GX RESEARCH
更新日: 2025/6/5

東北電力

9506.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン電気・ガス業
環境スコア160
売上
2,817,813百万円
総資産
5,388,723百万円
営業利益
322,263百万円

COR(売上高炭素比率)

年間CO2排出量(kg)÷ 売上高(百万円)
Scope1+2
11,981kg
Scope3
5,928kg

COA(総資産炭素比率)

年間CO2排出量(kg)÷ 売上高(百万円)
Scope1+2
6,265kg
Scope3
3,100kg

Scope1

事業者自らによる直接排出
33,760,000t-CO2
2023年実績

Scope2

エネルギー消化に伴う間接排出
1,000t-CO2
2023年実績

Scope3

事業者の活動に関連する他社の排出
16,705,000t-CO2
2023年実績

スコープ3カテゴリー別データ

カテゴリー2021年度2022年度2023年度
1購入した製品・サービス
274,000
331,000
(57,000)
937,000
(606,000)
2資本財
159,000
504,000
(345,000)
1,310,000
(806,000)
3燃料・エネルギー関連活動
13,130,000
12,953,000
(177,000)
13,734,000
(781,000)
4輸送・配送(上流)
18,000
2,000
(16,000)
1,000
(1,000)
5事業から発生する廃棄物
8,000
18,000
(10,000)
16,000
(2,000)

国際イニシアティブへの参加

SBT
RE100
EV100
EP100
UNGC
30by30
check
GXリーグ

ガバナンス・フレームワーク開示

check
サステナビリティ委員会
check
TCFD・IFRS-S2
TNFD
潜在的環境財務コスト(シナリオ別試算)
2023年度排出量データ: スコープ1(3376万t)、 スコープ2(1,000t)、 スコープ3(1671万t)
低コストシナリオ
想定単価: 3,000円/t-CO₂
スコープ1:1012.8億円
スコープ2:3百万円
スコープ3:501.1億円
総額:1514億円
売上高比率:5.37%
中コストシナリオ
想定単価: 5,000円/t-CO₂
スコープ1:1688億円
スコープ2:5百万円
スコープ3:835.3億円
総額:2523.3億円
売上高比率:8.95%
高コストシナリオ
想定単価: 10,000円/t-CO₂
スコープ1:3376億円
スコープ2:10百万円
スコープ3:1670.5億円
総額:5046.6億円
売上高比率:17.91%
※潜在的環境財務コストは、仮想的なカーボンプライシングシナリオをもとに算出した参考値です。

環境への取り組み

ハヤブサ生育環境保全

新仙台火力発電所ハヤブサ生育環境保全:10年目で3羽巣立ち

東北電力は、新仙台火力発電所において10年目となるハヤブサの生育環境保全活動を実施。発電所構内に人工巣を設置するなど、安全な営巣場所を提供し繁殖を支援している。2024年には3羽の雛が無事に巣立ち、生物多様性保全への貢献を示した。同社は今後も事業活動が生物多様性に与える影響の回避・最小化に努める方針である 。

気候変動関連のリスク・機会

※掲載情報は公開資料をもとに作成しており、全てのリスク・機会を網羅するものではありません。 より詳細な情報は企業の公式発表をご確認ください。

リスク

移行リスク

規制強化による火力発電コスト増大が最大の懸念材料です。特にカーボンプライシング導入は財務への直接的影響が大きく、非化石証書購入コスト(例:1億kWhで0.6億円)や、化石燃料からのダイベストメント加速による資金調達コスト増、株価下落のリスクも無視できません。分散型電源普及による市場競争力低下も注視すべき点です。

物理的リスク

気象災害の激甚化による発電・送配電設備への物理的被害増大が懸念されます。特に大雨による浸水被害や計画外停止の発生は、安定供給と復旧コストの両面で影響が大きいでしょう。また、降水パターン変化や積雪量減少に伴う渇水は、重要なベースロード電源である水力発電の発電量減少リスクを高めます。

機会

EV普及など電化率向上に伴う電力需要増は大きな収益機会です 。再エネや原子力といった非化石電源の競争力向上も追い風となるでしょう。また、火力発電の稼働抑制による燃料費削減効果(例:女川2号機再稼働で年600億円程度)に加え、再エネ関連サービスや省エネソリューション提供といった新規事業領域の拡大も期待されます。

目標

最重要目標は2050年カーボンニュートラル達成です。中間目標として、2030年度までにCO2排出量を2013年度比で半減させるという野心的な数値を掲げています。これを支える再エネ開発目標として、2030年代早期までに200万kW以上の開発を目指しています。

環境アナリストレポート

東北電力株式会社の環境パフォーマンスに関する学術的分析レポート

序論

東北電力の事業概要とエネルギー業界における位置づけ

東北電力株式会社(以下、東北電力)は、東北6県および新潟県を主要な供給区域とする大手電力会社である。その事業は、発電、送配電、小売電気事業を核とし、地域社会の基盤を支えるエネルギー供給を使命としてきた 1。創立以来、「東北の繁栄なくして当社の発展なし」という地域共生の理念を掲げ、地域社会の持続的な発展と共に成長することを目指してきた 3。日本のエネルギー政策が2050年カーボンニュートラル達成に向け大きく舵を切る中、東北電力もまた、再生可能エネルギーの導入拡大や既存電源の脱炭素化といった課題に直面している 4。電力会社は温室効果ガス排出量の削減、資源の有効活用、そして事業活動が及ぼす生態系への影響低減といった環境課題への対応において、極めて重要な役割を担っている。

環境問題への取り組みの重要性と本報告書の目的・構成

近年、気候変動、資源枯渇、生物多様性の損失といった地球規模の環境問題は深刻化しており、企業、特にエネルギー産業に対する社会的な要請は高まっている。投資家や金融機関はESG(環境・社会・ガバナンス)要素を投資判断の重要な基準とし 8、規制当局や顧客、地域社会も企業の環境パフォーマンスに対する監視を強めている。このような背景から、電力会社にとって環境への取り組みは、単なる法令遵守やリスク管理に留まらず、企業価値の維持・向上、そして持続的な成長のための根幹的な経営課題となっている 3

