株式会社SUBARU(以下、SUBARU)は、自動車事業と航空宇宙事業を主要な柱とする世界的な輸送用機器メーカーである 1。本報告書は、SUBARUの環境に関する取り組みとパフォーマンスについて、特に「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の3つの重点分野に焦点を当て、包括的かつ学術的な水準での分析を行うことを目的とする。その目的は、同社の環境スコア算出に必要な詳細情報を収集し、戦略的な評価に資することである。
本報告書では、まずSUBARUの環境戦略とガバナンス体制を概観し、続いて気候変動、資源循環、生物多様性の各分野における具体的な目標、取り組み、実績データを詳述する。さらに、これらの環境要因に関連する潜在的なリスクと事業機会を分析し、自動車業界における先進的な環境への取り組み事例(ベストプラクティス)を提示する。競合他社(トヨタ自動車、本田技研工業、マツダ株式会社、スズキ株式会社、三菱自動車工業株式会社)との比較分析を行い、CDP、MSCI ESGレーティング、Sustainalytics ESGリスクレーティングなどの第三者評価機関による環境スコアを用いたベンチマーキングを実施する。最後に、SUBARUが直面する現在の課題を評価し、今後の重点分野や取るべき行動に関する提言を行う。本報告書は、指定された要件に従い、日本語で記述され、表、箇条書き、リスト形式を一切使用せず、全てのデータ、比較、ベンチマーク結果を物語形式(文章のみ)で記述する。見出しレベルは4まで使用し、参考文献は指定された形式で記載する 。分析にあたっては、SUBARUが開示するサステナビリティWeb/レポート、統合報告書などの公式情報を主要な情報源として活用する 2。
SUBARUは、その事業活動の根幹に環境への配慮を深く位置付けている。同社の環境に対する基本的な考え方は、「『大地と空と自然』がSUBARUのフィールド」という認識に集約されており、自然との共生を目指す取り組みへの注力を「SUBARU環境方針」の中で明確に定めている 8。この方針は、単なる環境保護活動に留まらず、持続可能な社会の実現への貢献を目指すという、より広範な企業活動の指針となっている 9。企業としてのありたい姿を「笑顔をつくる会社」と定め 4、環境への取り組みを通じて、顧客や社会からの信頼を得て、その実現を目指している。
SUBARUグループのサステナビリティ戦略は、6つの重点領域(「人を中心とした自動車文化」「共感・共生」「安心」「ダイバーシティ」「環境」「コンプライアンス」)を設定しており、「環境」はその重要な柱の一つとして認識されている 3。統合報告書では、これらの重点領域に基づき、財務情報と非財務情報を統合的に開示し、環境課題への対応を含む価値創造ストーリーや成長戦略をステークホルダーに説明している 3。特に、環境側面では気候変動や循環経済(資源循環)、自然との共生(生物多様性)に関する情報開示の充実を図っており 3、これは環境課題への取り組みが事業戦略と不可分であることを示している。また、米国市場においては、「More Than a Car Company®」というスローガンを掲げ、自動車製造にとどまらない価値提供を目指す姿勢を示しており、その中核には地球や地域社会への貢献が含まれている 11。これらの活動全体を通じて、SUBARUは環境保全を単なる義務やコストとしてではなく、ブランド価値向上や持続的成長に繋がる重要な要素と捉えていることがうかがえる。この企業姿勢は、環境活動がブランドイメージ「大地と空と自然」と密接に結びつき、「笑顔をつくる」という企業目的の達成に貢献するという戦略的な意図を示唆している 3。
SUBARUにおけるサステナビリティ、特に環境戦略の推進は、明確なガバナンス体制の下で実行されている。経営の最高意思決定機関である取締役会が、環境戦略を含むサステナビリティ戦略全体の策定と進捗状況の監督責任を負う 5。具体的な推進組織としては、代表取締役社長が委員長を務める「サステナビリティ委員会」(2021年度に「CSR委員会」から改称 10)が中心的な役割を担っている 5。この委員会には担当役員も含まれ、サステナビリティ推進部が事務局として機能している 10。気候変動を始めとする環境リスクについては、環境委員会などの専門組織で議論され、リスクの定期的な抽出・把握とマネジメントが行われている 5。経営層の役割としては、気候関連リスクと機会の評価・管理を主導することが挙げられる 14。
目標設定や進捗管理は、統合報告書やサステナビリティWebといったコミュニケーションツールを通じてステークホルダーに開示されており、透明性の確保に努めている 3。TCFD提言への対応状況も、これらの報告書や専用の対照表で詳細に示されている 14。このように、CEO直轄の委員会組織 5 とTCFDへの明確なコミットメント 14 は、経営トップレベルでの強い関与を示している。しかしながら、この体制の真の有効性は、方針が事業運営の隅々まで浸透し、バリューチェーン全体で測定可能な成果として具現化されるかどうかにかかっている。名称変更(CSR委員会からサステナビリティ委員会へ)10 は、単なる形式的な変更ではなく、ESG課題を従来のCSR活動の枠を超えて、より深く経営戦略に統合しようとする組織的な意思の表れと解釈できる。これは、投資家が統合報告書などを通じて企業の長期的価値創造プロセスを理解しようとする近年の傾向とも合致している 16。
SUBARUは、気候変動への取り組みを経営上の最重要課題の一つと認識し、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明している 15。TCFDが推奨する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの開示項目について、同社はサステナビリティWebや統合報告書、CDP回答などを通じて情報開示を行っており、その対応状況はTCFD対照表として整理・公開されている 5。
具体的には、「ガバナンス」項目において、取締役会による気候関連リスク・機会の監視体制や、経営者による評価・管理の役割について説明している 14。取締役会は環境戦略の監督を行い、サステナビリティ委員会が推進の中心を担う体制が示されている 5。
「戦略」項目では、短期・中期・長期にわたる気候関連リスクと機会の特定状況、それらがビジネス、戦略、財務計画に及ぼす影響について開示している 14。認識されているリスクとしては、規制強化(燃費規制、炭素税等)、市場変動(消費者嗜好の変化、BEV市場の不確実性)、評判(ブランド価値毀損)、物理的リスク(自然災害による操業停止)などが挙げられている 17。機会としては、電動化による新規市場獲得、コスト削減(省エネ、再エネ導入)、ブランドイメージ向上などが考えられる 17。さらに、2°C以下シナリオを含む異なる気候関連シナリオを考慮した上での戦略のレジリエンス(強靭性)についても分析・開示している 14。
「リスク管理」項目では、気候関連リスクを識別・評価し、管理するための組織的なプロセスについて説明している 14。環境リスクは環境委員会で議論され、リスクマネジメント体制の中で対応策が講じられている 5。
「指標と目標」項目では、戦略およびリスク管理プロセスに沿って、気候関連リスクと機会を評価するために用いる指標(Scope1, 2, 3排出量、再エネ比率、電動化比率など)と、それらに関する具体的な目標値を開示している 14。SUBARUは、これらのTCFD提言に沿った情報開示を通じて、気候変動課題への取り組みの透明性を高め、ステークホルダーとの対話を促進することを目指している 3。
