TBSホールディングスは、国際的な環境非営利団体CDPによる2023年度の気候変動に関する情報開示評価において、日本の放送局として初めて「B」評価を獲得した。これは企業の環境リスク管理や行動、情報開示の包括性等が評価されるもので、TBSグループの環境問題への積極的な取り組みと情報透明性が認められたことを示す。
※掲載情報は公開資料をもとに作成しており、全てのリスク・機会を網羅するものではありません。 より詳細な情報は企業の公式発表をご確認ください。
環境・SDGsへの関心の高まりを捉え、「未来をここから×SDGsウィーク」等の関連コンテンツ制作・放送強化は、新たな視聴者層や広告スポンサー獲得に繋がる。省エネ(本社スタジオ電力消費量25.8%削減/2020年度比)や再エネ導入推進はコスト削減と企業イメージ向上に寄与し、ESG投資の呼び込みにも繋がる。
1. 序論
本報告書の目的と概要
本報告書は、株式会社テレビ朝日ホールディングス(以下、テレビ朝日HD)の環境パフォーマンスに関する包括的な分析を提供することを目的としています。特に「気候変動」「資源循環」「生物多様性」という3つの主要な環境分野に焦点を当て、同社の具体的な取り組み、目標、実績、ならびにそれらに関連する潜在的なリスクと事業機会を詳細に評価します。
分析にあたっては、テレビ朝日HDの公式発表資料、すなわちサステナビリティレポート、統合報告書(開示予定情報含む)、企業ウェブサイト等を主要な情報源として用います 1。また、国内外の放送・メディア業界における先進的な環境への取り組み事例や、日本の主要な競合他社(日本テレビホールディングス、TBSホールディングス、フジ・メディア・ホールディングス、テレビ東京ホールディングス)の環境戦略と比較分析を行います。これにより、テレビ朝日HDの現在の立ち位置と課題を客観的に把握します。
さらに、SustainalyticsやCDPといった外部評価機関による競合他社の環境スコアをベンチマーク情報として参照し、相対的なパフォーマンス評価の視点も加えます。
本報告書の最終的な目標は、テレビ朝日HDの環境スコア算定に必要となる詳細な情報を整理・提供するとともに、現状の課題を明確化し、将来の環境戦略の強化と持続可能な成長に向けた具体的かつ実行可能な提言を行うことです。報告書全体を通じて、学術的研究に耐えうる水準の詳細度と客観性を維持し、データに基づいた分析的な記述を心がけます。
近年、企業に対する環境・社会・ガバナンス(ESG)への関心は世界的に高まっており、日本国内においてもその重要性は増しています 7。投資家や消費者、従業員といったステークホルダーは、企業に対し、事業活動における環境負荷の低減と、社会課題解決への貢献をより強く求めるようになっています 7。このような背景の中、テレビ朝日HDは、2021年度までの「CSR活動報告」という名称を改め、2022年度報告書から「サステナビリティレポート」として発行を開始しました 1。この名称変更は、従来の社会貢献活動という枠組みを超え、事業活動と不可分な持続可能性(サステナビリティ)への取り組みを、経営戦略の中核に据えようとする意思の表れと解釈できます。さらに、2023年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し 4、気候変動に関するリスクと機会の情報開示を開始したこと、そしてサステナビリティに関する重要課題の協議・監視を行う「サステナビリティ委員会」を設置したこと 11 も、この戦略的な転換を裏付けています。これらの動きは、社会からの期待に応え、企業価値を持続的に向上させていくための重要なステップであり、今後の情報開示においては、より戦略的で定量的な内容、特にマテリアリティ(重要課題)の見直し 2 や今後開示が予定されている統合報告書 2 におけるESG課題と経営戦略の統合が注目されます。
2. テレビ朝日ホールディングスの環境への取り組み
テレビ朝日HDは、「より魅力的かつ社会から求められる情報やコンテンツを提供し夢や希望を持ち続けられる社会の実現に貢献する」という企業使命のもと、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています 2。特に「地球とともに」というスローガンの下、環境問題への対応を重要な経営課題の一つと位置づけています 2。本章では、「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の3分野における具体的な取り組み、目標、実績を詳述します。
気候変動への対応
テレビ朝日HDは、気候変動問題を地球規模の喫緊の課題と認識し、メディアとしての情報発信と、企業活動における環境負荷低減の両面から取り組みを進めています。
具体的な取り組みとプログラム
情報発信・啓発活動: メディア企業としての特性を活かし、気候変動やSDGsに関する情報発信を積極的に行っています。具体的には、報道・情報番組を中心にSDGsの取り組みを集中的に放送する「未来をここから×SDGsウィーク」を年2回(9月、2月)展開しています 2。このウィークでは、気候変動をテーマにした企画(例:「未来をここから×北極ノート」による地球温暖化の最前線レポート、「SDGsスペシャル 再エネ革命!ニッポンの挑戦」)などが放送されました 2。また、SDGs達成に向けた個人の取り組みを紹介するレギュラー番組「しあわせのたね。」2 や、東京都の脱炭素社会への取り組みを紹介する「東京サイト」での特集 16 など、多様なチャンネルを通じて視聴者の意識向上を図っています。 さらに、国連とメディアの共同キャンペーン「1.5℃の約束」にも継続的に参加しており、他の放送局との共同番組制作や協力動画の制作も行っています 2。BS朝日においても、「バトンタッチ SDGsはじめてます」や「地球クライシス」シリーズ、「地球のあしたを考えようWEEK」といった関連番組を放送し、多角的な情報提供に努めています 2。
事業活動における排出削減: 自社の事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減にも注力しています。本社屋においては、地域再開発事業の一環として導入されたコージェネレーションシステム事業者からの高効率な熱供給を活用しています 4。これに加え、省エネルギー施策として、屋上緑化、ガラス外壁による昼光利用、遮熱フィルムの施工、空調温度の適正運用、館内照明の間引き点灯、人感センサー付き照明の導入などを実施しています 4。 特にエネルギー消費量の大きいスタジオ照明については、段階的なLED化を推進しており、2021年1月には第3・第4スタジオで約450台、2023年1月には第5スタジオで115台をLED照明に更新しました 2。 再生可能エネルギーの導入も進めており、テレビ朝日本社およびアーク放送センターではグリーン電力証書を購入・活用しています 2。また、連結子会社であるシンエイ動画では、社屋屋上に太陽光パネルを設置し、使用電力の約20%を再生可能エネルギーで賄っています 4。音楽フェスティバルなどのイベントにおいてもグリーン電力を活用する計画があります 5。さらに、将来開業予定の「東京ドリームパーク」においても環境保全施策を実施する方針です 5。
目標と実績データ(記述形式)
気候変動対策に関する具体的な目標と実績は以下の通りです。
CO2排出量削減目標: テレビ朝日HDは、本社スタジオ設備の照明に関する消費電力を、2030年度までに2020年度比で50%削減することを目標として掲げています 2。また、テレビ朝日本社における電力の再生可能エネルギー比率については、2025年度に40%達成、2030年度までに100%達成を目指しています 4。グループ全体の温室効果ガス(GHG)排出削減目標については、現在検討中であり、確定次第開示する予定であるとしています 4。