本報告書は、東北電力の環境への取り組み、特に「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の3分野に焦点を当て、その戦略、具体的な活動、実績、そして課題を学術的な視点から包括的に分析することを目的とする。分析にあたっては、同社が発行する統合報告書やサステナビリティデータブックなどの公式情報 12、および外部機関による評価や競合他社の動向に関する公開情報を参照し、環境スコアリングに必要な詳細情報を提供することを目指す。報告書の構成は、第1部で東北電力の環境戦略とガバナンス体制を概観し、第2部で気候変動、資源循環、生物多様性の各分野における具体的な取り組みと実績を詳述する。第3部では、業界の先進事例との比較、現状の課題、そして今後の推奨事項を考察し、第4部では主要な競合他社との比較分析を行う。最後に、結論として全体の分析結果を要約し、参考文献リストを提示する。

第1部:東北電力の環境戦略とガバナンス

1.1 環境方針と重要課題(マテリアリティ)

東北電力グループ環境方針

東北電力グループは、環境活動の基本理念として「東北電力グループ環境方針」を定めている。この方針は、「環境行動四原則」として具体化されており、第一に「地球の恵みに感謝し、限りある資源を大切に使う」、第二に「自然環境への影響を抑制する」、第三に「豊かな自然環境を守り、共生する」、第四に「みなさまとともに、考え、行動する」ことを掲げている 17。この方針は、環境に配慮したエネルギーサービスを通じて、地域社会や顧客と共に、未来世代が安心して暮らせる持続可能な社会を目指すという、同グループの基本的な姿勢を示している 17

サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)の特定

東北電力グループは、サステナビリティを推進する上で優先的に取り組むべき課題として「サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)」を特定している。この特定プロセスは、外部環境と内部環境の分析に基づく課題の洗い出しから始まり、次に「東北電力グループにとっての重要度」と「ステークホルダーにとっての重要度」の二軸で評価が行われる 11。ステークホルダーの重要度評価においては、顧客、地域社会、株主・投資家、取引先、従業員という5つの主要ステークホルダーからの意見(アンケートや対話を通じて収集)が反映される 11。これらの評価と経営層の意見を踏まえ、重要度の高い課題が絞り込まれ、最終的に外部有識者との意見交換を通じて妥当性が検証される 11。特定されたマテリアリティには、気候変動への対応、資源循環型社会への貢献、生物多様性の保全などが含まれており、これらは同社の環境戦略の核となっていると考えられる 3

グループスローガンとの連携

東北電力グループの環境方針とマテリアリティは、同社の経営理念である「地域社会との共栄」およびグループスローガン「より、そう、ちから。」と深く結びついている 1。これは、環境への取り組みが単なる外部からの要請に応えるものではなく、企業の根幹的な価値観であり、地域社会への貢献を通じて自社の持続的な発展を目指すという経営哲学に基づいていることを示唆している。特に、「東北の繁栄なくして当社の発展なし」という創業以来の考え方 3 と、「より、そう、ちから。」という地域に寄り添う姿勢 1 をサステナビリティの文脈で強調することは、環境活動を地域社会との共生や信頼関係構築の重要な要素として位置づけていることの表れである。多くの企業がESGをコンプライアンスやリスク管理の側面から捉えがちな中で、東北電力は自社の存在意義や地域との関わりの中に環境課題への取り組みを明確に組み込んでいる。この戦略的な位置づけは、特に原子力発電所や大規模火力発電所といった社会的な受容性が問われるインフラを運営する上で、地域社会からの理解と支持を得るための重要な基盤となり得るだろう。

1.2 環境推進体制と気候関連情報開示

推進体制

東北電力グループにおけるサステナビリティ推進体制は、経営トップの関与を明確に示す形で構築されている。社長執行役員が議長を務める「サステナビリティ推進会議」および「カーボンニュートラル推進会議」が、グループ全体のサステナビリティ戦略や気候変動対策に関する方針決定と進捗管理の中心的な役割を担っている 17。これらの会議での議論結果は取締役会に報告され、取締役会が気候関連リスクと機会の認識、対応策の検討、目標の進捗状況のモニタリングと監督を行うことで、経営戦略への統合を図っている 17。さらに、2023年にはサステナビリティ分野の社外有識者3名で構成される「サステナビリティ・アドバイザリーボード」を新設し、サステナビリティ担当役員の諮問機関として外部の視点を取り入れる仕組みを導入している 3。グループ企業間の連携は、「東北電力グループサステナビリティ連絡会」等を通じて図られている 18

TCFD提言に基づく開示

東北電力は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、その枠組みに沿った情報開示を進めている 14。統合報告書やサステナビリティデータブックにおいて、TCFDが推奨する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの開示項目に対応した情報を提供している 14。特に「戦略」の項目では、気候変動が事業に与える影響を評価するために、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)などが示す複数の気候関連シナリオ(1.5℃目標達成シナリオや4℃上昇シナリオなど)を参照したシナリオ分析を実施し、その結果に基づいたリスクと機会の特定、および対応策を記述している 17

TNFDへの対応

気候変動に加えて、自然資本や生物多様性に関する財務情報開示の重要性も高まっている。これに対応する枠組みとしてTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)が登場している。東北電力グループにおいては、関連会社である東北緑化環境保全株式会社が2024年4月に「ネイチャーポジティブ宣言」を表明しており 19、グループ全体としてもTNFD提言に基づく情報開示を将来的に実施する意向を示している 21

これらの体制整備と情報開示への取り組み、特に外部有識者を招聘したサステナビリティ・アドバイザリーボードの設置 3 や、TCFDへの早期対応とTNFDへの対応計画 17 は、東北電力がESG課題を経営の重要事項として捉え、国際的な開示基準の変化に積極的に対応しようとする姿勢を示している。単なる内部委員会に留まらず外部の知見を取り入れることは、サステナビリティ戦略の客観性と信頼性を高める試みと言える。また、TCFDやTNFDといった先進的なフレームワークへの対応は、投資家や規制当局からの高度なリスク・機会評価要求に応えるものであり、基本的なコンプライアンスを超えた戦略的なESG経営への移行を示唆している。

第2部:主要環境課題への取り組みと実績

2.1 気候変動への対応

2.1.1 目標と戦略

東北電力グループは、気候変動問題を最重要課題の一つと認識し、「カーボンニュートラルチャレンジ2050」を宣言、2050年までにグループ全体の温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指している 1。この長期目標達成に向けた中間目標として、2030年度までにCO2排出量を2013年度実績比で半減させるという野心的な目標を設定している 17