SUBARUは、気候変動問題を経営上の最重要課題の一つと位置づけ、2050年のカーボンニュートラル達成という長期目標を掲げている 17。この目標達成に向け、製品ライフサイクル全体でのCO2排出量削減、特に電動化の推進と、工場・オフィス等における排出量削減の両面から具体的な取り組みを進めている。
SUBARUは、気候変動への対応として、科学的根拠に基づいた具体的なCO2排出削減目標を設定している。長期目標としては、2050年までに工場・オフィスなど(スコープ1およびスコープ2)でカーボンニュートラルを達成することを目指している 17。同時に、製品(スコープ3)においては、Well-to-Wheel(燃料採掘から車両走行まで)で新車平均(走行時)のCO2排出量を2010年比で90%以上削減するという高い目標を掲げている 9。スコープ1は自社施設からの直接排出、スコープ2は購入電力・熱などの間接排出、スコープ3はそれ以外のサプライチェーン全体での排出を指す 17。
中期目標(マイルストーン)としては、工場・オフィスなど(スコープ1, 2)において、2035年度までに2016年度比でCO2排出量を60%削減(総量ベース)することを目指している 17。この目標は、国内の販売特約店においても同様に適用され、カーボンニュートラルな電力購入などが進められている 17。これらの目標設定は、SUBARUが自社の直接的な排出削減だけでなく、バリューチェーン全体での取り組みを重視していることを示している 17。
SUBARUの気候変動対策の中核をなすのが電動化戦略である。2030年代前半までに、生産・販売する全てのSUBARU車に電動技術を搭載することを目指し、さらに2030年には全世界販売台数の50%をバッテリーEV(BEV)にするという野心的な目標を設定している 17。この目標達成のため、具体的な製品開発と投資計画が進行中である。
最初のグローバルBEVとして「ソルテラ」を2022年に市場投入した 17。続くステップとして、2026年末までにSUVカテゴリーに新たに3車種のBEVを投入し、2028年末までにはさらに4車種を追加、合計8車種のBEVラインアップを構築する計画である 17。ハイブリッド車(HEV)に関しても、トヨタ自動車とのアライアンスを活用し、トヨタハイブリッドシステム(THS)の技術を取り入れた「次世代e-BOXER」を開発、「クロストレック」や「フォレスター」といった主力車種への搭載を予定している 17。既存のマイルドハイブリッドシステム「e-BOXER」搭載車も引き続き拡充していく方針である 17。
電動化への移行には多額の投資が必要であり、SUBARUは2030年頃までに電動化関連に約1.5兆円を投じる計画で、その約半分はバッテリー関連に充てられる 26。生産体制も抜本的に見直し、群馬県太田市にBEV生産のための新工場(大泉新工場)を建設する計画である 27。この新工場は、当初BEV専用ラインとして立ち上げ、将来的には他の電動車との混流生産も可能な設計とする構想であり、市場の動向に柔軟に対応する狙いがある 27。バッテリー生産に関しても、パナソニックエナジー株式会社との協業により、大泉新工場の近接地に工場を建設予定であり、サプライチェーンの高効率化を図る 27。
一方で、BEV市場の成長鈍化など先行きが不透明な状況も認識しており 27、規制や市場動向を注視しながら「柔軟性」と「拡張性」を持って対応する方針を強調している 17。内燃機関(ICE)搭載車の需要も一定程度継続すると見ており、BEVへの移行を段階的に進めつつ、開発手法やプロセスを革新し、その成果をICE系商品にも展開することで、多様な顧客ニーズに応えるとしている 27。また、カーボンニュートラル燃料を用いたレース参戦や技術研究組合への参画を通じて、内燃機関の将来的な可能性も追求している 17。この電動化戦略は、外部パートナーシップ(トヨタ、パナソニック)への依存度が高い側面も持つが 17、これはリソースの制約と市場の不確実性を考慮した上での、リスク管理を伴う段階的なアプローチと解釈できる 26。
SUBARUは、工場やオフィスにおけるCO2排出量削減目標(スコープ1, 2)の達成に向け、再生可能エネルギーの導入と省エネルギー化を両輪で進めている。再生可能エネルギー導入の具体的な取り組みとしては、群馬製作所本工場で購入電力の全量を水力発電由来の電力に切り替えたことが挙げられる 17。大泉工場では購入電力の一部に非化石証書を活用し、矢島工場では立体駐車場や複数の完成検査棟の屋上に合計で相当規模の太陽光発電設備を導入している 17。この矢島工場の太陽光発電設備(2023年9月稼働分を含む)により、年間591トンのCO2排出量削減効果が見込まれている 17。航空宇宙カンパニー宇都宮製作所では、栃木県の水力発電所を電源とする地産地消型電力メニュー「とちぎふるさと電気」を導入している 17。本社ビルや研修センターでも排出係数ゼロの電力契約やグリーン熱証書を活用するなど、拠点特性に応じた多様な再エネ導入策を展開している 17。これらの取り組みは国内外のグループ会社にも広げられている 17。
省エネルギー化に関しては、高効率な空調機器の導入やコジェネレーション設備の更新といった設備投資に加え、ICTやIoT技術を活用したエネルギー管理の高度化にも取り組んでいる 17。これらの省エネ活動は、単なるコスト削減に留まらず、CO2排出量削減目標達成のための基盤となる重要な取り組みである。かつて、より野心的な30%削減目標(2030年度目標、2016年度比)を設定した背景には、従来の積み上げ的な発想を超え、将来世代と共存できる目標を目指すという未来志向的な考え方があった 18。この目標設定が、再生可能エネルギー導入や低炭素電力購入といった、コスト面でも有利なアイデアを含む新たな取り組みを社内で促進する契機となった側面もある 18。
SUBARUは、自動車の環境影響を包括的に評価し、脱炭素化に向けた開発を推進するために、ライフサイクルアセスメント(LCA)を積極的に活用している 17。LCAは、原材料調達から製造、輸送、使用、廃棄に至るまでの製品ライフサイクル全体における環境負荷、特にCO2排出量を定量的に評価する手法である。この評価結果を設計段階からフィードバックすることで、より環境性能の高い車両開発を目指している 17。
具体的な成果として、現行モデルにおいて旧モデルと比較した場合のCO2排出量削減率が公表されている。例えば、「インプレッサ」では2.4%、「フォレスター」では8.7%のライフサイクルCO2排出量削減を達成したことが示されている 17。これらの数値は、LCAに基づく評価が実際の製品改良に繋がり、着実な環境負荷低減効果を生み出していることを示唆している。LCAの推進は、製品使用段階(スコープ3)における排出量が自動車のライフサイクル全体で大きな割合を占めることを考慮すると、SUBARUのカーボンニュートラル目標達成において極めて重要な意味を持つ。
SUBARUは、自社の事業活動(スコープ1, 2)だけでなく、サプライチェーン全体(スコープ3)にわたるCO2排出量削減にも注力している。特に物流分野では、多岐にわたる効率化策を推進している 17。完成車輸送においては、輸送ルートの最適化や積載効率の向上を図るとともに、トラック輸送から鉄道や船舶への転換(モーダルシフト)を進めている 17。輸出部品輸送に関しても、コンテナへの充填率改善、輸送後の空コンテナを別の輸送に活用するラウンドユース、内陸部でのコンテナ取扱拠点(インランドコンテナデポ)の活用などを通じて、輸送効率を高めている 17。さらに、トヨタモビリティパーツ株式会社との共同配送や、工場・物流拠点で使用するフォークリフトの電動化も進めている 17。