CO2排出量実績: テレビ朝日単体のCO2排出量は、2019年度の18,557トンから着実に減少し、2020年度は17,387トン、2021年度は15,977トン、2022年度は15,842トン、そして2023年度には15,672トンとなりました 4。これは、東京都環境確保条例によって定められた同社の基準値(2005~2007年度平均 21,822トン)に対する削減率で見ると、2019年度の15.0%から2023年度には28.2%へと着実に向上しています 4。ただし、近年の削減率の伸びは、2021年度の26.8%、2022年度の27.4%、2023年度の28.2%と、やや鈍化する傾向が見られます 4。これは、初期に導入されたLED化などの効率改善策の効果が一巡しつつある可能性や、Scope 1排出量の増加(2022年度167.8 tCO2から2023年度323.6 tCO2へ増加、対象:テレビ朝日、BS朝日、シーエス・ワンテン)4 が影響している可能性が考えられます。一方、Scope 2排出量は同期間に23,333.3 tCO2から22,744.3 tCO2へと減少しています 4。 目標に対する進捗としては、本社スタジオ設備の消費電力は、2023年度報告時点で2020年度比25.8%削減を達成しており、2030年度目標(50%削減)に向けて取り組みが進行中です 2。
再生可能エネルギー実績: グリーン電力の導入により、2023年度報告時点での再生可能エネルギー比率は約10%に達し、これにより年間約1,500トンのCO2排出量削減に貢献しています 2。また、2020年4月以降、本社およびアーク放送センターで使用された電力のうち320万kWhがグリーン電力とみなされています 4。
TCFD提言への整合性
テレビ朝日HDは、2023年5月にTCFD提言への賛同を表明し、気候関連財務情報の開示を開始しました。開示されている主な内容は以下の通りです。
ガバナンス: 取締役会が気候変動に関する重要事項を審議し、社長執行役員を委員長とするサステナビリティ委員会が気候関連リスク・機会の監視・管理を行います。SDGs推進室がリスク・機会の評価・検討を担当し、サステナビリティ委員会、常務会、取締役会へと報告・付議される体制が構築されています 4。
戦略: 2030年を見据え、気候変動が事業に与える影響を評価するため、「2℃未満シナリオ」と「4℃シナリオ」を用いたシナリオ分析を実施しました 4。分析の結果、移行リスクとして炭素税導入等による運営コスト増加や再エネ比率上昇に伴う電力コスト増、物理的リスクとして異常気象による放送拠点の被災や平均気温上昇による空調コスト増などが特定されました 4。一方で、環境関連コンテンツへの需要増加などの事業機会も認識されています 17。
リスク管理: 気候変動関連のリスク管理は、取締役会、常務会、サステナビリティ委員会、SDGs推進室が中心となって行われます。SDGs推進室は、関連部署からの定期的な報告に基づきリスク評価や対策の進捗をモニタリングし、重要なリスクについては上位組織へ報告するプロセスが定められています 4。
指標と目標: 温室効果ガス(GHG)排出量、電力消費量、再生可能エネルギー比率などを、気候変動の影響を評価・監視するための主要な指標として使用しています 4。具体的な目標値については、前述の通り設定されています。
TCFD提言への対応を開始したことは評価されるべきですが、開示内容の質的な向上が今後の課題となる可能性があります。特に、シナリオ分析に基づく財務影響の定量的な評価や、リスク管理プロセスのより詳細な記述、そしてサプライチェーン全体を視野に入れたScope 3排出量の算定・開示については、競合他社(例:TBS 18)の取り組みや、国際的な情報開示基準(例:ISSB基準 20)の動向を踏まえ、さらなる充実が期待されます。Scope 3排出量に関する取り組みは、現時点の開示では具体的に言及されていません 4。
資源循環の推進
テレビ朝日HDは、事業活動における資源の有効活用と廃棄物の削減・リサイクルにも取り組んでいます。
具体的な取り組みとプログラム
美術セット廃棄物の削減: 番組制作において発生する美術セットの廃棄物削減のため、CGなどを活用したバーチャルセットの利用を推進しています 2。また、廃棄される美術廃材をアート作品やイベント空間の演出などにアップサイクルする「art to ART Project」を展開し、資源の有効活用と環境意識の啓発を図っています 2。このプロジェクトは、音楽フェス「METROCK Tokyo」や「テレビ朝日・六本木ヒルズ SUMMER STATION」での空間演出、マンションのコンセプト・ルーム制作、「ARTBAY TOKYO ART FESTIVAL」でのオブジェ制作・ワークショップ開催など、多岐にわたる活動実績があります 2。
リサイクル: 放送業務で使用されるテープメディアのリサイクル 2 や、グループ会社であるテレビ朝日映像におけるVTRテープのリサイクル(再生プラスチック材として建築資材等に利用)21、シュレッダー廃棄用紙のリサイクル(ポスト型セキュリティBOX導入によるCO2排出削減と再資源化)21 を行っています。また、本社内の全ての業務エリアに分別用ゴミ箱を設置し、従業員一人ひとりがリサイクル意識を持ってゴミの分別を徹底しています 4。
ペーパーレス化: 紙資源の消費削減のため、一部のニュース番組で原稿をタブレット化しているほか 2、社内業務においてもタブレット端末や資料共有システムを活用しています 5。テレビ朝日映像では、コピー用紙や名刺にFSC認証製品を使用するとともに、ペーパーレス化自体も推進しています 21。
水資源の保全: 水道水の使用量を削減するため、トイレへの節水型機器の導入や洗面所への自動水栓の設置を行っています 6。また、本社ビルでは、下水への影響を低減するための雨水貯留槽や、油分流出を防ぐための排水設備のグリストラップを設置しています 6。さらに、水質が要求されない用途には処理済み排水(中水)を積極的に利用しています 4。
その他: テレビ朝日映像やBS朝日では、マイボトル・マイカップの使用を推奨し、使い捨て容器の削減に取り組んでいます 21。
実績データ(記述形式)
資源循環に関する主な実績データは以下の通りです。
廃棄物発生量とリサイクル率: グループ全体の廃棄物発生量は、2019年度の657.2トンから変動があり、2020年度は536.7トン、2021年度は519.7トン、2022年度は521.1トン、2023年度は539.3トンとなっています 4。リサイクル率は、2019年度の86.7%、2020年度の87.2%と比較的高水準でしたが、2021年度は85.0%、2022年度も85.0%、2023年度は84.7%と、近年はやや低下・横ばいの傾向が見られます 4。この背景には、リサイクルが困難な廃棄物の構成比の変化や、リサイクルプロセスの課題などが考えられます。
水使用量: 総使用水量は、2019年度の72,801トンから年度によって変動しており、2020年度は55,385トン、2021年度は62,972トン、2022年度は61,192トン、2023年度は66,919トンでした 4。一方、中水の利用量は増加傾向にあり、総使用量に占める中水利用率は2019年度の10.8%から2023年度には19.2%へと向上しています 4。雨水の利用量も、2019年度の441トンから2023年度には501トンへと増加しています 4。
リサイクル率は依然として高い水準を維持していますが、近年の横ばい傾向を打破し、さらなる向上を目指すためには、廃棄物削減とリサイクル率向上に関する具体的な数値目標の設定と、その達成に向けた施策(例:サプライヤーとの連携によるリサイクルしやすい素材の選択、新たなリサイクル技術の導入検討など)の実施が望まれます。「art to ART Project」のような先進的な取り組みを定量的に評価し、他の廃棄物削減活動と統合していくことも有効でしょう。水資源に関しては、中水利用が進展している点は評価できますが、総使用量の削減に向けた目標設定や、サプライチェーンを含む水リスク評価の実施・開示が今後の課題となり得ます 23。
生物多様性の保全
テレビ朝日HDの環境への取り組みにおいて、生物多様性分野は、気候変動や資源循環と比較して、現時点での具体的な活動や情報開示が限定的です。
現在の取り組み状況
サステナビリティレポートや企業ウェブサイトにおいて、「生物多様性」に特化した戦略、具体的な目標、プログラム、定量的な実績データに関する記述はほとんど見当たりません。
グループ会社である朝日放送グループホールディングス(ABC)では、マテリアリティ(重要課題)の一つとして「地球環境や生物多様性を守る情報発信」を掲げていますが、これがテレビ朝日HD本体の戦略と直接的に連動しているかは不明です。ABCグループは環境方針の中で「地球上の人もそれ以外の生物も共に命を大切にしていきたい」と言及し、自然・緑に親しむイベント「みんなの木」の展開などを通じて啓発活動を進めるとしています。
