カテゴリー | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
1購入した製品・サービス | 2,485,000 | 2,550,000 (▲65,000) | 1,476,000 (▼1,074,000) |
2資本財 | 1,049,000 | 1,017,000 (▼32,000) | 900,000 (▼117,000) |
3燃料・エネルギー関連活動 | 11,476,000 | 23,535,000 (▲12,059,000) | 25,444,000 (▲1,909,000) |
5事業から発生する廃棄物 | 11,000 | 10,000 (▼1,000) | 9,000 (▼1,000) |
6出張 | 2,000 | 2,000 (=0) | 2,000 (=0) |
商船三井と関西電力は、アフリカや東南アジア等で大気からCO2を除去しカーボンクレジットを創出するプロジェクトの共同開発に向けた事業性・経済性の調査・検討を行う覚書を締結しました。両社はそれぞれの環境目標達成に向け、除去系クレジット創出事業を推進し、ゼロカーボン社会の実現に貢献することを目指します。これは両社によるCCS分野や水素分野での協力に続くものです 。
Nature社は関西電力と共同で、環境省の「デコ活」事業の一環として、昼間の余剰電力の有効活用を目指す「需要創出型デマンドレスポンス(上げDR)」のモデル実証を2024年10月より開始します。スマートリモコン等を活用し、消費者の快適性を損なわずに電力需要を創出し、再エネ出力制御の課題解決とカーボンニュートラル実現への貢献を目指します 。
関西電力は日本郵政グループと、カーボンニュートラル社会実現に向けた協業の一環として、全国で初めて既設郵便局(泉大津郵便局)のネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング(ZEB)化を実施します。これにより、エネルギー消費量の大幅な削減と再生可能エネルギーの導入を通じて、CO2排出量実質ゼロを目指します 。
※掲載情報は公開資料をもとに作成しており、全てのリスク・機会を網羅するものではありません。 より詳細な情報は企業の公式発表をご確認ください。
関西電力にとって、再生可能エネルギー事業の拡大は大きな機会です。2040年までに国内で新たに500万kW、累計900万kW規模の再エネ開発を目指しています 。また、法人や家庭向けの省エネ・ゼロカーボンソリューション(EV関連サービス、AIを活用した省エネ行動サポート「エナッジ®」、再エネ電力メニュー「再エネECOプラン」等)の提供は新たな収益源となり得ます。次世代エネルギー技術(水素・アンモニア、CCUS)の開発や、グリーンボンドなどの持続可能な金融の活用も事業機会を創出します 。
関西電力株式会社の環境イニシアチブとパフォーマンスに関する包括的分析報告書
1. 序論
背景と目的
本報告書は、関西電力株式会社(以下、関西電力)の環境パフォーマンスについて、特に「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の3分野に焦点を当て、学術的かつ包括的な分析を行うことを目的とする。企業の環境スコア算出に資する詳細な情報収集と、現状の課題特定および将来の改善に向けた戦略的洞察の提供を目指す。関西電力の環境への取り組みは、地球温暖化問題や資源枯渇、生態系への影響といった地球規模の課題に対する企業の責任として、ますます重要性を増している。実際に、SDGs(持続可能な開発目標)への社会的関心が高まる中で、環境への取り組みは企業にとってより重要な経営課題となっていると認識されている 1。
報告書の構成と分析範囲
本報告書では、関西電力の具体的な環境戦略、各分野での取り組み、目標と実績、潜在的リスクと機会、業界の先進事例、競合他社の動向、そして環境評価機関によるスコアについて詳述する。分析は、関西電力の公式報告書(統合報告書、サステナビリティレポート、環境報告書等)、学術論文、業界レポート、規制当局の資料、および第三者評価機関の公開情報に基づいて行う。関西電力の環境報告は多岐にわたるものの、各取り組みの定量的な目標達成度や、それが企業全体の財務パフォーマンスに与える影響、例えば環境会計情報の詳細な開示と投資家や評価機関への理解促進については、さらなる透明性の向上が期待される 2。環境活動の経済的合理性やリスク・機会との連動性がより明確になることで、企業の評価向上に繋がる可能性がある。
また、関西電力は「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」を掲げ、その達成に向けたロードマップを策定しているが 3、その進捗を測る短期・中期目標の具体性、および目標達成が遅延した場合の代替戦略やリスクヘッジ策に関する情報開示の充実が、ステークホルダーからの信頼を醸成する上で重要となる。特に、2025年度および2030年度のCO2削減目標達成に向けた施策の進捗状況や、外部環境の変化(例:技術革新の遅れ、政策変更)に対する柔軟な対応策の明確化が求められる。原子力発電への依存度が高い電源構成を持つ同社にとって、再稼働の遅れや政策変更は大きなリスク要因であり、これに対する代替策(例:再生可能エネルギー導入の加速、省エネルギー対策の強化)の具体性が問われることになる。
2. 関西電力の環境戦略の全体像
環境方針とガバナンス体制
関西電力グループは、「関西電力グループ環境方針」を定め、事業活動における環境負荷低減と持続可能な社会の実現を目指している。この方針は、資源循環の推進や生物多様性の保全といった具体的な行動指針を含んでおり、グループ全体の事業活動の基盤となっている 4。例えば、産業廃棄物についてはゼロエミッション達成に向けた3R(リデュース、リユース、リサイクル)活動を積極的に展開し、生物多様性についてはその重要性を認識し、事業活動に伴う影響を適切に把握・分析・評価した上で保全に取り組むとしている 4。
環境問題への対応を統括する体制として、社長を委員長とする「サステナビリティ推進会議」が設置されている。この会議は、「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」の実現に向けた「ゼロカーボンロードマップ」の策定や進捗管理を行い、気候変動への対応を推進する役割を担っており、経営トップによるコミットメントが示されている 3。さらに、関西電力は、業務執行を担う執行役の報酬について業績連動報酬を支給しており、その業績指標としてCO2排出削減量や社外ESG評価を採用している 3。これは、経営層のインセンティブと環境目標との整合性を図る試みとして注目される。
サステナビリティ目標と重要課題(マテリアリティ)
関西電力は、持続的な成長と社会の持続的な発展への貢献を目指し、ESGに関連する重要課題(マテリアリティ)を特定している。その中でも特に気候変動への対応は、「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」として具体化され、カーボンニュートラルの達成に向けた取り組みが進められている 3。資源循環に関しては、環境方針の中でゼロエミッションの達成が目標として掲げられている 4。生物多様性に関しても、その重要性を認識し、保全に取り組む方針が明確にされている 5。
これらのマテリアリティは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)とも深く関連している。例えば、同社が発行するグリーンボンドは、再生可能エネルギー事業等への充当を通じて、SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」などに貢献することを目指している 6。
環境関連の投資とその効果については、環境会計の枠組みで整理されており、環境保全コスト、環境保全効果、環境保全対策に伴う経済効果、環境効率性といった項目で情報が開示されている 2。これらの定量的なデータは、環境戦略の経済的側面を評価する上で重要な情報となる。
関西電力の環境戦略は、気候変動(ゼロカーボン)、資源循環(ゼロエミッション)、生物多様性(ネイチャーポジティブへの意識)という主要なESG課題を網羅しようと努めている。しかし、これらの目標間にはシナジー効果(例:再生可能エネルギーの拡大と生物多様性への配慮の両立)やトレードオフの関係(例:バイオマス発電における森林資源利用と生態系への影響)が存在しうる。これらの相互作用に関する戦略的な検討と、それに基づく情報開示の深化が、より統合的かつ実効性のある環境経営への評価に繋がるであろう。同社がTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)提言への対応を進めていること 5、そして統合報告書においてTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)とTNFDを参照していること 7 は、このような統合的なアプローチへの意識の高まりを示唆している。