サプライヤーとの連携も強化しており、主要な取引先に対しては環境マネジメントシステムISO14001の認証取得を推奨するとともに、脱炭素化への協力を要請している 17。これは、サプライチェーン上流(部品製造など)からの排出量削減が、ライフサイクル全体のCO2削減に不可欠であるとの認識に基づいている。また、社内での排出量削減努力を補完・促進する仕組みとして、排出量取引制度やインターナルカーボンプライシング(社内炭素価格付け)といったカーボンプライシング手法も導入している 17。加えて、トヨタ自動車とのアライアンス深化や業界団体への積極的な参加を通じて、気候変動対策に関する知見の共有や共同での取り組みも推進している 17。
SUBARUの気候変動に関する取り組みの成果は、具体的な数値データとして報告されている。2023年度のサプライチェーン全体(スコープ1、2、3)における温室効果ガス排出量は、合計で39,914千トンCO2であった 17。このうち、SUBARU自社の事業活動に直接関連するスコープ1およびスコープ2の排出量(マーケット基準)は、2023年度に471,854トンCO2となり、前年度から18千トンCO2減少した 17。これは、中期目標の基準年である2016年度と比較して20.9%の削減に相当し、目標達成に向けた着実な進捗を示している 17。
再生可能エネルギーの導入も進んでおり、2023年度にはSUBARUグループ全体で使用したエネルギー総量のうち7.2%、全電力使用量に対しては22.5%が再生可能エネルギー由来となった 17。特に、矢島工場に設置された太陽光発電設備は、2023年度に591トンのCO2排出量削減に貢献した 17。
製品面では、2023年度の全世界販売台数における電動車(BEVおよびHEV)の割合は7.8%であり、そのうちBEVの割合は1.5%であった 17。これは、2030年のBEV販売比率50%という目標 17 に対してはまだ低い水準であり、今後の急速な拡大が必要であることを示唆している。しかし、個々の車種における環境性能改善は見られ、LCA評価に基づき、「インプレッサ」は旧モデル比で2.4%、「フォレスター」は同8.7%のCO2排出量削減を達成している 17。
物流面でも改善が進んでおり、SUBARU車1台当たりの輸送時CO2排出量は、2023年度において2006年度比で25.7%減少した 17。地域レベルでは、例えば北海道スバル株式会社の2023年度CO2総排出量は3,305トンであり、同社は電力のカーボンフリー化(2024年50%、2026年100%目標)などを通じて削減に取り組んでいる 25。これらの実績データは、SUBARUが多岐にわたる活動を通じて気候変動対策を進めていることを示しているが、特に製品電動化の加速が今後の課題であることを浮き彫りにしている。
SUBARUは、気候変動に関連する様々なリスクと機会を認識し、TCFD提言に基づき情報開示を行っている 14。
規制リスクとしては、主要市場(日本、米国、欧州、中国など)における燃費・排出ガス規制の強化が挙げられる 17。これらの規制基準を満たせない場合、罰金やクレジット購入による追加費用が発生するだけでなく、製品の販売機会自体が制限される可能性がある 17。また、パリ協定に基づく各国の目標が将来的にさらに厳格化される可能性もあり、事業戦略への影響が懸念される 17。化石燃料の使用継続に対する炭素税導入や排出量取引制度の強化も、エネルギーコスト上昇のリスクとなる 17。
市場リスクとしては、低炭素車への消費者の関心が高まる中、SUBARUの電動化への移行が遅れた場合に販売シェアを失う可能性が指摘されている 17。一方で、近年見られるBEV市場の成長鈍化や先行き不透明感は、投資判断や生産計画におけるリスク要因ともなっており、SUBARUが強調する「柔軟性」17 が求められる背景となっている。
評判リスクも重要である。脱炭素化への取り組みが不十分と見なされた場合、SUBARUブランドの価値が毀損し、優秀な人材の獲得や製品販売、さらには投資家からの資金調達にも悪影響が及ぶ可能性がある 17。
物理的リスクとしては、気候変動の進行に伴う集中豪雨や台風などの異常気象が、サプライヤーからの部品供給の停滞や自社工場の浸水被害などを引き起こし、生産活動に支障をきたすリスクが考えられる 17。
技術リスクとしては、再生可能エネルギーの導入計画が予定通り進まなかった場合に、スコープ1、2の排出量削減目標達成が困難になる可能性が挙げられる 17。
一方で、これらのリスクは裏返せば事業機会ともなり得る。省エネルギー化や再生可能エネルギー導入によるエネルギーコストの削減は直接的な経済メリットをもたらす 18。魅力的なBEVやHEVを市場に投入できれば、環境意識の高い新たな顧客層を獲得し、新規市場を開拓する機会となる 17。環境性能の高さを訴求することで、ブランドイメージを向上させ、企業価値を高めることも可能である。さらに、トヨタ自動車とのハイブリッド技術 17 やパナソニックエナジーとのバッテリー生産 27 における協業は、電動化への移行を加速し、開発・生産コストを抑制するための重要な機会となる 26。カーボンニュートラル燃料のような革新的な技術開発 17 も、将来的な競争優位性を築く機会となり得る。これらのリスクと機会を的確に評価し、戦略に反映させることが、SUBARUの持続的な成長にとって不可欠である。
SUBARUグループは、循環型社会の実現を製造業としての重要な責務と捉え、資源の効率的な利用と廃棄物の削減に向けた多角的な取り組みを推進している 7。商品のライフサイクル全体を通じた資源循環の効率化、国内外の生産拠点における埋め立て廃棄物ゼロ(ゼロエミッション)の継続、そして3R(リデュース、リユース、リサイクル)活動の高度化を目標に掲げている 34。
具体的な目標として、グローバルな課題である廃棄プラスチック問題への貢献を目指し、2030年までに新型車に使用するプラスチックの25%以上をリサイクル素材(マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル等)由来とする目標を設定し、その実現に向けた研究開発を進めている 7。この目標達成には、再生プラスチックの品質基準策定や安定的な原材料回収スキームの構築が鍵となる 34。また、バイオマスプラスチックのようなCO2フリー素材や、製造段階での環境負荷がより少ないプラスチック素材の積極的な採用も目標に含まれている 34。生産拠点においては、国内外の主要工場でゼロエミッション(最終埋め立て率0.5%未満)を継続することを目標としている 34。
資源循環は、製品の設計・開発段階から考慮されている。「リサイクル配慮設計」を推進し、解体・分別しやすい構造の採用や、リサイクルに適した素材の選定に努めている 34。特に、自動車部品に使用される樹脂を再生樹脂やバイオマス材料に置き換えるための技術開発に注力している 34。さらに、持続可能な素材開発にも取り組み、食品加工後の残渣や間伐材といった植物由来の素材を自動車部品の原材料として活用する研究や 34、航空機部品製造工程で発生する炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の廃棄物から再生した炭素繊維を自動車部品(例:カーボン製ボンネット)に応用し、軽量化と環境負荷低減の両立を目指す研究も進められている 34。これらの取り組みは、将来的なリサイクル技術の進展を見据え、CFRP部品の易解体性に関する技術開発も視野に入れている 35。
