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株式会社いよぎんホールディングスの環境イニシアチブとパフォーマンスに関する包括的分析:気候変動、資源循環、生物多様性への対応

更新日:2025年5月9日
業種:金融・保険業(7777)

1. 序論

1.1. 本報告書の目的と構成

本報告書は、株式会社いよぎんホールディングス(以下、「いよぎんHD」または「同社」)の環境イニシアチブとパフォーマンスについて、「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の3つの重点分野に焦点を当て、包括的かつ学術的な分析を行うことを目的とする。最終的な目標は、同社の環境スコア算出に必要な詳細情報を収集し、その評価に資する学術レベルの報告書を日本語で作成することである。金融機関が環境課題への対応を迫られる中で、その取り組みを詳細に評価することは、投資家、地域社会、そして企業自身の持続可能な成長にとって不可欠である。

本報告書は以下の構成で論を進める。まず、いよぎんHDの環境経営の枠組みとして、環境方針、サステナビリティ推進体制、TCFD提言への対応を概観する。次に、「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の各分野における具体的な取り組みと実績を詳細に分析する。続いて、これらの環境要因に関連する潜在的なリスクと事業機会を考察する。さらに、金融業界における先進事例を紹介し、主要な競合他社の環境パフォーマンスと比較分析を行う。環境スコアのベンチマーキングを通じて、いよぎんHDの相対的な位置づけを明らかにし、最後に、同社が直面する環境課題を指摘するとともに、持続可能な成長に向けた具体的な推奨事項を提示し、結論を述べる。

1.2. 分析の背景と重要性

近年、地球温暖化に伴う気候変動の深刻化、資源の枯渇、生物多様性の損失といった地球規模の環境問題は、経済社会の持続可能性を脅かす喫緊の課題として認識されている。こうした状況下において、企業、特に経済活動の根幹を支える金融機関には、環境負荷の低減に貢献し、持続可能な社会への移行を資金面・非資金面から支援する役割が強く求められている。ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の世界的な拡大は、企業の環境パフォーマンスが投資判断や企業価値評価において重要な要素となっていることを示している。

いよぎんHDは、愛媛県を主要な営業基盤とし、「潤いと活力ある地域の明日を創る」という企業理念を掲げている 1。同社が事業を展開する四国地域は、美しい山々や豊かな瀬戸内海といった恵まれた自然環境を有しており、これらの自然資本を保全し、持続可能な形で活用していくことは、地域経済の発展と不可分である。したがって、いよぎんHDの環境への取り組みは、単なる社会的責任の遂行に留まらず、地域社会との共存共栄、そして企業自身の持続的な成長戦略の根幹に関わる重要事項と言える。本報告書が、このような背景と重要性を踏まえ、いよぎんHDの環境戦略の現状を多角的に評価し、今後の方向性を示唆することは、学術的にも実務的にも意義深いものと考える。このような詳細な分析の必要性が高まっていること自体が、いよぎんHDに対する内部または外部からの環境パフォーマンス向上と透明性の高い情報開示への期待の表れとも解釈できる。これは、投資家の要求、規制当局の動向、あるいはより強固なESGプロファイルを構築するための戦略的な動きに起因する可能性が考えられる。

2. 株式会社いよぎんホールディングスの環境経営の枠組み

2.1. 環境方針と基本理念

いよぎんHDグループは、環境保全や気候変動への対応に、事業活動と社会貢献活動の両面から積極的に取り組むため、明確な環境方針を定めている 2。その基本理念は、「潤いと活力ある地域の明日を創る」というグループ企業理念に基づき、美しい山々と瀬戸内海を抱く圏域に営業基盤をおく企業グループとして、この恵まれた自然環境に感謝し、それを保全していくことが重要な役割であるという認識に立脚している。この理念のもと、環境への負荷低減と、顧客の環境保全活動への支援に積極的かつ継続的に取り組むことを宣言している。

具体的な基本方針としては、以下の4点が掲げられている 2

  • 環境マネジメントシステムの継続的な改善に努め、目標設定、実行、評価、対策のプロセスを適切に管理する。

  • 環境に関する法令や条例、その他グループが同意する業界自主規制などを遵守するとともに、役職員一人ひとりが高い倫理観を持ち、環境に配慮した行動を実践する。

  • 電力・紙の使用量削減等の省エネルギー・省資源活動により、温室効果ガスの削減をはじめとした環境負荷の低減に努める。

  • 顧客、さらには地域の環境保全活動の役に立つ商品・サービスの提供に努める。

この環境方針は、同社グループの環境に対する基本的なスタンスと行動指針を示すものであり、具体的な環境活動の拠り所となっている。ただし、この方針が包括的な声明である一方で、特に資源循環の分野における具体的なプログラムや詳細な公開情報が、気候変動対策ほどには明確でない可能性も考慮する必要がある。方針が示す高い理想と、実際の取り組みの進捗・透明性との間に乖離がないか、本報告書全体を通じて検証していく。

2.2. サステナビリティ推進体制と重要課題(マテリアリティ)

いよぎんHDは、サステナビリティに関する取り組みをグループ横断的に推進するため、実効性のある体制を構築している。具体的には、経営企画部門やリスク管理部門をはじめとする組織横断的な体制を構築し、脱炭素化に向けた企業活動の在り方を調査・協議している 3。これらの協議事項は、いよぎんホールディングスの社長を委員長とするグループサステナビリティ委員会に付議・報告され、取締役会にも必要に応じて報告される体制となっている 3。この体制は、トップコミットメントのもと、サステナビリティ課題への取り組みを経営の重要事項として位置づけていることを示している。

同社グループは、自らの価値創造に大きく影響する重要項目をマテリアリティとして特定し、事業活動・社会貢献活動の両面からグループ横断的に対応することで、地域社会の持続性の維持・向上に貢献し、中長期的な企業価値の向上を目指している。そのマテリアリティの一つとして「気候変動・環境負荷」が明確に特定されている 4。このマテリアリティに対する基本方針は、「当社グループが環境に配慮した事業活動を展開するとともに、お客さまの気候変動対応および脱炭素化に向けた取組みを金融・非金融の両面から支援し、豊かな地球環境・自然資本の維持に貢献する」こととされている。具体的な関連テーマとしては、「環境に配慮した事業活動の展開」と「投融資先を通じた環境負荷の緩和」が挙げられている 4

