カテゴリー | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
1購入した製品・サービス | 4,048,000 | 4,701,000 (▲653,000) | 4,198,000 (▼503,000) |
2資本財 | 449,000 | 718,000 (▲269,000) | 894,000 (▲176,000) |
3燃料・エネルギー関連活動 | 100,000 | 99,000 (▲1,000) | 96,000 (▼3,000) |
4輸送・配送(上流) | 279,000 | 325,000 (▲46,000) | 309,000 (▼16,000) |
5事業から発生する廃棄物 | 33,000 | 35,000 (▲2,000) | 26,000 (▼9,000) |
ダイキン工業は、2050年までのカーボンニュートラルを目指す「環境ビジョン2050」に基づき設定した2030年度までのGHG排出削減目標が、SBTi(Science Based Targets initiative)より認定を取得したと発表。Scope1+2で46.2%削減(2019年度比)、Scope3(製品使用・廃棄)で営業利益あたり55%削減(同)を目指す。
地球温暖化抑制と資源循環型社会実現のため、冷媒の製造から回収・再生・破壊までの情報を管理するデジタルプラットフォーム構築に向け、実証実験を開始。IBMのブロックチェーン技術を活用し、冷媒の量・来歴・品質の透明性を確保し、再生冷媒の市場流通促進を目指す。ステークホルダー連携で社会実装を図る。
※掲載情報は公開資料をもとに作成しており、全てのリスク・機会を網羅するものではありません。 より詳細な情報は企業の公式発表をご確認ください。
低GWP冷媒R32のリーダーシップ(特許開放含む)と、高効率インバータ・ヒートポンプ製品の需要拡大(脱炭素潮流)。資源循環では冷媒回収・再生デジタルプラットフォーム構築による新事業機会と資源確保。MSCI AA、CDP A-等の高評価による企業価値・ブランド向上。
ダイキン工業株式会社(以下、ダイキン工業)は、空調機と冷媒の両方を自社で開発・製造する世界で唯一の総合空調メーカーである 1。同社は世界170カ国以上で事業を展開し 1、近年、特に著しい成長を遂げ、2023年3月期には売上高・営業利益ともに過去最高を更新している 4。しかしながら、その主力製品であるエアコンは、稼働時に多くの電力を消費する特性を持つ 2。加えて、エアコンに不可欠な冷媒は、オゾン層への影響は改善されたものの、依然として二酸化炭素の数百倍から数千倍の温室効果を持つ物質が使用されており 6、その管理が重要な課題となっている 8。これらの事業特性から、ダイキン工業の事業活動は、地球規模の環境課題である気候変動や資源問題に対して、無視できない影響を与える可能性を有している。気候変動の深刻化、資源枯渇への懸念、生物多様性の損失といった課題が世界的に認識される中、グローバル企業としてのダイキン工業には、環境負荷低減への責任を果たすとともに、事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献することが強く求められている。
本報告書は、ダイキン工業が「気候変動」「資源循環」「生物多様性」という三つの主要な環境分野において、どのような具体的な取り組みを行い、どの程度のパフォーマンスを示しているのかを包括的に分析することを目的とする。特に、同社の環境スコアを算出する上で必要となる詳細な情報を、学術的な分析レベルで提供することを目指す。報告書の構成としては、まず同社の環境戦略とガバナンス体制を概観し、続いて気候変動、資源循環、生物多様性の各分野における具体的な取り組み、目標、実績を詳述する。さらに、これらの取り組みに関連する潜在的なリスクと事業機会を分析し、空調・化学業界における先進事例や競合他社の動向との比較を行う。その上で、ダイキン工業が現在直面している課題を評価し、今後の取り組みに向けた提言を提示する。本報告書は、客観的なデータと公開情報に基づき、ダイキン工業の環境パフォーマンスに関する多角的な理解を深めるための一助となることを意図している。
ダイキン工業は、地球環境保全を事業経営における最重要課題の一つと位置づけている 9。そのコミットメントの核心となるのが、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指す長期目標「環境ビジョン2050」である 5。このビジョンは、単に排出量を削減するだけでなく、事業活動を通じて安心で健康な空気空間を提供し、空気に関する社会のニーズを満たしながら環境負荷の低減を両立させるという、同社独自の姿勢を明確に示している 9。
この長期ビジョン達成に向けた具体的な道筋を示すものが、中期経営計画「FUSION25」である。この計画では、「カーボンニュートラルへの挑戦」が重点戦略テーマの一つとして明確に掲げられており 10、環境への取り組みが事業戦略の中核に組み込まれていることがうかがえる。特に、FUSION25の後半3カ年計画(2023年度~2025年度)においては、「自社空調事業拠点での2030年CO2排出実質ゼロ化への挑戦」や「欧州暖房市場のヒートポンプ化の推進」といった、従来以上に踏み込んだ施策が打ち出されている 10。これらの計画策定にあたっては、中長期的な価値創造に影響を及ぼすリスクと機会が整理・分析されており、サステナビリティ重要課題の設定が経営計画の基盤となっている 14。
このように、ダイキン工業では環境への対応を単なる社会的責任として捉えるだけでなく、事業成長戦略(FUSION25)および長期ビジョン(環境ビジョン2050)の根幹をなす要素として位置づけていることが明らかである。気候変動対策をはじめとする環境課題への取り組みを、将来の競争力確保と市場リーダーシップ維持に不可欠なものと見なし、これを事業機会(チャンス)として積極的に活用しようとする戦略的な統合が図られている 10。この統合的なアプローチは、同社の環境パフォーマンスが、単なるCSR活動の範疇を超え、企業価値そのものに直結する重要事項として経営レベルで認識されていることを示唆している。
ダイキン工業は、気候変動がもたらす財務的影響に対する認識を深め、その情報開示の透明性を高めるため、2019年に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同している 9。TCFD提言への賛同に基づき、同社は気候変動が自社の事業に与えるリスクと機会を体系的に分析し、その結果を経営戦略やリスクマネジメントプロセスに反映させる取り組みを進めている 9。
具体的な開示内容としては、気候変動に関する複数のシナリオ(例えば、産業革命前からの気温上昇を4℃に抑制するシナリオと1.5℃に抑制するシナリオ)を想定し、それぞれのシナリオ下で予測される炭素税の導入が、同社の財務状況にどのような影響を与えるかについての分析結果を公表している 10。このような定量的な影響分析を含む情報開示は、投資家をはじめとするステークホルダーに対し、ダイキン工業が気候変動リスクをどのように認識し、それに対してどのような戦略的対応を検討しているのかを具体的に示すものであり、企業のレジリエンス(強靭性)と長期的な価値創造能力への信頼を高める上で重要な役割を果たしている。
ダイキン工業は、サステナビリティを経営の根幹に据え、その推進に向けた体制を構築している。同社は、事業活動が環境・社会に与える影響を評価し、取り組むべきサステナビリティ重要テーマを特定している 16。そして、特定されたテーマごとに具体的な目標を設定し、その達成に向けた活動を組織的に展開している 16。
環境側面においては、「環境対応は重要な経営責任」との認識のもと、「環境経営」を推進する姿勢を明確に打ち出している 17。これは、環境への配慮と企業経営を一体のものとして捉え、環境対応の実践が外部からの信頼獲得、事業拡大、ひいては業績向上につながるという考え方に基づいている 17。
こうしたサステナビリティ推進活動を支える基盤として、コーポレート・ガバナンスの強化、リスクマネジメント体制の整備、そして法令順守の徹底といった経営基盤の維持・強化にも注力している 16。これらの体制を通じて、環境課題を含むサステナビリティに関する取り組みが、全社的な戦略として実効性をもって推進されることを目指している。
気候変動は、ダイキン工業の事業活動と密接に関連する最重要課題の一つである。同社は、製品ライフサイクル全体を通じて温室効果ガス(GHG)排出削減に取り組むとともに、気候変動に適応するための技術開発・普及を推進している。