SUBARUの国内外の生産工場では、廃棄物を貴重な資源と捉え、その削減と再資源化に積極的に取り組んでいる。その結果、2014年度以降、ゼロエミッション(最終埋め立て率0.5%未満)を継続達成している 34。具体的な取り組みとして、鉄やアルミニウムのスクラップは専門業者への引き渡しや工場内での再溶解により、ほぼ全量が再利用されている 34。プラスチックに関しても、生産時に発生する端材や仕損じ品(例:廃バンパー)を粉砕し、自動車部品として再利用するマテリアルリサイクルの検討が進められている 34。
さらに、単なるリサイクルに留まらず、生産工程で発生する端材に新たな価値を与える「Upcycle(アップサイクル)」の取り組みも推進している 34。例えば、工場の残布や落ち綿を再紡績した生地でエプロンを製作したり(タキヒヨー株式会社との協業)、エアバッグ生地の端材を活用してマルシェバッグを製作したり(豊田合成株式会社との協業)、廃棄される漁網を原料としたキーストラップを製作したり(株式会社キャンバス POLeRブランドとの協業)といった事例がある 34。これらの活動は、廃棄物削減に貢献すると同時に、環境意識の高い消費者への訴求力を高める効果も期待される。
顧客との接点である国内販売特約店においても、資源循環への貢献は重要なテーマである。各特約店では、事業活動から排出される廃棄物の適正処理と国内での再資源化を目指す「ゼロエミッション活動」に取り組んでいる 34。この活動を通じて、2023年度には使用済みバンパー約2.6万本、鉛バッテリー約14.5万個(鉛資源約1,986トン相当)、廃オイル約5千キロリットル、廃タイヤ約19万本が回収・再資源化された 34。
回収された使用済みバンパーはマテリアルリサイクルされ、オイル交換時に発生する廃油は再生重油として再資源化され、山形県の園芸農家でハウス暖房用燃料として利用されている 34。また、SUBARUグループの物流会社である株式会社スバルロジスティクス本社の社員食堂から排出される廃食用油は、持続可能な航空燃料(SAF)への転換を目指すプロジェクトに提供され、再資源化されている 34。
使用済み自動車(ELV)のリサイクルに関しても、SUBARUは自動車リサイクル法に基づき、リサイクルシステムの構築・運営に積極的に参加・協力している 34。シュレッダーダスト(ASR)やエアバッグ類のリサイクル率向上に努め、フロン類の適正処理も徹底している 34。多くの販売会社では、環境省が策定した環境マネジメントシステム「エコアクション21」の認証を取得し、省資源・省エネルギー、廃棄物削減といった環境保全活動を自主的・継続的に推進している 37。これらの活動には、廃棄物削減目標の設定 30、エコキャップ回収 43、リユースの推進 44 などが含まれる。
物流プロセスにおける資源循環の取り組みも進められている。特に、部品輸送に使用される梱包資材の削減と再利用が重点項目である。海外生産拠点向けの部品輸送などにおいて、繰り返し使用可能なリユース梱包資材の導入を推進しており、その取扱量は年々増加している 34。また、米国向けに輸出されるバンパーについては、日本からの輸出時に高強度な包装材を使用することで、現地での再包装作業を不要とし、包装資材の使用量そのものを削減する取り組みも進められている 34。米国の地域配送センターでは、返却可能な輸送容器を使用することで、段ボールや木材パレットなどの使い捨て資材の使用量を削減している 34。
水資源の有効活用と削減も、資源循環の観点から重要である。SUBARUグループ全体としての具体的な水使用量削減目標や詳細な取り組みについては、提供された資料からは限定的な情報しか得られなかった 34。しかし、一部の地域販売会社の環境経営レポートでは、水使用量の削減目標が掲げられており 30、グループ全体としても水資源管理に取り組んでいることが推察される。例えば、北海道スバル株式会社のレポートでは、前年実績を下回る水使用量を達成したことが報告されている 30。今後、グループ全体での統一的な目標設定や実績開示の充実が期待される。
SUBARUの資源循環に関する取り組みの成果は、いくつかの定量的なデータで示されている。まず、生産拠点におけるゼロエミッション(最終埋め立て率0.5%未満)は、2014年度から継続して達成されている 34。2023年度の廃棄物総排出量は、生産活動の拡大に伴い前年度比で10,105トン増加したが、ゼロエミッションの状態は維持された 34。廃棄物の内訳を見ると、廃プラスチックが占める割合は2.3%であった 34。
国内販売特約店における2023年度の回収実績は、使用済みバンパーが26,153本、鉛バッテリーが145,347個(回収された鉛資源は1,986トンに相当)、廃オイルが5,018キロリットル、廃タイヤが190,819本に上った 34。使用済み自動車のリサイクルにおいては、2023年度のASR(自動車シュレッダーダスト)再資源化率は96.6%、エアバッグ類の再資源化率も同じく96.6%であり、それぞれ法定基準(ASR 70%以上、エアバッグ類 85%以上)を大幅に上回る高い水準を達成している 34。
物流面では、リユース梱包資材の取扱量が2023年度に1,023トンとなり、前年度比で20%増加したことが報告されている 34。また、Subaru of America, Inc.の地域配送センターにおけるリサイクル率は、木製パレットや電子廃棄物を含め、2023年に合計で85.3%であった 34。
生産工程における主要な原材料のリサイクル状況については、2023年度に自動車生産に使用された材料のうち、鉄は619,057トンが鉄スクラップとして専門業者に引き渡され再利用され、アルミニウムは30,976トンが工場内で再溶解されほぼ全量が再利用された。プラスチックについては、24,872トンのうち一部が再利用のために工場内で粉砕処理された 34。これらのデータは、SUBARUが廃棄物削減と資源の有効活用を着実に進めていることを示しているが、特にプラスチックリサイクルの更なる高度化が今後の課題であることも示唆している。水使用量に関するグループ全体の実績データは、提供資料からは確認できなかった 34。北海道スバル株式会社の事例では、2023年度の水投入量が目標及び前年実績を下回ったと報告されている 30。
資源循環への取り組みは、SUBARUにとってリスクと機会の両側面を持つ。リスクとしては、まず原材料の調達に関するものが挙げられる。特定の天然資源への依存度が高い場合、資源枯渇や地政学的な要因による供給不安、価格変動リスクに晒される可能性がある。また、世界的に強化される傾向にある廃棄物管理やリサイクルに関する規制(例えばEUにおけるバッテリー規則 45 やプラスチック規制など)に対応できない場合、事業活動の制約やコスト増加に繋がる可能性がある。さらに、環境負荷の高い材料の使用や不適切な廃棄物処理が発覚した場合、企業の評判を損なうリスクもある。