「気候変動・環境負荷」をマテリアリティとして特定したことは、気候変動対策に関する詳細な目標設定や情報開示を促進する主要な要因となっていると考えられる。一方で、この優先順位付けが、資源循環や生物多様性リスク評価といった他の環境分野における同等に詳細な指標開発や戦略策定へのリソース配分に影響を与えている可能性も否定できない。マテリアリティの定義が企業の戦略的焦点と資源配分を方向づけるため、気候変動が最も進んだ対応を見せている一方で、他の環境側面への取り組みの深化が今後の課題となるかもしれない。

2.3. TCFD提言への対応

いよぎんHDは、気候変動が金融システムの安定を脅かすリスクであるとの認識のもと、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への対応を積極的に進めている。2021年2月にはTCFD提言への賛同を表明し、その枠組みに基づき気候変動に関する情報開示を充実させている 3。TCFD提言は、企業に対し、複数の気候シナリオを用いて自社の気候関連リスク・機会を評価し、経営戦略・リスク管理へ反映させ、その財務上の影響を把握し開示することを求めている。

いよぎんHDは、この枠組みに沿って、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの開示推奨項目について情報開示を行っている。

  • ガバナンス: 前述のグループサステナビリティ委員会や取締役会による監督体制がこれに該当する。

  • 戦略: 気候変動が事業、戦略および財務計画に及ぼす実際の影響と潜在的な影響について、移行リスクと物理的リスクの両面から分析し、対応策を検討している 3

  • リスク管理: 気候変動リスクを特定、評価、管理するためのプロセスを整備し、統合的リスク管理の枠組みにおける管理体制の構築を検討している。

  • 指標と目標: CO2排出量削減目標やサステナブルファイナンス目標を設定し、その進捗を開示している(詳細は後述)。

TCFD提言への対応は、いよぎんHDが気候変動リスクを重要な経営課題として認識し、透明性の高い情報開示を通じてステークホルダーとの対話を深めようとする姿勢を示すものである。

3. 気候変動への具体的な取り組みと実績

いよぎんHDは、マテリアリティとして「気候変動・環境負荷」を特定し、脱炭素社会の実現に向けた具体的な目標設定と多岐にわたる施策を展開している。

3.1. CO2排出量削減目標と実績

いよぎんHDは、自社の事業活動に伴う環境負荷低減のため、CO2排出量に関して明確な削減目標を設定している。Scope1(直接排出)およびScope2(間接排出)の合計排出量について、以下の目標を掲げている 3

  • 2026年度までに、2013年度比で50%削減する。

  • 2030年度までに、ネットゼロを達成する。

これらの目標達成に向けた進捗として、2023年度のグループCO2排出量(Scope1+2)は7,052トンとなり、基準年である2013年度比で44.0%の削減を達成した 3。2026年度目標である50%削減に向けて順調に進捗していることが示唆される。しかし、2030年度のネットゼロ達成という目標は、残りの期間でさらに大幅な削減を必要とする野心的なものである。初期の削減は比較的達成しやすい施策(いわゆる「ローハンギングフルーツ」)による部分が大きい場合があり、ネットゼロへの最終段階では、より抜本的な変革と投資が求められる。

具体的な削減施策としては、施設・設備面(店舗・営業車両等における省エネ化)、業務運用面(ペーパーレス化等の業務効率化)、再生可能エネルギー由来の電力調達の検討、そして今後開発が期待されるCO2排出量削減に向けた新たな技術の採用等を挙げている。特に再生可能エネルギー調達や新技術導入に関しては「検討する」との表現が見られ、2030年ネットゼロ目標達成のためには、これらの施策の具体的な実行計画と進捗が鍵となるであろう。

Scope3排出量については、現在、カテゴリー15(投融資)の算定・開示を行っている 3。今後は、他のカテゴリーへの算定範囲拡大および削減目標の設定が期待される。金融機関にとってScope3、特に投融資ポートフォリオの排出量(Financed Emissions)は極めて重要であり、その管理と削減が脱炭素社会への貢献の鍵となる。

3.2. 再生可能エネルギー導入と省エネルギー施策

CO2排出量削減目標達成のため、いよぎんHDは再生可能エネルギーの導入と省エネルギー施策を推進している。具体的な取り組みとして、店舗照明のLED化、省エネ型空調設備への更新、営業車両へのエコカー導入などが考えられるが、開示資料からはこれらの詳細な進捗や導入比率に関する定量的な情報は限定的である。再生可能エネルギー由来の電力調達については「検討する」とされており、具体的な契約状況や導入割合は今後の開示が待たれる。

他行の事例として、横浜銀行は本店ビルにおいて神奈川県営水力発電由来の再生可能エネルギー「アクアdeパワーかながわ」を導入し、年間約2,451トンのCO2排出量削減を見込んでいる 5。このような具体的な導入事例と比較すると、いよぎんHDの取り組みはまだ途上にある可能性が示唆される。ネットゼロ目標達成のためには、再生可能エネルギーの導入比率を大幅に高める必要があり、PPA(電力購入契約)の活用や自家発電設備の導入など、より積極的な戦略が求められる。

3.3. サステナブルファイナンス及び環境配慮型投融資

いよぎんHDは、金融機関としての本業を通じた環境貢献として、サステナブルファイナンスの推進に力を入れている。2021年度から2030年度までの10年間で、サステナブルファイナンスの累計実行額1兆4,000億円(うち環境分野7,000億円)という目標を設定している 3。2023年度末までの実績は、累計実行額4,462億円(うち環境分野2,816億円)となっており、目標達成に向けた取り組みが進んでいる 3

具体的な金融商品・サービスとしては、グリーンローン、グリーンボンド、トランジションローン、環境私募債のほか、再生可能エネルギー事業に関するプロジェクトファイナンスなど、多岐にわたる環境配慮型投融資を提供している。これにより、顧客企業の環境負荷低減活動や再生可能エネルギー導入を資金面から支援している。