これらの目標達成のための戦略は、以下の3つの柱で構成されている。第一に「再生可能エネルギーと原子力の最大限の活用」、第二に「火力発電の脱炭素化」、そして第三に「電化の推進とエネルギー利用の最適化」である 1。これらの戦略推進においては、安全性(Safety)を大前提としつつ、エネルギーの安定供給(Energy Security)、経済性(Economic Efficiency)、環境保全(Environment)のバランスを追求する「S+3E」の観点が基本的な考え方として重視されている 4

しかしながら、このS+3Eの枠組みは、2030年や2050年のカーボンニュートラル目標達成との間に本質的な緊張関係を生じさせる可能性がある。特に、2030年度までにCO2排出量を半減させるという目標 17 は、現在の火力発電への依存度 4 を考えると、極めて挑戦的である。目標達成には、火力発電の大幅な削減や転換が不可避であるが、これは短期的な経済性(Economic Efficiency)や電力の安定供給(Energy Security)との間でトレードオフを生む可能性がある。原子力発電所の再稼働遅延や、再生可能エネルギー導入に伴う系統安定化コストの増大、供給の不安定化といった課題が顕在化した場合、S+3Eのバランスを維持しながら環境(Environment)目標を達成することは一層困難になる。この点が、東北電力の気候変動戦略における核心的な課題の一つと考えられる。

2.1.2 具体的な取り組み

再生可能エネルギーの導入拡大

東北電力グループは、2030年代早期までに200万kW以上の再生可能エネルギー開発を目指しており、その達成に向けて陸上・洋上風力、太陽光、バイオマス、地熱など多様な電源の開発や事業参画を進めている 17。2024年3月末時点での持分出力累計は約80万kWに達している 17。大規模電源の自社開発強化や開発エリアの拡大に加え、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う出力変動に対応するため、電力ネットワークの高度化や、需要家側のエネルギーリソースを束ねて制御するVPP(仮想発電所)の活用も推進している 17。また、地域金融機関(例:七十七銀行)との連携協定を通じて、地域における再生可能エネルギー導入支援(自家消費型太陽光発電のPPAモデル提供など)も行っている 29

原子力発電の活用

カーボンニュートラル達成に向けた重要な選択肢として、原子力発電の最大限活用を方針としている 17。安全確保を大前提とし、女川原子力発電所2号機の再稼働準備を進めるとともに、東通原子力発電所1号機の再稼働も目指している 17。これらの再稼働は、CO2排出量削減とエネルギー安定供給の両立に不可欠な要素と位置づけられている 30

火力発電の脱炭素化

既存の火力発電については、高効率化と脱炭素化を進めている。老朽化した発電所の計画的な廃止(例:東新潟火力発電所1・2号機、秋田火力発電所4号機)を進める一方 17、高効率なコンバインドサイクル発電設備へのリプレースも計画している(例:東新潟火力発電所1号機リプレース計画)17。ただし、このリプレース計画に対しては、再生可能エネルギーへの転換や廃止を検討すべきとのNGOからの意見も提出されている 31。将来的には、燃焼時にCO2を排出しない水素やアンモニアの混焼・専焼技術の導入 4、およびCO2回収・貯留(CCS)やCO2回収・利用(CCUS)技術の適用も視野に入れている 17

電化推進とエネルギー利用最適化

供給側の脱炭素化と並行して、需要側のエネルギー利用の変革も推進している。家庭や産業における電化を促進し、脱炭素化された電力を活用する領域を拡大することを目指す 17。具体的には、家庭向けの太陽光発電・蓄電池サービスの提供や、電気自動車(EV)の普及促進支援 4、法人顧客向けの省エネルギー診断やエネルギーマネジメントシステム(例:エグゼムズ)の提供 29、スマートメーターを活用したデマンドレスポンスなど、エネルギー利用の効率化・最適化に資するサービスを展開している 4

2.1.3 実績データ

東北電力グループのCO2排出実績を見ると、2022年度の排出量は3,989万トンであったのに対し、2023年度は4,036万トンと微増している 17。これは、2030年の半減目標達成に向けては課題が残る状況を示している。2013年度の基準排出量に対する削減進捗を評価するにはその数値が必要となるが、単年度での増加は、原子力再稼働の遅れや再生可能エネルギー導入ペース、火力発電への依存度などの要因が複合的に影響している可能性がある。

Scope別の排出量(2023年度)では、Scope1(直接排出)が3,376.0万トン、Scope2(間接排出、マーケット基準)が0.1万トン、Scope3(その他間接排出)が1,670.5万トンと報告されている 17。Scope1排出量が大部分を占めており、発電段階での脱炭素化が最重要課題であることが改めて確認できる。

再生可能エネルギーの開発状況については、2024年3月末時点で持分出力累計が約80万kWであり、2030年代早期の200万kW以上という目標達成に向けては、開発ペースの加速が必要である 17

火力発電所の環境負荷低減に関しては、NOx(窒素酸化物)排出原単位が2023年度で0.18 g/kWh、SOx(硫黄酸化物)排出原単位が同0.10 g/kWhと報告されており、排出抑制努力が続けられていることがうかがえる 17

2023年度のCO2排出量が前年度比で増加した 17 事実は、2030年のCO2半減目標達成に向けた道のりが平坦ではないことを示している。この背景には、目標達成の鍵となる女川原子力発電所2号機の再稼働がこの期間には実現していなかったことや、再生可能エネルギーの導入・活用が計画通りに進んでいない可能性、あるいは電力需要の変動に応じて火力発電所の稼働が増加したことなどが考えられる。目標達成には、原子力再稼働の確実な実現、再生可能エネルギー導入の加速、そして火力発電の脱炭素化策(混焼、CCS等)の早期具現化が不可欠である。

2.1.4 気候関連リスクと機会

東北電力はTCFD提言に基づき、気候変動に関連するリスクと機会を1.5℃シナリオ(脱炭素化が進展する世界)と4℃シナリオ(対策が不十分な世界)を用いて分析している 17