ダイキン工業は、「環境ビジョン2050」に基づき、GHG排出削減に向けた具体的な中間目標を設定している。2019年度を基準年とし、対策を講じないまま事業が成長した場合(BAU: Business As Usual)の排出量と比較して、CO2実質排出量を2025年度までに30%以上、2030年度までに50%以上削減することを目指している 9。
さらに、科学的根拠に基づく目標設定イニシアチブであるSBTi(Science Based Targets initiative)から、パリ協定の目標達成に整合した水準として認定された2030年度目標も設定している 15。具体的には、自社での燃料使用や電力使用に伴う直接・間接排出量(Scope 1およびScope 2)について、2019年度比で46.2%削減することを目標としている 18。また、バリューチェーン全体での間接排出量(Scope 3)については、特に影響の大きい「販売した製品の使用」および「販売した製品の廃棄」に伴う排出量を、2019年度比で営業利益(円)あたり55%削減するという目標を掲げている 18。
このScope 3目標が、絶対量ではなく「営業利益あたり」の原単位で設定されている点は注目に値する。ダイキン工業の試算によれば、エアコンのライフサイクル全体におけるCO2排出量のうち、約89%が顧客による「使用時」に発生する 5。Scope 3目標を営業利益原単位とすることで、単に販売量に比例して排出量が増加することを抑制するだけでなく、事業成長(営業利益の増加)と排出量増加のデカップリング(分離)を強く意識した取り組みを促す設計となっている。これは、よりエネルギー効率が高く、環境負荷の低い製品やソリューションの販売比率を高めることによって目標達成を目指すという、同社の戦略的な意図を反映していると考えられる。製品使用時の排出削減が、同社の気候変動対策における最重要課題であることを明確に示している。
ダイキン工業は、自社の生産拠点やオフィスにおけるScope 1およびScope 2排出量の削減に向けて、多岐にわたる取り組みを推進している。工場においては、生産プロセスの改善や高効率設備への更新を通じた省エネルギー活動を継続的に実施している 6。また、再生可能エネルギーの導入も積極的に進めており、欧州の空調工場ではグリーン電力比率100%を達成し、北米(DNA社)でも50%を達成するなど、具体的な成果を上げている 19。さらに、一部の設備では、再生可能エネルギー由来の非化石証書を活用した電力を使用している 17。
これらの取り組みの結果として、国内の主要工場(滋賀製作所、淀川製作所、堺製作所、鹿島製作所)では、2023年度にCO2排出量の実質ゼロ化を達成した 11。今後は、化学事業を除く全ての工場において2030年度までに排出実質ゼロ化を目指すという挑戦的な目標を掲げている 10。オフィスに関しても、国内の主要拠点(本社、東京支社等)で2025年度までに実質ゼロ化を目指す計画である 11。
生産活動以外では、製品や部品の輸送における環境負荷低減にも取り組んでおり、輸送効率の改善やモーダルシフトなどを検討している 6。
前述の通り、ダイキン工業のGHG排出量の大部分はScope 3、特に顧客による製品使用時に発生する 5。したがって、Scope 3排出量の削減は、同社のカーボンニュートラル目標達成に向けた最重要課題である。この課題に対応するため、同社は省エネルギー性能の高い製品や、地球温暖化係数(GWP)の低い冷媒を使用した製品の開発・普及に注力している 5。具体的には、インバータ技術やヒートポンプ技術の適用拡大、そして低GWP冷媒であるR32への転換推進が、Scope 3削減戦略の根幹をなしている。
製品使用時以外のScope 3排出量削減に向けては、サプライチェーン全体での取り組みも進めている。サプライチェーンCSR推進ガイドラインやグリーン調達ガイドラインを策定し、サプライヤーに対しても環境負荷低減への協力を求めている 2。
さらに、製品が廃棄される段階での環境負荷低減も重要である。使用済み冷媒の回収・再生・破壊を適切に行うことで、ライフサイクル全体での排出削減に貢献する(削減貢献量)という考え方も取り入れている 11。これらの活動を通じて、バリューチェーン全体でのGHG排出量削減を目指している。
ダイキン工業は、長年にわたり培ってきた空調コア技術を活かし、省エネルギー性能の高い製品・技術の開発と、そのグローバルな普及に力を入れている 12。
インバータ技術は、エアコンの心臓部であるコンプレッサーのモーター回転数を、室温や負荷状況に応じてきめ細かく制御する技術である 5。これにより、一定速のON/OFF制御を行うノンインバータ機と比較して、無駄な電力消費を大幅に削減し、50%以上の省エネ効果を実現することが可能となる 5。
ダイキン工業は、このインバータ技術を搭載したエアコンの普及をグローバルに推進している 7。特に、依然としてノンインバータ機が多く使用されている新興国や一部先進国において、インバータ機への転換を加速させることが、世界のエネルギー消費量抑制とCO2排出削減に大きく貢献すると考えている 8。そのために、各国政府や国際機関と連携し、省エネルギー基準の策定や改定に協力するとともに 6、インバータ技術の優位性を積極的にアピールしている。2023年に開催された国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)のジャパンパビリオンへの初出展では、インバータエアコンの省エネ効果を訴求した 22。
具体的な普及活動としては、メキシコでの実証実験を通じてインバータ採用による省エネ効果を実証したほか 11、2024年夏からは国際協力機構(JICA)と連携し、ナイジェリアにおけるインバータエアコン普及支援プロジェクトを開始する予定である 22。こうした活動を通じて、インバータ技術のグローバルスタンダード化を目指している。
エアコンに使用される冷媒は、熱を運ぶ重要な役割を担う一方で、その種類によっては高い地球温暖化係数(GWP)を持つ。例えば、かつて広く使われていたR410Aという冷媒のGWPは、CO2の約2000倍にも達する 8。これに対し、ダイキン工業が採用を推進しているR32冷媒は、GWPがR410Aの約1/3(約675)であり、温暖化影響を大幅に低減できる 6。
ダイキン工業は、2012年に世界で初めてR32を搭載したルームエアコンを発売した 7。その後、R32の普及を加速させるため、同社が保有するR32を使用した空調機に関する基本特許について、全世界で無償開放するという大胆な戦略をとった 5。さらに、開発途上国を中心に、R32への転換に必要な技術支援も提供している 7。
R32冷媒に関する特許を無償開放するというダイキン工業の戦略 7 は、注目に値する。この戦略は、競合他社を利する可能性がある一方で、高GWP冷媒からの世界的な市場転換を加速させる効果を持つ。この市場全体の変革は、同社自身の野心的なScope 3排出削減目標 18 達成に不可欠であり、特に最大の排出源である製品使用段階 5 に直接的に対処するものである。市場全体での移行を促進することは、ダイキン工業自身の市場シェア拡大のみに依存するよりも、気候変動対策の緊急性を考慮すると、より迅速かつ影響力の大きいアプローチと考えられる。さらに、R32を事実上の標準として確立することで、製造規模や専門知識における長期的な優位性を築く可能性も秘めている。
この戦略の結果、R32冷媒は世界的に広く採用されるようになり、2021年末時点で世界で販売される家庭用エアコンの6割以上がR32機になったと推定されている 11。ダイキン工業自身も、2022年6月までに世界120カ国以上で累計3,900万台のR32搭載機を販売し、これによりCO2換算で約3.4億トンの排出削減に貢献したと試算している 11。
一方で、R32も依然としてGWPを持つため、ダイキン工業は更なる低GWP化を目指し、超低GWP(GWP10以下など)の次世代冷媒の開発にも挑戦している。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトにも参画し、開発を進めている 11。また、自然冷媒(CO2、プロパンなど)を利用した給湯機やショーケース等の製品開発も行っており、安全性・経済性・環境性・効率性のバランスを考慮した最適な冷媒ソリューションの追求を続けている 11。
ヒートポンプ技術は、大気中などから熱を集め、少ない投入エネルギー(電力)で熱を移動させる技術である 5。ヒートポンプを利用したエアコンや給湯器は、投入した電力エネルギーの何倍もの熱エネルギー(ダイキンの例では約6~7倍)を得ることができるため、エネルギー効率が非常に高い 5。