また、関西電力グループ全体の環境パフォーマンス向上という観点からは、関西電力本体だけでなく、関電不動産開発 8 や関電ファシリティーズ 10 といったグループ企業の活動をどの程度包括的に管理し、グループ全体としての実効性を高めているかが問われる。関電不動産開発は「ゼロカーボンの選択肢を社会に提供」という方針を掲げ 8、関電ファシリティーズはGRIスタンダードを参照した報告を行っている 10。グループ各社が個別の環境目標を持つことは重要であるが、親会社である関西電力がグループ全体の目標設定、進捗管理、情報開示の統一性をどのように担保し、実質的な環境負荷削減やリスク管理能力の向上に繋げているか、その具体的な仕組みと成果が注目される。グループ環境管理委員会の対象会社に関する環境負荷調査の実施 2 は、グループ管理の一端を示しているが、その対象範囲や実効性については、より詳細な分析が求められる。
3. 気候変動への対応
具体的な取り組みとプログラム
関西電力は、気候変動問題への対応を経営の最重要課題の一つと位置づけ、「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」およびその実現に向けた「ゼロカーボンロードマップ」を策定し、多岐にわたる取り組みを推進している 3。
CO2排出削減策:
中核となるのは、2050年までに事業活動に伴うCO2排出量を実質ゼロにするという野心的な目標である 3。この達成のため、火力発電所においては、発電効率の向上や設備の維持・改良によるCO2排出量の抑制 11、LNGなど相対的にクリーンな燃料への転換を進めている。さらに、将来的にはゼロカーボン燃料である水素・アンモニアの混焼・専焼技術の開発や、CCUS(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)技術の評価および導入検討も視野に入れている 3。
顧客サイドのCO2削減支援も重要な柱であり、省エネルギーコンサルティングの提供や、家庭・業務部門における電化の推進、さらには「エナッジ®」のようなAIを活用した省エネ行動習慣化サポートサービスや、EVリース・カーシェアといったモビリティサービスなど、多様なゼロカーボンソリューションを提供している 1。これには、太陽光オンサイトPPAサービスや、再生可能エネルギー由来の環境価値を付加した電気料金メニュー「再エネECOプラン」なども含まれる 12。
再生可能エネルギー導入状況:
関西電力は、水力、太陽光、風力といった再生可能エネルギーの導入拡大に積極的に取り組んでいる 3。特に、今後の成長ドライバーとして洋上風力発電に注力し、国内での開発を推進している 3。具体的な目標として、2040年までに国内で新たに500万kW、累計で900万kW規模の再生可能エネルギーを開発することを掲げている 3。これらの再生可能エネルギー事業への資金調達手段として、グリーンボンドの発行も行っており、調達資金は水力、風力、太陽光発電所の開発、建設、運営、改修などに充当される計画である 6。
省エネルギー推進策:
自社の事業活動におけるエネルギー効率の向上も追求しており、事業所における電気使用量や燃料使用量の削減に取り組んでいる 1。また、顧客に対しては、省エネルギー意識の向上を促す啓発活動や、設備の運用効率化支援サービスを提供している 1。送配電部門においては、送配電損失率の低減にも継続的に取り組んでいる 2。
原子力発電の位置づけ:
原子力発電は、発電時にCO2を排出しない重要なベースロード電源として位置づけられており、安全確保を大前提とした上で最大限活用する方針である 3。原子力発電所の再稼働や既存炉の運用高度化、さらには将来的な新増設・リプレースに向けた取り組みも進められている 3。原子力利用率の向上は、燃料費の削減にも繋がり、経済的なメリットも期待されている 3。
水素・アンモニア等次世代エネルギー技術開発:
火力発電のゼロカーボン化に向け、水素やアンモニアといった次世代燃料の混焼・専焼技術の開発に注力している 3。また、原子力発電の熱や電気を利用したCO2フリー水素の製造に関する実証研究も開始しており 3、将来的には水素の調達から販売に至るまでのバリューチェーン構築も視野に入れている 3。
目標と実績
関西電力は、気候変動対策に関して具体的な数値目標を設定し、その達成に向けた進捗を報告している。
温室効果ガス排出量削減目標としては、まず2025年度までに発電事業におけるCO2排出量を2013年度比で半減させることを目指している。さらに、2030年度には顧客や社会全体の排出量を700万トン以上削減すること、そして最終的には2050年に事業活動に伴うCO2排出量を実質ゼロにすることを目標として掲げている 3。GXリーグに提出した目標では、2025年度に2,135万t-CO2eq(2013年度比55%削減)、2030年度には1,400万t-CO2eq(2013年度比70%削減)という、より踏み込んだ削減目標も示している 3。
実績としては、2022年度の国内発電事業に伴うCO2排出量は約2,470万トンであり、これは2013年度から49%の削減を達成したことを意味する 3。
再生可能エネルギーの導入目標については、2040年までに国内で新たに500万kW、累計で900万kW規模の開発を目指している 3。この目標に対し、2022年度末時点での運転開始設備容量は約383万kWとなっている 3。
また、自社の事業活動における環境負荷低減の一環として、保有する社有車(グループ全体で5,000台超)を全て電動化するという目標も設定しており、2022年度時点での電動化率は約9%であった 3。
関連データ(記述形式)
関西電力の気候変動への取り組みに関する詳細なデータは、環境報告書等で公開されている。これには、サプライチェーン全体での排出量を示すスコープ1・2・3排出量の内訳、電力供給におけるCO2排出原単位であるCO2排出係数の推移、事業活動全体での総エネルギー使用量、火力発電における燃料種別の消費量などが含まれる 2。さらに、発電効率の指標となる原子力発電所の設備利用率や火力発電所の熱効率の推移も重要なデータとして報告されている 2。これらのデータは、同社のCO2削減努力の進捗と効果を定量的に評価するための基礎情報となる。
関西電力のCO2削減戦略において、原子力発電の安定稼働が大きな比重を占めていることは明らかである 3。これは、原子力発電が発電時にCO2を排出しないという特性に加え、原子力利用率の向上が燃料費削減という経済的メリットをもたらすためである 3。しかしながら、原子力発電は再稼働の遅延、政策変更、そして社会的な受容性や安全規制といった特有のリスクを抱えており 14、これらの不確実性はCO2削減目標の達成において大きな変動要因となり得る。この状況は、気候変動目標達成における「移行リスク」の一環として捉えるべきであり、この依存構造のリスクを軽減するためには、再生可能エネルギーへのシフトを一層加速させる必要性を示唆している。具体的には、再生可能エネルギーの開発目標 3 の前倒しや、水素・アンモニアといった次世代エネルギー技術 3 の実用化を急ぐことが、このリスクに対する有効なヘッジ手段となり得る。
顧客サイドのCO2削減支援策 1 は、関西電力自身のスコープ3排出量の削減に貢献すると同時に、新たな収益機会を創出するという二重の意義を持つ。提供されるソリューションは多岐にわたるが 12、これらの施策が実際にどれだけのCO2削減に貢献したのかを定量的に評価し、その結果を透明性高く報告することが求められる。スコープ3排出量の開示と削減は、企業評価においてその重要性を増しており 15、顧客の排出削減への貢献は積極的に評価されるべきである。これらのサービスがビジネスとして持続的に成長し、拡大していくことが、社会全体のCO2削減への貢献を確かなものにする。
「ゼロカーボンロードマップ」3 と、グリーンボンド発行による資金調達 6 は、戦略と実行手段として連携している。グリーンボンドの適格事業には再生可能エネルギー開発などが含まれており 6、レポーティングによる透明性確保も計画されている 13。投資家は、調達資金が具体的にどのプロジェクトに充当され、それがロードマップ上のどのマイルストーン達成に貢献するのか、そのトレーサビリティと実際の環境改善効果(例:具体的なCO2削減量)について、より詳細な情報を求めている。ロードマップ上の目標と、資金調達によるプロジェクトの成果を具体的に紐付けて報告することは、戦略の一貫性と実効性を効果的に示す上で不可欠である。
4. 資源循環の推進
具体的な取り組みとプログラム
関西電力グループは、限りある天然資源の有効活用と環境負荷の低減を目指し、「関西電力グループ環境方針」に基づき、資源循環の推進に積極的に取り組んでいる 4。
3R(リデュース、リユース、リサイクル)活動:
事業活動のあらゆる場面で3R活動を展開し、天然資源の消費抑制に努めている 4。具体的には、物品の購入に際して、その必要性を再考(Rethink)し、購入量の節減(Reduce)を検討するとともに、購入した物品の長期使用、不用となった物品の他所での再使用(Reuse)、再資源化(Recycle)、修理(Repair)を推進している 4。
産業廃棄物・一般廃棄物の管理と削減策:
関西電力グループは、事業活動から発生する産業廃棄物について、ゼロエミッションの達成を目標に掲げている 4。主な産業廃棄物としては、石炭火力発電所から発生する石炭灰や、配電工事に伴い発生する廃コンクリート柱のがれきなどが挙げられる 4。石炭灰については、セメント原料や道路の路盤材などへ全量リサイクルする取り組みを推進している 4。ただし、2023年度には舞鶴発電所での火災により発生した燃え殻(バイオマス燃料)を埋立処理したため、リサイクル率に影響が出た事例もある 4。
オフィスから排出されるコピー用紙をはじめとする一般廃棄物についても、「分別」を基本として各事業所で3Rの取り組みを展開し、減量・再資源化に積極的に努めている 4。
プラスチック資源循環:
廃プラスチックに関しても、排出抑制と再資源化に努めている 4。具体的な取り組みとして、2023年4月からは関西電力本店の一部のフロアから排出されるペットボトルについて、使用済み製品から再び同一製品を製造する水平リサイクルを開始した 4。また、本店社屋の売店ではレジ袋の削減やマイボトルの活用を推進している 4。
グリーン調達:
循環型社会の構築に向けて、環境負荷低減に配慮したオフィス用品や資機材、建設機械・工法を可能な限り購入・使用するグリーン調達を推進している 4。
先進的な資源循環インフラ導入事例(関電エネルギーソリューション等):
グループ会社である関電エネルギーソリューションは、グラングリーン大阪開発プロジェクトにおいて、先進的な資源循環インフラの導入を計画している。これには、街区内で発生する生ごみや厨房排水をメタン発酵させて発電するバイオガスシステムや、廃食油を再利用して小型バイオディーゼル燃料として活用する取り組みが含まれる 16。これらのシステムは、廃棄物の削減とエネルギーの地産地消に貢献する。また、同プロジェクトでは、帯水層蓄熱や下水熱・地中熱を利用した効率的なエネルギー供給システムの導入も進められており、都市全体の環境負荷低減を目指している 16。
目標と実績
関西電力は、資源循環に関して具体的な目標を設定し、その達成状況を公開している。
産業廃棄物については、リサイクル率99.5%以上を目指すゼロエミッションの達成を目標としている 4。2023年度の実績は、前述の舞鶴発電所火災の影響により98.9%であった 4。
廃プラスチックの排出抑制・再資源化については、「可能な限り努める」という方針を掲げている 4。2023年度の廃プラスチック排出実績は、関西電力本体で287トン、関西電力送配電株式会社で583トンであった 4。
関連データ(記述形式)
資源循環に関する定量的なデータとしては、産業廃棄物の総排出量、埋立処分量、リサイクル率の年度ごとの推移が報告されている 2。また、有害物質であるPCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物の処理状況(高濃度PCB廃棄物を含む)や、事業活動における総水使用量についてもデータが公開されている 2。これらのデータは、同社の資源利用効率や環境負荷低減努力を評価する上で重要な指標となる。
石炭灰の全量リサイクル達成 4 は、関西電力の資源循環における特筆すべき成果である。しかし、舞鶴発電所での火災のような予期せぬ事態がリサイクル率に影響を与えた事例 4 は、廃棄物管理におけるレジリエンスの重要性を示している。このような事態は、外部要因による目標未達リスクを顕在化させるものであり、環境目標の安定的な達成のためには、突発事象への対応能力も評価の対象となる。事業継続計画(BCP)の中に、廃棄物処理の代替手段の確保や緊急時対応計画を具体的に組み込むことが、今後の課題として考えられる。例えば、処理委託先の多様化や、自社での一時的な保管・処理能力の確保などが検討されるべきである。
本店の一部フロアで開始されたペットボトルの水平リサイクル 4 は、資源価値を高く維持する観点から先進的な取り組みとして評価できる。しかし、現状ではその適用範囲が限定的である。この取り組みを関西電力グループ全体や他の主要事業所へ拡大することで、プラスチック資源循環への貢献度を大幅に高める潜在力がある。グループ全体での展開は、調達力や処理量のスケールメリットを活かし、よりコスト効率の高い運用に繋がる可能性も秘めている。
関電エネルギーソリューションによるバイオガス発電や廃食油の再利用といった取り組み 16 は、廃棄物をエネルギー資源として転換するものであり、資源循環とCO2排出削減の双方に貢献する優れたモデルである。これらの技術が実証段階にあるのか、既に商業ベースで展開され、一定の収益性やCO2削減効果を上げているのか、その定量的なデータが今後の評価の鍵となる。成功事例として確立できれば、他の大規模施設や地域へのソリューション提供といった新たなビジネスチャンスにも繋がり、地域循環共生圏の構築にも資することが期待される。
5. 生物多様性の保全
具体的な取り組みとプログラム
関西電力グループは、生物多様性の重要性を深く認識し、事業活動が自然環境へ与える影響を最小限に抑え、その保全に積極的に取り組むことを環境方針の柱の一つとしている 5。また、電気事業連合会が策定した「電気事業における生物多様性行動指針」も踏まえ、具体的な活動を展開している 5。近年では、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の提言に沿った情報開示の充実化を図り、ネイチャーポジティブな社会の実現への貢献を目指す姿勢を明確にしている 5。
森林再生・保全活動:
発電所などの建設に際しては、その土地の環境に適した樹木を植栽し、自然に近い森づくりを推進している 11。具体的な事例として、御坊発電所におけるエコロジー緑化が挙げられる 11。また、岐阜県に保有する水源涵養林においては、地元森林組合などと協力し、持続的な森林管理のために枝打ちや間伐を毎年実施している 5。グループ会社である関電不動産開発株式会社は、「シエリアツリープロジェクト」を通じて、分譲マンションや戸建て住宅の契約1件につき1本の苗木を植林する活動を展開しており、生態系に配慮した森林再生と地域振興に貢献している 9。
発電所周辺の生態系配慮:
発電所の建設・運営が周辺の生態系に与える影響を把握するため、動植物の生息・生育状況調査を継続的に実施している。例えば、長野県木曽川水系に位置する水力発電所周辺での調査が近年行われている 5。大規模な開発事業に先立っては、環境影響評価法に基づき環境アセスメントを適切に実施し、自然環境や生物多様性への影響を可能な限り回避・低減するとともに、必要に応じて代償措置による復元などを検討している 5。
ビオトープ設置:
奥多々良木発電所では、敷地内にビオトープを設置し、多様な昆虫や両生類が生息できる空間を創出している 5。このビオトープでは、兵庫県版レッドリストで絶滅の危機が増大している種に選定されているモリアオガエルの生息も確認されている 5。
魚道設置:
水力発電所のダムにおいては、河川を遡上する魚類の移動を助けるため、魚道を設置している 5。魚たちが遡上しやすいように、適切な流量や流速を維持するための階段状の構造にするなど、細やかな工夫が凝らされている。一部の魚道では、カニなどの水生生物のために麻のロープを設置している事例もある 17。
外来種対策:
黒部ダムの入り口である扇沢駅では、観光客の靴底などに付着した外来種の種子が持ち込まれるのを防ぐため、種子除去マットを敷設している 5。除去された種子は焼却処分され、在来生態系への影響を未然に防いでいる。
特定種保護:
国の特別天然記念物であるコウノトリの保護活動にも力を入れている。兵庫県豊岡市などでは、コウノトリが電柱や鉄塔に営巣することがあり、関西電力送配電株式会社が巡回を行い、コウノトリが感電する事故を防ぐため、兵庫県立大学や兵庫県立コウノトリの郷公園など関係機関と連携して巣を早期に安全な場所へ移設したり、電線に識別しやすいカラーリングを施したりするなどの対策を講じている 5。
地域連携活動:
地域住民とともにツツジやサザンカなどの苗を育てて植樹する活動や、グリーンカーテンを用いた環境意識啓発活動などを推進している 17。関電不動産開発では、分譲マンションブランド「シエリア」において「シエリアLink Greensプロジェクト」を立ち上げ、生物多様性保全に配慮した独自の基準とデザイン指針を策定した。これには、在来樹種を50%以上採用することや、周辺緑地の生物が好む植物を選定することなどが盛り込まれている 9。
目標と実績
生物多様性保全に関する具体的な目標としては、関電不動産開発が設定しているものが挙げられる。開発プロジェクトの規模や周辺環境に応じて、生態系保全・創出を企図したビオトープや植栽などを設けること、一定規模以上のプロジェクトにおいてはABINC(いきもの共生事業所認証)などの生物多様性に関する認証の取得を検討すること、開発時に整備した樹木や植栽には樹名板を設置することなどを目標としている 9。
実績としては、兵庫県明石市の「シエリアシティ明石大久保」において、2021年2月にABINC認証を取得している 9。また、分譲戸建て住宅「シエリアガーデン」では、原則として緑地率20%以上を確保し、地域の植生を考慮した植栽を採用している 9。
関連データ(記述形式)