また、環境や社会に負の影響を及ぼす可能性の高い特定のセクターに対する投融資方針を策定・公表し、その厳格化を図っている 3。特に、気候変動や大気汚染への懸念が高い「石炭火力発電」セクターに対する新規の投融資は原則行わない方針を明文化している。この方針は、投融資ポートフォリオの脱炭素化に向けた重要な一歩である。

さらに、TCFD提言に基づき、炭素関連資産の開示も行っている。2023年度末時点で、貸出金等に占める炭素関連資産(エネルギー、運輸、素材・建築物、農業・食料・林業製品セクター)の割合は47.3%であり、そのうち「エネルギー」セクターの割合は4.0%であると報告されている 3。これらの情報を開示することは、気候関連リスクに対する透明性を高め、ステークホルダーとの建設的な対話を促す上で重要である。

3.4. 顧客の脱炭素化支援への取り組み

いよぎんHDは、自行のCO2排出量削減に留まらず、サプライチェーン全体、特に顧客企業の脱炭素化支援にも注力している。これは、金融機関が持つ広範な影響力を通じて、社会全体のカーボンニュートラル移行を加速させる上で不可欠な取り組みである。

具体的な支援策として、まず「事業性評価」における評価項目に、環境配慮項目(気候変動・環境に配慮した経営状況)を設定している 3。これにより、顧客企業の気候変動対応や環境保全への取り組み状況を把握し、経営課題の抽出とその解決に資するアドバイスや金融支援を行っている。

さらに、非金融面での支援も強化しており、気候変動対策コンサルティングや、顧客のCO2排出量「見える化」サポートなどを提供している。地域の電力会社との包括的な連携協定の締結も、顧客の脱炭素化を支援するソリューション提供の一環であり、気候変動に強い地域づくりと持続可能なビジネスの構築に向けた取り組みとして注目される。

金融業界全体の課題として、特に中小企業の脱炭素化支援の重要性が指摘されている。中小企業は、資金、人材、ノウハウの不足から、カーボンニュートラルへの取り組みが遅れがちである。いよぎんHDが提供するコンサルティングサービスや「見える化」支援が、これら中小企業に対しても広く提供され、実質的な脱炭素化行動に繋がっているか、その規模と効果の検証が今後の評価ポイントとなる。これらの非金融サービスが、単なる付加価値提供に留まらず、銀行のコア戦略として位置づけられ、投融資判断や新たなグリーンファイナンス機会の創出に結びついているかどうかが、同行の気候変動戦略の深さを示す指標となるだろう。

4. 資源循環への具体的な取り組みと実績

いよぎんHDの環境方針には「電力・紙の使用量削減等の省エネルギー・省資源活動により、温室効果ガスの削減をはじめとした環境負荷の低減に努めます」と明記されており 2、資源循環への意識が示されている。しかし、気候変動対策と比較すると、資源循環に関する具体的な目標設定や定量的な実績開示は限定的である。

4.1. 省資源活動(紙使用量削減等)

環境方針に掲げられた「紙の使用量削減」は、金融機関にとって比較的取り組みやすい省資源活動の一つである 2。事務プロセスにおけるペーパーレス化の推進、電子契約の導入、行内資料のデジタル化などが具体的な施策として考えられる。いよぎんHDがこれらの施策をどの程度実施し、それによってどの程度の紙使用量削減効果が得られているかについての具体的なデータは、提供された資料からは確認できなかった。

他行の例として、静岡銀行は2022年度の本部における文書発生量を2011年度実績比で60.6%削減したと報告しており 6、具体的な数値目標と実績を開示している。いよぎんHDにおいても、紙使用量削減に関する定量的な目標設定と実績の開示が望まれる。金融機関における紙の使用は依然として多く、その削減はコスト削減と環境負荷低減の両面に貢献する基本的な取り組みである。より進んだ資源循環へのアプローチとしては、循環経済ビジネスモデルへの融資、基本的なグリーン購入を超えた持続可能な調達の推進、より包括的な廃棄物管理などが挙げられるが、現状では紙削減が中心的な取り組みとして言及されているに留まっているように見受けられる。

4.2. 廃棄物削減及びリサイクル推進の現状

愛媛県が運営する「すご味のあるエコ事業所」紹介サイトにおいて、株式会社伊予銀行は「CSR活動の一環として、独自の環境マネジメントシステムを導入し、廃棄物の削減やリサイクルの推進に努めるほか、森林保護活動など自然環境保全にも積極的に取り組む」事業所として掲載されている。これは、廃棄物削減やリサイクルに対する意識と何らかの活動が存在することを示唆している。

しかしながら、具体的な廃棄物削減目標、廃棄物の種類別リサイクル率、廃棄物総排出量といった定量的なデータや、具体的なリサイクルプログラムの内容については、いよぎんHDの統合報告書やサステナビリティ関連ウェブページからは確認が困難であった 7。効果的な環境管理は測定可能なデータに基づいて進捗を追跡し、改善点を特定することに依存するため、この点における情報開示の拡充が求められる。

競合他社の事例を見ると、静岡銀行は「“しずぎん”紙のリサイクルシステム」を構築し、オフィスから排出される紙類を100%リサイクルしているほか、営業店などが排出する事務機器の処分について最終埋め立て処分をゼロにする「ゼロエミッション」方式を採用していると報告している 6。これらの具体的な取り組みと比較すると、いよぎんHDの開示情報は詳細度や具体性の面で改善の余地があると言える。廃棄物に関するデータが不足していることは、内部管理における改善サイクルの阻害要因となるだけでなく、外部ステークホルダーによるパフォーマンス評価を困難にし、環境スコアリングにおいても不利に働く可能性がある。

4.3. 水資源管理に関する方針と取り組み

水資源管理に関するいよぎんHDの具体的な方針、目標、水使用量実績、節水への取り組みに関する情報は、提供された資料からは確認できなかった 1。環境方針において「省資源活動」の一環として言及される可能性はあるが、水に特化した記述は見当たらない。

金融機関における水リスクは、自社拠点での水使用量に加えて、より広範には投融資先の事業活動における水への依存度や、水ストレス地域での事業展開に伴う影響も考慮する必要がある。特に製造業や農業など水集約型の産業への投融資が多い場合、水不足や水質汚染は融資先の事業継続リスクとなり、ひいては金融機関の信用リスクにも繋がり得る。