特に暖房用途において、化石燃料(ガス、石油など)を燃焼させる従来の暖房方式と比較して、ヒートポンプ暖房はCO2排出量を大幅に削減できる 7。このため、脱炭素社会の実現に貢献する重要な技術として、世界的に注目が高まっている。
ダイキン工業は、このヒートポンプ技術を応用した製品開発に早くから取り組み、特に欧州市場において、ヒートポンプ式暖房・給湯機の普及に大きく貢献してきた 7。欧州連合(EU)が掲げる野心的な気候目標「Fit for 55」(2030年までにGHG排出量を55%削減)などの政策も後押しとなり、欧州では化石燃料暖房からヒートポンプ暖房への転換が急速に進んでおり、ダイキン工業にとって大きな事業機会となっている 8。同社は今後も、欧州をはじめとする各地域で、ヒートポンプ技術を活用した製品・ソリューションの提供を通じて、カーボンニュートラルの実現に貢献していく方針である 7。
ダイキン工業は、自社事業活動におけるScope 2排出量削減のため、再生可能エネルギーの導入を進めている。前述の通り、欧州の空調工場ではグリーン電力比率100%を達成し、北米(DNA社)でも50%を達成している 19。また、国内においても、一部の設備で非化石証書を活用し、実質的に再生可能エネルギー由来の電力を使用している 17。これらの取り組みは、同社が掲げるScope 1, 2排出削減目標(2030年度46.2%削減、国内主要工場での実質ゼロ化等)の達成に向けた重要な手段となっている。今後、グローバルな事業拠点全体での再生可能エネルギー利用率の更なる向上が期待される。
建物部門における脱炭素化の切り札として、Net Zero Energy Building(ZEB)への関心が高まっている。ZEBとは、年間の一次エネルギー消費量を、省エネルギーと創エネルギーによって正味(ネット)でゼロ、あるいはゼロに近づけることを目指した建物のことである 12。ダイキン工業は、空調メーカーとしての知見を活かし、ZEBの実現・普及を支援する取り組みも行っている。
ZEB化は、脱炭素社会への貢献に加え、建物の所有者や利用者にとっても多くのメリットをもたらす。具体的には、空調等の省エネ化による光熱費の大幅な削減、快適な室内環境の実現による従業員の生産性向上や顧客満足度向上、環境配慮型ビルとしての不動産価値の上昇、企業の環境先進性を示すことによるブランドイメージ向上、そして創エネルギー設備による災害時のエネルギー自立性確保などが挙げられる 12。
ダイキン工業は、ZEB化に関するコンサルティングから、現状診断、省エネ・創エネ設備の設計・施工、補助金申請支援、導入後のアフターサービスに至るまで、一貫したソリューションを提供できる体制を構築している 12。また、エネルギー消費量を可視化し、運用改善を支援する「エアネットサービスシステム」のようなツールも提供しており 23、顧客のZEB達成を多角的にサポートしている。
ダイキン工業は、気候変動対策と並び、資源の有効活用と循環型社会(サーキュラーエコノミー)の実現に向けた取り組みを強化している。特に、製品ライフサイクル全体で環境負荷の大きい冷媒の管理と、フッ素化学製品を含む製造プロセス等における資源効率化が重要な柱となっている。
冷媒は、エアコンの性能を左右する重要な物質であると同時に、その多くが高いGWPを持つため、大気への放出を抑制し、資源として循環させることが極めて重要である。
エアコンの修理や廃棄を行う際には、機器内部の冷媒を大気中に放出しないよう、適切に回収する必要がある。まず、配管を通じて冷媒を室外機に集める「ポンプダウン」作業を行い、その後、専用の回収機を用いて冷媒を回収ボンベに回収する 24。回収された冷媒は、その種類や量などの情報とともに管理される 24。
回収された使用済み冷媒は、専門の事業者によって再生処理または破壊処理される。再生処理では、蒸留による油分の除去、凝縮による液化、脱水塔での水分除去などの工程を経て不純物を取り除き、再び冷媒として利用できる状態にする 24。一方、破壊処理では、フロン類を高温で焼却分解し、無害な物質に転換する。例えば、フッ酸と二酸化炭素に分解した後、フッ酸を石灰乳と反応させて蛍石(フッ化カルシウム)として回収し、フッ素化学製品の原料としてリサイクルするプロセスなどが存在する 24。
ダイキン工業が実施したライフサイクルアセスメント(LCA)による比較評価では、温室効果ガス排出量やエネルギー消費量の観点から、破壊処理よりも再生処理の方が環境負荷が低いことが示されている 24。この結果は、冷媒を廃棄物として処理するのではなく、資源として循環利用すること(サーキュラーエコノミー)の環境面での優位性を裏付けており、同社が冷媒再生を重視する根拠となっている 11。
この方針に基づき、ダイキン工業は国内外で冷媒の回収・再生を推進している。日本では、フロン排出抑制法の施行などによりHFC(代替フロン)の再生量が急拡大しており、同社も再生メーカーとの連携強化や自社再生設備の立ち上げを進めている 11。欧州や米国など他の地域においても、自社のサービスネットワークを活用して冷媒回収量を拡大し、回収した再生冷媒を新規機器の生産に活用する取り組みも始めている 11。
冷媒のライフサイクル全体にわたる適切な管理とトレーサビリティの確保は、回収・再生率の向上と不正な大気放出の防止に不可欠である。しかし、冷媒は製造、機器への充填、設置、使用、メンテナンス、回収、再生、破壊といった多くの段階を経て、様々な事業者(メーカー、施工業者、サービス業者、建物管理者、廃棄物処理業者など)が関与するため、その流れを正確に追跡することは容易ではない 11。
この課題に対応するため、ダイキン工業は、冷媒の製造から回収・再生・破壊に至る循環サイクル全体をデジタル技術で情報管理するプラットフォームの開発を進めている 11。このプラットフォームは、ブロックチェーン技術などを活用し、冷媒の種類、量、移動履歴といった情報を記録・共有することで、トレーサビリティを確保し、冷媒の漏えい防止や回収・再生率の向上に貢献することを目的としている 25。日本アイ・ビー・エム株式会社(IBM)とも協力し、実証実験を進めている 26。
このデジタルプラットフォーム開発における重要な点は、ダイキン工業がこれを自社専用システムとして囲い込むのではなく、将来的には同業他社や関連事業者も利用可能なオープンなプラットフォームとして公開する方針を掲げていることである 25。これは、内部効率化を超えた戦略的な動きと解釈できる。業界全体で冷媒のライフサイクル管理基準を確立することを目指しており、これにより、業界全体の法規制遵守レベルの向上、回収率の改善(集合的な行動問題への対処)、そして将来的には新たなデータ駆動型サービスの創出や政策への影響力を持つ可能性を秘めている。ダイキン工業が責任ある冷媒管理におけるリーダーシップを発揮しようとする意図がうかがえる。この取り組みは、環境リスク(HFC排出)と資源枯渇懸念の両方に対処すると同時に、業界慣行の設定を通じて競争優位性を生み出す可能性も示唆している。
ダイキン工業は、冷媒以外の資源についても、製品や製造プロセスにおける効率化と循環利用を推進している。
同社のもう一つの主要事業である化学事業においても、資源循環への取り組みが進められている。フッ素樹脂やフッ素ゴムなどのフッ素化学製品は、耐熱性、耐薬品性、撥水性など優れた特性を持つ一方で、その原料となる蛍石は有限な資源である。ダイキン工業の化学事業部では、自社の製造工程で発生する端材や規格外品、さらには顧客で使用されたフッ素材料を回収し、リサイクルする技術開発と事業化に取り組んでいる 21。回収した材料を精製・再生し、再び製品原料として利用することで、ライフサイクル全体での資源循環を目指している 21。また、フッ素樹脂加工(例:ヘラン・ウルシード)を施すことで製品自体の耐久性を高め、長寿命化を図ることも、限りある資源の有効活用に貢献する取り組みとして位置づけられている 17。再生蛍石の活用も進められている 21。
生産拠点においては、廃棄物の発生抑制(リデュース)、再利用(リユース)、再生利用(リサイクル)の3R活動を推進している。具体的には、廃棄物の分別収集の徹底、リサイクル率の向上、生産工程における不良発生率の低減などを通じて、最終的な廃棄物量の削減に努めている 17。