関西電力の環境報告書などでは、緑地率や緑地面積に関するデータが開示されている 2。これらの数値は、事業所敷地内における緑化の進捗を示す指標となる。また、具体的な保全活動の対象となった地域名や動植物種に関する情報、生物多様性関連の認証を取得した物件のリストなども、取り組みの具体性を示す上で重要なデータとなる。
TNFD提言への対応を表明したこと 5 は、関西電力が自然資本への配慮を経営の重要課題として認識していることを示す先進的な動きである。しかし、この表明が具体的な情報開示内容としてどのように結実し、それが事業戦略やリスク管理プロセスにどう統合されていくかが、今後の評価を大きく左右する。特に、電力事業が水資源(水力発電、火力発電の冷却水など)や土地利用(発電所建設、送電網敷設など)といった自然資本へ深く依存していることを踏まえ、その依存度と事業活動が自然へ与える影響度を定量的に評価し、「ネイチャーポジティブ」への貢献に向けた具体的な道筋(KPIや目標値を含む)を示すことが極めて重要となる。TNFDが推奨するLEAPアプローチ(発見、診断、評価、対応)に沿った詳細な分析と、それに基づく戦略的な情報開示が期待される。
グループ会社である関電不動産開発による生物多様性認証の取得や独自の緑化基準の設定 9 は、不動産開発事業における先進的な取り組みとして評価できる。一方で、関西電力本体のコア事業である発電事業や送配電事業は、より広大なエリアに影響を及ぼす可能性がある。これらの事業エリア全体を対象とした生物多様性への配慮方針、具体的な取り組みの網羅性、そして定量的な保全目標の設定が、グループ全体のコミットメントの強さを示す上でより一層重要となる。発電所周辺の生態系調査 5 はその一歩であるが、これが全社的な戦略の中でどのように位置づけられ、どのような具体的な目標(例えば、重要生息地の保全面積率の向上や、生態系サービスの維持・向上への貢献量の数値化など)に結びつくのかを明確にする必要がある。
コウノトリの保護活動 5 や魚道の設置 5 といった、特定の種や生態系機能への具体的な配慮は、地域レベルでの保全努力として非常に重要である。しかし、これらの個別の活動が、より広域的な視点から見て、地域全体の生態系ネットワークの維持・向上にどの程度貢献しているのかを評価し、戦略に反映させることが求められる。関電不動産開発の「シエリアLink Greensプロジェクト」において「エコロジカルネットワークの形成」という視点が取り入れられていること 9 は注目に値し、このような考え方を関西電力グループ全体の事業活動、例えば送電線下の緑地管理のあり方や、複数のダムにおける魚道機能の連携強化などに適用することで、より広域的かつ効果的な生態系保全への貢献が期待できる。
6. 環境関連リスクと事業機会の分析
潜在的リスク
関西電力の事業活動は、気候変動、資源循環、生物多様性といった環境側面において、多岐にわたる潜在的リスクに晒されている。
気候変動に伴う物理的リスク:
地球温暖化の進行に伴う異常気象の激甚化は、関西電力の事業基盤に直接的な脅威をもたらす。台風の強大化や集中豪雨の頻発は、発電設備や送配電網に深刻な被害を与え、電力供給の途絶や復旧・対策費用の増大を引き起こす可能性がある 3。実際に、2018年の台風21号では約128億円の被害が発生したと報告されている 3。また、気温上昇は夏季の電力需要を押し上げる一方で、屋外作業における熱中症リスクを高め、労働生産性の低下や安全対策コストの増加に繋がる可能性も指摘される(これは東京電力の事例 18 からも類推される)。さらに、水資源の変動、例えば渇水による水力発電量の減少や、火力発電における冷却水の取水制限なども、事業運営上のリスクとなり得る。
気候変動に伴う移行リスク:
低炭素社会への移行は、政策、技術、市場、評判の各側面で関西電力に影響を及ぼす。
政策・規制面では、カーボンプライシング(炭素税や排出量取引制度)の導入・強化が、特に火力発電のコストを押し上げ、競争力を低下させる要因となる 3。また、より厳しい排出規制への対応には追加的な設備投資が必要となる。
技術面では、再生可能エネルギーや省エネルギー技術の急速な進展が、既存の火力発電設備等の価値を相対的に低下させ(座礁資産化リスク)、電力需要全体の減少を引き起こす可能性がある。一方で、新たな炭素排出抑制技術の導入には多額の投資が伴う 3。
市場面では、環境負荷の高い電力メニューの競争力が低下し、電気自動車(EV)や蓄電池の普及が電力需要のパターンを大きく変化させる可能性がある。また、分散型電源の導入拡大は、系統からの電力購入需要を減少させ、売上・利益の減少リスクに繋がることも懸念される 3。関西電力の試算によれば、小売販売電力量が1%減少した場合、約234億円の売上減が見込まれる 3。
評判面では、特に原子力発電に対する社会的な受容性の変化や、CO2排出量・排出係数の悪化が、顧客や投資家からの評価低下を招くリスクがある 14。
資源循環に関するリスク:
廃棄物処理コストの上昇や、最終処分場の確保難といった問題は、事業運営コストを圧迫する可能性がある。また、リサイクル関連法規の基準が強化され、その遵守ができなかった場合には、罰則や事業活動への制約が生じるリスクも存在する。
生物多様性に関するリスク:
事業活動、特に大規模なインフラ建設や土地利用が、生態系や生物多様性に負の影響を与えた場合、関連法規に基づく規制強化や、地域社会・環境保護団体からの訴訟リスクに直面する可能性がある。水力発電のように自然資本への依存度が高い事業においては、生態系サービスの劣化が事業継続そのものを脅かすリスクも考えられる。さらに、TNFDなど自然関連情報の開示要求の高まりに対応が遅れた場合、投資家からの評価低下やブランドイメージの毀損といった評判リスクも無視できない。
事業機会
一方で、これらの環境課題への対応は、関西電力にとって新たな事業機会を創出する可能性も秘めている。
再生可能エネルギー事業拡大:
国内外における再生可能エネルギー市場の拡大は、関西電力にとって大きな成長機会である。特に、洋上風力発電や大規模太陽光発電プロジェクトへの投資・開発は、収益の新たな柱となり得る 3。
省エネルギー・ゼロカーボンソリューション提供:
法人顧客や一般家庭に対し、省エネルギーコンサルティングやエネルギーマネジメントシステム(BEMS、HEMSなど)を提供することで、エネルギー効率改善に貢献しつつ、新たなサービス収益を獲得できる 1。オール電化提案やEV関連サービス(充電インフラ整備、リースなど)の拡充も、電化推進と顧客ニーズへの対応を両立させる事業機会となる 3。また、再生可能エネルギー由来のCO2フリー電力メニューの提供は、環境意識の高い顧客層への訴求力を高める 8。
環境配慮型技術開発・導入:
水素・アンモニア発電やCCUSといった次世代エネルギー技術への投資と、その早期実用化・事業化は、将来の競争優位性を確立する上で重要である 3。また、再生可能エネルギーの大量導入に伴い必要となる系統安定化技術(大型蓄電池、仮想発電所(VPP)など)の開発と展開も、新たな事業領域となり得る 3。
グリーンファイナンス活用:
グリーンボンドやトランジション・ファイナンスといったサステナブルファイナンス市場の拡大は、環境関連プロジェクトへの資金調達を円滑にし、大規模な環境投資を後押しする 6。関西電力は既にグリーン/トランジション・ファイナンス・フレームワークを策定・改定し、これらの資金調達手段を積極的に活用する姿勢を示している 13。
資源循環ビジネス:
廃棄物発電や高度なリサイクル技術の開発・導入は、廃棄物処理問題の解決に貢献するとともに、新たな収益源となる可能性がある。関電エネルギーソリューションによるバイオガス発電や小型バイオディーゼル発電の取り組みはその一例である 16。
生物多様性関連ビジネス:
生物多様性保全に関する専門知識や技術を活かし、生態系保全コンサルティングサービスや、環境認証取得支援サービスなどを展開できる可能性がある。また、ネイチャーポジティブに貢献する事業(例:生態系配慮型インフラ開発、自然再生事業など)への投資も、新たな価値創造に繋がる。
移行リスクの中でも、特に「炭素価格の導入」3 は、関西電力の現在の電源構成、とりわけ火力発電、その中でも石炭火力の比率を考慮すると、財務への影響が極めて大きくなる可能性がある。日本のカーボンプライシング導入は段階的に具体化しつつあり 15、このリスクへの対応は喫緊の課題である。TCFD提言ではシナリオ分析に基づく財務影響の開示が求められており 22、炭素価格が様々な水準(例えば、1トンあたり50ドル、100ドルなど)で導入された場合の具体的な影響額の試算と、それに対する経営戦略(燃料転換の加速、再生可能エネルギー投資の拡大、カーボンプライシングによる収益の再投資計画など)を詳細に開示することが、投資家のリスク評価において不可欠となる。再生可能エネルギー導入の拡大は大きな事業機会であると同時に、電力系統の安定運用に対する課題(「再エネ拡大への対応」3)をもたらす。この課題を解決するために不可欠な送配電網への投資(スマートグリッド化、連系線強化など)3 や、VPPの構築 3 は、それ自体が新たな収益源となり得る。しかし、これらの取り組みには巨額の先行投資、高度な技術開発、そして複雑な規制対応が必要となるため、投資回収期間や収益性に関する詳細な事業計画と、その進捗の透明な開示が求められる。グリーン/トランジション・ファイナンスの使途に「送配電」関連が含まれていること 13 は、資金調達と一体となった戦略的な推進が図られていることを示唆している。TNFDへの対応表明 5 は、生物多様性に関連するリスク管理の強化に留まらず、ネイチャーポジティブ市場の創出や生態系サービスへの支払い(PES: Payment for Ecosystem Services)といった新たな事業機会の探索に繋がる可能性を秘めている。例えば、同社が管理する水源涵養林 5 は、水質浄化や洪水調整といった重要な生態系サービスを提供しており、将来的にはこれらの価値が金銭的に評価され、新たな収益源となる市場が形成されるかもしれない。また、生物多様性保全に積極的に配慮した事業活動(例えば、再生可能エネルギー施設と地域の生態系が共存するような開発モデル)は、地域社会からの事業への受容性を高め、新たな付加価値を創造することにも繋がる。このような分野への早期の取り組みは、環境先進企業としてのブランドイメージ向上にも寄与するだろう。