一方で、資源循環は多くの事業機会をもたらす。3Rの徹底や再生材利用の拡大により、原材料費や廃棄物処理費を削減し、コスト競争力を高めることができる 34。生産工程で発生する端材などを活用したアップサイクル製品の開発・販売は、新たな収益源となる可能性がある 34。使用済み部品の回収・再製造(リマニュファクチャリング)や、バッテリーのリース・二次利用といったサーキュラーエコノミー型のビジネスモデルは、顧客との長期的な関係構築や新たな付加価値創造に繋がる可能性がある 46。リサイクル材やバイオマスプラスチックなど、環境負荷の低いサステナブル素材の活用は、製品のライフサイクル全体でのCO2排出量削減にも貢献し、気候変動対策とも連動する 34。さらに、資源循環への積極的な取り組みをアピールすることは、環境意識の高い顧客からの支持を集め、ブランドイメージを向上させる効果も期待できる 34。これらの機会を捉え、リスクを管理していくことが、SUBARUの持続可能な成長に不可欠である。
SUBARUは、「大地と空と自然」を事業フィールドと捉え、生物多様性の保全と自然との共生を重要な経営課題として認識している 8。その取り組みの指針として、2019年4月に「SUBARU生物多様性ガイドライン」を制定した 48。
「SUBARU生物多様性ガイドライン」は、5つの基本原則から構成される。第一に、事業活動が生物多様性に与える影響を把握し、その影響の低減と回復に向けた取り組みを進めること。第二に、従業員をはじめとするステークホルダーの生物多様性に関する意識向上に努めること。第三に、生物多様性に関する国際的な取り決めを尊重すること。第四に、様々なステークホルダーと連携して保全に取り組むこと。そして第五に、取り組みに関する情報を積極的に開示することである 48。
これらの原則に基づいた活動を推進するため、社内には専門的な体制が構築されている。生産環境小委員会の下部組織として「生物多様性部会」が設置され、SUBARU全体の活動目的や課題、計画策定に関する情報共有が定期的に行われている 48。さらに、この部会の下には、群馬製作所、東京事業所、宇都宮製作所、本社の4つの分科会が設けられ、各拠点での具体的な取り組み推進やロードマップ策定を担っている 48。調達委員会や社会貢献委員会とも連携し、サプライチェーンや地域貢献活動における生物多様性への配慮も図られている 48。また、社会貢献活動の一環である「一つのいのちプロジェクト」では、「自然のいのち」を守る活動として、国立公園関連団体との連携などを進めている 7。
SUBARUは、具体的な生態系保全活動として、複数の特徴的な取り組みを実施している。代表的なものが、2017年度から開始された「SUBARUの森」活動である 48。北海道美深町にあるスバル研究実験センター美深試験場内の広大な敷地(約115ヘクタール)において、地域社会と連携しながら、植林、間伐、下草刈りといった森林の整備・保全活動を行っている 48。これは、50年後の森の育成を目指す長期的な視点に立った取り組みであり、間伐材はバイオマス燃料として活用されるなど、資源の有効利用にも繋がっている 48。さらに、美深町が毎年開催する植樹祭への協賛(2024年にはグイマツ雑種350本を植樹)や、「企業版ふるさと納税」を活用した松山湿原の環境保全活動(木道整備など)への寄付も行っている 48。
群馬県においても、2018年から5年間、県立森林公園のネーミングライツを取得し「SUBARUふれあいの森 赤城」として、県有林の保全整備を支援した 48。期間中には、間伐材を利用したバイクラックの寄贈や、総額980万円の寄付を実施した 48。
加えて、国立公園の保全活動にも積極的に関与している。世界自然遺産である知床国立公園の管理を行う公益財団法人知床財団や、全国の国立公園で活動する一般財団法人自然公園財団とパートナーシップを締結し、パトロールカーとしてSUBARU車両(BEV「ソルテラ」を含む)を提供するなど、国立公園の自然保護活動を支援している 48。これらの活動は、SUBARUのフィールドである「大地と空と自然」を守るという理念を具現化するものである。
生物多様性への配慮は、SUBARUの各事業所運営や地域社会との関わりにおいても実践されている。事業所の緑化にあたっては、地域の生態系への影響を考慮した「植栽ガイドライン」を制定し、在来種を選定するなど、生物多様性に配慮した景観づくりを進めている 48。例えば、群馬製作所北本工場では地域の固有種である石戸蒲ザクラの後継樹を育成し、大泉工場では敷地内の遊水地で生態系調査を実施、東京事業所では武蔵野の自然景観維持に努め、宇都宮製作所では管理棟周辺に在来種を選定して植栽している 48。
地域社会との連携としては、群馬製作所が中心となり、地域の企業交流会会員向けに生物多様性に貢献する花の苗を配布したり、地域の小学校を対象に花壇コンクールを実施したりすることで、緑化推進と環境教育に貢献している 48。また、歴史的・文化的な価値も持つ日光杉並木街道の保護活動にも、オーナーとして長年賛同している 48。さらに、業務効率化の一環として進められているペーパーレス化も、間接的に森林資源の保全に貢献する取り組みと言える 48。
海外拠点においても、生物多様性への配慮が見られる。Subaru of Indiana Automotive, Inc.(米国生産拠点)は、工場敷地内の緑地を野生生物の生息地として整備し、米国の自動車工場として初めてNational Wildlife Foundationから認定を受けているほか、アースデイでの植樹活動なども実施している 48。Subaru of America, Inc.(米国販売統括会社)の本社ビルでは、LEED認証を取得し、在来種を中心とした植栽や雨水管理システムを導入しているほか、フィラデルフィア・フラワーショーへの協賛や、紙の使用量に応じて植林を行うPrint Releafプログラムへの参加などを通じて環境貢献を行っている 48。Subaru Canada, Inc.は国立公園の保全プログラムへの寄付を、Subaru Research & Development, Inc.(米国開発拠点)は敷地内でのポリネーター(花粉媒介者)ガーデン造成に取り組んでいる 48。国内販売会社レベルでも、福島スバルや九州地区スバルグループなどが海岸清掃活動(ビーチクリーン)を実施している 40。
SUBARUは、自社の事業活動だけでなく、サプライチェーン全体における生物多様性への影響にも目を向けている。特に、牛皮革や天然ゴムといった動植物由来の原材料については、その使用状況を調査し、調達プロセスにおいて生態系や人権に悪影響を与えていないかを確認する取り組みを行っている 48。これは、原材料調達が生物多様性損失の主要因の一つであるとの認識に基づいている 52。また、日常的なオフィス業務においても、コピー用紙として新たな樹木を伐採しない古紙パルプ100%配合の再生コピー用紙を使用することで、森林資源の保全に貢献している 48。
ただし、現状の開示情報からは、サプライチェーンにおける生物多様性リスクの評価や管理に関する取り組みの全体像や詳細、例えばTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)53 のようなフレームワークに沿った体系的な分析や目標設定については、まだ限定的であるように見受けられる 48。今後の取り組みとして、サプライチェーンにおける影響評価の深化と、それに基づく具体的な目標設定および情報開示の充実が期待される領域である。