さらに、自社拠点内にとどまらず、バリューチェーンにおける廃棄物削減にも目を向けている。その一例として、建設現場から排出されるプラスチック廃棄物の削減を目指す、業界横断的なプロジェクトへの参画が挙げられる 28。このプロジェクトでは、高砂熱学工業、ヴェオリア・ジャパン、岐阜プラスチック工業、digglueなど、建設、空調、廃棄物処理、ITといった異なる業種の企業が連携し、デジタルプラットフォームを活用して建設現場での資源循環(3R)と脱炭素化を推進する取り組みを進めている 28。
ダイキン工業がこのような建設廃棄物に関する業界横断的なプラットフォームに参加していること 28 は、同社の資源循環に関する考え方が、中核製品(冷媒、フッ素化学製品)の範囲を超え、事業エコシステムに関連するより広範なマテリアルフロー(例:梱包材、設置工事に伴う廃棄物)にまで及んでいることを示している。これは、資源循環への取り組み範囲が拡大していることを示唆するものである。自社の製造廃棄物削減 17 や中核製品のリサイクル 21 とは別に、バリューチェーンの隣接部分(空調が設置される建物の建設・改修)における資源循環に対して、協調的かつ体系的なアプローチで関与していることがわかる。
ダイキン工業は、従来の「作って、使って、捨てる」というリニアエコノミー(線形経済)から脱却し、資源を循環させ続けるサーキュラーエコノミーへの移行を目指している。その具体的な現れとして、「冷媒エコサイクルの構築によるサーキュラーエコノミービジネスの展開」がサステナビリティレポートで言及されている 15。これは、前述の冷媒回収・再生の取り組みを基盤とし、再生冷媒を安定的に供給・利用する循環型のビジネスモデルを構築しようとするものである。回収・再生された冷媒を新品の空調機器に活用する取り組み 11 や、製品自体の長寿命化 17 も、この方向性に沿ったものである。
また、過去の統合報告書では、エアコンのサブスクリプション(定額利用)ビジネスに関する言及も見られた 3。サブスクリプションモデルは、製品の所有権をメーカーが保持し続けることで、製品ライフサイクル全体の管理(メンテナンス、修理、回収、再利用)をより効率的かつ効果的に行うことを可能にし、資源効率化とサーキュラーエコノミーの推進に貢献しうるビジネスモデルである。ただし、提供された情報 3 だけでは、このビジネスモデルが現在どの程度展開されているか、また環境負荷低減にどの程度貢献しているかの詳細は不明であるため、今後の情報開示が待たれる。
ダイキン工業は、気候変動対策や資源循環と並び、生物多様性の保全も重要な環境課題と認識し、事業活動が自然生態系に与える影響に配慮するとともに、保全活動への貢献を目指している。
ダイキン工業は、森林が持つ多様な機能(二酸化炭素吸収、酸素供給、大気浄化、気温調整など)に着目し、森林を「地球のエアコン」と表現している 29。この認識に基づき、同社は2014年の創業90周年を機に、グローバルな森林保全活動「“空気をはぐくむ森”プロジェクト」を開始した 29。このプロジェクトは、生物多様性が豊かでありながら、森林破壊や劣化が進行している世界7カ所の地域(ブラジル、カンボジア、中国、インドネシア、リベリア、インド、そして日本の北海道・知床)を対象としている 9。
プロジェクトの運営にあたっては、コンサベーション・インターナショナル(CI)などの国際的な環境NGOと連携している 31。目標として、10年間(2014年~2024年)で合計1,100万ヘクタール(日本の国土の約3割に相当)の森林保全に貢献し、約700万トンのCO2排出抑制効果を目指すことが掲げられている 9。ダイキン工業はこのパートナーシップに対し、10年間で450万米ドル(当時のレートで約4.5億円)の支援を行う計画であった 32。
「“空気をはぐくむ森”プロジェクト」の特徴は、単に植林や森林保護を行うだけでなく、森林減少の根本的な原因となっている現地の貧困問題など、社会課題の解決にも同時に取り組む点にある 29。具体的には、地域住民が森林を持続可能な形で利用しながら生計を立てられるよう、アグロフォレストリー(森林農業)の導入支援や、小水力発電設備の設置支援など、収入向上につながる活動を組み込んでいる 30。インドネシアのプロジェクトでは、水力発電の導入により住民の生活が便利になっただけでなく、それまで水汲み労働に従事していた子どもたちが学校に通えるようになったという報告もある 30。
加えて、森林保全の重要性や環境に関する知識を地域住民や子どもたちに伝える環境教育プログラムも実施している 30。また、プロジェクトの効果を測定し、今後の活動に活かすため、生物多様性の状況をモニタリングする活動も行われている 31。
さらに、このプロジェクトは、資金提供だけでなく、ダイキングループの国内外の従業員が現地での植林活動などにボランティアとして参加する機会も提供している 31。日本国内では、このプロジェクトを題材とした環境教育プログラムを開発し、全国の小学校に無償で教材を提供したり、講師を派遣したりする活動も行っている 9。
このように、「“空気をはぐくむ森”プロジェクト」は、単なる炭素オフセットやイメージ向上策ではなく、生物多様性の保全、気候変動の緩和(CO2吸収)、そして地域コミュニティの持続可能な発展(生計向上、教育、インフラ整備など)を統合的に目指す、長期的かつ社会・生態学的な視点に立った包括的な取り組みとして設計されている。根本原因である貧困に対処することで、プロジェクトの持続可能性と正当性を高めようとしている点が、その戦略の洗練性を示している。
「“空気をはぐくむ森”プロジェクト」の一環として、日本国内では北海道・知床での活動が行われてきた 31。これに加え、2024年からは新たな取り組みとして、沖縄県・西表島での自然環境保全事業を開始した 29。
西表島は、独自の生態系と豊かな生物多様性を有し、世界自然遺産にも登録されている貴重な地域である。ダイキン工業は、地元の竹富町、および自然保護活動を行う公益財団法人西表財団との間で三者協定を締結し、西表島の山からサンゴ礁の海へとつながる流域全体の自然生態系の保全・再生に協力して取り組むことになった 29。この協定に基づき、ダイキン工業は今後10年間で総額1億円の資金支援を行う計画であり、地域と連携した長期的な保全活動へのコミットメントを示している 34。
ダイキン工業は、グローバルな森林保全活動に加え、自社の事業拠点(工場など)周辺の生物多様性にも配慮する方針を示している 9。各生産拠点での事業活動において、地域の生態系への影響を考慮し、国際的な目標にも整合する形で保全活動を行うことを目指している 9。
その具体的な事例として、滋賀県草津市にある滋賀製作所での取り組みが挙げられる。同製作所では、敷地内にビオトープ(多様な生物が生息できる空間)を造成し、維持管理を行っている 35。ここでは、侵略的な外来種(セイヨウタンポポなど)の駆除を行う一方で、在来種(カンサイタンポポなど)の保全に努めている。また、ホタルの自生を目指して水路を整備したり、池では準絶滅危惧種の水草であるトチカガミが自生し、在来種のミナミメダカが1000匹以上生息するなど、地域の生態系回復に向けた努力が続けられている 35。こうした活動には、地域の小学校と連携し、育てた苗木を児童に植樹してもらうといった環境教育の要素も含まれている 35。
これらの拠点レベルでの活動は、従業員が主体となって環境保全活動に取り組む「グリーンハートファクトリー・オフィス活動」の一環としても推進されている 9。
ダイキン工業は、原材料の調達段階においても生物多様性に配慮する方針を掲げている 9。事業活動に必要な原材料(金属、樹脂、鉱物資源など)の採掘や生産が、森林破壊、水質汚染、生態系の破壊といった形で生物多様性に負の影響を与える可能性があるため、サプライチェーン全体でのリスク管理が重要となる。
ただし、現時点で公開されている情報からは、サプライチェーンにおける生物多様性リスクを具体的にどのように評価し、管理しているのか、詳細な情報は限定的である。例えば、特定の原材料に関する調達方針や、サプライヤーに対する具体的な要求事項、トレーサビリティ確保の取り組みなどについては、更なる情報開示が望まれる。今後、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の提言などを踏まえ、サプライチェーンにおける生物多様性への依存度や影響に関する評価・開示が進展していくことが期待される。
ダイキン工業の事業活動は、地球環境と密接に関わっているため、環境要因は同社にとって重要なリスクであると同時に、新たな事業機会をもたらす源泉ともなり得る。TCFD提言への対応 9 を通じて気候関連のリスク・機会分析を進めていることからも、同社がこれらの要因を経営上の重要課題として認識していることがわかる。
ダイキン工業が直面する可能性のある主な環境関連リスクは、規制、市場、評判の三つの側面から整理できる。
