1. 序論 近年、旅行・観光業界においても、環境・社会・ガバナンス(ESG)要因への関心と重要性が急速に高まっている。特に、気候変動の進行に伴う異常気象の頻発化や自然環境の変化、資源の枯渇懸念、そして生物多様性の損失は、観光資源そのものの価値を損ない、事業の持続可能性を脅かす要因となり得る。このような背景から、旅行会社には自社の事業活動が環境に与える負荷を低減し、持続可能な観光を推進する責任が求められている。 本レポートは、日本の大手旅行会社である株式会社エイチ・アイ・エス(以下、H.I.S.)に着目し、同社の環境パフォーマンスを「気候変動への対応」「資源循環の推進」「生物多様性の保全」という…