7. 業界における先進事例
国内電力会社の先進的取り組み事例
日本の電力業界においても、各社が環境問題への対応を強化し、先進的な取り組みを進めている。
**東京電力ホールディングス株式会社(TEPCO)**は、カーボンニュートラル戦略を掲げ、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)への取り組みや電動車両の普及促進、さらには尾瀬国立公園における長年の自然保護活動など、生物多様性保全にも注力している 23。CDP評価では、2024年気候変動スコアがB、水セキュリティスコアがA-であった 25。SustainalyticsによるESGリスク評価は68.5とSevere(深刻)レベルに位置付けられている 26。
中部電力株式会社は、「ゼロエミチャレンジ2050」をスローガンに、水素技術やカーボンリサイクル技術の開発、社会全体の電化促進に取り組んでいる。TCFDおよびTNFD提言に基づく情報開示にも積極的である 27。CDP評価では、気候変動Aリスト企業に2年連続でダブル認定され、水セキュリティでも2024年にA-評価を獲得するなど高い評価を得ている 29。MSCI ESGレーティングは2021年6月時点でBBであったが 31、その後評価が向上していることを示唆する情報もある 32。Sustainalyticsのリスク評価は具体的な数値が不明ながら、Outperformer(平均以上)との評価を受けている 33。
東北電力株式会社は、「東北電力グループカーボンニュートラルチャレンジ2050」を掲げ、再生可能エネルギーと原子力の最大限活用、火力発電の脱炭素化、そして電化の推進を三本柱としている。2030年度にはCO2排出量を2013年度比で半減させる目標を設定している 35。CDP評価では、2024年気候変動スコア、水セキュリティスコアともにBであった 37。MSCI ESGレーティングはBBBと評価されている 38。SustainalyticsによるESGリスク評価は37.6とHigh(高い)レベルである 39。
九州電力株式会社は、「カーボンニュートラルビジョン2050」のもと、再生可能エネルギーの導入拡大、安全性を前提とした原子力の活用、火力発電の高効率化などを推進している 40。CDP評価では、気候変動Aリスト企業に2年連続で選定されており、これは国内電力事業者としては唯一の実績である 43。MSCI ESGレーティングにおいても、国内電力会社で最高となるA評価を獲得している 44。SustainalyticsによるESGリスク評価は40.2とSevere(深刻)レベル 45、S&P Global ESGスコアは67/100(100点満点中)である 46。
株式会社JERAは、東京電力と中部電力の燃料・火力発電事業を統合した企業であり、「JERAゼロエミッション2050」を掲げ、火力発電の高効率化、再生可能エネルギー開発、GXリーグへの参画、さらには生物多様性保全に関する国際目標「30by30」への対応も進めている 47。CDPスコアに関する直接的な言及は少ないものの、CDP質問書への回答を行っていることが示唆されている 49。MSCI ESGレーティングに関する直接的評価は不明だが、CSRHubを通じて業界平均との比較が可能である 51。Sustainalyticsについては、グローバルなESG評価機関の基準を参考に開示改善に努めているとの記述がある 52。
海外電力会社の先進的取り組み事例
海外の電力会社の中には、より早期から大胆な環境戦略を推進し、高い評価を得ている企業が存在する。
**Ørsted(デンマーク)**は、洋上風力発電におけるグローバルリーダーであり、2040年までにバリューチェーン全体でのネットゼロ排出を目標とし(SBTi承認済み)、さらに2030年以降に稼働する全ての新規プロジェクトにおいて生物多様性へのネットポジティブな影響を目指すという野心的な目標を掲げている 53。CDP気候変動Aリスト企業であり 55、MSCI ESGレーティングではAAA(最高評価) 56、SustainalyticsによるESGリスク評価は15.6とLow(低い)レベルである 56。グリーンファイナンスも積極的に活用している 57。
**NextEra Energy(米国)**は、米国最大級の再生可能エネルギー発電事業者であり、「Zero Carbon Blueprint」戦略のもと、2045年までの炭素排出ゼロを目指している 59。太陽光発電、風力発電、蓄電池プロジェクトを大規模に推進しており 59、水資源の保全、廃棄物の最小化、事業所周辺の生息地・野生生物保護にも注力している 61。
**Iberdrola(スペイン)**は、再生可能エネルギー、スマートグリッド、グリーン水素分野への大規模な投資を計画しており、2030年までに研究開発(R&D)投資を倍増させる方針である 62。生物多様性の保全や循環型経済へのコミットメントも強く打ち出している 63。MSCI ESGレーティングではAAA(最高評価) 56、SustainalyticsによるESGリスク評価は16.3とLow(低い)レベルである 56。
国内外の先進企業に共通する特徴は、野心的かつ具体的な長期目標(ネットゼロ、ネイチャーポジティブなど)の設定、それを達成するための詳細な中期目標と大規模な投資計画の策定、そして進捗状況に関する透明性の高い情報開示である。関西電力も「ゼロカーボンビジョン2050」を掲げてはいるが、特に生物多様性の分野において、Ørstedが掲げるような「ネイチャーポジティブ」といったより野心的な目標を設定し、その達成に向けた具体的なロードマップを策定・公表することが、業界におけるリーダーシップを示す上で重要となるであろう。九州電力がCDP AリストやMSCI A評価といった国内トップクラスの評価を得ている背景には 43、目標の高さだけでなく、それを裏付ける戦略と実績、そして積極的な情報開示がある。関西電力がこれらの先進事例から学ぶべきは、目標設定の野心度を高めるとともに、それを達成するための戦略・投資計画の具体性と透明性を一層向上させることである。
スマートグリッド、エネルギー貯蔵技術、そしてグリーン水素といった次世代技術への投資は、多くの先進的な電力企業にとって共通の戦略的焦点となっている。Iberdrolaは「Global Smart Grids Innovation Hub」を設立し、この分野のイノベーションを牽引しようとしている 62。関西電力もこれらの分野への取り組み(例:VPP構築、水素混焼技術開発など)を進めているが 3、その投資規模、開発スピード、そして国内外の他社や研究機関との連携、オープンイノベーションの活用度合いが、将来の競争優位性を確立する上で決定的な要素となる。
ESG評価の高い企業、例えばØrsted、Iberdrola、そして国内では九州電力などは、TCFDやTNFDといった国際的な情報開示フレームワークへの早期かつ積極的な対応に加えて、サプライチェーン全体での環境負荷低減や人権尊重といった課題にも真摯に取り組んでいる。Ørstedはサプライチェーンにおける人権管理や責任ある鉱物調達の重要性を強調しており 54、九州電力はCDPのサプライヤー・エンゲージメント評価において「リーダー」に選定されている 44。関西電力もTCFDやTNFDへの対応を進めているが 3、グリーン調達の推進 4 に留まらず、サプライヤーに対する環境・社会基準の設定、エンゲージメント活動の強化、監査体制の構築といった、より踏み込んだサプライチェーンマネジメントの取り組みとその成果を開示することが、さらなるESG評価の向上に繋がる可能性がある。
8. 現状の課題と提言
各重点分野における課題分析
関西電力の環境への取り組みは多岐にわたるが、各重点分野において克服すべき課題も存在する。
気候変動:
最大の課題は、依然として高い原子力発電への依存度と、それに伴う再稼働の不確実性である 3。また、火力発電、特に石炭火力の比率が高く、これが将来的に座礁資産となるリスクを抱えている。再生可能エネルギーの導入目標は設定されているものの 3、その達成に向けた取り組みの一層の加速が求められる。さらに、サプライチェーン全体での排出量、特にスコープ3排出量の削減に向けた具体的な道筋の明確化も今後の課題である。
資源循環:
産業廃棄物のリサイクル率99.5%以上という高い目標を掲げているが、舞鶴発電所での火災事例のように、予期せぬ事態によって目標達成が困難になるケースも発生しており 4、安定的な目標達成に向けた体制強化が求められる。プラスチック資源循環に関しては、本店一部フロアで開始されたペットボトルの水平リサイクル 4 を、全社的、グループ全体へと拡大していく必要がある。また、最終処分量のさらなる削減も継続的な課題である。
生物多様性:
TNFD提言に基づく具体的な情報開示の開始と、ネイチャーポジティブといった野心的な目標の設定が期待される 5。現状では、関電不動産開発の取り組みが比較的具体的であるが 9、関西電力本体の広範な事業活動、特に発電所や送配電インフラが生物多様性に与える影響評価と、それに対する緩和策の網羅性を高める必要がある。定量的な保全目標とその実績に関する情報開示の充実も求められる。
関西電力の環境パフォーマンス向上に向けた具体的かつ実行可能な提言
上記の課題分析を踏まえ、関西電力の環境パフォーマンスを一層向上させるために、以下の具体的かつ実行可能な提言を行う。
気候変動対策:
提言1:原子力発電に内在するリスクを十分に考慮し、その代替としての再生可能エネルギー(特に洋上風力発電および大規模太陽光発電)の開発目標を現行計画からさらに引き上げ、具体的なプロジェクトのパイプラインと詳細な投資計画を明示する。同時に、系統接続の円滑化や許認可取得プロセスの迅速化に向けて、関係省庁や地方自治体との連携を一層強化する。
提言2:石炭火力発電所の早期フェーズアウトに向けた具体的なロードマップを策定し、これを公表する。並行して、LNGへの燃料転換を計画的に進めるとともに、水素・アンモニア混焼・専焼技術の早期実用化と導入を加速する。CCUS技術に関しては、その経済合理性、エネルギー収支、環境への二次的影響(貯留場所の確保、漏洩リスク等)を慎重に評価し、適用範囲を限定的にするか、あるいはCO2排出を伴わない他の発電技術への投資を優先するか、戦略的な判断を明確にする。
提言3:スコープ3排出量の主要なカテゴリー、特にカテゴリ11「販売した製品の使用」(すなわち顧客による電力消費に伴う排出)に関して、具体的な削減目標を設定する。この目標達成のため、顧客向けのゼロカーボンソリューション(省エネサービス、電化提案、再エネ電力メニュー等)の普及を一層拡大し、その導入によるCO2削減効果を定量的に測定・報告する体制を強化する。
資源循環:
提言1:産業廃棄物のリサイクル率99.5%以上という高い目標を安定的に達成するため、事故や自然災害といった予期せぬ事態が発生した場合でも、廃棄物処理が滞らないよう、代替処理方法の確保やバックアップ体制の構築を進め、これらを事業継続計画(BCP)に明確に位置づける。
提言2:本店の一部フロアで開始されたペットボトルの水平リサイクルや、その他のプラスチック使用量削減・リサイクルに関するイニシアチブについて、関西電力の主要事業所やグループ会社全体に展開するための具体的なロードマップと数値目標(例:プラスチック廃棄物削減量、リサイクル率など)を設定し、その進捗を定期的に開示する。
提言3:グリーン調達方針をさらに強化し、主要なサプライヤーに対しても環境基準(例:CO2排出量削減目標、再生可能エネルギー利用率)や社会基準(例:人権尊重、労働安全衛生)の遵守を求める。サプライヤーとのエンゲージメントを通じて、サプライチェーン全体での環境負荷低減を推進し、調達金額に占めるグリーン購入比率や、サプライヤーの環境パフォーマンス評価結果などのKPIを設定・開示する。
生物多様性:
提言1:TNFDが提唱するLEAPアプローチ(Locate, Evaluate, Assess, Prepare)に基づき、自社の事業活動が自然資本(淡水、土壌、森林、海洋生態系など)へ与える依存度と影響度を、全社的かつ体系的に評価する。特にリスクが高いと特定された事業拠点や活動については、具体的な「ノーネットロス(NNL)」または「ネットポジティブインパクト(NPI)」目標を設定し、その達成に向けた戦略(影響の回避、最小化、生態系の回復・復元、そして最終手段としてのオフセット)を策定し、透明性をもって開示する。
提言2:発電所(水力、火力、原子力、再生可能エネルギー施設)や送配電網の計画・建設・運用・保守の各段階において適用する生物多様性ガイドラインを策定または既存のものを強化する。環境アセスメントの質の向上、生態系ネットワーク(コリドーなど)への配慮、希少種の保護策の徹底を図り、これらの取り組み実績(例:保全対象面積、回復した生息地の状況)を定量的に報告する。
提言3:生物多様性保全に資する技術開発やイノベーション(例えば、AIを活用したリアルタイム生態系モニタリングシステム、環境DNA分析による迅速な種特定技術、ドローンを用いた植生調査など)への投資を拡大し、保全活動の効率性と科学的根拠に基づく効果を高める。
関西電力が直面する課題は、個別の環境対策を実施することに留まらず、これらの対策を企業全体の戦略、特に財務戦略やリスク管理体制と深く、かつ有機的に結びつけることにある。例えば、TCFDが推奨するように、気候変動が将来の財務諸表に与える潜在的な影響を定量的に評価し開示することや、TNFDの視点を取り入れ、生物多様性の損失が事業継続に与えるリスクを具体的に評価することなどが求められる。これらの分析結果に基づいて、より的確な投資判断や経営判断を行う体制を強化することが、持続的な企業価値向上に不可欠である。上記の提言を実行に移すためには、先進的な技術開発への投資、大規模な設備投資の資金確保、規制当局や地域社会との建設的な対話と連携、そして何よりも従業員一人ひとりの環境意識の改革と専門能力の開発が不可欠となる。特に、再生可能エネルギーを主力電源へと転換していくプロセスや、水素・アンモニアといった次世代エネルギー技術を社会実装していく取り組みは、既存の事業モデルや組織文化からの大きな変革を伴う。したがって、経営トップによる強力なリーダーシップの発揮と、変革を推進するための効果的なチェンジマネジメント戦略が、これらの提言の成否を左右する鍵となるであろう。役員報酬へのESG指標の導入 3 はその一歩であるが、全従業員レベルでの意識向上と具体的な行動変容を促すためのインセンティブ設計や教育研修プログラムの充実が、持続的な環境パフォーマンス向上を実現する上で極めて重要である。
9. 競合他社の環境への取り組みとパフォーマンス分析
主要国内競合他社の特定
日本の大手電力会社としては、関西電力の他に、北海道電力、東北電力、東京電力ホールディングス、中部電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力が挙げられる 64。本分析では、特に関西電力と比較可能な規模や事業内容を持ち、環境情報開示が比較的進んでいる東京電力、中部電力、東北電力、九州電力、そして大手電力会社の燃料・火力発電事業を統合したJERAを主要な比較対象とする。
各社の環境戦略、気候変動対策、資源循環、生物多様性保全の取り組み比較
気候変動対策:
各社ともにカーボンニュートラル目標を掲げているが、その達成年や中間目標、戦略には差異が見られる。関西電力は2050年ゼロカーボンビジョンを掲げている 3。東京電力もカーボンニュートラル戦略を推進 24、中部電力は「ゼロエミチャレンジ2050」27、東北電力も「カーボンニュートラルチャレンジ2050」36、九州電力は「カーボンニュートラルビジョン2050」42、JERAは「JERAゼロエミッション2050」47 をそれぞれ目標としている。
電源構成の将来像については、各社とも再生可能エネルギーの比率拡大を目指しているが、原子力発電への依存度や火力発電のフェーズアウト計画には濃淡がある。関西電力は原子力を重要な選択肢と位置づけているが、九州電力も同様のスタンスである。中部電力やJERAは、高効率火力への転換や水素・アンモニア混焼、CCUS技術への投資を積極的に進めている。
資源循環:
廃棄物リサイクル率や最終処分量削減に関する目標と実績は、各社がサステナビリティレポート等で開示している。石炭灰や廃プラスチックといった主要な廃棄物に対する具体的な取り組みにも違いが見られる。例えば、関西電力は石炭灰の全量リサイクルやペットボトルの水平リサイクルに取り組んでいる 4。他社においても同様の取り組みが見られるが、その規模やリサイクル手法の高度さには差がある。サーキュラーエコノミー型のビジネスモデル導入事例は、電力業界全体としてはまだ限定的である。
生物多様性保全:
TNFDへの対応状況は各社で異なり、関西電力は対応を表明している 5。ネイチャーポジティブといった野心的な目標を掲げている企業は国内電力会社ではまだ少ない。具体的な保全活動としては、森林保全活動、発電所建設時の生態系配慮設計、地域社会との連携による環境美化活動などが共通して見られるが、その規模や内容、定量的な効果測定にはばらつきがある。生物多様性関連の認証取得状況も、主に不動産開発子会社など一部事業に限られるケースが多い。
情報開示の質と量:
統合報告書やサステナビリティレポートにおける環境情報の網羅性、具体性、定量データの充実度は、企業によって大きく異なる。TCFD提言に基づく開示は多くの企業で行われているが、TNFD提言への対応は緒に就いたばかりの企業が多い。