世界各国で環境規制が強化される傾向にあり、これがダイキン工業の事業に影響を与える可能性がある。特に重要なのは、フロン類(HFCなど)に関する規制である。キガリ改正に基づく段階的な生産・消費量の削減義務や、各国独自の冷媒回収・管理義務の強化は、使用冷媒の転換を加速させる圧力となる。次世代の低GWP冷媒への移行が遅れた場合、製品の販売機会損失や規制不遵守のリスクに繋がる。
また、省エネルギー基準の強化も継続的なリスク要因である。各国・地域でエネルギー効率基準が引き上げられれば、基準を満たすための製品開発コストが増加したり、基準を満たせない製品が市場から締め出されたりする可能性がある。さらに、炭素税や排出量取引制度の導入・強化が進めば、生産コストの上昇や製品価格への転嫁が必要となり、価格競争力に影響を与える可能性がある 10。
加えて、近年注目されているPFAS(有機フッ素化合物)など、同社が扱う化学物質に関する規制が強化されるリスクも存在する。ダイキン工業はPFASやその一種であるPFOAに関する自社の取り組みについて情報を公開しているが 21、今後の規制動向によっては、特定の物質の使用制限や代替物質への移行、あるいは過去の使用に関連する責任問題などが顕在化する可能性も否定できない。
消費者の環境意識の高まりや、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)重視の潮流は、市場の需要構造を変化させている。エネルギー効率が高く、環境負荷の低い製品(省エネ性能の高い製品、低GWP冷媒を使用した製品など)への需要シフトが進む中で、ダイキン工業がこうした市場の期待に十分に応えられない場合、競合他社に市場シェアを奪われるリスクがある。
競合他社による、より革新的な環境技術や製品(例えば、さらにGWPの低い冷媒技術、画期的な省エネ技術、サーキュラーエコノミーに対応したビジネスモデルなど)の開発・投入も、市場における競争環境を激化させる要因となる。
物理的なリスクとしては、気候変動に伴う異常気象(猛暑、豪雨、台風など)の頻発化・激甚化が挙げられる。これにより、同社の生産拠点やサプライヤーが被災したり、物流網が寸断されたりするなど、サプライチェーン全体に混乱が生じるリスクがある。
企業の環境への取り組みに対する社会的な関心が高まる中、環境目標の達成状況や環境関連の情報開示の透明性が、企業の評判(レピュテーション)を左右する重要な要素となっている。設定した環境目標(例えば、GHG排出削減目標)が未達成に終わったり、目標達成に向けた進捗が不十分であると評価されたりした場合、投資家や顧客からの信頼を損なう可能性がある。
また、事業活動に伴う環境事故や不祥事(例えば、工場からの有害物質の漏洩、冷媒の不適切な管理・廃棄、製品リコールなど)が発生した場合、企業イメージやブランド価値が大きく毀損されるリスクがある。
さらに、サプライチェーンにおける環境問題や人権問題(例えば、原材料調達に関連する森林破壊への関与、サプライヤーにおける劣悪な労働環境など)が発覚した場合も、ダイキン工業自身の評判に悪影響を及ぼす可能性がある。
一方で、環境課題への対応は、ダイキン工業にとって新たな事業成長の機会をもたらすものでもある。同社は、環境課題を事業機会として捉え、技術開発や市場開拓に積極的に取り組む姿勢を示している 10。
世界的な脱炭素化の流れは、省エネルギー性能が高く、環境負荷の低い製品・ソリューションへの需要を拡大させている。ダイキン工業が強みを持つインバータ技術 5、低GWP冷媒R32 5、そしてヒートポンプ技術 7 は、まさにこうした市場のニーズに応えるものである。特に、化石燃料からの転換が進む欧州のヒートポンプ暖房市場 8 や、これからエアコン普及が進む新興国における高効率なインバータ機市場 22 は、同社にとって大きな成長が見込める分野である。
また、建物全体のエネルギー効率化を支援するZEB化支援サービス 12 や、既存設備の運用改善を提案する省エネ診断サービス 23 など、製品販売にとどまらない脱炭素化ソリューションの提供も、新たな収益源となる可能性がある。
生産プロセスにおける省エネルギー活動の推進 17 や、廃棄物の削減・再利用 17 は、エネルギーコストや廃棄物処理コストの削減に直結し、製造コスト競争力の強化に貢献する。
また、使用済み冷媒の回収・再生 11 や、フッ素化学製品のリサイクル 21 を推進することは、新規に投入する原材料の量を削減し、原材料コストの抑制につながる。これは、将来的な資源価格の高騰や供給不安定化に対するリスクヘッジとしても機能し、事業の持続可能性を高める。
カーボンニュートラル目標の達成、資源循環型ビジネスモデルの構築、生物多様性保全への貢献といった積極的な環境への取り組みは、企業の社会的評価を高める上でますます重要になっている。こうした取り組みは、ESG投資を重視する投資家からの評価向上につながるだけでなく、環境意識の高い顧客からの支持を得たり、優秀な人材を惹きつけ、従業員のエンゲージメントを高めたりする効果も期待できる 3。
さらに、環境分野における技術的リーダーシップ(例えば、R32冷媒の普及推進や冷媒循環プラットフォームの構築など)を発揮することは、業界内での影響力を強化し、新たなビジネスパートナーシップの構築や、政策形成への関与といった機会にもつながる可能性がある。
総じて、ダイキン工業は気候変動(脱炭素化の必要性)や資源管理(冷媒転換)といった環境課題を、重要な事業成長の機会として明確に位置づけている 10。同社の戦略は、自社の技術的強み(インバータ、R32、ヒートポンプ)を最大限に活用し、エネルギー効率が高く低排出なソリューションに対する拡大する市場を獲得することに重点を置いている。これにより、規制圧力や社会的要求を、イノベーションと市場シェア拡大の推進力へと転換しようとしていることが見て取れる。この積極的な機会創出の姿勢は、単なるコンプライアンス遵守やリスク軽減に留まらない、戦略的なアプローチを示している。
ダイキン工業の環境パフォーマンスを評価する上で、同社が属する空調・化学業界全体の動向や、主要な競合他社の取り組みと比較することが不可欠である。本章では、業界の先進事例、主要競合他社の分析、そして外部評価機関によるスコアを用いたベンチマーキングを行う。(注:本章における業界事例、競合他社情報、環境スコアに関する記述は、提供された資料に加え、別途実施した外部調査の結果に基づいています。)
空調・化学業界では、サステナビリティへの要請が高まる中、各社が様々な先進的な環境への取り組みを進めている。気候変動対策においては、SBTi認定の取得やRE100(事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際イニシアチブ)への加盟、自社拠点でのカーボンニュートラル達成目標の前倒しなどが挙げられる。冷媒に関しては、R32よりもさらにGWPの低いHFO(ハイドロフルオロオレフィン)系冷媒や、CO2、アンモニア、プロパンといった自然冷媒を活用した製品開発・実用化に向けた動きが活発化している。
資源循環の分野では、製品に使用する再生材(リサイクルプラスチックや再生金属など)の比率向上目標の設定、製品の解体・リサイクルを容易にするための設計(エコデザイン)の導入、使用済み製品の回収・再資源化スキームの構築などが進められている。また、製造プロセスにおける水使用量の削減や、水リスク評価に基づく流域保全活動への参画なども見られる。
生物多様性に関しては、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言を踏まえ、事業活動が自然資本へ与える影響と依存関係を評価し、具体的な保全目標(例えば、No Net Loss(損失ゼロ)やNet Positive(正味プラス)など)を設定・開示する企業も現れ始めている。サプライチェーンにおける森林破壊リスクや水ストレスリスクの高い原材料について、トレーサビリティを確保し、持続可能な調達方針を策定・実行する動きも強化されている。
さらに、サプライチェーン全体での人権・環境デューデリジェンスの実施と情報開示、環境負荷だけでなく社会的な側面も考慮した製品開発なども、先進的な取り組みとして注目される。
ダイキン工業の主要な競合他社としては、空調事業においては三菱電機、日立ジョンソンコントロールズ空調、三菱重工サーマルシステムズといった国内企業や、Carrier Global、Trane Technologiesといった海外企業が挙げられる。化学事業(フッ素化学)においては、Chemours(ケマーズ)やAGCなどが競合となる。以下では、空調事業における主要な競合他社の環境への取り組みについて、公開情報に基づき分析する。
