GX RESEARCH
更新日: 2025/6/5

トヨタ紡織

3116.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
環境スコア215
売上
1,953,625百万円
総資産
1,127,694百万円
営業利益
78,636百万円

COR(売上高炭素比率)

年間CO2排出量(kg)÷ 売上高(百万円)
Scope1+2
124kg
Scope3
6,173kg

COA(総資産炭素比率)

年間CO2排出量(kg)÷ 売上高(百万円)
Scope1+2
215kg
Scope3
10,693kg

Scope1

事業者自らによる直接排出
64,066t-CO2
2023年実績

Scope2

エネルギー消化に伴う間接排出
178,773t-CO2
2023年実績

Scope3

事業者の活動に関連する他社の排出
12,058,956t-CO2
2023年実績

スコープ3カテゴリー別データ

カテゴリー2021年度2022年度2023年度
1購入した製品・サービス
-
-
9,093,053
2資本財
-
-
186,943
3燃料・エネルギー関連活動
-
-
39,833
4輸送・配送(上流)
-
-
168,480
5事業から発生する廃棄物
-
-
15,958

国際イニシアティブへの参加

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SBT
RE100
EV100
EP100
UNGC
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30by30
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GXリーグ

ガバナンス・フレームワーク開示

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サステナビリティ委員会
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TCFD・IFRS-S2
TNFD
潜在的環境財務コスト(シナリオ別試算)
2023年度排出量データ: スコープ1(64,066t)、 スコープ2(178,773t)、 スコープ3(1206万t)
低コストシナリオ
想定単価: 3,000円/t-CO₂
スコープ1:1.9億円
スコープ2:5.4億円
スコープ3:361.8億円
総額:369.1億円
売上高比率:1.89%
中コストシナリオ
想定単価: 5,000円/t-CO₂
スコープ1:3.2億円
スコープ2:8.9億円
スコープ3:602.9億円
総額:615.1億円
売上高比率:3.15%
高コストシナリオ
想定単価: 10,000円/t-CO₂
スコープ1:6.4億円
スコープ2:17.9億円
スコープ3:1205.9億円
総額:1230.2億円
売上高比率:6.30%
※潜在的環境財務コストは、仮想的なカーボンプライシングシナリオをもとに算出した参考値です。

環境への取り組み

岡崎の家具職人×トヨタ紡織 ”カーボンニュートラル”の「遊べるクッション」一般予約販売開始!

自動車シート表皮材の未利用材をアップサイクルし、岡崎市の家具メーカーと共同でクッションやスツールを開発・販売。廃棄物削減と資源有効活用を通じてカーボンニュートラルに貢献する取り組みとして紹介されている 。

気候変動関連のリスク・機会

※掲載情報は公開資料をもとに作成しており、全てのリスク・機会を網羅するものではありません。 より詳細な情報は企業の公式発表をご確認ください。

リスク

移行リスク

環境規制(排出ガス、廃棄物、化学物質、欧州ELV指令等 )強化やカーボンプライシング導入、市場のサステナブル製品へのシフトがリスク。これらに対応できない場合、競争力低下やコスト増に繋がる可能性がある。環境事故(例:2023年度排水異常1件 )によるレピュテーション低下もリスク要因。

物理的リスク

TCFDシナリオ分析(4℃)に基づき、豪雨による洪水等の異常気象激甚化をリスクとして認識 。これによりサプライチェーンが寸断され、生産活動に支障をきたし、結果として売上高減少に繋がる可能性を指摘している。具体的な財務影響額は未記載。

機会

軽量製品、EV向け部品、ケナフ等の植物由来材料  やリサイクル材活用による製品革新 。省エネ・再エネ導入(2024年度導入率39% )によるコスト削減とリスクヘッジ 。優れた環境実績(CDP水Aリスト評価 )によるブランド価値向上、DBJ環境格付融資獲得  等の資金調達機会。

目標

2050年GHGネットゼロ(製品ライフサイクル/工場)。2025年目標:工場CO2排出量25%削減(2020年度比、実績24%削減 )、再エネ導入率15%(実績39% )、廃棄物原単位14%削減(2012年度比)、水使用原単位6%削減(2014年度比)、植林14万本 。

環境アナリストレポート

環境アナリストレポート(2025年4月)

3分野を中心に分析した。同社は「2050年環境ビジョン」および「2025年環境行動計画」に基づき、体系的な環境経営を推進している。

気候変動分野では、Scope 1およびScope 2排出量の削減で着実な成果を上げており、特に再生可能エネルギー導入率は2025年目標を大幅に前倒しで達成している。しかし、報告されているScope 3排出量は極めて大きく、バリューチェーン全体での排出量削減が最大の課題である。資源循環分野では、廃棄物と水使用量の原単位削減目標を設定し、ケナフなどの植物由来材料やリサイクル材の活用、アップサイクル、水リサイクルなどの取り組みを進めているが、廃棄物の絶対量は増加傾向にある。生物多様性分野では、国内外で多数の保全プロジェクトを実施し、地域社会との連携を深めているが、事業戦略への統合度合いは気候変動分野に比べて発展途上である可能性がある。環境関連のリスクと機会については、TCFD提言に沿った分析が進んでおり、特に製品イノベーションを通じた機会創出に注力している。

総合評価

トヨタ紡織の環境パフォーマンスは、全体として業界内で良好な水準にあると評価できる。特に水セキュリティに関するCDPでの継続的な高評価は、同社の水管理体制の強固さを示している。Scope 1およびScope 2排出量削減や再生可能エネルギー導入も着実に進展している。また、現場レベルでの多様な生物多様性保全活動や、DBJ環境格付での最高評価も特筆すべき点である。