競合他社、特に九州電力や中部電力は、CDPやMSCIといった外部のESG評価機関から高いスコアを獲得している 29。この背景には、野心的かつ具体的な環境目標の設定、それを達成するための着実な行動計画の実行、そして積極的かつ透明性の高い情報開示があると考えられる。関西電力は、これらの企業のベストプラクティス、例えば九州電力の「カーボンニュートラルビジョン2050」達成に向けた詳細なアクションプラン 42 や、中部電力のTCFD・TNFD提言に基づく先進的な情報開示などを詳細に分析し、自社の戦略や開示内容に取り入れることで、外部評価の向上と実質的な環境パフォーマンス改善の両立を目指すことが可能である。JERAは、火力発電に特化した事業構造を持ちながらも、「ゼロエミッション2050」という野心的な目標を掲げ、水素・アンモニアの導入やCCUS技術の開発に積極的に取り組んでいる 47。これは、依然として火力発電の比率が高い関西電力にとって、特に火力発電部門の脱炭素化戦略を策定する上で重要な示唆を与える。ただし、JERAが推進する戦略は、大規模な技術転換と巨額の投資を伴うものであり、その技術的な実現可能性や経済合理性については、慎重な見極めが必要である。JERAの具体的な技術ロードマップ、投資計画、そして進行中の実証プロジェクトの進捗状況をベンチマークとして参照することで、関西電力自身の火力脱炭素化戦略の妥当性や競争力を客観的に評価することができるだろう。海外の先進的な電力会社、例えばデンマークのØrsted、米国のNextEra Energy、スペインのIberdrolaなどは、日本の電力会社よりも早期に、かつ大胆に再生可能エネルギーへのシフトや脱炭素化投資を進め、結果として高いESG評価を獲得している 53。これらの企業の成功要因、例えば、政府の政策支援を最大限に活用する戦略、技術革新への積極的な先行投資、地域社会との共生モデルの構築、そして効果的な資金調達戦略(グリーンボンドの活用など 57)などを詳細に分析し、関西電力がグローバルな視点での戦略を策定する際に活かすことが期待される。特に、Ørstedの洋上風力発電への特化戦略 53 や、Iberdrolaのスマートグリッドおよびグリーン水素への集中的な投資 62 は、事業ポートフォリオの戦略的転換の好例として参考になる。これらの企業の経営環境や市場メカニズムは日本と異なる部分もあるが、その戦略的な意思決定プロセスやリスクテイクの姿勢、ステークホルダーとのエンゲージメント手法などは、関西電力が取り入れ得る要素を多く含んでいる。
10. 環境スコアのベンチマーキング
CDPスコア
CDPは、企業の環境問題への取り組みを評価する国際的な非営利団体であり、そのスコアは投資家の重要な判断材料の一つとなっている。スコアは、リーダーシップレベル(A、A-)、マネジメントレベル(B、B-)、認識レベル(C、C-)、情報開示レベル(D、D-)、無回答(F)の段階で評価される 66。
関西電力のCDP気候変動スコアは、2024年4月時点でリーダーシップレベルに該当する「A-」評価を獲得している 67。
主要な国内競合他社のCDPスコア(主に2024年発表または最新情報に基づく)は以下の通りである。
東京電力ホールディングス:気候変動スコア「B」、水セキュリティスコア「A-」(2024年)25。
中部電力:気候変動スコア「Aリスト」企業に認定(2年連続ダブル認定との情報あり)29、水セキュリティスコア「A-」(2024年)30。
東北電力:気候変動スコア「B」、水セキュリティスコア「B」(2024年)37。
九州電力:気候変動スコア「Aリスト」企業に2年連続で選定(国内電気事業者として唯一)43。
JERA:直接的なCDPスコアの公表は見当たらないが、CDPの質問書に回答していることが示唆されている 49。 関西電力の「A-」評価は高い水準であるが、九州電力や中部電力の「Aリスト」評価には一歩及ばない。この差異は、目標設定の野心度、具体的な排出削減策の進捗とその効果、リスク管理体制の高度化、サプライチェーンエンゲージメントの状況、そして情報開示の透明性といった複数の要素が複合的に影響した結果と考えられる。特に、再生可能エネルギー導入のさらなる加速や、原子力発電に関連するリスクへの対応策の具体性、そしてサプライチェーン全体での排出量削減へのコミットメントなどが、評価の分岐点となっている可能性がある。
MSCI ESGレーティング
MSCI ESGレーティングは、企業の長期的なESGリスクへの対応力をAAAからCCCの7段階で評価するものである 68。
関西電力のMSCI ESGレーティングについては、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が採用するESG指数に組み入れられているとの記述があるものの 67、具体的な最新のAAA~CCCスケールでのレーティングは、公開情報からは限定的であった。MSCI Japan ESG Select Leaders Indexの構成銘柄リスト(2024年11月時点とされる資料)には、関西電力の記載は見当たらなかった 38。
主要な国内競合他社のMSCI ESGレーティングは以下の通りである(評価時期に注意が必要)。
東京電力ホールディングス:KnowESGによれば、電力業界139社中での評価は芳しくなく、「laggard(遅れている)」とされている 69。具体的なAAA~CCCスケールでの評価は最新資料では確認できなかった。
中部電力:2021年6月時点のMSCI Japan ESG Select Leaders Indexでは「BB」評価であったが 31、その後、同社資料内で3つの主要ESG評価機関(DJSI、MSCI、FTSE)全てで全体評価が向上したとの記述があり、改善が見られる 32。
東北電力:「BBB」評価(MSCI Japan ESG Select Leaders Index、2024年11月時点とされる資料)38。
九州電力:「A」評価(MSCI Japan ESG Select Leaders Index、2024年11月時点とされる資料)38。これは国内電力会社で最高水準の評価であるとされている 44。
JERA:直接的なMSCI ESGレーティングの情報は確認できなかった。CSRHubでは業界平均との比較が可能である 51。 MSCIの評価は、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の各側面を総合的に評価する。関西電力の場合、過去の不祥事とその後の業務改善計画の進捗 7 など、特にガバナンス側面での取り組みと実績がレーティングに影響を与えている可能性も考慮される。信頼回復とコンプライアンス体制の徹底 70 は、MSCI評価を含む全般的なESG評価向上に不可欠な要素である。
Sustainalytics ESGリスク評価
Sustainalyticsは、企業が直面する重要なESGリスク(Material ESG Issues: MEIs)へのエクスポージャー(晒され度合い)と、それらに対する管理状況を評価し、総合的なESGリスクレーティングを付与する。リスクレベルは、Negligible(無視できる)、Low(低い)、Medium(中程度)、High(高い)、Severe(深刻)の5段階で示される。
関西電力のSustainalyticsによるESGリスク評価は、40.1であり、「Severe(深刻)」リスクレベルに分類されている。電力業界(Utilities)内での順位は632社中474位であった(2025年4月30日更新時点)71。
主要な国内競合他社のSustainalytics ESGリスク評価は以下の通りである。
東京電力ホールディングス:68.5、「Severe(深刻)」リスクレベル(電力業界654社中654位、2023年9月7日更新時点)26。
中部電力:具体的な数値は不明だが、Sustainalytics調査において世界上位15%が属する「Outperformer」評価を獲得したとの情報がある 33。これは相対的にリスク管理が進んでいることを示唆する。
東北電力:37.6、「High(高い)」リスクレベル(電力業界654社中452位、2024年1月31日更新時点)39。
九州電力:40.2、「Severe(深刻)」リスクレベル(電力業界654社中492位)45。
JERA:直接的なSustainalyticsの評価スコアは確認できなかったが、同社はグローバルなESG評価機関の基準を参考に開示改善に努めていると述べている 52。 関西電力がSustainalyticsから「Severe」リスクと評価されている背景には、同社が直面する気候変動関連の移行リスク(特に石炭を含む火力発電への高い依存度)、気候変動による物理的リスク、そして原子力発電に関連する固有のリスクなどが複合的に影響していると考えられる 14。これらのリスクに対する具体的な管理策 14 の実効性を高め、その成果を定量的に、かつ透明性をもって開示していくことが、リスク評価の改善に向けた鍵となる。
11. 結論と今後の展望
分析結果の総括と関西電力の環境パフォーマンス評価