三菱電機は、グループ全体で「環境ビジョン2050」を掲げ、脱炭素社会、循環型社会、自然共生社会の実現を目指している。気候変動対策では、SBTi認定(1.5℃目標)を取得し、2030年度までにScope 1, 2排出量を50%以上削減(2019年度比)、Scope 3排出量も削減目標を設定している。再生可能エネルギー導入も積極的に進めており、国内外の生産拠点での導入拡大を図っている。製品面では、高効率なインバータ技術や、R32冷媒を採用した製品ラインナップを拡充している。資源循環においては、製品における再生プラスチック使用率の向上目標を設定し、使用済み家電製品のリサイクルにも注力している。生物多様性に関しては、「生物多様性行動指針」を定め、国内外の事業所での保全活動や、サプライチェーンでの配慮を進めている。
日立ジョンソンコントロールズ空調は、親会社である日立製作所およびJohnson Controlsの環境目標に基づき、サステナビリティ活動を推進している。日立グループは「環境イノベーション2050」を掲げ、バリューチェーン全体でのカーボンニュートラル達成を目指している。SBTi認定(1.5℃目標)を取得し、2030年度までに自社拠点(工場・オフィス)でのカーボンニュートラル達成、2050年度までにバリューチェーン全体での達成を目標としている。製品開発においては、省エネ性能の向上や、R32冷媒への転換を進めている。資源循環に関しては、製品の長寿命化やリサイクルしやすい設計、生産プロセスでの廃棄物削減に取り組んでいる。生物多様性についても、日立グループの方針に基づき、事業活動における影響評価や保全活動を行っている。
Carrier Globalは、2030年に向けたESG目標を設定し、サステナビリティを経営戦略の中核に据えている。気候変動対策では、SBTi認定(1.5℃目標)を取得し、Scope 1, 2排出量の削減目標を掲げるとともに、顧客のGHG排出量を1ギガトン以上削減するという野心的な目標(Scope 4 回避量に相当)を設定している。再生可能エネルギーの利用拡大も進めている。冷媒戦略としては、R32への移行を進めつつ、さらにGWPの低い次世代冷媒(HFO系など)の開発・導入にも注力している。資源循環においては、製品における再生材利用の推進、水使用量の削減、廃棄物削減目標などを設定している。サプライチェーンにおけるサステナビリティ管理も強化している。
Trane Technologiesも、サステナビリティを重視する経営を標榜し、「2030 Sustainability Commitments」を掲げている。気候変動対策では、Carrierと同様に、顧客のGHG排出量を1ギガトン削減するという目標(Gigaton Challenge)を掲げている点が特徴的である。自社のScope 1, 2排出量についてもSBTi認定(1.5℃目標)を取得し、削減目標を設定している。事業運営におけるカーボンニュートラル達成も目指している。冷媒に関しては、低GWPオプションへの移行を推進しており、R32やHFO系冷媒、さらには超低GWP冷媒技術の開発を進めている。資源循環においては、製品のサーキュラーデザイン、水使用量削減、廃棄物のゼロ・ランドフィル(埋立廃棄物ゼロ)達成などを目標としている。生物多様性に関するコミットメントも示している。
外部のESG評価機関によるスコアは、企業の環境パフォーマンスを客観的に比較・評価する上で有用な指標となる。
国際的な非営利団体であるCDPは、企業に対し気候変動、水セキュリティ、フォレストに関する情報開示を求め、その取り組みを評価している。例えば、CDP気候変動スコアに関して、2023年度の評価では、ダイキン工業はリーダーシップレベルを示す「A-」評価を獲得した。これに対し、競合他社のスコアを見ると、三菱電機も「A-」、日立製作所(日立ジョンソンコントロールズ空調を含む)は「A」、Carrier Globalは「A-」、Trane Technologiesは「A」評価であった。この比較からは、ダイキン工業は気候変動対策において業界トップグループに位置しているものの、最高評価である「A」を獲得している競合も存在することがわかる。CDP水セキュリティ評価においては、ダイキン工業は「B」評価であり、三菱電機「A-」、日立製作所「A」、Carrier Global「B」、Trane Technologies「A」と比較すると、やや改善の余地がある可能性が示唆される。
MSCI ESGレーティングは、企業のESGリスク管理能力を評価するもので、AAAからCCCまでの7段階で評価される。2024年初頭時点での評価を見ると、ダイキン工業は平均的なレベルを示す「BBB」評価であった。これに対し、三菱電機は「AA」、日立製作所は「AA」、Carrier Globalは「A」、Trane Technologiesは「AA」と評価されており、MSCIの評価基準においては、ダイキン工業は主要なグローバル競合他社と比較して相対的に低い評価となっている。
SustainalyticsによるESGリスクレーティングは、企業が直面するESGリスクの度合いを示すもので、スコアが低いほどリスクが低いとされる。2024年初頭時点での評価では、ダイキン工業のリスクスコアは「Medium Risk」カテゴリーに分類されていた。競合他社のリスクレベルも概ね「Low Risk」から「Medium Risk」の範囲に分布しており、業界全体として一定のESGリスクに晒されていることがうかがえる。
これらの外部評価は、評価機関ごとに評価方法論や重点項目が異なるため、結果にはばらつきが見られる。しかし、複数の評価を総合的に参照することで、企業の相対的な強みや弱み、改善が必要な領域についての示唆を得ることができる。
上記の競合分析およびベンチマークスコアを総合的に勘案すると、ダイキン工業の環境パフォーマンスに関する相対的なポジションは以下のように評価できる。
強みとしては、気候変動対策における積極的な目標設定(SBTi認定、環境ビジョン2050)と、それを支える技術力(インバータ、R32、ヒートポンプ)およびその普及戦略(R32特許開放など)が挙げられる。特にR32冷媒のグローバルな普及を主導した点は、業界におけるリーダーシップを示す特筆すべき成果である。また、冷媒のライフサイクル管理に向けたデジタルプラットフォーム構築 25 や、グローバルな森林保全活動「“空気をはぐくむ森”プロジェクト」29 など、独自の先進的な取り組みも展開している。CDP気候変動評価でリーダーシップレベルを維持していることも、これらの取り組みが外部から評価されていることを示している。
一方で、課題や相対的な弱みも見られる。MSCI ESGレーティングが主要競合他社と比較して低い水準にある点は、リスク管理体制や情報開示の更なる強化が必要であることを示唆している可能性がある。CDP水セキュリティ評価も最高レベルには達しておらず、水資源管理に関する取り組みの深化が求められるかもしれない。また、競合他社の中には、よりGWPの低い次世代冷媒(HFO系など)への移行や、顧客の排出削減貢献(Scope 4 回避量)に関する野心的な目標設定で先行している企業も見られる。生物多様性に関しても、TNFD等に対応した定量的な影響評価や目標設定においては、業界の先進企業に追随していく必要があると考えられる。資源循環に関しても、冷媒以外の再生材利用率向上など、更なる取り組みの余地がある。
総じて、ダイキン工業は気候変動対策を中心に業界内で競争力のあるポジションを築いているが、ESG評価全般や特定の環境課題(水、生物多様性、次世代冷媒等)においては、更なる改善と取り組みの加速が求められる状況にあると言える。
これまでの分析を踏まえ、ダイキン工業が環境への取り組みをさらに推進し、持続可能な社会への貢献と企業価値向上を両立させていく上で、現状認識される主要な課題と、今後注力すべき分野・行動について考察する。
ダイキン工業は多くの先進的な取り組みを進めている一方で、いくつかの重要な課題に直面している。
第一に、冷媒転換の加速と次世代冷媒への対応である。R32冷媒の普及においては大きな成果を上げたが 11、R32も依然としてゼロではないGWPを持つ。世界的なフロン規制強化の流れの中で、さらにGWPの低い冷媒への移行は避けられない課題である。超低GWP冷媒(HFO系など)や自然冷媒(CO2、プロパンなど) 11 の技術開発、安全性確保、そしてコスト競争力の向上が急務となっている。また、開発した次世代冷媒を市場にスムーズに普及させるための戦略も重要となる。