リスクとしては、1.5℃シナリオにおける移行リスクが重要視されている。具体的には、カーボンプライシング導入など温室効果ガス排出規制強化に伴う火力発電コストの上昇 3、化石燃料からのダイベストメント(投資引き揚げ)加速やそれに伴う資金調達コストの増加、株価の下落 3、分散型電源の普及による従来型電源の市場競争力低下 3 などが挙げられている。一方、4℃シナリオでは物理リスクが顕在化する。気象災害の激甚化による発電・送配電設備の被害増大や計画外停止の発生 3、降水パターンの変化や積雪量減少に伴う渇水による水力発電量の減少 3 などが想定されている。これら物理リスクに対しては、設備の強靭化(防水壁設置、重要機器嵩上げ、浚渫等)や災害対応訓練による復旧力強化で対応する方針である 17

機会としては、1.5℃シナリオにおいて、EV普及など電化率向上に伴う電力需要の増加 3、非化石電源の競争力向上による収益機会の拡大 17 が期待されている。また、火力発電の稼働抑制による燃料費の低減 3 や、再生可能エネルギー関連サービス、省エネルギーソリューション、系統安定化技術などの新たな事業機会 25 も認識されている。

財務影響については、非化石証書購入コスト(例:1億kWhで0.6億円)、原子力再稼働による燃料費削減効果(女川2号機で年600億円程度、東通1号機で年400億円程度)、電力料収入や金利変動に対する感応度分析などの試算例が示されている 17

特に注目すべきは、移行リスクとして認識されているカーボンプライシング導入や化石燃料ダイベストメントの影響である 3。日本におけるカーボンプライシングは段階的に導入が進められている状況であるが 32、東北電力の現在の電源構成における火力発電への依存度 4 を考慮すると、政策の加速や投資家の化石燃料に対する姿勢がより厳格化した場合、財務的な影響が急速に拡大する可能性がある。したがって、同社の財務パフォーマンスは、今後の政策動向と、自社の脱炭素化戦略(再生可能エネルギー、原子力、火力脱炭素化の3本柱)の実行速度に大きく左右される構造にあると言える。

2.2 資源循環への取り組み

2.2.1 基本方針と目標

東北電力グループは、環境行動四原則の一つ「地球の恵みに感謝し、限りある資源を大切に使います」 17 に基づき、資源の有効活用と循環型社会の形成に向けた取り組みを推進している。具体的には、廃棄物の発生抑制(Reduce)、再利用(Reuse)、再生利用(Recycle)を意味する3R活動への継続的な取り組みを基本方針としている 24。明確な数値目標の設定状況は確認できなかったものの、高いリサイクル率の達成を目指していることがうかがえる。

2.2.2 具体的な取り組み

石炭灰・副産物のリサイクル

火力発電所の主要な副産物である石炭灰については、セメント原料や路盤材、土木資材などへの有効利用を推進している。(これは電力業界における一般的な取り組みであり、東北電力も同様の活動を行っていると推察されるが、提供された資料には具体的な記述が少ない。)

使用済み太陽光パネルのリサイクル・リユース

近年、特に注力しているのが、将来的な大量廃棄が懸念される使用済み太陽光パネルへの対応である。東北電力は、この分野で先進的な役割を担っており、太陽光パネルのリユース・リサイクルを推進する業界団体「PV CYCLE JAPAN(PVCJ)」に特別会員(現在は正会員 27)として参画し、さらにその実行機関である「地域収集モデル検討委員会」の委員長を務めている 27。委員会では、使用済みパネルや関連資源の効率的な収集システムの構築、適正なリユース・リサイクルルートの確立、そしてリユースパネルの二次市場開拓などを主導し、持続可能な廃棄物管理スキームの構築を目指している 38

加えて、環境省の「国内資源循環体制構築に向けた再エネ関連製品及びベース素材の全体最適化実証事業」において、東北電力は代表事業者として採択され、使用済み太陽光パネルの適正処理スキーム構築に向けた実証を進めている 27。この実証事業では、①国内に設置されている多様なパネルの材料構成データの収集・データベース化、②異なる型式のリユースパネルを組み合わせた発電設備の設置・運転データ取得による性能検証、③パネルの長期使用可能性(余寿命)を予測する診断手法の確立、そして④パネル情報をデジタルで管理・追跡する「デジタル・プロダクト・パスポート(DPP)」の運用効果検証など、多岐にわたる課題に取り組んでいる 27

その他の廃棄物削減・リサイクル

その他の廃棄物に関しても、多様なリサイクル活動を展開している。電柱の転倒防止材「ねかせ」として廃プラスチックを再生利用する取り組み 4、変電所や送電線工事で発生する伐採木をチップ化しバイオマス燃料として活用する取り組み 4、配電用資機材の修理・再利用や使用済み電線の再生利用 4 などが挙げられる。グループ会社の東北発電工業株式会社も、コンクリートがらや金属くず、木くず、紙くずなどの産業廃棄物の適正処理と再資源化を推進している 37

水資源の有効活用

水力発電所の改修による発電効率向上を通じて、水資源の有効活用を図っている 4。また、発電所等における取水量や排水量の管理も行われている 17

2.2.3 実績データ

東北電力グループの2023年度における産業廃棄物全体のリサイクル率は85.5%であった 17。石炭灰を除いた産業廃棄物のリサイクル率は95.5%に達しており、高い水準を維持している 17。廃プラスチック類については、2023年度に1,094.1トン排出し、そのうち80.2%が再資源化された 17。グループ会社の東北発電工業では、コンクリートがらで98%、金属くずで94%、木くずで75%、紙くずで90%(いずれも2023年度)という高い再資源化率を達成している品目もある 37。水使用量に関するグループ全体の詳細データは限定的であるが、環境負荷低減に向けた管理が行われている 17

これらの実績の中でも、使用済み太陽光パネル問題への先進的な取り組みは特筆に値する。将来的に年間数十万トン規模の排出が見込まれる 38 この課題に対し、東北電力が業界団体(PVCJ)での主導的な役割や、技術開発・情報基盤整備を含む環境省の実証事業を推進していること 27 は、単なる廃棄物管理を超えた戦略的な動きと評価できる。これは、再生可能エネルギーの持続可能性を確保する上で不可欠な取り組みであり、将来的にこの分野での技術的知見やサービス提供能力を確立することで、新たな事業機会に繋がる可能性も秘めている。

