序論 近年、国際社会において気候変動をはじめとする環境問題への関心が高まり、企業活動における環境負荷低減への要請はかつてないほど強まっている。特に、世界の貿易量の大部分を担う海運業界は、温室効果ガス(GHG)排出量の主要な排出源の一つとして認識されており、脱炭素化をはじめとする環境対応が喫緊の経営課題となっている。このような背景の中、日本の大手海運企業である日本郵船株式会社(以下、NIPPON YUSEN)は、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営を中核に据え、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化している 1。本報告書は、NIPPON YUSENの環境への取り組みを、「気候変動」「資源循環…