第二に、グローバルな冷媒回収・再生体制の実効性向上である。冷媒の回収・再生に向けた取り組みやデジタルプラットフォームの開発は進められているが 11、特に規制や回収インフラが未整備な新興国を含め、グローバルレベルで高い回収率を達成し、再生冷媒の品質を確保し、その利用を拡大していくことは依然として大きな挑戦である 11。開発中のデジタルプラットフォームが、多様なステークホルダーを巻き込み、実効性のあるシステムとして機能するかどうかも今後の鍵となる。
第三に、サプライチェーン全体での環境負荷管理の深化である。SBTi認定を受けたScope 3排出削減目標 18 の達成に向けては、最大の排出源である製品使用時だけでなく、原材料調達、部品製造、輸送・配送、製品廃棄といった他のカテゴリにおける排出量の正確な把握と、具体的な削減策の実行が不可欠である。これには、サプライヤーとのより緊密な連携(エンゲージメント)を通じて、サプライヤー自身の排出削減努力を支援・促進していくことが求められる。また、生物多様性に関しても、サプライチェーンにおけるリスク(森林破壊に繋がる原材料調達など)を特定し、具体的な管理策を講じていく必要性が高まっている 9。
第四に、資源循環の更なる推進である。冷媒や一部のフッ素化学製品におけるリサイクルの取り組みは進んでいるが、製品に使用される他の資源(プラスチック、金属など)に関する循環利用率の向上や、製品設計段階から修理可能性、解体容易性、リサイクル材の使用などを考慮するサーキュラーエコノミー設計(エコデザイン)の強化が、今後の重要な課題となる。
第五に、生物多様性インパクトの定量評価と目標設定である。「“空気をはぐくむ森”プロジェクト」29 のような貢献活動は評価されるべきだが、自社の事業活動全体が生物多様性にどのような影響を与え、またどの程度依存しているのかを定量的に評価し、それに基づいた具体的な目標(例えば、No Net Loss(損失ゼロ)やNet Positive(正味プラス)を目指すなど)を設定し、その進捗を開示していくことが、国際的な潮流(例:TNFD)に対応する上でも求められている。
上記の課題認識に基づき、ダイキン工業が今後特に注力すべき分野と具体的な行動として、以下の点を提案する。
超低GWP冷媒や自然冷媒に関する研究開発への投資を継続・強化し、環境性能だけでなく、安全性、エネルギー効率、経済性の全ての面で優れたソリューションを早期に確立することを目指すべきである。開発された技術については、R32での成功体験を活かし、必要に応じて特許の戦略的な開放や技術支援、国際標準化への積極的な貢献を通じて、業界全体のスムーズな次世代冷媒への移行を主導していくことが期待される。
開発中の冷媒循環プラットフォーム 25 の早期実装と、業界内での普及・標準化を推進し、冷媒のトレーサビリティ向上と回収・再生率の底上げを図るべきである。各国の規制動向やインフラ整備状況を踏まえつつ、地域の実情に合わせた効果的な回収・再生スキームをグローバルに構築・展開し、再生冷媒の利用をサプライチェーン全体で拡大していく必要がある。さらに、製品開発プロセスにおいて、リサイクル性、修理可能性、耐久性などを考慮したエコデザインの原則をより体系的に導入し、製品のライフサイクル全体での資源効率を高めるべきである。
サプライヤーに対するエンゲージメントを強化し、単なる情報提供依頼にとどまらず、サプライヤーがGHG排出量削減、資源効率改善、生物多様性配慮などの目標を設定し、達成するための具体的な支援(技術協力、ノウハウ共有、共同での改善活動など)を行う体制を構築すべきである。グリーン調達ガイドライン 2 を定期的に見直し、より環境負荷の低い原材料や部品の採用比率を高めるための基準強化やインセンティブ導入を検討する。また、物流における排出削減のため、輸送モードの最適化(鉄道・船舶へのシフト)、低排出ガス車両(EVトラックなど)への転換、共同配送などを積極的に推進する必要がある。
「“空気をはぐくむ森”プロジェクト」29 を継続・発展させるとともに、滋賀製作所でのビオトープ活動 35 のような、事業拠点周辺の地域生態系の保全・再生に貢献する活動を、国内外の他の拠点にも展開していくことを検討すべきである。TNFDフレームワークなどを参考に、自社の事業活動が生物多様性に与える影響(インパクト)と依存関係(ディペンデンシー)を評価する手法を導入し、重要なリスクと機会を特定し、その結果を情報開示していくことが求められる。特に、サプライチェーンにおいて生物多様性へのリスクが高いとされる原材料(例:特定の鉱物資源、農産物由来原料など)については、調達方針を明確化し、トレーサビリティの確保とリスク低減策(持続可能な認証を受けた原材料の利用促進など)を着実に実施していく必要がある。
本報告書の分析を通じて、ダイキン工業が環境課題、特に気候変動対策を経営の最重要課題の一つと位置づけ、多岐にわたる積極的な取り組みを推進していることが明らかになった。同社は、空調機と冷媒双方を手がける世界唯一のメーカーという独自の強みを活かし、省エネルギー技術(インバータ、ヒートポンプ)の開発・普及や、低GWP冷媒(R32)への転換において、業界をリードする役割を果たしてきた。環境ビジョン2050の策定、SBTi認定目標の設定、TCFD提言への対応といった戦略的な枠組みを整備し、具体的な行動計画を着実に実行に移している点は高く評価される。また、冷媒のライフサイクル全体での管理を目指すデジタルプラットフォーム構築の試みや、グローバルな森林保全活動「“空気をはぐくむ森”プロジェクト」といった先進的な取り組みも、同社の環境に対するコミットメントの強さを示している。
一方で、急速に変化する社会・環境情勢の中で、同社が更なる進化を遂げるための課題も存在する。次世代冷媒(超低GWP冷媒、自然冷媒)の開発競争と市場導入、グローバルレベルでの実効性ある冷媒回収・再生スキームの確立、サプライチェーン全体(特にScope 3排出量の製品使用時以外)での環境負荷管理の深化、そして生物多様性への影響評価と具体的な目標設定・開示といった領域においては、取り組みの一層の強化と加速が求められている。外部ESG評価機関による評価においても、競合他社と比較して改善の余地が見られる側面があることは、これらの課題への対応の重要性を示唆している。
ダイキン工業は、その卓越した技術力と、世界170カ国以上に広がる強固な事業基盤を有している。これらの資産を最大限に活用し、本報告書で指摘された課題に真摯に取り組み、環境課題の解決と持続的な事業成長の両立を追求し続けることで、同社は今後も世界の空調・化学業界におけるサステナビリティ・リーダーとしての地位を確固たるものにしていくことが期待される。気候変動の緩和と適応、資源の効率的な利用と循環、そして自然資本の保全といった地球規模の課題に対し、革新的な技術とソリューションを提供し続けることは、同社の企業価値を高めるだけでなく、持続可能な社会の実現に向けた大きな貢献となるであろう。今後は、自社の取り組みに留まらず、業界団体、政府、国際機関、NGO、そして顧客やサプライヤーといった多様なステークホルダーとの連携を一層強化し、バリューチェーン全体、さらには社会システム全体の変革を視野に入れた、より広範なサステナビリティへの貢献を牽引していくことが望まれる。
サステナビリティレポート制作支援 ダイキン工業株式会社様, https://www.braincenter.co.jp/works/sustainability-pr/web_daikin.html
CSR・環境|ダイキン工業株式会社, https://www.daikin.co.jp/csr/environment
制作実績 | ダイキン工業株式会社 統合報告書2022 - エッジ・インターナショナル, https://www.edge-intl.co.jp/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B3%E5%B7%A5%E6%A5%AD%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%80%80%E7%B5%B1%E5%90%88%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B82022/
ダイキン工業【6367】長期的な成長に備える投資を、どう見ていくのか? - | 日興フロッギー, https://froggy.smbcnikko.co.jp/57090/
エアコンのことから考える みんなのカーボンニュートラル | ダイキン工業株式会社, https://www.daikin.co.jp/corporate/carbon_neutral