2.3 生物多様性保全への取り組み

2.3.1 基本方針とネイチャーポジティブへの貢献

東北電力グループは、環境行動四原則の一つとして「豊かな自然環境を守り、共生します」と掲げ 17、事業活動が自然環境に与える影響を認識し、その保全に努めている。電気事業連合会が定める「電気事業における生物多様性行動指針」にも整合した取り組みを進めている 36

近年注目される「ネイチャーポジティブ」(自然再興:生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せること)の概念に対しても、グループとして関与を深めている。関連会社の東北緑化環境保全株式会社(TRK)は、2024年4月に「ネイチャーポジティブ宣言」を行い、調査・分析から環境創造、情報発信支援まで一貫したサービス提供を通じてネイチャーポジティブの実現に貢献する方針を表明した 19。グループ全体としても、将来的にはTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに基づく情報開示を検討しており 21、生物多様性保全への取り組みを強化していく姿勢がうかがえる。

2.3.2 具体的な取り組み

発電所等における生態系配慮

東北電力グループは、発電所や送配電設備の建設・運用において、地域の生態系への影響を最小限に抑えるための多様な配慮を行っている。

水力発電所においては、サケなどの魚類がダムや堰を越えて遡上・降下できるよう、魚道を設置・管理している 4

火力発電所では、希少猛禽類であるハヤブサの生息環境保全のため、構内に人工巣を設置し、その繁殖を支援している。新仙台火力発電所では10年以上にわたりこの活動が継続され、2024年には3羽の雛が無事巣立ったことが報告されている 4。また、発電所周辺の水質や大気質を定期的に調査し、環境基準の遵守と保全対策を実施している 4

送配電設備に関しては、鳥類の電線への衝突や感電事故を防ぐための対策(例:識別装置の取り付け、絶縁カバー設置など)や、野生動物が安全に道路等を横断できるようアニマルパスウェイを設置するなどの取り組みが見られる 36

さらに、東通原子力発電所構内においては、貴重な湿原生態系が存在しており、その保全活動も行われている 36

緑化活動と森林保全

送電鉄塔の建設後には、周辺環境との調和を図るために緑化工事を実施している 4。また、過去には東日本大震災で被災した地域の海岸防災林の再生支援活動などにも取り組んできた 36。地域社会との協働としては、夏場の省エネと緑化を目的とした「緑のカーテン」の普及活動なども行われている 36。グループ会社のTRKは、緑地整備や維持管理、環境アセスメント、自然再生やビオトープ創出支援など、専門的な知見を活かした幅広い環境保全事業を展開している 19

環境教育

発電所併設のPR館などを活用し、地域住民や次世代を対象に、エネルギーや環境、生物多様性の重要性に関する情報発信や学習機会の提供を行っている 36

2.3.3 実績データ

生物多様性に関する取り組みの定量的な実績データは、気候変動分野と比較すると限定的である。新仙台火力発電所におけるハヤブサの巣立ち数(2024年に3羽)44 や、TRKが実施した再生可能エネルギー関連の環境アセスメント件数(過去に20件以上)20 など、個別のプロジェクトに関する報告は見られる。しかし、魚道の設置数や効果、森林保全活動による具体的な面積や効果、送配電網が生物多様性に与える全体的な影響評価とその緩和策の定量的効果など、事業活動全体を通じた生物多様性へのインパクトや保全活動の網羅的な成果を示すデータは、提供された情報からは十分に確認できない。発電所等の緑地率に関するデータも、競合他社(例:関西電力 47)では開示事例があるものの、東北電力に関する具体的な数値は見当たらなかった。

このように、東北電力はハヤブサ保護 44 や魚道設置 36 など、具体的な生物多様性保全活動を実施しているものの、その報告は現状では個別事例の紹介に留まる側面がある。気候変動分野ではCO2排出量という標準化された指標とTCFDという国際的な開示枠組みが存在するのに対し、生物多様性分野では影響評価や成果測定の手法が発展途上であることも背景にあると考えられる。しかし、グループ会社によるネイチャーポジティブ宣言 19 やTNFDへの対応検討 21 は、今後、より体系的かつ定量的な生物多様性への取り組みと情報開示へと進展していく可能性を示唆している。事業活動全体、特に広範囲にわたる送配電網や大規模発電施設が持つ潜在的な影響を包括的に評価し、その緩和策の効果を定量的に示していくことが、今後の課題となるだろう。

第3部:外部評価と課題・提言

3.1 業界における先進事例

東北電力の環境への取り組みを評価する上で、国内外の電力業界や関連産業における先進的な事例を参照することは有益である。

再生可能エネルギー導入に関しては、グローバル企業の中にはRE100(事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際イニシアチブ)の高い達成率を示す企業や、大規模なコーポレートPPA(電力購入契約)を積極的に活用する企業が存在する。例えば、日本の製造業であるセイコーエプソンは、2023年末までに全世界の事業拠点で100%自然エネルギー電力への切り替えを完了したと報告している 48。また、リコー、AGC、イオンといった国内企業も、それぞれ独自の目標設定やPPAモデル導入、サプライチェーン全体での脱炭素化など、先進的な取り組みを進めている 49。国別に見ると、日本の再生可能エネルギー導入量は世界第6位(2022年時点)であるが 50、発電量に占める比率はカナダや欧州諸国と比較するとまだ低い水準にある 51

資源循環の分野では、産業廃棄物の高度なリサイクル技術開発(例:東レによる廃リチウムイオン電池からのリチウム回収技術実証 43)や、製品ライフサイクル全体での資源効率向上、産業間の連携による副産物・廃棄物の有効活用(産業共生)などが先進的な取り組みとして挙げられる。

生物多様性の保全においては、事業活動が自然資本に与える影響と依存関係を定量的に評価し、具体的な保全目標を設定・開示する企業が現れ始めている。TNFDフレームワークに早期に対応し、サプライチェーン全体での生物多様性リスク管理や、自然を基盤とした解決策(Nature-based Solutions)への投資を積極的に行う企業が先進事例となりつつある 53。気候変動対策と生物多様性保全を統合的に捉え、シナジー効果を追求するアプローチも重要視されている 54。例えば、CDPの気候変動評価で最高評価(Aリスト)を獲得する企業 55 は、環境経営全般においてベストプラクティスを実践している可能性が高い。