一方で、いくつかの課題も存在する。第一に、Scope 3排出量の大きさであり、サプライチェーン上流(材料調達)と下流(製品廃棄)における排出量削減に向けた、より踏み込んだ戦略と実行が求められる。第二に、資源循環における絶対量削減の課題であり、サーキュラーエコノミーへの移行をさらに加速させる必要がある。第三に、生物多様性保全を、プロジェクトベースの活動から、TNFDが示すような事業リスク・機会評価と戦略的意思決定に統合していく必要性である。

競合他社比較では、トヨタ紡織は多くの指標で健闘しているものの、フォルシア、アディエント、マーレ、デンソー、ボッシュといった企業は、特定の目標の野心度、Scope 3削減への取り組み、サステナブル素材技術、廃棄物管理、ESG評価スコアなどで、より先進的な側面も見られる。

将来展望と推奨事項

自動車部品業界における環境サステナビリティの重要性は今後ますます高まることが予想される。トヨタ紡織が競争力を維持し、持続可能な社会への貢献を続けるためには、継続的な改善、イノベーション(特に材料技術とサーキュラーエコノミー)、そしてバリューチェーン全体での強固な連携が不可欠である。

本報告書で提示した推奨事項、すなわち、Scope 3削減戦略の強化と透明化、サーキュラーエコノミーの推進加速、生物多様性戦略の深化(TNFD整合性向上)、報告の質向上、そして目標設定の野心度向上に取り組むことが、同社のさらなる成長と企業価値向上につながると考えられる。特に、Scope 3排出量という最大の課題に対処するためには、サプライヤーとの協働を深化させ、製品のライフサイクル全体を見据えた設計・開発思想を徹底することが極めて重要となるであろう。

トヨタ紡織のGHG排出量推移

GHG排出量推移

「Scope1」の過去3年の推移

2023年64,066t-CO2
2022年66,092t-CO2
2021年46,100t-CO2

「Scope2」の過去3年の推移

2023年178,773t-CO2
2022年189,712t-CO2
2021年261,118t-CO2

「Scope3」の過去3年の推移

2023年12,058,956t-CO2
2022年9,888,912t-CO2
2021年2,815,062t-CO2

COR(売上高あたりのCO2排出量)推移

スコープ1+2

スコープ1+2 CORの過去3年推移

2023年124kg-CO2
2022年159kg-CO2
2021年216kg-CO2

スコープ3

スコープ3 CORの過去3年推移

2023年6,173kg-CO2
2022年6,165kg-CO2
2021年1,980kg-CO2

COA(総資産あたりのCO2排出量)推移

スコープ1+2

スコープ1+2のCOA推移

2023年215kg-CO2
2022年254kg-CO2
2021年318kg-CO2

スコープ3

スコープ3のCOA推移

2023年10,693kg-CO2
2022年9,816kg-CO2
2021年2,918kg-CO2

業績推移

売上推移

2023年1兆9536億
2022年1兆6040億
2021年1兆4215億

純利益推移

2023年579億円
2022年147億円
2021年393億円

総資産推移

2023年1兆1277億
2022年1兆74億
2021年9,647億円

すべての会社・業界と比較

環境スコアポジション

トヨタ紡織の環境スコアは215点であり、すべての会社における環境スコアのポジションと業界内におけるポジションは下のグラフになります。

すべての会社と比較したポジション

業界内ポジション

トヨタ紡織のCORポジション

トヨタ紡織におけるCOR(売上高(百万円)における炭素排出量)のポジションです。CORは数値が小さいほど環境に配慮したビジネスであると考えられます。トヨタ紡織のスコープ1+2の合計のCORが124kg-CO2であり、スコープ3のCORが6173kg-CO2になります。グラフはGHG排出量のスコープ別に分かれており、すべての会社と業界内におけるそれぞれのポジションを表しています。
全体におけるトヨタ紡織のCORポジション

CORスコープ1+2

CORスコープ3

業界内におけるトヨタ紡織のCORポジション`

CORスコープ1+2

CORスコープ3

トヨタ紡織のCOAポジション

トヨタ紡織におけるCOA(総資産(百万円)における炭素排出量)ポジションです。COAもCAR同様、数値が小さいほど環境に配慮したビジネスを行っていると考えられます。トヨタ紡織のスコープ1+2の合計のCORが215kg-CO2であり、スコープ3のCORが10693kg-CO2になります。グラフはGHG排出量のスコープ別に分かれており、すべての会社と業界内におけるそれぞれのポジションを表しています。
全体におけるトヨタ紡織のCOAポジション

COAスコープ1+2

COAスコープ3

業界内におけるトヨタ紡織のCOAポジション

COAスコープ1+2

COAスコープ3

環境スコアランキング(全社)

集計数:1049企業
平均点数:180.6
CDPスコア気候変動勲章
三菱電機
6503.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
505
CDPスコア気候変動勲章
コニカミノルタ
4902.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
500
CDPスコア気候変動勲章
豊田自動織機
6201.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
480
4
古河電気工業
5801.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
470
5
味の素
2802.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
460
6
セコム
9735.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコンサービス業
455
7
アイシン
7259.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
450
8
ダイキン工業
6367.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
450
9
フジクラ
5803.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
445
10
三ツ星ベルト
5192.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
445

業界別環境スコアランキング

集計数:509企業
平均点数:205.6
CDPスコア気候変動勲章
三菱電機
6503.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
505
CDPスコア気候変動勲章
コニカミノルタ
4902.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
500
CDPスコア気候変動勲章
豊田自動織機
6201.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
480
4
古河電気工業
5801.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
470
5
味の素
2802.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
460
6
ダイキン工業
6367.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
450
7
アイシン
7259.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
450
8
三ツ星ベルト
5192.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
445
9
オムロン
6645.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
445
10
フジクラ
5803.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
445