テレビ朝日HD本体の活動としては、本社屋上の緑化や、番組・イベントを通じた幅広い環境啓発活動(例:「しあわせのたね。」、「東京サイト」での都市の緑化や生物多様性に関する紹介 28、環境weekキャンペーン など)が、間接的に生物多様性の重要性に対する認識向上や保全に貢献する可能性はあります。また、「art to ART Project」による廃棄物削減も、環境負荷低減を通じて間接的に生物多様性への貢献につながると考えられます。
しかし、事業活動が生物多様性に与える直接的・間接的な影響(例:ロケ地の選定・利用、施設建設・運営、サプライチェーンにおける資源調達など)の評価や、それに基づく具体的な保全・回復措置、目標設定などは行われていない、あるいは開示されていない状況です。
この状況は、生物多様性保全への取り組みを強化し、情報開示を進めている他の企業(例:製造業のアサヒグループホールディングスや旭化成、不動産業の三井不動産、同業のTBSなど)と比較すると、取り組みの深度に差があることを示唆しています。また、近年、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)のように、企業に対して自然資本・生物多様性に関するリスクと機会の情報開示を求める国際的な枠組みが登場しており、将来的には放送・メディア業界にも対応が求められる可能性があります。
したがって、テレビ朝日HDにとって、生物多様性は今後の環境戦略において強化すべき重要な分野です。方針の策定、リスク・機会の評価、具体的な保全活動の計画・実施、そしてそれらに関する情報開示の充実が求められます。メディア企業として、情報発信を通じた貢献と、自社の事業活動における直接的な影響低減という両面からのアプローチが不可欠となるでしょう。
3. 環境関連のリスクと機会
テレビ朝日HDの事業活動は、気候変動、資源制約、生物多様性の損失といった地球規模の環境問題と密接に関連しており、それに伴う様々なリスクと機会に直面しています。TCFD提言への賛同 4 に見られるように、同社もこれらのリスクと機会を認識し始めていますが、ここではより広範な視点から分析を行います。
潜在的リスク分析
規制リスク: 気候変動対策の国際的な枠組み(パリ協定など)や国内政策(2050年カーボンニュートラル目標など)の進展に伴い、企業に対する環境関連規制は強化される傾向にあります 7。テレビ朝日HDにとっては、炭素税の導入や排出量取引制度の強化・対象拡大により、事業活動(特に電力消費や放送機材・車両の使用)に伴うコストが増加する可能性があります 4。また、省エネルギー基準の厳格化や再生可能エネルギー導入の義務化が進めば、スタジオ設備やオフィスビルの改修・更新に追加的な投資が必要となる可能性があります 7。 資源循環に関しても、プラスチック資源循環促進法 35 のような法規制が強化されれば、番組制作等で発生する廃棄物の処理コスト増加や、リサイクル義務の拡大につながる可能性があります。 さらに、ESG情報の開示義務化の流れは加速しており、金融商品取引法の改正 20 やISSB(国際サステナビリティ基準審議会)基準の導入 20 などが進んでいます。これらに適切に対応できない場合、開示コストの増加だけでなく、規制当局からの指摘やペナルティを受けるリスクも考えられます 7。
市場リスク: 環境問題に対する社会全体の意識の高まりは、市場にも変化をもたらしています。再生可能エネルギーの導入拡大は、長期的にはコスト低下も期待されますが、短中期的には電力価格の上昇や変動リスクをもたらす可能性があります 4。 より重要なのは、視聴者や広告主(スポンサー)の行動変容です。環境意識の高い視聴者は、企業の環境への取り組みを評価し、番組選択やサービス利用の判断材料とする可能性があります。同様に、スポンサー企業も、自社のサプライチェーン全体でのサステナビリティを重視する傾向が強まっており、ESG評価の低いメディアへの広告出稿を控える、あるいは環境配慮型コンテンツへの出稿を優先する可能性があります 17。 金融市場においてもESG投資は拡大しており 7、テレビ朝日HDのESGパフォーマンスが低いと評価された場合、投資家からの評価低下や資金調達コストの上昇につながるリスクがあります。また、気候変動による大規模災害などが頻発した場合、経済活動全体が停滞し、広告市場自体が縮小するリスクも指摘されています 19。
評判リスク: 公共性の高い電波を利用するメディア企業として、テレビ朝日HDには高い社会的責任が求められます。環境問題への取り組みが不十分である、あるいは情報開示が不透明であると認識された場合、視聴者や社会からの信頼を失い、ブランドイメージが大きく損なわれる可能性があります 17。特に、災害報道においては、気候変動の影響による災害の激甚化に対応したBCP(事業継続計画)が整備されていない、あるいは機能しない場合、報道機関としての使命を果たせないだけでなく、深刻な信頼失墜につながるリスクがあります 4。 また、自社の活動だけでなく、番組制作委託先や資材調達先といったサプライチェーン上で、環境破壊や人権侵害などの問題が発生した場合も、テレビ朝日HD自身のレピュテーションに悪影響が及ぶ可能性があります 23。
物理的リスク: 気候変動に伴う異常気象(台風、集中豪雨、猛暑、渇水など)の激甚化・頻発化は、テレビ朝日HDの事業運営に直接的な影響を与える可能性があります。放送局や送信所、スタジオといった重要なインフラ設備が、洪水や強風、停電などによって物理的な損害を受け、放送が中断するリスクがあります 4。災害発生時には、安全確保のための追加コストや、取材・放送体制維持のための費用増加も予想されます 19。 また、平均気温の上昇は、夏季の冷房需要を高め、エネルギーコストの増加につながります 4。さらに、長期的な視点では、水不足が水利用の制約となったり、生態系の変化が番組制作(特に自然や地方を扱うロケ)に影響を与えたりする可能性も否定できません。
事業機会の特定
環境問題への対応は、リスクだけでなく、新たな事業機会ももたらします。
コンテンツ・サービス: 環境問題やSDGs、サステナビリティに対する社会的な関心の高まりは、関連する情報コンテンツ(報道特集、ドキュメンタリー、教育番組、ドラマやバラエティにおけるテーマ設定など)への需要を増加させます 19。テレビ朝日HDは、これらのテーマに関する質の高いコンテンツを制作・提供することで、視聴者の獲得や満足度向上につなげることができます。 また、環境経営に積極的に取り組む企業との連携も新たな機会となります。これらの企業とのタイアップによる番組制作や共同でのイベント開催は、新たな広告収入源となる可能性があります 19。さらに、バーチャルプロダクションやリモートプロダクションといった新しい制作技術は、コスト削減や効率化だけでなく、移動や物資消費を減らすことによる環境負荷低減にも貢献し、持続可能なコンテンツ制作手法として注目されます 39。
コスト削減・効率化: 省エネルギー設備の導入や運用改善、再生可能エネルギーへの転換は、中長期的にエネルギーコストの削減につながります 4。同様に、廃棄物の削減、リサイクルやリユースの推進、ペーパーレス化といった資源循環の取り組みは、廃棄物処理コストの削減や資源の有効活用に貢献します 39。 デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進も、業務プロセスの効率化を通じて環境負荷を低減する可能性があります。例えば、リモートワークの推進は通勤に伴う排出量を削減し、データ管理のデジタル化は紙資源の消費を抑制します 5。
新規事業・イノベーション: 環境配慮をテーマとした新たな事業展開も考えられます。例えば、環境負荷を低減した音楽フェスティバルやイベントの企画・運営 5、あるいは「art to ART Project」のようなアップサイクル技術やノウハウを活かした事業化 2 などです。 また、環境技術やサステナビリティ関連のソリューションを持つスタートアップ企業との連携や投資(例:テレビ朝日と電通が共同で立ち上げた"FUTURE TALENT STUDIO" 3)を通じて、新たなビジネスモデルを創出する機会もあります。将来的には、TBSが検討しているように 19、自社で開発した低炭素型番組制作のノウハウやフレームワークを外部に提供・販売することも視野に入るかもしれません。
