality-within-its-operating-boundaries-by-2049

  104. PR Newswire「XCMG Machinery Unveils Groundbreaking ESG Report」 https://www.prnewswire.com/news-releases/xcmg-machinery-unveils-groundbreaking-esg-report-marking-a-milestone-in-sustainable-business-development-302149825.html

  105. 経済産業省「自主行動計画フォローアップ（製造部門の個社取組事例）」(キャタピラー、コマツ、酒井重工業の省エネ事例) https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/chikyu_kankyo/denshi_wg/pdf/2022_001_07_01.pdf

  106. Accela「建設業界の環境対策の取り組みとは？大手企業の先進事例も解説」(建設業界の環境対策全般) https://www.accelainc.com/archives/4342

  107. アミタ「サーキュラーエコノミー実現に向けた3つの原則と先進事例」(サーキュラーエコノミーの原則) https://www.amita-oshiete.jp/column/entry/016555.php

  108. タンソミル「土木業界の脱炭素の取り組みとは？大手企業の先進事例をご紹介」(土木業界の脱炭素事例) https://www.tansomiru.jp/media/case/mag_268/

  109. 千葉県生物多様性センター「企業の生物多様性への配慮事例」(新工場建設時の生物多様性配慮の一般例) https://www.bdcchiba.jp/date/kigyou/seminar/161019seminar17pp1.pdf

  110. PwC「ネイチャーポジティブ経営の実現に向けて」(ネイチャーポジティブの概念と企業事例) https://www.pwc.com/jp/ja/press-room/nature-positive231129.html

  111. Sany Heavy Equipment International Holdings Company Limited「ESG Report 2024」(SANYのESGレポート) https://www1.hkexnews.hk/listedco/listconews/sehk/2025/0428/2025042801956.pdf

  112. ResearchGate「ESG Performance and Competitive Advantage: Construction for the Development of Enterprise Transformation-A Case Study of Sany Heavy Industry Co., Ltd」(SANYのESGと企業変革に関する論文) https://www.researchgate.net/publication/387423598_ESG_Performance_and_Competitive_Advantage_Construction_for_the_Development_of_Enterprise_Transformation-A_Case_Study_of_Sany_Heavy_Industry_Co_Ltd

  113. HKEX「Sustainability Report 2024」(HKEXのサステナビリティレポート、XCMG直接ではない) https://www.hkexgroup.com/-/media/HKEX-Group-Site/ssd/Investor-Relations/Regulatory-Reports/documents/2025/250317sr_e.pdf

  114. The Malaysian Reserve「XCMG Machinery Unveils Groundbreaking ESG Report」(XCMGのESGレポート概要) https://themalaysianreserve.com/2024/05/20/xcmg-machinery-unveils-groundbreaking-esg-report-marking-a-milestone-in-sustainable-business-development/

  115. Caterpillar「2023 Sustainability Report」(キャタピラーの2023年サステナビリティ報告書ページ) https://www.caterpillar.com/en/company/sustainability/sustainability-report.html

  116. Caterpillar News「Caterpillar Company Reports 2023」(キャタピラーの2023年各種報告書発行ニュース) https://www.caterpillar.com/en/news/corporate-press-releases/h/caterpillar-comapny-reports-2023.html

  117. Sany Heavy Equipment International Holdings Company Limited「ESG Report 2024」 (SANYのESGレポートURL) https://www1.hkexnews.hk/listedco/listconews/sehk/2025/0428/2025042801956.pdf

  118. SANY Group「Sustainability」(SANYグループのサステナビリティ戦略ページ) https://www.sanyglobal.com/sustainability/

  119. SANY Heavy Industry「2021 Annual Social Responsibility Report」(SANYの2021年CSRレポート) http://www.sse.com.cn/disclosure/listedinfo/announcement/c/new/2022-04-23/600031_20220423_12_38rvstpE.pdf

  120. Cranes and Lifting「Sany publishes 2023 Sustainable Development Report」(SANYの2023年持続可能性報告書概要) https://www.cranesandlifting.com.au/sany-publishes-2023-sustainable-development-report/