他行の事例として、千葉銀行は2023年度の水使用量を53,090立方メートルと開示している 9。いよぎんHDにおいても、まずは自社拠点における水使用量の把握と開示、そして節水目標の設定が第一歩となる。将来的には、投融資ポートフォリオにおける水リスク評価へと進展することが期待される。

5. 生物多様性保全への具体的な取り組みと実績

いよぎんHDは、営業基盤である愛媛県の豊かな自然環境の保全を重視し、生物多様性保全に関する地域貢献活動を長年にわたり展開している。

5.1. 森林保全活動(「伊予銀行エバーグリーンの森」等)

いよぎんHDの生物多様性保全活動の中核を成すのが、「伊予銀行エバーグリーンの森」である。この活動は2008年に愛媛県、大洲市および公益財団法人愛媛の森林基金と「森林づくり活動協定」を締結して開始され、愛媛県内4か所(大洲、東温、東予、松山)で森林を育てる活動を実施している 7

主な活動内容としては、いよぎんHDグループの役職員およびその家族などがボランティアとして参加する森林づくり活動(植樹、下刈り)、森林教室の開催、そして森林づくり活動等に対する寄付(毎年度100万円)が挙げられる 10。これまでに累計約3,250本の植樹を実施し、これにより約77トン 10 ないし約85トン 7 のCO2吸収量増加に貢献したと報告されている(資料により数値に若干の差異が見られる)。定期的な下草刈りや森林教室の開催は、植樹した苗木の健全な生育を促し、地域住民の環境意識向上にも寄与している。

さらに、いよぎんHDは伊予銀行が事務局を務める「森のあるまちづくり」をすすめる会にも参画し、「街中に『ほんものの森』をつくる」ことを目指した植樹活動を支援している 7。2023年度末までに96先の企業・団体が加入し、累計約55,000本の植樹が行われた 7。これらの活動は、地域における緑化推進と生物多様性保全への具体的な貢献として評価できる。

5.2. 環境基金を通じた生物多様性保全支援

いよぎんHDは、直接的な保全活動に加え、資金提供を通じた生物多様性保全支援も行っている。2008年3月、伊予銀行創業130周年を記念して「公益信託伊予銀行環境基金『エバーグリーン』」を設定した 1。この基金は、愛媛県内の自然環境および生物多様性を保全し、豊かな地域社会環境の創造・発展のための幅広い活動に取り組む団体または個人を対象に、活動資金の一部を助成することを目的としている。

2008年の創設以来、累計で206先に対し、総額約73百万円の助成金を贈呈している(2024年統合報告書時点)7。助成対象となる事業には、「重要生物多様性保護地域等保全再生」「広域連携生態系保全のための活動計画策定等支援」「地域民間連携促進活動」「国内希少野生動植物種生息域外保全・生息域内保全」「里山未来拠点形成支援」などが含まれており、地域の多様な環境保全ニーズに対応していることがうかがえる。

5.3. 自然資本・TNFDへの対応状況

いよぎんHDのサステナビリティ基本方針には、「豊かな地球環境・自然資本の維持に貢献する」という文言が含まれており 4、自然資本の重要性に対する認識が示されている。前述の「伊予銀行エバーグリーンの森」活動や「エバーグリーン基金」による助成は、この方針を具現化する地域貢献活動と位置づけられる。

一方で、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みへの対応については、いよぎんHDからの明確な言及は、提供された資料の範囲内では確認できなかった。TNFDは、企業や金融機関に対し、自然関連のリスクと機会、そしてそれらが事業活動や財務に与える影響を評価し、開示することを推奨している。これは、気候変動におけるTCFDと同様の役割を自然資本の分野で果たすことを目指している。

金融機関にとって、自然資本への配慮は、自社の直接的な環境負荷だけでなく、投融資先の事業活動が自然環境や生態系サービスに与える影響(依存度とインパクト)を評価し、それに関連する財務リスク(物理的リスク、移行リスク、システミックリスク)と機会を把握することが求められる 11。いよぎんHDの現在の生物多様性への取り組みは、主に地域社会への貢献という側面が強いが、TNFDが目指すような、金融ポートフォリオ全体における自然関連リスク・機会の体系的な評価・管理という観点では、さらなる展開の余地がある。

競合他社の動向を見ると、千葉銀行は2023年2月にTNFDフォーラムに参画し、自然資本に伴うリスク・機会の認識や融資ポリシーへの反映を進めている 9。また、日本政策投資銀行(DBJ)もTNFD Adopterに登録し、自然資本・生物多様性への対応を経営上の重要課題と位置づけ、投融資方針への反映や情報開示に取り組んでいる。これらの先進事例は、いよぎんHDが今後TNFDへの対応を検討する上での参考となるだろう。現在の地域貢献型の活動を基盤としつつ、金融本業における自然資本への配慮をより深く統合していくことが、今後の重要な課題であり、機会でもあると言える。

6. 環境関連リスクと事業機会の分析

いよぎんHDは、気候変動をはじめとする環境課題が事業活動に及ぼすリスクと、それに対応することによって生じる事業機会の両側面を認識し、経営戦略に織り込もうとしている。

6.1. 気候変動及び自然資本に関連する潜在的リスク

いよぎんHDは、気候変動が自行の事業活動・財務内容等に影響を与えるリスクとして、主に「移行リスク」と「物理的リスク」を認識している 3

  • 移行リスクとは、低炭素社会への移行に伴い発生するリスクであり、具体的には以下のようなものが挙げられる。

  • 政策・法規制リスク: 炭素税の導入や排出量規制の強化、環境関連法規制の変更などにより、自行および投融資先のコンプライアンスコストが増加するリスク。また、規制に対応できない投融資先企業の価値が毀損するリスク 13

  • 技術リスク: 低炭素技術への移行が遅れた場合、既存技術や設備が陳腐化し、競争力を失うリスク。新たな技術への投資が期待通りの成果を上げないリスク 13

  • 市場リスク: 環境意識の高まりによる消費者の嗜好変化や、環境配慮型製品・サービスへの需要シフトに対応できないリスク。炭素関連資産(化石燃料関連等)の市場価値が低下(座礁資産化)するリスク 13