3.2 東北電力の現状における課題

東北電力は多くの環境への取り組みを進めている一方で、いくつかの重要な課題に直面している。

第一に、依然として火力発電への依存度が高いことが挙げられる 4。特に石炭火力はCO2排出量が多いため、2030年のCO2半減目標達成に向けては、その稼働率低減や早期の転換が不可欠である 23。しかし、原子力発電所の再稼働遅延 56 や再生可能エネルギー導入の進捗によっては、短中期的に火力発電に頼らざるを得ない状況が続く可能性があり、脱炭素化のペースが目標に追いつかないリスクがある。火力発電所の高効率設備へのリプレース計画 17 も進められているが、これに対しては、より抜本的な脱化石燃料化を求める声も存在する 31

第二に、再生可能エネルギー導入拡大には障壁も存在する。東北・新潟地域は再生可能エネルギーのポテンシャルが高いとされる一方、既存の電力系統への接続制約 7 や、大規模開発に適した土地の確保、変動性電源を安定化させるための調整力確保や系統増強にかかるコスト 58 などが課題となる。

第三に、脱炭素化の柱の一つである原子力発電は、その安全性確保と再稼働プロセスに時間を要するだけでなく、依然として国民の間で安全性への懸念や意見の多様性が存在し 59、立地地域や社会全体の理解を得ながら進める必要がある。安全対策費用の増大や、万が一の事故発生時のリスクも無視できない 63

第四に、これらの脱炭素化に向けた取り組みには巨額の投資が必要であり、近年の燃料価格高騰 3 や将来的なカーボンプライシング導入によるコスト増 32 と相まって、財務的な圧力が強まっている。これらのコスト増加が電気料金に転嫁される場合、特にエネルギー貧困の問題 63 など、社会的な影響への配慮も求められる。

第五に、外部評価機関によるESGスコア(CDP、MSCIなど)において、一部の競合他社に比べて低い評価を受けている点も課題である(詳細は第4部参照)。これは、投資家やその他のステークホルダーからの期待に応え、さらなる取り組みの強化や情報開示の改善が必要であることを示唆している 8。NGOなどからは、電気料金値上げの根拠や経営効率化の妥当性について疑問が呈される場面もある 63

これらの課題の根底には、S+3E(安全性、安定供給、経済性、環境保全)のバランスをどのように取るかという根本的なジレンマが存在するように見受けられる 4。東北・新潟地域における安定的かつ安価なエネルギー供給という社会的使命(S, E)と、気候変動対策という地球規模の要請(E)を両立させることは容易ではない。特に、原子力再稼働の不確実性、再生可能エネルギー導入に伴う技術的・経済的課題 7、そして依然として重要なベースロード電源である火力発電からの脱却の難しさ 4 を考慮すると、2030年という中間目標達成に向けたプレッシャーは大きい。この S+3E の枠組みの中で、環境(Environment)目標達成を優先すれば短期的な経済性(Economic Efficiency)や安定供給(Energy Security)に影響が出る可能性があり、逆に経済性や安定供給を過度に重視すれば環境目標の達成が危ぶまれる。このトレードオフをいかに乗り越え、ステークホルダーの理解を得ながら脱炭素化を加速させるかが、東北電力の持続可能性を左右する鍵となるだろう。

3.3 今後の推奨事項

上記の課題を踏まえ、東北電力が今後、環境パフォーマンスを向上させ、持続可能な企業価値を高めていくために、以下の点が推奨される。

第一に、気候変動戦略の実行をさらに加速させることである。2030年および2050年の目標達成に向けた具体的なロードマップをより詳細化し、毎年の進捗を測るための短期的なマイルストーンを設定することが望ましい。特に、再生可能エネルギー導入拡大の鍵となる送配電網の増強・高度化への投資を前倒しで進めるとともに、水素・アンモニアなどの次世代燃料の導入に向けた技術開発やサプライチェーン構築への取り組みを強化することが重要である。

第二に、資源循環分野での先進的な取り組みを事業機会へと繋げる視点を持つことである。特に、使用済み太陽光パネルのリサイクル・リユースに関する実証事業 27 で得られる知見や技術的優位性を活かし、将来的に拡大が見込まれる市場において、新たなサービス提供やビジネスモデル構築を検討する価値がある。

第三に、生物多様性への影響評価と保全活動をより体系化・定量化することである。個別の保全プロジェクトに留まらず、送配電網を含む事業活動全体が生物多様性に与える影響(リスクと依存関係)をTNFDフレームワークなどを参考に包括的に評価し、その結果に基づいた具体的な緩和目標(例:ノーネットロス、ネットゲイン)を設定・開示することが期待される。グループ会社TRKのネイチャーポジティブ宣言 19 をグループ全体の戦略へと昇華させることが望ましい。

第四に、ステークホルダーとの建設的な対話を強化することである。エネルギー転換に伴うコスト負担やS+3Eのトレードオフといった難しい課題について、より透明性の高い情報開示を行い、顧客、地域社会、投資家、NGOなど多様な主体との対話を通じて理解と協力を求めていく必要がある 63。目標達成に向けた進捗状況や課題についても、誠実かつ定期的に報告することが信頼醸成に繋がる。

第五に、環境戦略と財務戦略の統合をさらに深化させることである。TCFD提言に基づく気候関連リスク・機会の財務的影響評価をより精緻化し 17、脱炭素化に向けた投資計画が長期的な企業価値創造にどのように貢献するのかを、統合報告書や投資家向け説明会等で具体的に示していくことが重要である。

第4部:競合他社比較分析

4.1 主要競合他社の特定と比較概要

日本の大手電力会社の中で、東北電力の主要な競合他社としては、東京電力ホールディングス(TEPCO)、関西電力(KEPCO)、中部電力、九州電力が挙げられる。これらの企業は、それぞれ異なる供給区域を持ちながらも、国内のエネルギー政策や市場環境の変化、そしてESGへの要請といった共通の課題に直面しており、その環境への取り組みを比較することは、東北電力のパフォーマンスを相対的に評価する上で重要である。