ブランド価値向上・人材獲得: 環境問題への積極的な取り組みとその透明性の高い情報開示は、企業の社会的評価を高め、ブランドイメージの向上に貢献します 45。これは、視聴者や広告主からの信頼獲得だけでなく、従業員のエンゲージメント向上や、環境意識の高い優秀な人材の獲得・維持にもつながる可能性があります 44。
メディア企業であるテレビ朝日HDにとって、環境関連のリスクと機会は、特に「コンテンツを通じた社会への影響力」と「コンテンツ制作プロセスにおける環境負荷」という二つの側面で特徴づけられます。情報発信者として、環境問題に対する報道姿勢や自社の取り組みが社会から注目され、それが評判リスクにも機会にもなり得ます 17。一方で、番組制作、特に大規模な美術セットの設営・廃棄、多数のスタッフ・機材が関わるロケ、スタジオでの大量のエネルギー消費などは、大きな環境負荷を生む可能性があり、その削減が重要な課題となります 2。TCFD分析 4 においても、これらのリスクが認識されています。したがって、テレビ朝日HDの環境戦略においては、自社の事業活動から生じる排出量や資源使用量を直接的に削減する努力に加え、サプライチェーン全体を含めたコンテンツ制作・配信プロセス全体の環境負荷を低減すること、そしてメディアとしての強みを活かして社会全体の環境意識向上に貢献するという、両面からの統合的なアプローチが求められます。
4. 業界の先進事例
持続可能な社会への移行が加速する中、国内外の放送・メディア業界においても、環境負荷低減に向けた先進的な取り組みが見られます。テレビ朝日HDが今後の戦略を検討する上で参考となる主要な事例を以下に示します。
国内外放送・メディア業界における主要企業の成功事例
持続可能な制作 (Sustainable Productions): 番組制作過程における環境負荷、特にカーボンフットプリントの削減が重要なテーマとなっています。英国のITVやアイルランドのTG4、ドイツのZDF、SWRといった欧州の放送局では、「Albert」などの業界標準カーボンカリキュレーターを導入し、制作ごとの排出量を算定、可視化し、削減目標を設定する動きが広がっています 22。Albert認証を取得するためには、カーボンアクションプランの策定と排出量のオフセットが求められます 22。日本国内でも、TBSが国内の民放で初めてAlbert認証の取得を目指す方針を表明しており 32、同様の動きが広がる可能性があります。 具体的な制作現場での取り組みとしては、使い捨てプラスチック製品の使用禁止、分別・リサイクルを徹底する廃棄物管理システムの導入、スタジオ照明のLED化、美術セット・小道具・衣装のリサイクルや再利用(リパーパス)、慈善団体への寄付 45、デジタルスクリプトやクラウドツールを活用したペーパーレスワークフローの推進 45 などが挙げられます。 さらに、技術革新も進んでいます。リモートプロダクション(REMI)は、中継拠点に必要なスタッフ・機材を最小限にし、本社スタジオから遠隔で制作を行うことで、スタッフの移動に伴うCO2排出量とコストを大幅に削減する手法として導入が進んでいます 39。また、バーチャルプロダクションやAR/VR技術の活用は、物理的なセットの制作・輸送・廃棄を不要にし、環境負荷を低減する可能性を秘めています 39。
エネルギー効率と再生可能エネルギー: 放送局や制作スタジオは大量の電力を消費するため、エネルギー効率の改善と再生可能エネルギーへの転換が不可欠です。スタジオやオフィス照明の完全LED化は多くの放送局で進められています 22。 再生可能エネルギーの導入も加速しており、イタリアのRaiは消費電力の97%をグリーンエネルギーで調達、英国ITVは可能な限り100%グリーンエネルギー調達を目標とし、フィンランドのYLEも排出ゼロの冷房・暖房エネルギー利用を進めています 22。日本の放送局でも、TBSや日本テレビが主要拠点での再エネ100%化目標を掲げています 19。 放送・配信インフラにおいても、データセンターの省エネ化やクラウドへの移行 39、H.266/VVCのような高効率な映像コーデックの採用によるデータ量削減 39、視聴状況に応じて画質を最適化するアダプティブビットレートストリーミング 39 など、エネルギー消費を抑える技術が導入されています。スイスのRTSのように、新社屋建設時に環境性能の高い設計(例:湖水冷却システムの導入)やグリーンビルディング認証の取得を目指す事例もあります 22。
資源循環と廃棄物削減: 放送機材や電子機器は定期的な更新が必要であり、E-waste(電子廃棄物)の適切な処理が課題です。先進的な企業では、単なる廃棄ではなく、回収・リサイクルプログラムとの連携や、リファービッシュ(再整備)による再利用を推進しています 39。 番組制作で発生する美術セットや小道具、衣装についても、リサイクルや他の用途への転用(リパーパス)、学校や劇団への寄付などを通じて、廃棄物削減と資源の有効活用を図る取り組みが見られます 45。 さらに、サプライチェーン全体での持続可能性を追求する動きも重要です。ITVは2030年までに100%持続可能なサプライチェーンを目指すという野心的な目標を掲げ、SWRは調達基準にサステナビリティ要件を組み込んでいます 22。 他業界の事例も参考になります。キヤノン 40 や富士フイルムビジネスイノベーション 42 は、使用済みトナーカートリッジや複合機を回収し、部品のリユースや素材のリサイクル(クローズドループリサイクル)を行う高度な資源循環システムを構築しています。KDDIは、携帯電話の回収・手分解リサイクルを通じて、資源回収と障がい者雇用を両立させています 43。これらの事例は、製品ライフサイクル全体での資源循環を設計・実装する上で示唆に富みます。
生物多様性・自然資本: 放送・メディア業界に特化した生物多様性保全の先進事例はまだ少ない状況ですが、他業界では具体的な取り組みが進んでいます。旭化成は、事業所内の緑地を「自然共生サイト」として認証申請したり、ビオトープを設置したりしています 30。アサヒグループホールディングスは、持続可能な原材料調達方針の中で生態系への配慮を明記しています 23。Fuji Oilは、パーム油などのサプライチェーンにおいて森林破壊防止に取り組んでいます 34。国内では、TBSが赤坂の本社周辺でミツバチを飼育し、都市における生物多様性保全と環境教育に貢献する「ミツバチプロジェクト」を実施しています 32。
情報開示とガバナンス: 環境への取り組みの透明性を確保し、ステークホルダーとの対話を促進するため、情報開示の重要性が増しています。多くの大手メディア企業が、サステナビリティレポートや統合報告書を発行し、GRIスタンダードなどの国際的なガイドラインに準拠した情報開示を行っています 33。 気候変動に関しては、TCFD提言に基づく情報開示が標準となりつつあり、TBS、日本テレビ、フジ・メディア・ホールディングスなどが対応を進めています 19。 従業員の意識向上も不可欠であり、BBCのように、編集職を含む幅広い従業員に対して気候変動に関する専門的な研修を提供している事例もあります 22。また、サプライヤーに対しても環境への取り組みを働きかけ、その状況を評価する(例:CDPサプライヤーエンゲージメント評価 51)ことも、サプライチェーン全体での負荷低減につながります。
これらの先進事例を見ると、特に欧州の公共放送や大手メディア企業(ITV, BBC, Raiなど)が、制作過程のカーボンフットプリント算定・削減(Albert認証など)、再生可能エネルギーの導入、サプライチェーン管理といった分野で先行していることがわかります 22。これは、欧州における環境規制の先行や、投資家からの強い要請が背景にあると考えられます。「Albert」のような業界標準ツールの存在も、取り組みの標準化と普及を後押ししています。日本国内では、TCFD提言への対応は進展していますが 19、制作過程の環境負荷削減に関する具体的な目標設定や第三者認証の取得は、多くの企業にとってこれからの課題と言えます。TBSがAlbert認証導入を目指す動き 32 は、国内における今後のトレンドを示唆している可能性があります。テレビ朝日HDは、これらの国内外の先進事例、特に制作環境認証の導入やサプライチェーンを含む排出量(Scope 3)の算定・削減目標設定などを参考にすることで、自社の取り組みを一層強化・加速させることができると考えられます。