  • 評判リスク: 環境への配慮が不十分と見なされた場合に、顧客や投資家からの信頼が低下し、企業価値が損なわれるリスク 13

  • 物理的リスクとは、気候変動による自然災害の激甚化・頻発化や、平均気温の上昇など物理的な変化によって生じるリスクであり、以下のように分類される。

  • 急性リスク: 台風、洪水、豪雨などの異常気象により、自行の店舗や設備が損壊したり、事業継続が困難になったりするリスク。また、投融資先の事業所やサプライチェーンが被災し、事業中断や財務状況が悪化するリスク。担保物件の価値が毀損するリスク 13

  • 慢性リスク: 平均気温の上昇、海面上昇、降水パターンの変化などが、農業や観光業といった特定の産業に長期的な影響を与え、関連する投融資先の業績が悪化するリスク 13

いよぎんHDは、これらのリスクを評価するため、シナリオ分析を実施している。例えば、移行リスクについては「電力・ガス」「海運」セクターを対象にリスク評価を行い、物理的リスクについては、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が公表する「2℃シナリオ」「4℃シナリオ」のもとで、水害発生による事業性与信先の財務への影響と担保不動産の損傷に起因した与信関係費用の増加に関するシナリオ分析を実施した 3。千葉興業銀行の事例では、同様の分析の結果、ポートフォリオ全体への影響は限定的と評価されているが、いよぎんHDにおいても継続的な分析の高度化と対象セクターの拡大が求められる。

自然資本に関連するリスクについては、生物多様性の損失や生態系サービスの劣化が、投融資先の事業活動に依存している産業(例:農林水産業、観光業、食品加工業など)を通じて、金融機関のポートフォリオに影響を及ぼす可能性がある 11。TNFDの枠組みでは、これらの自然関連リスクを特定し、評価・開示することの重要性が強調されており、いよぎんHDにとっても今後の検討課題となる。

6.2. 環境課題への対応を通じた事業機会

環境課題への対応は、リスク管理の側面だけでなく、新たな事業機会の創出にも繋がる。TCFD提言では、気候関連の機会を「資源効率」「エネルギー源」「製品・サービス」「市場」「レジリエンス」の5つのカテゴリーに分類している 13。いよぎんHDがこれらの観点から捉えうる、または既に捉えている事業機会としては、以下のようなものが考えられる。

  • 製品・サービス:

  • サステナブルファイナンスの拡大: グリーンローン、ソーシャルボンド、サステナビリティ・リンク・ローンなど、環境・社会課題の解決に資する金融商品の提供拡大 3。これは、いよぎんHDが既に目標を設定し推進している分野である。

  • 顧客の脱炭素化支援: 顧客企業に対し、再生可能エネルギー導入支援、省エネルギー設備投資のためのファイナンス、CO2排出量算定支援、脱炭素コンサルティングなどを提供することによる新たな収益機会 3

  • グリーン預金等の新商品開発: 個人や企業が環境保全に貢献できるような預金商品の開発。

  • 市場:

  • 成長市場への参入: 再生可能エネルギー、省エネルギー、サーキュラーエコノミー、持続可能な農業など、環境関連の成長市場における新たな顧客開拓と投融資機会の獲得。

  • 地域との連携強化: 自治体や地域企業と連携し、地域の脱炭素化プロジェクトや環境インフラ整備事業への参画。

  • 資源効率・エネルギー源:

  • 自行の事業活動におけるエネルギー効率改善や再生可能エネルギー導入によるコスト削減。

  • レジリエンス:

  • 気候変動適応策へのファイナンス(例:防災・減災インフラ整備、農業における気候変動対応技術導入支援)。

ネイチャーポジティブ経済への移行は、生物多様性保全や生態系再生に貢献する事業への新たな投融資機会を生み出す 11。例えば、持続可能な農林水産業、エコツーリズム、生態系保全技術開発などへのファイナンスが考えられる。

いよぎんHDは、顧客の脱炭素化支援などを通じてこれらの機会を捉えようとしているが 3、これらの取り組みが銀行全体の成長戦略の中でどの程度中核的な位置づけにあるのか、また、その規模と戦略的統合の度合いが今後の成長を左右する。低炭素・ネイチャーポジティブ経済への移行は莫大な資金需要を生み出すため、この市場で主導的な役割を果たすための積極的な戦略展開が、大きな差別化要因となり得る。単なる付随的サービスとしてではなく、銀行の将来の収益の柱としてこれらの機会を捉え、専門チームの設置や野心的な成長目標の設定、新興グリーンセクターの顧客開拓などを積極的に行うことが、実質的な事業成長とESG評価の向上に繋がるだろう。

7. 業界における先進事例と競合分析

いよぎんHDの環境への取り組みを評価し、今後の方向性を検討する上で、同業他社の先進事例や競合状況を把握することは不可欠である。

7.1. 国内金融機関における環境経営の先進事例

国内の金融機関、特に地方銀行においても、環境経営への取り組みは加速しており、特色ある先進事例が見られる。

  • 気候変動対応:

  • 横浜銀行(コンコルディア・フィナンシャルグループ): 本店ビルでの再生可能エネルギー(水力発電)導入 5、グループ全体でのCO2排出量削減目標(2030年度までに2013年度比50%削減、2050年度カーボンニュートラル)の設定、そして国際的な環境情報開示プラットフォームであるCDPの気候変動調査において最高評価の「Aリスト」に選定されるなど、積極的な姿勢が目立つ 5

  • 千葉銀行: TCFD提言に加え、TNFD提言への対応も進めており、自然資本への配慮も強化している。サステナブルファイナンス目標として2030年度までに2兆円(うち環境系1兆円)を設定し、顧客向けにCO2排出量測定ツール「C-checker」を提供するなど、具体的な支援策も展開している 9。CDP気候変動評価では「A-」を3年連続で取得している 15

  • 静岡銀行: CO2排出量削減目標(2030年度に2013年度比60%削減、Scope1,2でカーボンニュートラル達成)を掲げ、石炭火力発電への新規投融資を原則実施しないとする特定セクター方針を明確にしている 6。サステナブルファイナンス目標も設定し、地域企業の脱炭素化を支援している 6

  • その他の地方銀行: 北都銀行や山陰合同銀行などは、地域の特性を活かした再生可能エネルギー事業への直接的・間接的な参画を通じて、地域経済の活性化とエネルギー転換を両立させるモデルを構築しようとしている 16