本報告書における分析の結果、関西電力は気候変動対策、資源循環、生物多様性保全の各分野において、多岐にわたるイニシアチブを展開し、一定の進捗と成果を上げていることが確認された。特に、「ゼロカーボンビジョン2050」の策定とそれに基づくロードマップの推進 3、石炭灰の有効活用を中心とした高い産業廃棄物リサイクル率の維持努力 4、そしてコウノトリ保護やビオトープ設置といった具体的な生物多様性保全活動 5 は評価されるべき点である。CDP気候変動スコアにおける「A-」評価 67 も、同社の気候変動への意識と取り組みがある程度国際的に認められていることを示している。
しかしながら、克服すべき課題も少なくない。気候変動対策においては、依然として原子力発電への依存度が高く、その再稼働を巡る不確実性が事業リスクとして存在する。また、石炭火力の比率も依然として高く、これが将来的な座礁資産となるリスクや、より野心的なCO2削減目標達成の足枷となる可能性が指摘される。再生可能エネルギーの導入は進められているものの、国内外の先進企業と比較すると、その目標の野心度や導入スピードにはさらなる向上の余地がある。
資源循環においては、高いリサイクル率を維持しつつも、予期せぬ事態への対応力強化や、プラスチック問題へのより包括的なアプローチが求められる。
生物多様性保全に関しては、TNFDへの対応表明は先進的であるが、具体的なネイチャーポジティブ目標の設定や、事業活動全体を通じた定量的評価、そして関西電力本体の広範な事業エリアにおける網羅的な保全戦略の策定と開示が今後の課題となる。
競合他社や業界のベストプラクティスとの比較からは、関西電力の相対的なポジションが明らかになる。特に九州電力や中部電力は、CDP評価などで高いリーダーシップを示しており 29、これらの企業からは目標設定の具体性や情報開示の透明性において学ぶべき点が多い。海外の先進企業、例えばØrstedやIberdrolaは、より早期から大胆な事業ポートフォリオの転換と巨額の環境投資を実行し、高いESG評価と新たな成長機会を獲得している 53。
持続可能な社会の実現に向けた関西電力への期待と展望
ゼロカーボン社会、循環型経済、そして自然共生社会への移行期において、エネルギー供給を担う電力会社の役割と責任は極めて大きい。関西電力には、これらの社会変革を牽引するリーディングカンパニーとなることが期待される。
今後の戦略的優先事項としては、第一に、再生可能エネルギーへの投資を一層加速させ、電源構成のクリーン化を断行すること。第二に、原子力発電のリスク管理を徹底しつつ、その将来的な位置づけについて社会との対話を深め、透明性の高い情報開示を行うこと。第三に、資源循環においては、3Rの徹底からサーキュラーエコノミー型ビジネスモデルへの展開を視野に入れること。第四に、生物多様性保全においては、TNFDフレームワークを本格的に導入し、自然資本への依存と影響を定量的に評価し、ネイチャーポジティブへの具体的な貢献目標を設定・実行することである。
これらの取り組みを実効性あるものとするためには、イノベーションの推進が不可欠である。次世代エネルギー技術、高度なリサイクル技術、AIを活用した環境モニタリング技術などへの積極的な研究開発投資と、オープンイノベーションを通じた外部知見の活用が求められる。また、顧客、地域社会、投資家、従業員といった多様なステークホルダーとの建設的なエンゲージメントを通じて、環境戦略への理解と協力を得ることが重要である。そして何よりも、これらの取り組みの進捗と成果を、定量的かつ透明性の高い情報開示を通じて社会に示し続けることが、信頼の獲得と企業価値の向上に繋がる。
関西電力の環境パフォーマンスは、一定の進展を見せつつも、特に気候変動対策における原子力への依存構造の再評価と、生物多様性保全における定量目標の具体化という点で、さらなる変革と深化が求められる。これらの根源的な課題への真摯な対応が、今後のESG評価および長期的な企業価値を大きく左右するであろう。環境課題への対応は、もはや単なる企業の社会的責任(CSR)活動の一環ではなく、事業戦略そのものであるという認識を全社的に徹底する必要がある。関西電力が「ゼロカーボンエネルギーのリーディングカンパニー」14 を真に目指すのであれば、環境関連投資を単なるコストではなく、将来の成長機会を創出するための戦略的投資と捉え、より大胆な経営資源の配分とイノベーションの推進を行うことが、持続的な成長と社会への貢献を両立させる唯一の道となる。
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Story 07 炭素会計4つ目のステップ: 「情報開示」とは? - 中部電力ミライズ, 5月 10, 2025にアクセス、 https://miraiz.chuden.co.jp/business/carbon-free_solution/column/07/
中部電力グループレポート, 5月 10, 2025にアクセス、 https://www.chuden.co.jp/resource/csr/csr_report/chudenGR2024_all.pdf
中部電力グループレポート, 5月 10, 2025にアクセス、 https://www.chuden.co.jp/resource/csr/csr_report/chudenGR2023_all.pdf
INTEGRATED REPORT - 東北電力, 5月 10, 2025にアクセス、 https://www.tohoku-epco.co.jp/ir/report/integrated/pdf/tohoku_integrated2024_jp.pdf
気候変動・自然資本関連の情報開示(TCFD/TNFD提言への対応) | サステナビリティ | JERA, 5月 10, 2025にアクセス、 https://www.jera.co.jp/sustainability/tcfd
ESG Ratings & Climate Search Tool - MSCI, 5月 10, 2025にアクセス、 https://www.msci.com/our-solutions/sustainability-investing/esg-ratings-climate-search-tool
太陽誘電:MSCI ESG格付けで「AA」評価に格上げ|ニュース, 5月 10, 2025にアクセス、 https://www.yuden.co.jp/jp/news/category/msci_esgaa.html
外部評価・受賞|会社案内 - 東急不動産ホールディングス, 5月 10, 2025にアクセス、 https://www.tokyu-fudosan-hd.co.jp/about/award/
2023年 | 企業・IR - ソフトバンク, 5月 10, 2025にアクセス、 https://www.softbank.jp/corp/news/info/2023/
Asian Utilities Engagement Program - Asia Investor Group on Climate Change, 5月 10, 2025にアクセス、 https://aigcc.net/wp-content/uploads/2024/09/AIGCC-AUEP-2023-2024-Year-in-Review_Web.pdf
1月 1, 1970にアクセス、 https://www.kyuden.co.jp/csr_environment_index.html
2023年 | 19,875,000t-CO2 |
2022年 | 23,043,000t-CO2 |
2021年 | 23,771,000t-CO2 |
2023年 | 2,000t-CO2 |
2022年 | 5,000t-CO2 |
2021年 | 5,000t-CO2 |
2023年 | 32,366,000t-CO2 |
2022年 | 31,261,000t-CO2 |
2021年 | 19,242,000t-CO2 |
スコープ1+2 CORの過去3年推移
2023年 | 4,897kg-CO2 |
2022年 | 5,832kg-CO2 |
2021年 | 8,337kg-CO2 |
スコープ3 CORの過去3年推移
2023年 | 7,973kg-CO2 |
2022年 | 7,910kg-CO2 |
2021年 | 6,747kg-CO2 |
スコープ1+2のCOA推移
2023年 | 2,201kg-CO2 |
2022年 | 2,627kg-CO2 |
2021年 | 2,747kg-CO2 |
スコープ3のCOA推移
2023年 | 3,583kg-CO2 |
2022年 | 3,563kg-CO2 |
2021年 | 2,223kg-CO2 |
2023年 | 4兆594億円 |
2022年 | 3兆9519億円 |
2021年 | 2兆8519億円 |
2023年 | 4,419億円 |
2022年 | 177億円 |
2021年 | 858億円 |
2023年 | 9兆329億円 |
2022年 | 8兆7744億円 |
2021年 | 8兆6564億円 |
すべての会社と比較したポジション
業界内ポジション
CORスコープ1+2
CORスコープ3
CORスコープ1+2
CORスコープ3
COAスコープ1+2
COAスコープ3
COAスコープ1+2
COAスコープ3