4.2 各社の環境への取り組み比較

気候変動目標・戦略

各社とも2050年カーボンニュートラル達成を目標に掲げている点は共通しているが、中間目標や戦略の重点には差異が見られる。東北電力は2030年度に2013年度比50%削減を目標としている 17。東京電力も同様に2030年度に2013年度比半減を目指している 64。関西電力は「ゼロカーボンビジョン2050」を掲げ、そのロードマップを策定している 65。中部電力は「ゼロエミチャレンジ2050」を策定し、再生可能エネルギー拡大やゼロエミッション電源(水素・アンモニア等)の追求を表明している 22。九州電力は「カーボンニュートラルビジョン2050」を策定し、2050年よりできるだけ早期に事業全体の「カーボンマイナス」実現を目指すという、より野心的な目標を掲げている 66。戦略面では、各社とも再生可能エネルギーと原子力の活用、火力の脱炭素化を柱としているが、特に原子力への依存度や再稼働状況、再生可能エネルギー開発の重点分野(洋上風力、地熱など)には地域特性や経営判断による違いが見られる。

再生可能エネルギー開発

再生可能エネルギーの開発目標や実績にも差がある。東北電力は2030年代早期に200万kW以上を目指し、2024年3月末時点で約80万kWを達成している 17。東京電力(リニューアブルパワー)は2030年度までに600~700万kW程度の開発を目指しており、2022年度末時点での新規開発規模(累計)は33万kWと報告されている 64。中部電力は2023年度末時点で揚水を除く再生可能エネルギー設備容量が約315万kWに達している 67。九州電力は2030年度までに再生可能エネルギー開発量500万kWを目標としており、2024年度末の累計開発量は279万kW、決定量を含めると311万kWとなっている 68。これらの数値を比較すると、東北電力の目標達成に向けた進捗は、他社と比較して今後の加速が求められる状況にある可能性がある。

資源循環・生物多様性

資源循環に関しては、産業廃棄物のリサイクル率が各社で報告されている。例えば、東京電力は2022年度に99.9% 64、中部電力は2023年度に98.3% 67 という高いリサイクル率を達成している。東北電力の2023年度の全体リサイクル率は85.5%であるが、石炭灰を除くと95.5%であり、比較可能な水準にある 17。関西電力と九州電力の最新データについては、アクセス可能な資料からは確認できなかった 65。生物多様性に関しては、各社とも保全活動を実施しているが、その報告内容や重点分野は異なる。関西電力はESGレポート内で生物多様性のセクションを設けている 65。九州電力はTNFDレポート発行に言及するなど、自然資本への取り組みを進めている様子がうかがえる 71。東北電力は、前述の通りハヤブサ保護や魚道設置、TRKによるネイチャーポジティブ宣言など具体的な活動が見られる 19

4.3 環境スコアのベンチマーキング

外部評価機関によるESGスコアは、企業の環境パフォーマンスを客観的に比較する上で重要な指標となる。

CDPスコア比較

CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)の気候変動スコアを見ると、近年、東京電力(2023年 A-)72、関西電力(2024年 A-)73、九州電力(Aリスト選定(年不明)、2022年 A-)69 がリーダーシップレベル(A/A-)の高い評価を獲得している。これに対し、東北電力の2024年のスコアはBであり 75、これらの競合他社と比較すると改善の余地があることを示している。中部電力のスコアは確認できなかった。

MSCI ESGレーティング比較

MSCI ESGレーティングにおいても、同様の傾向が見られる。九州電力は2023年2月時点で国内電力会社最高となる「A」評価を獲得している 74。一方、東北電力はMSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数(2021年構成銘柄)において「BBB」評価であった 77。関西電力もMSCIジャパン気候変動指数(2023年構成銘柄)において「BBB」評価となっている 78。東京電力は福島第一原発事故の影響に関する問題が指摘され、MSCIの評価において赤色のフラグが付与された経緯がある 79。中部電力は具体的なレーティングは不明だが、主要なESG評価機関(MSCI、FTSE)からの評価が向上していると述べている 80。また、Sustainalyticsによる評価では、関西電力はESGリスクが「深刻(Severe)」と評価されている 81

これらの外部評価を総合すると、東北電力は現時点において、CDPやMSCIといった主要なESG評価機関による評価では、特に九州電力や、CDP評価においては東京電力、関西電力といった競合他社に対して後れを取っている状況にある。これは、東北電力が環境戦略や具体的な取り組みを進めている一方で、そのパフォーマンスレベルや情報開示の質が、これらの評価機関の基準においては、まだリーダーシップを発揮していると見なされる水準には達していない可能性を示唆している。高い評価を得ている競合他社は、気候変動戦略の野心度、リスク管理体制、排出削減実績、再生可能エネルギー導入へのコミットメント、そしてそれらの情報開示の透明性といった点で、より高く評価されていると考えられる。東北電力がこれらの評価を向上させるためには、取り組みの更なる強化と、その成果を効果的に外部へ伝達していく努力が求められる。

結論

本報告書では、東北電力株式会社の環境パフォーマンスについて、「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の3分野を中心に、同社の戦略、取り組み、実績、課題、そして競合他社との比較を通じて学術的な分析を行った。

分析の結果、東北電力は「東北電力グループ環境方針」やマテリアリティ特定プロセスに基づき、環境課題に組織的に取り組む姿勢を示していることが確認された 11。特に、TCFD提言に沿った情報開示 17 や、将来的なTNFDへの対応検討 21 は、国際的な要請に応えようとする意欲の表れである。

各分野の取り組みを見ると、気候変動対応では「カーボンニュートラルチャレンジ2050」と2030年半減目標を掲げ、再生可能エネルギー・原子力の活用、火力脱炭素化、電化推進という3本柱で戦略を進めている 1。資源循環においては、産業廃棄物全般で高いリサイクル率を目指すとともに、特に使用済み太陽光パネルのリサイクル・リユースに関して、業界団体での主導的な役割や国家プロジェクトへの参画を通じて先進的な取り組みを展開している点が注目される 27。生物多様性保全に関しても、発電所周辺でのハヤブサ保護 44 や魚道設置 36、グループ会社によるネイチャーポジティブ宣言 19 など、具体的な活動が見られる。

一方で、課題も浮き彫りとなった。気候変動対応では、依然として火力発電への依存度が高く、2030年目標達成に向けたCO2排出削減ペースには懸念が残る 17。S+3Eのバランスを追求する中で、環境目標達成と安定供給・経済性の両立というジレンマに直面している 4。資源循環や生物多様性分野では、取り組みは進められているものの、活動全体の定量的評価や体系的な情報開示は気候変動分野に比べて発展途上にある。さらに、CDPやMSCIといった外部ESG評価においては、一部の主要競合他社に比べて低いスコアに留まっている現状がある 69