  • 資源循環:

  • 静岡銀行: 本部における紙使用量を大幅に削減(2022年度に2011年度比60.6%削減)するとともに、独自の「“しずぎん”紙のリサイクルシステム」を運用し、オフィス古紙を100%リサイクルしている。また、事務機器の廃棄においては最終埋め立て処分ゼロ(ゼロエミッション)を達成し、顧客配布ノベルティのグリーン購入比率100%を実践するなど、多角的な取り組みが特徴である 6

  • 横浜銀行: 店舗で使用するショッパーや行員の名刺などに、石灰石を主原料とする環境配慮型素材「LIMEX」を採用し、プラスチック使用量の削減と森林資源の保護に貢献している 5

  • 千葉銀行: 水使用量、紙使用量、廃棄物量の実績を開示し、透明性を確保している 9

  • 京都信用金庫: 廃食用油をリサイクルしてバイオディーゼル燃料や持続可能な航空燃料(SAF)を製造する事業に対し、グリーンローンを通じて支援するなど、循環型社会の実現に貢献するビジネスを金融面から後押ししている 16

  • 生物多様性:

  • 静岡銀行: 「しずおか未来の森サポーター」としての里山づくり(森林整備)活動や棚田保全活動への参加、さらには「公益信託しずぎんふるさと環境保全基金」を通じた地域団体への助成など、地域に根差した保全活動を継続している。投融資方針においても、パーム油農園開発や森林伐採事業に対して、環境・社会への影響を慎重に審査する方針を定めている 6

  • 千葉銀行: TNFDへの対応を進め、融資ポリシーにおいてラムサール条約指定湿地やユネスコ世界遺産へ負の影響を与える事業、ワシントン条約に違反する事業を禁止するなど、生物多様性への配慮を明確にしている 9

  • 滋賀銀行: 琵琶湖の環境保全を経営の柱の一つと位置づけ、「しがぎん琵琶湖原則(PLB)」に基づく環境格付融資を実施。水質浄化技術を持つ企業への支援など、独自の取り組みを展開している 16

これらの先進事例に共通する成功要因の一つとして、顧客のESG課題解決に積極的に関与し、コンサルティング、専門的な金融商品、プラットフォーム構築などを通じて価値を共創する姿勢が挙げられる 16。これは単なるリスク回避に留まらず、銀行が地域の持続可能性への移行を主導する役割を担うことを意味する。いよぎんHDも顧客支援の取り組みを進めているが、滋賀銀行や横浜銀行のような先進事例と比較すると、その深さや幅において更なる発展の可能性がある。

7.2. 主要競合他社の環境への取り組みとパフォーマンス比較

いよぎんHDの主要な競合と考えられるのは、近隣の地方銀行や、同程度の規模・事業特性を持つ地方銀行である。本報告書では、情報開示が進んでいる千葉銀行、横浜銀行(コンコルディア・フィナンシャルグループ)、静岡銀行、そして九州を拠点とするふくおかフィナンシャルグループ(FFG)などを念頭に比較分析を行う。

  • 気候変動対応:

  • CO2削減目標: いよぎんHDの目標(2026年50%削減、2030年ネットゼロ Scope1+2)3 は、横浜銀行(2030年50%削減 Scope1+2)5 や静岡銀行(2030年60%削減 Scope1+2)8 と比較しても遜色ない野心度を持つ。千葉銀行も2030年ネットゼロ(Scope1+2)を掲げている 15

  • サステナブルファイナンス: いよぎんHDの目標(2030年まで累計1.4兆円、うち環境0.7兆円)3 に対し、千葉銀行は2兆円(うち環境1兆円)15、横浜銀行は2兆円(うちグリーン1兆円)5 と、より大きな目標を設定している。FFGはSDGs支援子会社「サステナブルスケール」を設立し、九州大学と連携した独自のSDGs評価モデルを開発・提供するなど、非金融面での支援にも特色を出している。

  • TCFD対応: いよぎんHD、千葉銀行、横浜銀行、静岡銀行はいずれもTCFD提言に賛同し、情報開示を進めている。開示の詳細度やシナリオ分析の対象範囲には各行で差が見られる。

  • 資源循環:

  • 静岡銀行が紙使用量削減、リサイクルシステム、ゼロエミッション、グリーン購入といった多岐にわたる具体的な取り組みと実績を開示しているのに対し 6、いよぎんHDのこの分野における定量的な情報開示は限定的である。千葉銀行は水・紙・廃棄物の使用量・排出量を開示している 9。横浜銀行はLIMEX素材の活用を推進している 5

  • 生物多様性:

  • いよぎんHDの「エバーグリーンの森」や基金による地域貢献活動 7 は commendable であるが、千葉銀行のTNFD対応と融資ポリシーへの反映 9 や、静岡銀行の特定セクター方針における生物多様性配慮 8 と比較すると、金融本業との統合という観点では、いよぎんHDはまだ発展の途上にあると言える。

  • 外部評価:

  • CDPスコアでは、横浜銀行が「Aリスト」14、千葉銀行が「A-」15 と高い評価を得ている。いよぎんHDのCDPスコアは本調査の範囲では確認できなかった。

この比較から、いよぎんHDは気候変動目標設定においては他行に引けを取らないものの、サステナブルファイナンスの目標規模、資源循環に関する具体的な取り組みとデータ開示、TNFDへの対応といった面では、先進的な競合他社に追いつくための努力が求められる領域があることが示唆される。

8. 環境スコアのベンチマーキング

企業の環境パフォーマンスを客観的に比較・評価する上で、外部のESG評価機関によるスコアやレーティングは重要な参考情報となる。

8.1. いよぎんホールディングスのESG関連評価

いよぎんHDが取得している、または関連するESG評価は以下の通りである。

  • 株式会社格付投資情報センター(R&I): 発行体格付として「A+」、格付の方向性は「安定的」との評価を得ている。これは財務健全性等を中心とした評価であるが、ESG要素も考慮される場合がある。