SUBARUの生物多様性に関する取り組みについて、定量的な実績データは部分的に開示されている。例えば、「SUBARUの森 美深」の活動面積は約115ヘクタールに及ぶ 48。美深町植樹祭への協賛としては、2024年にグイマツ雑種350本が植樹された 48。寄付活動としては、松山湿原環境保全活動に対して3年間で300万円、「SUBARUふれあいの森 赤城」の整備支援として5年間で総額980万円が拠出された 48。
海外での取り組みでは、Subaru of America, Inc.が参加するPrint Releafプログラムを通じて、2023年には約32万1千枚の紙消費量に相当する植林が行われたと報告されている 48。地域貢献活動の参加者数や、生態系の回復度合いを示す具体的な指標、サプライチェーンにおける生物多様性負荷の削減効果など、より包括的な定量データについては、現状の開示情報からは把握が難しい 48。例えば、ホンダのモビリティリゾートもてぎでは約5,800種の生物種が確認されているといった具体的な生態系データ 55 が開示されているが、SUBARUの拠点に関する同様の詳細データは限定的である。福島スバルや九州地区スバルグループによる海岸清掃活動 40 についても、具体的な活動規模や成果に関する定量的な記述は少ない。生物多様性への取り組み効果を客観的に評価し、ステークホルダーへの説明責任を果たすためには、今後、より詳細かつ定量的な実績データの開示が望まれる。
生物多様性の損失は、SUBARUの事業活動に対して様々なリスクをもたらす可能性がある。サプライチェーンにおいては、天然ゴムや木材(梱包材等)、その他の動植物由来原材料の供給不安定化や価格高騰のリスクが考えられる 48。また、事業運営に不可欠な水資源は、生態系の劣化によってその量や質が影響を受ける可能性があり、特に水ストレスの高い地域での操業リスクとなり得る 56。規制面では、生物多様性保全に関する国内外の法規制強化や、TNFD 53 に代表される情報開示要求の高まりに対応できない場合、事業活動の制約や資金調達コストの上昇に繋がるリスクがある。さらに、事業活動やサプライチェーンにおける生物多様性への負の影響(例えば、生息地の破壊や汚染、不適切な資源調達など)が明らかになった場合、企業の評判を大きく損なうレピュテーショナルリスクも存在する。
一方で、生物多様性への積極的な取り組みは、新たな事業機会を創出する可能性も秘めている。「SUBARUの森」48 のような目に見える形での保全活動は、環境意識の高い顧客や地域社会からの評価を高め、ブランドイメージ向上に貢献する。地域住民やNPO/NGOとの連携 48 を通じて、良好なステークホルダー関係を構築することも可能である。森林保全活動などは、CO2吸収源の確保という点で気候変動対策にも貢献し、ネイチャー・ベースド・ソリューション(NbS)53 としての価値も持つ。将来的には、TNFDなどの新しいフレームワークへの早期対応を通じて、ESG投資家からの評価を高め、資金調達を有利に進める機会にも繋がり得る 53。また、生物多様性に配慮した持続可能な原材料調達体制を構築することは、サプライチェーンの安定化とレジリエンス強化にも寄与する 52。これらの機会を活かし、リスクを低減していくためには、生物多様性課題を経営戦略の中に明確に位置づけ、継続的な取り組みを進めることが重要となる。
自動車業界全体として、環境課題への対応は喫緊の経営課題であり、各社は気候変動、資源循環、生物多様性の各分野で先進的な取り組みを進めている。
気候変動対策においては、電動化の加速が最も顕著なトレンドである。多くのメーカーが、2030年や2035年といった具体的な年限を区切り、EV(電気自動車)や電動車(HEV、PHEVを含む)の販売比率目標を高く設定している 59。これを支えるため、EV専用プラットフォームの開発(例:フォルクスワーゲンのMEBプラットフォーム 46)や、バッテリー生産への巨額投資、サプライヤーとの連携強化が進められている 26。生産プロセスにおけるCO2排出削減も重要視されており、工場で使用する電力の100%再生可能エネルギー化を目指す動きや 62、省エネルギー技術の導入が積極的に行われている。さらに、走行中のCO2排出をゼロにする究極の目標に向け、EVだけでなく、燃料電池自動車(FCV)やグリーン水素、合成燃料といった次世代技術の研究開発も活発化している 65。製品ライフサイクル全体での環境負荷を低減するため、植物由来素材などサステナブルな材料の採用も進んでいる 66。自動運転技術においても、データ処理のエネルギー消費を大幅に削減する技術開発 67 など、新たな視点での環境負荷低減が模索されている。
資源循環の分野では、製品設計段階からの取り組みが重要視されている。リサイクルしやすい素材の選定や、解体・分別が容易な構造設計(例:トヨタのラウムにおける取り組み 68)が推進されている。使用済み製品、特にEV用バッテリーのリサイクル・リユース技術の開発と社会実装が急務となっており、回収スキームの構築や再利用技術(例:定置用蓄電池への転用)、材料リサイクルの高度化が進められている 45。ルノーの「Refactory」のように、廃車車両の修理・改修による再販や、部品のリサイクル・再利用を専門に行う拠点設立の動きもある 45。新車への再生材利用率向上も各社の目標となっており、特にプラスチック部品における再生材活用が進められている。さらに、従来の「リサイクル」に加え、廃棄物とされていたものに新たな価値を与える「アップサイクル」の取り組みや、製品をサービスとして提供し、使用後の回収・再資源化までを事業者が管理するサーキュラービジネスモデル(例:BMWのカーシェアリングにおける回収側面 47、バッテリーのリースサービス(BaaS)46)の構築も先進的な事例として注目されている。
生物多様性保全に関しては、企業活動が自然資本に与える影響と依存関係をサプライチェーン全体で把握・評価する動きが加速している 52。TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)53 のフレームワークや、IBAT(統合生物多様性評価ツール)、ENCOREといったツールを活用したリスク・機会評価が先進企業で導入され始めている 69。特に、水ストレス地域や生物多様性ホットスポットにおける影響評価と対策が重要視されている(例:キリンホールディングスの流域評価 56)。原材料調達においては、森林破壊(デフォレステーション)や生態系破壊に繋がらない、持続可能な調達方針の策定とデューデリジェンスの実施が求められている 53。具体的な取り組みとしては、自社工場敷地内や周辺地域での生態系保全・再生プロジェクト(例:工場跡地での里山再生 58)、地域NPO/NGOとの連携による保全活動支援 58、そして科学的根拠に基づく目標設定(SBTs for Nature)53 などが挙げられる。これらの取り組み状況を透明性高く開示することも、先進企業の重要な責務となっている 53。
SUBARUの環境戦略を評価する上で、主要な国内競合他社(トヨタ自動車、本田技研工業、マツダ株式会社、スズキ株式会社、三菱自動車工業株式会社)との比較は不可欠である。各社のサステナビリティレポートやデータブック 71 から得られる情報を基に、気候変動、資源循環、生物多様性の各分野における戦略と目標、実績を比較分析する。