5. 競合他社の環境戦略分析
テレビ朝日HDの環境パフォーマンスを評価し、今後の戦略を検討する上で、主要な競合他社の動向を把握することは不可欠です。本章では、日本の放送業界における主要な競合企業を特定し、各社の環境戦略、具体的な取り組み、目標、実績について分析します。
主要競合企業の特定
日本の放送市場、特に全国ネットワークを持つ地上波放送(キー局)において、テレビ朝日HD(ANN系列)の主要な競合企業は以下の4社と特定されます。
日本テレビホールディングス株式会社 (Nippon Television Holdings, Inc. - NTV) (NNN系列) 53
株式会社TBSホールディングス (TBS Holdings, Inc. - TBS) (JNN系列) 53
株式会社フジ・メディア・ホールディングス (Fuji Media Holdings, Inc. - Fuji) (FNS系列) 53
株式会社テレビ東京ホールディングス (TV TOKYO Holdings Corporation - TV Tokyo) (TXN系列) 54 これらの企業は、テレビ朝日HDと同様に、地上波放送事業を中核としつつ、BS/CS放送、インターネット配信、コンテンツ制作・販売、イベント事業、不動産事業など、多角的な事業を展開しており、視聴率、広告収入、コンテンツ価値など様々な側面で競合関係にあります 53。
各社の環境への取り組み状況を、気候変動、資源循環、生物多様性の観点から分析します。
日本テレビホールディングス (NTV)
戦略・方針: 「豊かな時を提供する」という理念のもと、6つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、その一つに「環境保全への貢献」を掲げています 46。サステナビリティポリシーを策定し、TCFD提言にも賛同、関連情報を開示しています 38。
気候変動:
目標: 2030年度までにグループ全体のScope 1およびScope 2のCO2排出量を2019年度比で50%削減すること、そして中核事業会社である日本テレビ放送網が使用する全電力の再生可能エネルギー比率を100%にすることを目標としています 46。さらに、2050年度までにグループ全体でのカーボンニュートラル達成を目指しています 46。Scope 3排出量については、2024年度から算定を開始する予定です 46。
実績: 日本テレビ放送網単体のCO2排出量は、2023年度実績で22,767.7 tCO2、再生可能エネルギー比率は19.4%でした 47。これは2013年度比で28.3%の削減に相当します 47。過去の取り組みとして、2018-2020年度平均ではCO2排出量29,282トン、再エネ比率14.7%でした 46。
取り組み: 省エネ推進のため、スタジオ照明のLED化(番町スタジオは100%完了、汐留本社は2031年までに完了計画)や、高効率な空調機等への設備更新を進めています 38。再生可能エネルギー導入のため、グリーン電力の活用も行っています 46。グループ会社であるティップネス(フィットネスクラブ)では、全店舗で照明のLED化を100%達成しています 38。
資源循環:
取り組み: 2023年に「海の森を守ろう! 日本列島ブルーカーボンプロジェクト」を開始し、CO2吸収源となるアマモ場の再生活動にグループ社員とその家族が参加しています 38。また、グループ会社の日本テレビアートでも環境配慮の取り組みを行っているとしていますが 38、廃棄物削減に関する具体的な目標や実績データの開示は限定的です。
生物多様性:
取り組み: 前述の「日本列島ブルーカーボンプロジェクト」が、沿岸生態系の保全を通じて間接的に生物多様性に貢献すると考えられます 38。しかし、生物多様性保全に特化した方針や目標、具体的な活動に関する開示は、現時点では見当たりません。
TBSホールディングス (TBS)
戦略・方針: 「最高の“時”で、明日の世界をつくる。」というパーパスのもと、「命息づく地球に『最高の“時”』を」を環境分野のマテリアリティとして設定しています 32。カーボンゼロ達成、持続可能なコンテンツ制作の推進、生物多様性維持のための施策強化を重点課題としています 32。TCFD提言に賛同し、詳細なリスク・機会分析を含む情報開示を行っており 19、サステナビリティ・ファイナンス・フレームワークも策定しています 11。
気候変動:
目標: 主要3拠点(TBS放送センター、赤坂サカス文化施設、緑山スタジオ)におけるカーボンニュートラル(Scope 1+2の実質ゼロ)を2023年度に達成するという短期目標を設定していました 19。
実績: 上記の短期目標は、計画通り2023年度に達成されました 61。グループ全体のScope 1+2排出量は、2023年度実績で18,924 tCO2でした 18。特筆すべきは、Scope 3排出量についても、TBS HDおよび主要6社を対象に2023年度実績(243,140 tCO2)を算定・開示している点です 18。また、国際的な環境情報開示プラットフォームであるCDPの気候変動質問書において、2023年に日本の放送局として初めて「B」評価(マネジメントレベル)を獲得しました 48。
取り組み: 再生可能エネルギーの利用を積極的に推進しており、赤坂サカス(2019年)、緑山スタジオ(2021年)では既に100%再エネ化を達成し、TBS放送センターも転換を進めています 19。SDGsキャンペーン「地球を笑顔にするWEEK」期間中には、放送で使用する電力をすべてグリーン電力で賄うといった取り組みも実施しました 61。
資源循環:
取り組み: 「持続可能なコンテンツ制作」を推進するため、英国の制作カーボンカリキュレーター「Albert」の認証取得を国内民放で初めて目指しています 32。また、運搬時のCO2排出を削減する水素燃料電池搭載の中継車「地球を笑顔にするくるま」を導入しました 32。イベント開催時には「ゼロウェイストハブ」を設置し、ゴミの分別徹底とリサイクル率向上を図っています 61。放送機材の廃棄予定品をアート作品としてリユースする取り組みや、ペーパーレス化の推進も行っています 19。さらに、「TBSグループ 水資源保全方針」を策定し、水使用量の削減にも努めています 32。
実績: イベントにおけるリサイクル率は、ゼロウェイストハブ導入により大幅に向上(2022年秋77%、2023年春81%)しました 61。水使用量は、2023年度実績で343,404 m³でした 18。廃棄物全体の削減に関する定量的な目標や実績の開示は限定的です。
生物多様性:
取り組み: マテリアリティとして「生物多様性維持のための各種施策強化」を明確に掲げています 32。具体的な活動として、東京・赤坂の本社周辺でミツバチを飼育し、都市の生態系保全や環境教育につなげる「ミツバチプロジェクト」を実施しています 32。ただし、グループ全体としての具体的な目標や定量的な実績に関する開示はまだ限定的です。
フジ・メディア・ホールディングス (Fuji)
戦略・方針: グループのパーパス(存在意義)とマテリアリティ(重要課題)を定め、「未来のために地球環境を守る」ことを重要課題の一つとしています 62。TCFD提言に基づく情報開示も実施しています 50。フジテレビ、BSフジ、ニッポン放送などが連携し、SDGs推進キャンペーン「楽しくアクション! SDGs」を2021年から展開しています 62。
気候変動:
目標: グループの一部(フジテレビ、サンケイビル、DINOS CORPORATION)を対象に、Scope 1およびScope 2のCO2排出量を2030年度までに2013年度比で50%削減し、2050年度までにカーボンニュートラルを達成することを目標としています 50。
実績: 2021年度の対象3社のScope 1+2排出量は43,213 tCO2であり、基準年(2013年度: 48,192 tCO2)と比較して削減を達成しています 50。CDP気候変動スコアについては、過去の資料で「F」(無回答)または「NR」(無回答)と記載されており 65、最新の回答状況とスコアを確認する必要があります。