  • Sustainalytics: いよぎんHDのESGリスクレーティングは「15.8」であり、「Low Risk(低リスク)」と評価されている。銀行セクター(Banks)に属する832社中75位という相対的に良好なポジションにある(評価時期不明、2024年9月閲覧時点の情報)。Sustainalyticsの評価は、企業が直面するESGリスクの大きさと、そのリスク管理能力を評価するものである。

  • CDPスコア、MSCI ESGレーティング: いよぎんHDに特化した近年のCDPスコアやMSCI ESGレーティングについては、本報告書の調査範囲で参照した資料からは明確な情報を確認できなかった 18。CDPは企業の気候変動、水セキュリティ、森林に関する情報開示を評価する国際NGOであり、MSCI ESGレーティングは企業のESGリスクと機会への対応力を評価する主要な指標の一つである。これらの評価は投資家の意思決定に大きな影響を与えるため、積極的な参加と結果の開示が望まれる。

8.2. 競合他社の環境スコア及び評価との比較

主要な競合他社の環境スコアと比較することで、いよぎんHDの相対的な立ち位置を把握することができる。

  • 横浜銀行(コンコルディア・フィナンシャルグループ):

  • CDP: 2023年度の気候変動調査において最高評価である「Aリスト」に選定された 14

  • MSCI ESG格付: 最上位の「AAA」評価を取得している(評価年不明)14

  • 千葉銀行:

  • CDP: 2023年度の気候変動調査において「A-」評価を3年連続で取得した 15

  • SustainalyticsやMSCIの具体的なレーティングについては、提供資料からは確認できなかったが、ESGへの取り組みは積極的に開示されている。

  • その他の金融機関:

  • ESG企業ランキングでは、三井住友フィナンシャルグループやSOMPOホールディングスなどが上位に名を連ねているが、地方銀行に特化したランキング情報は限定的である。ゆうちょ銀行はGomez ESGサイトランキングで43位(スコア7.64)となっている。

いよぎんHDのSustainalyticsによる「Low Risk」評価および業種内での良好な順位はポジティブな要素である。しかし、CDPやMSCIといった主要なESG評価フレームワークにおけるスコアが公に確認できない点は、透明性と比較可能性の観点から課題と言える。特に、横浜銀行がCDPで「Aリスト」、MSCIで「AAA」という極めて高い評価を得ており、千葉銀行もCDPで「A-」を維持している状況を鑑みると、いよぎんHDがこれらの評価に積極的に参加し、その結果を開示することは、ESGを重視する投資家からの評価を高め、包括的なベンチマーキングを可能にする上で不可欠である。これらの評価への不参加、あるいはスコアが強調できるレベルにない場合、あるいは単に情報が提供された資料に含まれていなかっただけかもしれないが、いずれにしても、主要なESG評価システムにおける比較可能なデータの欠如は、ESG重視の投資家を惹きつけ、包括的なベンチマーキングを行う上で不利に働く可能性がある。CDP/MSCIレーティングの追求と開示は、重要な推奨事項となる。

9. いよぎんホールディングスの環境課題と推奨事項

これまでの分析を踏まえ、いよぎんHDが環境パフォーマンス向上と持続可能な成長を実現するために取り組むべき課題と、それに対する具体的な推奨事項を以下に提示する。

9.1. 現状における環境パフォーマンスの課題

  • 気候変動対応:

  • Scope3排出量の管理: Scope3排出量、特にカテゴリー15(投融資)の算定範囲を拡大し、より精緻なデータを把握するとともに、具体的な削減目標を設定し、その達成に向けたロードマップを詳細化する必要がある。2030年のネットゼロ目標達成に向けては、再生可能エネルギー導入の加速や革新的技術の採用など、より踏み込んだ施策の具体化が求められる。

  • 資源循環:

  • 定量目標と実績開示の不足: 廃棄物削減(紙以外も含む)、リサイクル率向上、水使用量削減に関する全社的な定量目標が設定されておらず、実績データも限定的な開示に留まっている。IT機器やプラスチックなど、紙以外の資源に関する循環戦略も具体化されていない。これは、取り組みの進捗管理と外部評価を困難にしている。

  • 水資源管理の具体化: 水資源管理に関する方針、目標、使用量実績、節水への具体的な取り組みに関する情報開示が不足している。自行の事業所だけでなく、投融資先の水リスク評価も視野に入れる必要がある。

  • 生物多様性:

  • TNFDフレームワークへの対応: TNFDフレームワークへの対応を検討し、投融資ポートフォリオ全体における自然関連リスク(依存度とインパクトを含む)と機会の評価・管理体制を構築する必要がある。現在の地域貢献活動と金融本業との戦略的連携を強化し、生物多様性保全に資する投融資を拡大する余地がある。

  • 情報開示と外部評価:

  • 主要ESG評価への対応: CDPスコアやMSCI ESGレーティングといった主要な外部評価への積極的な参加と、その結果の透明性の高い開示が求められる。特に資源循環分野におけるデータ収集・管理体制を強化し、開示内容を充実させる必要がある。

9.2. 持続可能な成長に向けた重点分野と行動提案

上記の課題を踏まえ、いよぎんHDが持続可能な成長を達成するために重点的に取り組むべき分野と、具体的な行動提案を以下に示す。気候変動対策で示されているような明確で、定量的かつ期限付きの目標を、資源循環や生物多様性への影響・依存度に関しても設定することが、全体的な環境スチュワードシップへのよりバランスの取れた成熟したアプローチを示し、スコアリングの向上にも繋がる横断的な推奨事項となる。

  • 資源循環戦略の高度化:

  • 具体的な行動提案:

  • 全社的な廃棄物監査(マテリアルフロー分析を含む)を実施し、主要な廃棄物発生源と種類を特定する。

  • 紙だけでなく、プラスチック、IT機器などを含む主要な廃棄物種類ごとに、具体的な削減目標およびリサイクル率目標(例:20XX年度までに一般廃棄物原単位YY%削減、リサイクル率ZZ%達成など)をSMART(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)原則に基づき設定し、公表する。

  • サプライチェーン全体での環境配慮調達基準(例:再生材利用率の高い製品の優先購入、ライフサイクルアセスメントに基づく製品選定)を強化する。

  • 顧客企業のサーキュラーエコノミーへの移行を支援するための専門的なファイナンス商品(例:循環型ビジネスモデル導入支援ローン)を開発・提供する。

  • TNFDへの段階的対応と自然関連リスク管理の統合:

  • 具体的な行動提案:

  • TNFDのLEAPアプローチ(Locate, Evaluate, Assess, Prepare)に基づき、まずは投融資ポートフォリオの中から自然への依存度および影響度が特に高いと想定されるセクター(例:農業、林業、水産業、建設業、観光業など)を特定する。

  • 特定されたセクター内の主要な投融資先を対象としたパイロットプロジェクトを実施し、自然関連リスク・機会の評価手法を習得・検証する。

  • 既存の融資ポリシーや事業性評価プロセスに、生物多様性への配慮(例:サプライチェーンにおける森林破壊リスク、水ストレス地域での事業影響など)をより具体的に組み込む。

  • TNFDフォーラムへの参加や関連イニシアチブへの関与を通じて、知見を深め、段階的に情報開示を拡充する。

  • サステナブルファイナンスの質的向上とインパクト創出:

  • 具体的な行動提案:

  • サステナブルファイナンスの実行額目標に加え、その資金がもたらす環境・社会へのポジティブなインパクトを測定・評価するための指標(例:融資先企業によるCO2排出削減貢献量、創出された再生可能エネルギー発電容量、保全・再生された生態系の面積など)を導入し、開示する。

  • 地域の中小企業が直面する脱炭素化や資源循環への移行課題に対応するため、専門的なアドバイスと金融支援を組み合わせた包括的な支援プログラムを拡充する。

  • インパクト投資の考え方を取り入れ、環境・社会課題解決への貢献度が高い革新的な技術やビジネスモデルを持つスタートアップ企業やプロジェクトへの投融資を積極的に検討する。

  • ESGデータ収集・開示体制の強化と外部評価の活用:

  • 具体的な行動提案:

  • 環境パフォーマンスデータ(水使用量、廃棄物総量、リサイクル量、リサイクル率、Scope3排出量の各カテゴリーなど)を網羅的かつ継続的に収集・管理するための社内システムやプロセスを整備する。

  • CDPの気候変動、水セキュリティ、フォレスト質問書への回答を通じて、情報開示の質と網羅性を向上させ、国際的な基準に照らした自社の立ち位置を客観的に把握する。

  • 投資家、格付機関、地域社会などのステークホルダーとのエンゲージメントを強化し、ESGに関する評価やフィードバックを積極的に収集し、経営戦略や取り組みの改善に活かす。

これらの提案を実行することにより、いよぎんHDは環境パフォーマンスを一層向上させ、地域社会からの信頼を高め、持続的な企業価値創造を実現できるものと期待される。

10. 結論

本報告書は、株式会社いよぎんホールディングスの環境イニシアチブとパフォーマンスについて、「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の3分野を中心に包括的な分析を行った。

分析の結果、いよぎんHDは、「潤いと活力ある地域の明日を創る」という企業理念のもと、環境方針を定め、サステナビリティ推進体制を構築し、特に気候変動対応においてはTCFD提言への賛同、CO2排出量削減目標(2030年度ネットゼロ)の設定、サステナブルファイナンスの推進など、具体的な取り組みを進めていることが確認された。2023年度にはScope1+2排出量で2013年度比44.0%削減を達成するなど、一定の成果を上げている。また、生物多様性保全に関しても、「伊予銀行エバーグリーンの森」活動や「エバーグリーン基金」を通じた長年の地域貢献は特筆すべき強みである。SustainalyticsによるESGリスク評価も「低リスク」と良好である。

一方で、今後の改善が期待される領域も明らかになった。資源循環分野では、紙使用量削減以外の廃棄物削減やリサイクル、水資源管理に関する定量的な目標設定や実績データの開示が限定的であり、戦略的な取り組みの具体化が求められる。生物多様性保全においては、地域貢献活動に加え、TNFDフレームワークなどを参考に、金融本業における自然関連リスク・機会の評価と管理体制を構築し、投融資活動全体に統合していくことが今後の課題である。さらに、CDPスコアやMSCI ESGレーティングといった主要な外部ESG評価への積極的な参加と結果開示は、透明性向上と投資家との対話深化の観点から重要性が高い。

環境スコアの向上と持続可能な成長に向けて、いよぎんHDが取り組むべき総合的な方向性としては、まず全社的なESGデータ収集・管理基盤を強化し、資源循環や生物多様性を含む全ての重要環境側面において、気候変動分野と同様の明確な定量目標を設定し、進捗を透明性高く開示することが挙げられる。その上で、特定された課題に対応するための具体的な戦略(資源循環戦略の高度化、TNFDへの段階的対応、サステナブルファイナンスの質的向上など)を着実に実行していくことが求められる。

金融機関は、資金の流れを通じて社会全体の持続可能性に大きな影響力を持つ。いよぎんHDが、本報告書で示された課題に真摯に取り組み、環境への取り組みを一層深化させることで、地域社会の豊かな自然環境を未来へ継承し、地球環境の保全に貢献するとともに、企業自身の持続的な成長を達成することを期待して、本報告書の結論とする。

11. 引用文献

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  3. TCFD提言への取組み|環境・気候変動|伊予銀行, 5月 9, 2025にアクセス、 https://www.iyobank.co.jp/about/csr/environment/tcfd.html

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  6. 環境面からの取組み|CSR・SDGs|静岡銀行について | 静岡銀行, 5月 9, 2025にアクセス、 https://www.shizuokabank.co.jp/companyinfo/csr_report/environment/index.html

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  25. 優良循環型事業所 - 愛媛からエコの輪を広げよう!えひめのスゴeco, 5月 9, 2025にアクセス、 https://www.pref.ehime.jp/h15700/sugoeco/office/

  26. 環境省登壇!10/18(金)開催、自治体担当者向けセミナー「生物多様性保全推進支援事業(交付金)について~地域の取組について財政上の負担を軽減~」 | river, 5月 9, 2025にアクセス、 https://cpriver.jp/2024/10/14295/

  27. 松山市ではごみ減量と再資源化に向けた 新しい取り組みにチャレンジしています, 5月 9, 2025にアクセス、 https://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/koho/khm/khm/khm2017/kouhou20170601.files/20170601-0607.pdf

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