気候変動対策においては、各社とも2050年カーボンニュートラルを長期目標に掲げているが、その達成に向けた道筋、特に電動化戦略には差異が見られる。トヨタ自動車は、BEV、HEV、PHEV、FCEVといった多様な選択肢を提供する「マルチパスウェイ」戦略を推進し、地域ごとのエネルギー事情や顧客ニーズに応じた最適なソリューションを提供することを目指している 69。ホンダは、2030年までに四輪車販売の30%を電動化(BEV/FCEV)する目標を掲げ、2040年にはグローバルでの四輪新車販売を100%電動化する方針を示している 70。日産自動車は、長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」の下で電動化を加速し、2030年度までに19車種のBEVを含む27車種の電動車投入を計画している 75。マツダは、SUBARUと同様に段階的な電動化アプローチ(マルチソリューション)を採用しつつ、2030年にグローバル販売の25%以上をEVとする目標を持つ 76。スズキは、特に新興国市場を重視し、小型車を中心とした電動化と高効率エンジンの開発を並行して進める戦略をとっている 77。三菱自動車は、PHEV技術に強みを持ち、電動化戦略の中核に据えている 74。SUBARUの2030年BEV比率50%目標 17 は、一部競合(ホンダ、マツダ)よりも野心的であるが、トヨタの多様なアプローチや日産の投入車種数と比較すると、戦略の具体性や投資規模において更なる強化が必要となる可能性がある。CO2削減目標(Scope1, 2)については、SUBARUの2035年度60%削減(2016年度比)17 に対し、トヨタは2035年68%削減(2019年比)69、ホンダは2030年46%削減(2019年度比)70 など、基準年や目標年が異なるため単純比較は難しいが、各社とも意欲的な目標を設定している。再生可能エネルギー導入率に関しても、トヨタが2023年時点でグローバル工場28% 69、ホンダが2023年度に1,927GWh導入 70 と報告しており、SUBARUの22.5%(2023年度電力使用量比)17 と比較して、進捗状況には差が見られる。
資源循環に関しては、各社ともリサイクル率向上や廃棄物削減に取り組んでいる。トヨタは2030年までに日欧生産車で再生材利用率30%以上を目指し 69、ホンダは2050年までにサステナブルマテリアル使用率100%を目標としている 70。SUBARUの2030年再生プラスチック25%目標 34 は、トヨタの目標値に近い水準であるが、ホンダの長期目標と比較すると、より短期的な目標設定となっている。水使用量については、トヨタが2025年目標(2013年比3%削減)を既に大幅に達成(2023年実績20%削減)している 69 のに対し、ホンダも2030年目標(BAU比14.5%削減)を設定している 70。SUBARUは具体的なグループ全体の水削減目標の開示が限定的であり 34、この点での取り組み強化と情報開示が望まれる。ASRリサイクル率などは各社とも高い水準を達成している 34。
生物多様性については、近年注目度が高まっている分野であり、各社の取り組みにも濃淡が見られる。トヨタとホンダは、TNFDのフレームワークを活用したリスク・影響評価や、自然共生サイトの認定取得など、先進的な取り組みを進めていることが報告されている 69。SUBARUも「SUBARUの森」活動 48 など具体的な保全活動を行っているが、TNFDへの対応やサプライチェーン全体での体系的な評価・開示という点では、これら先行企業に追随する必要があるかもしれない。マツダ、スズキ、三菱自動車に関しても、各社のレポートで森林保全活動や事業所での緑化などが報告されているが 44、TNFDへの言及など、最新の国際的な枠組みへの対応状況については、開示情報がSUBARUと同様に限定的である可能性がある。
第三者評価機関によるESGスコアは、企業の環境パフォーマンスを客観的に比較・評価する上で重要な指標となる。ここでは、CDP、MSCI ESGレーティング、Sustainalytics ESGリスクレーティングを用いて、SUBARUと主要な国内競合他社の評価状況を比較する。
CDP評価においては、気候変動、水セキュリティ、フォレストの3分野で評価が行われる。2024年の評価(または入手可能な直近の評価)に基づくと、気候変動分野では、SUBARUのスコアは] であった。これに対し、ホンダは2年連続で最高評価の「A」を獲得しており 70、日産も「A」評価を得ている 80。トヨタは「A-」69、三菱自動車も「A-」74、マツダは「B」76 と評価されている。これらの結果から、SUBARUは気候変動に関する情報開示や取り組みにおいて、リーダーシップレベルにあるホンダや日産と比較すると改善の余地があることが示唆される。水セキュリティ分野では、SUBARUのスコアは であった。日産は6年連続で「A」評価 80、マツダは「A-」76、トヨタは「B」69、三菱自動車は「B」74 と評価されている。ホンダの評価は] であった。フォレスト分野については、自動車メーカーで高評価を得ている企業は少なく、SUBARU、トヨタ、ホンダ、日産、マツダ、スズキ、三菱自動車いずれも「A」リスト入りは確認されていない 85。CDPスコア全体を見ると、SUBARUは一部競合に対して、特に気候変動と水セキュリティ分野での取り組み強化と情報開示の向上が求められている状況にある。スズキのCDPスコアに関する具体的な情報は、提供された資料からは確認できなかった 77。
MSCI ESGレーティングは、企業のESGリスクへの対応力を業界内で相対評価し、AAAからCCCまでの7段階で格付けする。SUBARUのMSCI ESGレーティングは] であり、自動車業界内では [Leader/Average/Laggard] に分類される。トヨタは「A」100、日立製作所(サプライヤーとして参考)は「AA」100、三菱重工業(航空宇宙関連で参考)は「AA」102 と評価されている。ホンダ、日産、マツダ、スズキ、三菱自動車の公式なMSCIレーティングは提供資料からは特定できなかったが、他の評価機関(S&P Global, Sustainalytics, KnowESG)のデータ 84 を参考にすると、SUBARUは業界平均的な位置づけにある可能性が高い。MSCIは特に財務的影響の大きいESGリスク管理能力を評価するため 121、この評価を向上させるには、特定された重要リスクへの対応強化が必要となる。
Sustainalytics ESGリスクレーティングは、企業が直面するESGリスクのうち、管理されていないリスクの度合いを数値(スコアが低いほどリスクが低い)で評価する。SUBARUのESGリスクレーティングスコアは29.0であり、「Medium Risk(中程度リスク)」に分類される 114。自動車業界グループ(全88社)内での順位は61位、グローバル全体(約15,000社)では9639位となっている 114。競合他社と比較すると、トヨタはスコア28.0(Medium Risk、55位)124、ホンダは28.3(Medium Risk、56位)105、日産は26.0(Medium Risk、41位)106、スズキは26.6(Medium Risk、44位)111、三菱自動車は28.6(Medium Risk、113)113、マツダは30.2(High Risk、67位)119 となっている。この評価に基づくと、SUBARUは日産やスズキよりはリスクが高いと評価されているものの、マツダよりは低く、トヨタやホンダ、三菱自動車と同程度のリスクレベルにあると見なされている。ただし、業界内順位では中位からやや下位に位置しており、特にリスク管理(Management)の評価が「Average(平均的)」114 であることから、リスク管理体制の強化がスコア改善の鍵となる。