取り組み: 省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの活用を進めており、特にフジテレビ本社屋および湾岸スタジオで使用する電力を、2023年度に非化石証書の活用により実質再生可能エネルギー100%とすることを目指しています 50。その他、番組制作プロセスの見直し、環境配慮型商品の設計(DINOS CORPORATION)、物流施設への太陽光パネル設置拡大(サンケイビル)、低炭素電力の利用促進などを計画・実施しています 50。また、気候変動をテーマにしたドキュメンタリー番組(例:環境先進国アイスランド取材)なども放送しています 67。
資源循環:
取り組み: グループ合同での地域美化活動(清掃活動)を定期的に実施しています 63。しかし、廃棄物削減やリサイクルに関する具体的な数値目標や体系的な戦略に関する開示は限定的です。
生物多様性:
取り組み: 東日本大震災の被災地復興支援の一環として、福島県での桜の植樹プロジェクトに協力しています 63。これが生物多様性への貢献と位置づけられていますが、生物多様性保全に特化した方針や目標に関する開示は見当たりません。
テレビ東京ホールディングス (TV Tokyo)
戦略・方針: サステナビリティに関する包括的な情報開示は、他のキー局と比較して限定的です。ウェブサイト等での断片的な情報発信が中心となっています 68。
気候変動:
実績: グループ全体のCO2排出量(Scope 1およびScope 2)について、消費電力の削減、再生可能エネルギーの導入、J-クレジット等の活用を組み合わせることで、2023年度に実質ゼロを達成したと報告しています 70。これは当初目標(2024年度末)を1年前倒しで達成したものです 70。
取り組み: 実質ゼロ達成のための具体的な施策(再エネ比率、クレジット活用比率など)や、Scope 3に関する取り組みについての詳細情報は開示されていません。
資源循環・生物多様性:
これらの分野に関する具体的な取り組み、目標、実績データについての情報は、提供された資料からは確認できませんでした 68。
競合他社の動向を比較すると、いくつかの傾向が見えてきます。まず、気候変動対策に関しては、NTV、TBS、Fujiの3社がTCFDに基づき、Scope 1+2排出量の削減目標(2030年/2050年)を設定している点でテレビ朝日HDと共通しています。目標レベル(例:NTVとFujiは2030年50%削減)や対象範囲(Fujiはグループの一部)には違いがありますが、カーボンニュートラルに向けた方向性は一致しています。一方で、Scope 3排出量への対応には差があり、TBSが先行して算定・開示を行い、NTVも算定開始を予定しているのに対し、Fujiとテレビ朝日HDはこの点での開示がまだ十分ではありません。TV TokyoはScope 1+2の実質ゼロ達成を報告していますが、その算定根拠やクレジット活用の詳細、持続可能性については更なる情報が必要です。テレビ朝日HDは、これらの競合の目標設定、特に総量削減目標やScope 3への取り組み状況をベンチマークとして、自社の戦略を検討する必要があります。次に、資源循環や生物多様性に関しては、TBSが「持続可能なコンテンツ制作」や「生物多様性維持」をマテリアリティとして明確に位置づけ、Albert認証導入目標や水資源保全方針策定、ミツバチプロジェクトといった具体的な活動を進めている点で、他のキー局よりも積極的な姿勢が見られます 32。NTVのブルーカーボンプロジェクト 38 やFujiの桜プロジェクト 63 も関連する取り組みですが、TBSほど体系的な戦略開示には至っていません。TV Tokyoとテレビ朝日HDは、これらの分野における具体的な方針や目標の開示が特に限定的です。したがって、テレビ朝日HDにとって、資源循環(特に番組制作に伴う廃棄物)と生物多様性は、競合との差別化を図り、業界内でのリーダーシップを発揮できる潜在的な領域であると言えます。特にTBSの取り組みは、今後の戦略立案において重要な参考事例となるでしょう。
6. 環境スコアのベンチマーキング
企業の環境パフォーマンスを客観的に評価し、競合他社との相対的な位置づけを把握するために、外部のESG評価機関によるスコアを参照することは有効です。ここでは、Sustainalytics ESG Risk RatingおよびCDPスコアについて、テレビ朝日HDの競合他社の評価結果を分析し、ベンチマーキングを行います。
競合企業の環境評価スコア(Sustainalytics、CDP等)との比較分析(記述形式)
Sustainalytics ESG Risk Rating:
Sustainalyticsは、企業がESG(環境・社会・ガバナンス)関連の重要なリスクにどの程度さらされており(Exposure)、それらのリスクをどの程度適切に管理しているか(Management)を評価し、総合的なESGリスクスコアを算出しています。スコアが低いほどリスクが低いことを示します。2024年時点での主要な競合他社の評価は以下の通りです。
日本テレビHD: スコア 17.7 (リスクレベル: Low Risk)。業種内(メディア)ランクは263社中165位、グローバルユニバース(約15,000社)ランクは2921位。リスク管理(Management)の評価は「Average」とされています 71。
TBS HD: スコア 17.5 (リスクレベル: Low Risk)。業種内ランクは161位と、NTVよりわずかに良好です 71。ポートフォリオ分析の文脈でも言及が見られます 72。
フジ・メディアHD: スコア 19.4 (リスクレベル: Low Risk)。業種内ランクは206位、グローバルランクは3818位。リスク管理(Management)の評価は「Weak」とされています 73。
テレビ東京HD: スコア 17.9 (リスクレベル: Low Risk)。業種内ランクは172位、グローバルランクは3035位。リスク管理(Management)の評価は「Weak」とされています 74。
これらの結果から、日本の主要民放キー局は、Sustainalyticsの評価上、いずれも「Low Risk」カテゴリーに属しており、総合的なリスクレベルには大きな差がないことがわかります。スコアは17点台から19点台に集中しています。これは、放送・メディア業界特有のリスク(例:コンテンツの社会的影響力、情報セキュリティ、コーポレートガバナンスなど)へのエクスポージャー(晒され度合い)が各社で類似していることを示唆している可能性があります。しかしながら、リスク管理能力(Management)の評価には明確な差が見られます。日本テレビHDとTBS HDが「Average」またはそれに準ずる評価(TBSの具体的なマネジメント評価は提供資料内では不明だが、スコアからは同程度と推測される)であるのに対し、フジ・メディアHDとテレビ東京HDは「Weak」と評価されています。この差は、ESGに関する方針の明確さ、目標設定の具体性、取り組みの実効性、情報開示の透明性、ESG戦略の経営への統合度合いなどの違いを反映していると考えられます。テレビ朝日HD自身のSustainalyticsスコアに関する直接的な情報は、提供された資料の中には見当たりませんでした。しかし、競合他社がいずれも「Low Risk」評価であることを踏まえると、同社も同様のリスクレベルにある可能性が高いと推測されます。重要なのは、リスク管理(Management)の評価レベルです。テレビ朝日HDは、自社の評価(特にマネジメントスコア)を確認し、競合(特にNTVやTBS)と比較して改善点があれば、具体的な取り組み(方針策定、目標設定、実績開示の強化など)を進めることが、ESG評価の向上に不可欠です。
CDP 気候変動スコア:
CDPは、企業に対し気候変動、水セキュリティ、フォレストに関する環境情報開示を求め、その取り組みを評価しています。気候変動に関するスコアは、A(リーダーシップレベル)からD-(情報開示レベル)までの8段階で評価され、無回答の場合はFとなります 75。企業の気候変動戦略の進捗度を示す重要な指標とみなされています。
競合他社の状況を見ると、
TBS HDは、2023年の評価において「B」(マネジメントレベル)を獲得したことを公表しています。これは日本の放送局としては初めてのことであり、気候変動への取り組みと情報開示において一定のリーダーシップを示そうとしています 48。