  121. コマツ「コマツレポート2024」(コマツの気候変動対策、電動化、水素) https://www.komatsu.jp/ja/ir/library/-/media/HOME/ir/library/annual/ja/2024/kr24j_sustainability_07.pdf

  122. 内閣府 規制改革推進会議「建設現場における電動建機の導入拡大について」(コマツの水素混焼エンジン発電機) https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2409_02startup/241219/startup01.pdf

  123. コマツ「地球と共に」(コマツの資源循環、リマン事業) https://www.komatsu.jp/ja/sustainability/planet

  124. コマツ「資源有効利用活動（リマン事業、廃棄物、水資源）」(コマツのリマン事業、廃棄物削減) https://komatsu.disclosure.site/ja/themes/150

  125. コマツ「生物多様性活動への取り組み」(コマツの生物多様性方針、保全活動) https://komatsu.disclosure.site/ja/themes/103

  126. 大阪府「コマツ大阪工場と生物多様性保全に関する協定を締結」(コマツの生物多様性保全活動事例) https://www.knsk-osaka.jp/kankyo/info/doc/2016031400069/

  127. Caterpillar「2023 Sustainability Report」(キャタピラー2023年サステナビリティ報告書PDF直接リンクなし) https://www.caterpillar.com/en/company/sustainability/sustainability-report.html

  128. Relayto「Caterpillar Sustainability Report」(キャタピラー2021年サステナビリティ報告書、2023年PDF直接リンクなし) https://relayto.com/explore/caterpillar-sustainability-report-v4wplcreuov3u

  129. Volvo CE「LCA & CFP Methodology」(ボルボCEの製品カーボンフットプリント手法) https://www.volvoce.com/-/media/volvoce/global-site/products-and-services/environmental-declarations/lca_cfp-methodology-volvo-ce-2025-04-01.pdf?v=lFZ1Pw

  130. Volvo CE「CO2 Reduction Program」(ボルボCEのCO2削減プログラム) https://www.volvoce.com/united-states/en-us/volvo-services/productivity-services/co2-reduction-program/

  131. ChargedEVs「Volvo CE’s electric construction equipment」(ボルボCEの電動建機戦略) https://chargedevs.com/newswire/video-volvo-ces-electric-construction-equipment-practical-considerations-successes-and-challenges/

  132. Volvo CE「Electric Machines」(ボルボCEの電動建機戦略、2040年目標) https://www.volvoce.com/united-states/en-us/about-us/change-starts-here/electric-machines/

  133. Volvo Cars「Circular economy」(ボルボ・カーズのサーキュラーエコノミー、ボルボCE直接ではない) https://www.volvocars.com/intl/sustainability/circular-economy/

  134. Volvo Group「Remanufacturing」(ボルボグループのリマニュファクチャリング、ボルボCE含む) https://www.volvogroup.com/en/sustainable-transportation/responsible-business/resources/remanufacturing.html

  135. Volvo Group「Sustainable Solutions」(ボルボグループの持続可能ソリューション、生物多様性直接言及なし) https://www.volvogroup.com/en/sustainable-transportation/sustainable-solutions.html

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  165. Sany Renewable Energy Co., Ltd. ESG Risk Rating - Sustainalytics, 5月 14, 2025にアクセス、 https://www.sustainalytics.com/esg-ratings/sany-renewable-energy-co-ltd/2003734926

  166. Sany Heavy Equipment International Holdings Company Limited ESG Score - S&P Global, 5月 14, 2025にアクセス、 https://www.spglobal.com/esg/scores/results?cid=4994667

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  169. ESG RISK SMART SCORE - Sustainalytics, 5月 14, 2025にアクセス、 https://connect.sustainalytics.com/hubfs/INV/ESG%20Risk%20Ratings/MS_ESG_Smart_Score_Brochure_Final.pdf

  170. Schneider Electric SE ESG Score - S&P Global, 5月 14, 2025にアクセス、 https://www.spglobal.com/esg/scores/results?cid=4203999

  171. 水の有効利用 - 日立建機 - Hitachi Construction Machinery, 5月 14, 2025にアクセス、 https://www.hitachicm.com/global/ja/sustainability/environment/resource/water/