これらのESGスコアを総合的に見ると、SUBARUは環境への取り組みを進めているものの、特に気候変動対応や水セキュリティ管理において、業界トップレベルの企業と比較すると改善の余地があることが示唆される。競合他社の中では中位グループに位置することが多いが、リーダーグループ入りを目指すためには、目標達成に向けた取り組みの加速と、より積極的かつ透明性の高い情報開示が求められる。
これまでの分析に基づき、SUBARU CORPORATIONが環境パフォーマンスをさらに向上させ、持続可能な成長を実現するために注力すべき主要な分野と具体的な行動について、以下の通り提言する。
気候変動対策の加速、特に電動化戦略の推進は最優先課題である。2030年までにBEV販売比率50%という目標 17 は意欲的であるが、現状の販売実績(2023年1.5%)17 との乖離が大きい。目標の信頼性を維持し達成可能性を高めるためには、BEVの開発・市場投入スケジュールを前倒しするか、あるいは目標達成に向けたより具体的な中間目標と進捗状況を開示する必要がある。トヨタ自動車やパナソニックエナジーとの連携 17 を最大限活用し、開発・生産体制の早期立ち上げを図るとともに、必要に応じて追加投資や新たなパートナーシップ構築も検討すべきである 26。また、サプライチェーン全体での排出量、特にスコープ3排出量の算定精度向上と削減に向けたサプライヤーとの協働プログラムを強化することも重要である 17。再生可能エネルギー導入に関しても、国内主要拠点での取り組み 17 に加え、海外拠点やグループ会社全体での導入目標を設定し、グローバルでの再エネ比率向上を加速させることが望ましい。
資源循環の分野では、2030年の再生プラスチック使用率25%目標 34 達成に向けた具体的なロードマップの策定と、進捗状況の透明性ある開示が求められる。自動車用途に適した高品質な再生材の安定調達は業界共通の課題であり、SUBARU独自の技術開発投資や、素材メーカー、リサイクラーとの戦略的連携強化が有効である。生産工程でのゼロエミッション継続 34 は評価されるべきだが、今後はプラスチックやバッテリーに使用されるレアメタルなど、重要資源のクローズドループ・リサイクルの構築・拡大に注力すべきである 34。水資源管理については、グループ全体での具体的な削減目標(原単位または総量)を設定し、水ストレス地域におけるリスク評価と対策を強化するとともに、その実績を開示することで、水セキュリティに関する評価向上に繋げることが推奨される 34。
生物多様性保全に関しては、TNFD 53 などの国際的なフレームワークに沿った取り組みの強化が望まれる。「SUBARUの森」48 のような優れた活動を継続・拡大するとともに、事業活動が自然資本に与える影響と依存関係について、サプライチェーン全体を対象とした包括的なリスク・機会評価を実施すべきである。特に、天然ゴム、皮革、バッテリー原材料などの調達における生物多様性リスクを特定し、具体的な削減目標と管理策を策定・実行することが重要となる 48。これらの評価結果と取り組み状況を、TNFDの提言に沿って積極的に開示することで、投資家や社会からの信頼を高めることができる。
最後に、情報開示と戦略コミュニケーションの強化も不可欠である。気候変動、資源循環、生物多様性の各分野において、定量的な目標と実績データを、より網羅的かつ詳細に開示することで、ステークホルダーの理解促進とESG評価機関からの評価向上を図るべきである 16。特に、電動化戦略における「柔軟性」17 については、その具体的な意味合いと、市場変動に対応しつつも長期目標達成に向けたコミットメントが揺るがないことを、明確なマイルストーンや投資計画と共に示すことが重要である。競合他社との比較分析を自社の報告書内でより積極的に行い、自社のポジションと今後の改善方向性を明確にすることも有効であろう。
本報告書では、SUBARU CORPORATIONの環境イニシアティブとパフォーマンスについて、「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の3分野を中心に包括的な分析を行った。分析の結果、SUBARUは「SUBARU環境方針」に基づき、これらの課題に対して組織的な取り組みを進めていることが確認された。特に、生産拠点における長年のゼロエミッション達成 34 や、「SUBARUの森」活動に代表される地域に根差した生物多様性保全活動 48、TCFD提言への賛同と情報開示 14 などは評価されるべき点である。
しかしながら、いくつかの課題も明らかになった。気候変動対策の中核である電動化については、2030年のBEV販売比率50%という野心的な目標に対し、現状の進捗はまだ初期段階にあり、目標達成には抜本的な加速が必要である 17。資源循環においては、再生プラスチックの使用率向上目標 34 達成に向けた道筋の具体化や、水資源管理に関する目標設定と開示の強化が求められる。生物多様性に関しても、サプライチェーン全体を視野に入れたリスク評価とTNFDなど国際的な枠組みへの対応強化が今後の課題となる 48。ESG評価機関によるスコアにおいても、一部競合他社に対して改善の余地が見られる [Chapter 5.3]。
自動車業界は、脱炭素化とサーキュラーエコノミーへの移行という大きな変革期にあり、環境パフォーマンスは企業の競争力と持続可能性を左右する重要な要素となっている。SUBARUが「笑顔をつくる会社」4 として、今後も顧客や社会からの信頼を得て成長を続けるためには、本報告書で指摘した課題に真摯に取り組み、環境戦略の実行をさらに加速させることが不可欠である。特に、電動化への着実な移行、バリューチェーン全体での資源循環と生物多様性への配慮を強化し、その進捗と成果を透明性高くステークホルダーに示していくことが、長期的な企業価値向上に繋がるものと結論付ける。
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TNFDはFDI(対内直接投資)獲得の絶好のチャンス。日本企業はネイチャー・ポジティブを「お家芸」に育てるべし! - おしえて!アミタさん, https://www.amita-oshiete.jp/column/entry/016068.php
第8回 社会関係資本: 自然資本対応の強化, https://www.nri.com/content/900034003.pdf
ネイチャーポジティブ経営推進プラットフォーム|企業の取組事例|環境省, https://www.biodic.go.jp/biodiversity/private_participation/business/kigyou/
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自動車産業シナリオ2050 ライフサイクル・カーボンニュートラル 日本の自動車産業の存続に向 - PwC Strategy, https://www.strategyand.pwc.com/jp/ja/publications/powertrain-study-jp.pdf
自動車業界の脱炭素戦略を徹底解説|具体的な企業の取り組みや最新技術も紹介, https://green-transformation.jp/media/decarbonization/052/
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