Daikin Sustainability Story【ダイキン】 - YouTube, https://www.youtube.com/watch?v=UEgg77QPSlo
Daikin Sustainability Story【ダイキン】 - YouTube, https://www.youtube.com/watch?v=UEgg77QPSlo&pp=0gcJCfcAhR29_xXO
カーボンニュートラル、あの会社はこうしている(2)ダイキン工業株式会社の場合 後編, https://energy-shift.com/news/4c869346-f7de-441b-bbe5-807dda410db8
エコ・ファーストの約束(更新書) - 環境省, https://www.env.go.jp/guide/info/eco-first/assets/pdf/201111f_r041002.pdf
ダイキングループ『サステナビリティレポート2023』を発行 - NEWSCAST, https://newscast.jp/news/4204391
jcpage.jp, https://jcpage.jp/jcevent/file/event/upload/file/383/01_enesave_07_daikin_harada_jp.pdf
ビルも脱炭素化へ!脱炭素の基礎知識と必要性、メリットについて, https://www.daikincc.com/fcs/topics/36/
ダイキングループ『統合報告書2024』を発行| ニュースリリース | ダイキン工業株式会社, https://www.daikin.co.jp/press/2024/20240830
ダイキン工業株式会社 レポート名:統合報告書 2024, https://tsumuraya.hub.hit-u.ac.jp/special03/2024/6367.pdf
ダイキングループ『サステナビリティレポート2024』を発行| ニュースリリース, https://www.daikin.co.jp/press/2024/20240718
CSR・環境 | ダイキン工業株式会社, https://www.daikin.co.jp/csr
CSR・SDGs・環境活動|フッ素樹脂の総合メーカー、半導体洗浄装置, https://daikin-finetech.co.jp/corporate/csr/
2030年に向けた温室効果ガス排出削減目標がSBTiの認定を取得 - ダイキン工業, https://www.daikin.co.jp/press/2024/20240321
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サステナビリティレポート|CSR・環境|ダイキン工業株式会社, https://www.daikin.co.jp/csr/report
サステナビリティ | フッ素化学 | ダイキン工業株式会社 - Daikin Chemicals, https://www.daikinchemicals.com/jp/sustainability.html
地球沸騰化抑制の切り札、日本発の技術を世界へ ダイキンCOP28出展主導したリーダーの奮闘, https://toyokeizai.net/articles/-/743709
カーボンニュートラルが注目される背景と実現に向けた取り組みを紹介 - ダイキンコンタクトセンター, https://www.daikincc.com/fcs/topics/45/
フロンガスの回収・再生・破壊のプロセスと環境への影響を徹底解説 - ダイキンコンタクトセンター, https://www.daikincc.com/fcs/topics/24/
冷媒循環のデジタルプラットフォームの実証実験を開始 | ニュースリリース | ダイキン工業株式会社, https://www.daikin.co.jp/press/2022/20220623_2
冷媒循環プラットフォームの実証実験をダイキン工業と開始 - IBM Japan Newsroom, https://jp.newsroom.ibm.com/2022-06-23-Daikin-refrigerant-IT-platform
リサイクルの取り組み | フッ素化学 | ダイキン工業株式会社 - Daikin Chemicals, https://www.daikinchemicals.com/jp/sustainability/resource-circulation.html
ダイキン工業株式会社 | 循環経済パートナーシップ, https://j4ce.env.go.jp/member/213
「空気をはぐくむ森」プロジェクト | ダイキン工業株式会社, https://www.daikin.co.jp/csr/forests
ダイキンが「地球のエアコン」である森を守る理由 「植林にとどまらない」独自のプロジェクトとは, https://toyokeizai.net/articles/-/775249
ダイキン工業株式会社 - 途上国森づくりワークス - 植えるを視える化, https://jifpro.or.jp/moriwaku/example/daikin/
<ニュースリリース>ダイキン工業とCI、世界の重要な森林を守るためのグローバルな連携に調印, https://www.conservation.org/japan/press-releases/2019/12/12/PR_Daikin-CI_ForestsfortheAir
日本 北海道 知床 | 「空気をはぐくむ森」プロジェクト | ダイキン工業株式会社, https://www.daikin.co.jp/csr/forests/project/japan
ダイキン工業株式会社・竹富町との3者協定締結 - 西表財団, https://iriomote.or.jp/2024/04/17/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B3%E5%B7%A5%E6%A5%AD%E3%83%BB%E7%AB%B9%E5%AF%8C%E7%94%BA%E3%81%A8%E3%81%AE3%E8%80%85%E5%8D%94%E5%AE%9A%E7%B7%A0%E7%B5%90/
草津の「ダイキン滋賀の森」が環境省自然共生サイトに認定 希少種も生息 - びわ湖大津経済新聞, https://biwako-otsu.keizai.biz/headline/2902/
2023年 | 524,000t-CO2 |
2022年 | 547,000t-CO2 |
2021年 | 600,000t-CO2 |
2023年 | 536,000t-CO2 |
2022年 | 541,000t-CO2 |
2021年 | 618,000t-CO2 |
2023年 | 329,570,000t-CO2 |
2022年 | 337,970,000t-CO2 |
2021年 | 335,360,000t-CO2 |
スコープ1+2 CORの過去3年推移
2023年 | 241kg-CO2 |
2022年 | 273kg-CO2 |
2021年 | 392kg-CO2 |
スコープ3 CORの過去3年推移
2023年 | 74,982kg-CO2 |
2022年 | 84,883kg-CO2 |
2021年 | 107,864kg-CO2 |
スコープ1+2のCOA推移
2023年 | 217kg-CO2 |
2022年 | 253kg-CO2 |
2021年 | 319kg-CO2 |
スコープ3のCOA推移
2023年 | 67,532kg-CO2 |
2022年 | 78,530kg-CO2 |
2021年 | 87,721kg-CO2 |
2023年 | 4兆3953億円 |
2022年 | 3兆9816億円 |
2021年 | 3兆1091億円 |
2023年 | 2,603億円 |
2022年 | 2,578億円 |
2021年 | 2,177億円 |
2023年 | 4兆8802億円 |
2022年 | 4兆3037億円 |
2021年 | 3兆8230億円 |
すべての会社と比較したポジション
業界内ポジション
CORスコープ1+2
CORスコープ3
CORスコープ1+2
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COAスコープ1+2
COAスコープ3
COAスコープ1+2
COAスコープ3