フジ・メディアHDについては、過去のCDPレポート分析資料において「F」(無回答)または「NR」(無回答)と記載されている例があり 65、CDPへの回答自体を行っていない、あるいは評価対象となるレベルの回答を行っていない可能性が示唆されます。ただし、これは過去の情報である可能性もあるため、最新の状況を確認する必要があります。
日本テレビHDおよびテレビ東京HDについては、提供された資料からはCDPスコアに関する直接的な情報を確認できませんでした 52。
テレビ朝日HD自身のCDPスコアについても、公開情報は確認できませんでした。現状では、CDPスコアに関して、TBSが「B」評価で先行している一方、他の競合他社やテレビ朝日HD自身の状況は不明瞭です。これは、各社の気候変動に関する情報開示の姿勢や、実際の取り組みの進捗度に差があることを示唆しています。CDPはサプライチェーン全体での排出量削減への取り組み(サプライヤーエンゲージメント)も評価対象としているため 51、Scope 3への対応もスコアに影響します。テレビ朝日HDにとっては、まずCDPへの回答状況を確認し、もし未回答であれば回答を開始することが、透明性向上と外部評価獲得の第一歩となります。回答している場合は、そのスコアを確認し、TBSの「B」評価を一つのベンチマークとして、マネジメントレベル(B評価)以上を目指すための戦略(例:より野心的な目標設定、Scope 3を含む排出量算定範囲の拡大、サプライヤーとの連携強化など)を検討することが推奨されます。
MSCI ESG Rating:
MSCI ESGレーティングは、AAA(リーダー)からCCC(ラガード)までの7段階で企業のESGリスク管理能力を評価する、世界的に広く参照される指標の一つです 87。しかし、提供された資料の中には、テレビ朝日HDおよび主要な競合他社(NTV, TBS, Fuji, TV Tokyo)に関する具体的なMSCI ESGレーティングの結果を示す情報は見当たりませんでした 18。MSCIは多くの日本企業を評価対象としているため 24、テレビ朝日HDも評価を受けている可能性はありますが、その結果は別途確認が必要です。
自社のESG評価を把握し、競合と比較することは、強みと弱みを認識し、改善に向けた優先順位を設定する上で極めて重要です。テレビ朝日HDは、Sustainalytics、CDP、MSCIといった主要な評価機関との対話(エンゲージメント)を通じて、自社の評価状況を確認し、評価向上に必要な情報を積極的に提供していくことが望まれます。
7. 現状の課題と提言
これまでの分析(テレビ朝日HDの取り組み、リスクと機会、業界先進事例、競合他社比較、外部評価ベンチマーク)を踏まえ、同社が環境分野において直面している現状の課題を評価し、今後の環境戦略強化とパフォーマンス向上に向けた具体的な提言を行います。
課題評価(業界ベストプラクティス及び競合ベンチマークとの比較)
気候変動:
課題1: CO2排出削減ペースの加速化と目標達成への道筋の明確化: テレビ朝日単体のCO2排出量は減少傾向にあるものの、近年その削減率は鈍化しています 4。2030年度の目標(本社スタジオ電力50%削減、本社再エネ比率100%)2 達成に向けては、特に再生可能エネルギー導入の具体的な計画(時期、調達方法、投資額など)や、Scope 1排出量増加への対策を含めた、より詳細なロードマップの策定と開示が求められます。競合他社(NTV, Fuji)が掲げる総量削減目標(2030年50%削減)46 と比較した場合の目標の野心度についても、継続的な検討が必要です。
課題2: Scope 3排出量の把握と削減戦略の欠如: サプライチェーンを含む間接的な排出量であるScope 3は、多くの企業にとって排出量全体の大部分を占めます。競合であるNTVが算定開始予定 46、TBSが既に一部開示 18 を行っているのに対し、テレビ朝日HDはScope 3に関する情報開示や取り組みが確認できません。バリューチェーン全体での排出削減に向けた戦略策定が急務です。
課題3: TCFD開示の質的向上: TCFDへの賛同と情報開示は開始されましたが 4、開示内容はまだ限定的である可能性があります。特に、シナリオ分析に基づく具体的な財務影響の評価(定量的評価)、リスク管理プロセスと経営戦略との統合状況などについて、先進的な企業(例:TBS 19)の開示レベルを参考に、より深度のある情報開示が求められます。
資源循環:
課題4: 定量的な目標設定と進捗管理の不在: 廃棄物発生量の削減やリサイクル率の向上に関して、具体的な数値目標が設定・開示されていません。「art to ART Project」2 のような個別取り組みは評価できますが、グループ全体としての目標がないため、継続的な改善への動機付けが弱い可能性があります。リサイクル率が85%前後で横ばいとなっている現状 4 から脱却するためにも、目標設定が不可欠です。
課題5: 番組制作プロセスにおける資源循環の体系化: 「art to ART Project」は美術廃材に焦点を当てていますが、番組制作全体(企画、設計、調達、制作、廃棄)における3R(リデュース、リユース、リサイクル)を体系的に推進し、その効果を測定・管理する仕組みがまだ確立されていない可能性があります。特に、廃棄量の多い美術セットや衣装、小道具などについて、企画段階からの環境配慮(素材選択、再利用可能な設計など)や、業界標準ツール(例:Albert 22)の活用検討が課題です。
生物多様性:
課題6: 生物多様性に関する戦略・方針・取り組みの明確な欠如: 気候変動や資源循環と比較して、生物多様性分野はテレビ朝日HDの環境戦略において最も手薄な領域です。明確な保全方針や目標、具体的な取り組みに関する情報がほとんど開示されておらず 2、TNFD 33 など新たな情報開示要請への対応準備も遅れている可能性があります。
情報開示と外部評価:
課題7: 主要なESGスコア(CDP, MSCI等)の把握と開示、改善への取り組み: 競合他社のSustainalyticsスコアやTBSのCDPスコアが一部判明している中で、テレビ朝日HD自身の外部評価状況が不明確です。自社のスコアを把握し、ステークホルダーに対して透明性をもって開示すること、そして評価結果を踏まえて改善に取り組むことが、企業価値向上と信頼獲得のために重要です。特に、気候変動に関する取り組みの評価指標として重視されるCDPスコアについては、回答状況の確認とスコア向上に向けた取り組みが急務となる可能性があります。
戦略的提言(環境戦略強化、パフォーマンス向上、課題解決に向けて)
上記の課題評価に基づき、テレビ朝日HDが今後取り組むべき戦略的な方向性として、以下の4点を提言します。
提言1: 気候変動戦略の包括的な強化と実行の加速
ロードマップ策定と開示: 2030年のCO2排出削減目標および再エネ100%目標達成に向けた、具体的な年次目標、施策別の貢献度、必要な投資計画を含む詳細なロードマップを策定し、ステークホルダーに対して開示する。
再エネ導入の具体化: 再生可能エネルギー100%達成に向け、自社施設への太陽光発電設置拡大(例:シンエイ動画 6 の取り組みをグループ全体へ)、PPA(電力購入契約)の活用、自己託送、非化石証書やグリーン電力証書の戦略的な購入など、最適な調達ポートフォリオを構築し、着実に実行する。
Scope 3への着手: Scope 3排出量の算定を早急に開始する。特に排出量が多いと想定されるカテゴリー(カテゴリ1:購入した製品・サービス(番組制作委託費、機材購入など)、カテゴリ11:販売した製品の使用(視聴者のテレビ視聴に伴う電力消費など)※算定方法の確立が必要)を特定し、削減目標を設定する。サプライヤーとの対話・協働を通じて、サプライチェーン全体での排出削減を推進する。
TCFD開示の高度化: シナリオ分析を深化させ、特定されたリスクと機会が事業や財務に与える潜在的な影響について、可能な範囲で定量的な評価を行い開示する。リスク管理プロセスがどのように経営戦略や予算策定に統合されているかを具体的に説明する。
提言2: 資源循環目標の設定と制作プロセスへの統合
数値目標の設定: 廃棄物総量の削減(例:売上高原単位や従業員一人当たりでの目標設定)およびリサイクル率の向上(例:90%以上を目標とするなど)に関する具体的な数値目標を設定し、定期的に進捗状況を測定・開示する。水使用量についても削減目標を設定する。
制作環境ガイドライン策定: 番組制作の企画・設計段階から廃棄物削減やリサイクル、省エネを考慮に入れるための環境ガイドラインを策定・導入する。素材選定基準の見直し、リユース・リサイクルを前提とした美術セットや衣装のデザイン、調達先への環境配慮要請などを盛り込む。英国などで導入されている制作カーボンカリキュレーター「Albert」22 の導入を本格的に検討し、制作ごとの環境負荷を可視化・管理する体制を構築する。
「art to ART Project」の拡大: 「art to ART Project」2 の取り組みを、美術廃材だけでなく、衣装、電子機器、その他の廃棄物にも拡大することを検討する。外部のアーティストやリサイクル企業、NPOなどとの連携を強化し、より広範な資源循環ループの構築を目指す。
提言3: 生物多様性への取り組みの戦略的開始
方針策定とマテリアリティ化: 生物多様性の保全に関するグループとしての基本方針を策定し、サステナビリティにおけるマテリアリティ(重要課題)として明確に位置づける。
影響評価の実施: 自社の事業活動(特に番組ロケ地の選定・利用、放送関連施設の建設・運営、コンテンツ制作に必要な資源のサプライチェーンなど)が、生物多様性にどのような影響(リスクおよび依存関係)を与えているかを評価する。
具体的活動の開始: メディアとしての情報発信(例:生物多様性の重要性を伝える番組制作)を強化するとともに、自社で実施可能な具体的な保全活動(例:本社やスタジオ敷地内の緑地管理方針の見直しによる生態系配慮、地域の生物多様性保全NPOとの連携・支援など)を計画・開始する。TNFDフレームワーク 33 を参考に、将来的な情報開示に向けた準備を進める。
提言4: ESG情報開示の強化と外部評価機関との対話
CDPへの対応: CDP質問書への回答を開始または継続し、評価の向上を目指す。まずは「B」評価(マネジメントレベル)の取得を目標とし、気候変動に関するガバナンス、リスク管理、目標設定、排出量実績(Scope 1, 2, 3)、サプライヤーエンゲージメントに関する情報を網羅的かつ具体的に開示する。
ESG評価機関とのエンゲージメント: SustainalyticsやMSCIといった主要なESG評価機関との定期的な対話の機会を設け、自社の取り組みを正確に伝え、評価の背景や改善点を理解する。評価機関からのフィードバックを、環境戦略や情報開示の改善に活かす。自社の評価結果(スコアやレーティング)を把握し、ウェブサイトやサステナビリティレポートで開示することを検討する。
開示内容の充実: サステナビリティレポートや将来発行される統合報告書において、環境分野の目標(特に定量目標)、具体的な取り組み内容、実績データ(経年変化を含む)、課題、そして今後の改善策について、より具体的に、かつ定量的な情報を充実させる。グラフや図を効果的に用い、ステークホルダーにとって分かりやすい情報開示を心がける。
8. 結論
主要な分析結果の要約と戦略的意義
本報告書における分析の結果、テレビ朝日HDは、持続可能な社会の実現に向けて、特に気候変動対策を中心に環境への取り組みを進めていることが確認されました。省エネルギー施策の実施、スタジオ照明のLED化、再生可能エネルギー導入目標の設定 2、そしてTCFD提言への賛同 4 など、具体的な進捗が見られます。資源循環に関しても、美術廃材をアップサイクルする「art to ART Project」2 は独創的であり、高いリサイクル率を維持しています 4。
一方で、いくつかの重要な課題も明らかになりました。気候変動対策においては、近年のCO2排出削減ペースの鈍化 4、サプライチェーンを含むScope 3排出量への対応の遅れ、TCFD開示の質的な向上の必要性が挙げられます。資源循環分野では、廃棄物削減やリサイクル率向上に関する具体的な数値目標が欠如しており、番組制作プロセス全体への環境配慮の統合が今後の焦点となります。そして、生物多様性分野は、現時点では明確な戦略や具体的な取り組みが最も不足している領域であり、早急な対応が求められます。
競合他社との比較においては、SustainalyticsのESGリスク評価では主要キー局間で大きな差はないものの、リスク管理能力の評価にはばらつきが見られました 71。CDP気候変動スコアではTBSが「B」評価で先行しており 48、テレビ朝日HDを含む他社の状況は不明確な点が多い状況です。業界の先進事例からは、制作過程のカーボンフットプリント管理(Albert認証など)22 やサプライチェーン全体での取り組み 22 が今後のトレンドとなる可能性が示唆されました。
これらの分析結果は、テレビ朝日HDが今後、環境分野での取り組みを一層強化し、その情報開示の透明性を高めることの戦略的重要性が増していることを示しています。気候変動への適応と緩和、資源の効率的な利用、そして自然資本の保全は、単なる社会的責任の履行に留まらず、規制リスクの回避、市場での競争力維持、新たな事業機会の創出、そして企業価値全体の向上に直結する経営課題です。
本報告書で提示した課題評価と戦略的提言は、テレビ朝日HDがこれらの課題に効果的に対処し、メディア企業としてのリーダーシップを発揮しながら持続的な成長を達成していくための具体的な道筋を示すものです。これらの提言を着実に実行に移すことが、同社の長期的な企業価値向上と、より良い未来社会の実現への貢献につながるものと確信します。
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【テレビ局:業界研究】キー局6社(フジテレビ・日本テレビ・TBSテレビ・テレビ朝日・テレビ東京・NHK)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い - ONE CAREER(ワンキャリア), 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.onecareer.jp/articles/222
テレビ局各社の違いを決算から解説!日テレだけ異常に稼いでいる話・財務力が各社違う話 - note, 4月 21, 2025にアクセス、 https://note.com/ijnrdx/n/n6b6c29ab9cc7
テレビ局の種類 - テレビCMドットコム, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.television-ad.com/ad-basic/station-kind.html
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2023年 | - |
2022年 | 324t-CO2 |
2021年 | 168t-CO2 |
2023年 | - |
2022年 | 22,744t-CO2 |
2021年 | 23,333t-CO2 |
2023年 | - |
2022年 | - |
2021年 | - |
スコープ1+2 CORの過去3年推移
2023年 | 0kg-CO2 |
2022年 | 76kg-CO2 |
2021年 | 79kg-CO2 |
スコープ3 CORの過去3年推移
2023年 | 0kg-CO2 |
2022年 | 0kg-CO2 |
2021年 | 0kg-CO2 |
スコープ1+2のCOA推移
2023年 | 0kg-CO2 |
2022年 | 47kg-CO2 |
2021年 | 47kg-CO2 |
スコープ3のCOA推移
2023年 | 0kg-CO2 |
2022年 | 0kg-CO2 |
2021年 | 0kg-CO2 |
2023年 | 3,079億円 |
2022年 | 3,046億円 |
2021年 | 2,983億円 |
2023年 | 171億円 |
2022年 | 166億円 |
2021年 | 210億円 |
2023年 | 5,204億円 |
2022年 | 4,951億円 |
2021年 | 4,988億円 |
すべての会社と比較したポジション
業界内ポジション
CORスコープ1+2
CORスコープ3
CORスコープ1+2
CORスコープ3
COAスコープ1+2
COAスコープ3
COAスコープ1+2
COAスコープ3