これらの分析から、東北電力は環境課題への取り組みを進化させているものの、特に気候変動対策の加速と、生物多様性に関する取り組みの体系化・定量化、そして外部評価向上に向けた努力が今後の重要な焦点となる。特定されたリスク(規制強化、資金調達コスト増、物理的災害等)3 を管理しつつ、機会(電化需要増、再エネ関連事業、資源循環ビジネス等)3 を最大限に活かすためには、環境戦略と経営戦略の一層の統合、技術開発への投資、そしてステークホルダーとの透明性の高いコミュニケーションが不可欠である。日本のエネルギー転換期において、地域社会との共生を掲げる東北電力が、これらの課題を乗り越え、持続可能な社会の実現にどのように貢献していくのか、その動向が引き続き注視される。

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  62. メディア | 原子力産業新聞,  https://www.jaif.or.jp/journal/tag/%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2

  63. 【活動報告ブログ・質問状の公開】東北電力に電気料金の値上げに関する公開質問状を東北電力に提出しました | フードバンク仙台,  https://foodbanksendai.com/news/%E3%80%90%E6%B4%BB%E5%8B%95%E5%A0%B1%E5%91%8A%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%BB%E8%B3%AA%E5%95%8F%E7%8A%B6%E3%81%AE%E5%85%AC%E9%96%8B%E3%80%91%E6%9D%B1%E5%8C%97%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E3%81%AB%E9%9B%BB/

  64. www.tepco.co.jphttps://www.tepco.co.jp/about/esg/environment/data/pdf/2022_environmental_objective.pdf

  65. www.kepco.co.jphttps://www.kepco.co.jp/corporate/report/esg/pdf/2024/esg2024.pdf

  66. 参画企業のGX実現に向けた取組_九州電力株式会社 | GXリーグ公式WEBサイト,  https://gx-league.go.jp/initiative-introduction/kyuden/

  67. www.chuden.co.jphttps://www.chuden.co.jp/csr/performance_data/environment.pdf

  68. www.kyuden.co.jphttps://www.kyuden.co.jp/library/pdf/ir/esg/2024/d5APQgwh.pdf

  69. www.kyuden.co.jphttps://www.kyuden.co.jp/var/rev0/0572/3744/integratedreport2024_113.pdf

  70. 関西電力グループESGレポート|発行冊子・動画|企業情報,  https://www.kepco.co.jp/corporate/report/esg/index.html

  71. 100年にわたる自然との共生が育んだ九州電力の環境経営 | PwC Japanグループ,  https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/column/sustainability/kyushu-electric-power.html

  72. イニシアティブ:CDP|環境・社会・ガバナンス情報 - 東京電力,  https://www.tepco.co.jp/about/esg/library/initiatives/cdp-j.html

  73. 外部評価とイニシアチブ等への参画 - 関西電力,  https://www.kepco.co.jp/share_corporate/pdf/2024/report2024_34.pdf

  74. 九電グループの温室効果ガス削減目標が 「SBTイニシアチブ」の認定を取得しました - アットプレス,  https://www.atpress.ne.jp/news/350124

  75. サステナビリティ|東北電力,  https://www.tohoku-epco.co.jp/sustainability/

  76. 九州電力 九電グループの温室効果ガス削減目標が「SBTイニシアチブ」の認定を取得しました,  https://www.kyuden.co.jp/press/2023/h230323-1.html

  77. JAPAN-ESG-SELECT-LEADERS.pdf - MSCI,  https://www.msci.com/documents/1296102/22569066/JAPAN-ESG-SELECT-LEADERS.pdf

  78. 6758 ソニーグループ 一般消費財・サービス AAA 6861 キーエンス 情報技術 A 8306 三菱UFJフィナ - MSCI,  https://www.msci.com/documents/1296102/35761092/JAPAN+CLIMATE+CHANGE+Index.pdf

  79. Market ESG Snapshot Report 2022 | Japan - MSCI,  https://www.msci.com/documents/1296102/22569066/2021_Japan+ESG+Snapshot+%28%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%29.pdf

  80. 中部電力グループ 中期経営計画達成に向けた取り組み,  https://www.chuden.co.jp/resource/corporate/management_keiei2025_all.pdf

  81. The Kansai Electric Power Co., Inc. ESG Risk Rating - Sustainalytics,  https://www.sustainalytics.com/esg-rating/the-kansai-electric-power-co-inc/1008751948

東北電力のGHG排出量推移

GHG排出量推移

「Scope1」の過去3年の推移

2023年33,760,000t-CO2
2022年31,069,000t-CO2
2021年31,140,000t-CO2

「Scope2」の過去3年の推移

2023年1,000t-CO2
2022年1,000t-CO2
2021年1,000t-CO2

「Scope3」の過去3年の推移

2023年16,705,000t-CO2
2022年14,525,000t-CO2
2021年13,599,000t-CO2

COR(売上高あたりのCO2排出量)推移

スコープ1+2

スコープ1+2 CORの過去3年推移

2023年11,981kg-CO2
2022年10,332kg-CO2
2021年14,798kg-CO2

スコープ3

スコープ3 CORの過去3年推移

2023年5,928kg-CO2
2022年4,830kg-CO2
2021年6,462kg-CO2

COA(総資産あたりのCO2排出量)推移

スコープ1+2

スコープ1+2のCOA推移

2023年6,265kg-CO2
2022年5,961kg-CO2
2021年6,590kg-CO2

スコープ3

スコープ3のCOA推移

2023年3,100kg-CO2
2022年2,787kg-CO2
2021年2,878kg-CO2

業績推移

売上推移

2023年2兆8178億
2022年3兆72億
2021年2兆1044億

純利益推移

2023年2,261億円
2022年-1,276億円
2021年-1,084億円

総資産推移

2023年5兆3887億
2022年5兆2119億
2021年4兆7257億

すべての会社・業界と比較

環境スコアポジション

東北電力の環境スコアは160点であり、すべての会社における環境スコアのポジションと業界内におけるポジションは下のグラフになります。

すべての会社と比較したポジション

業界内ポジション

東北電力のCORポジション

東北電力におけるCOR(売上高(百万円)における炭素排出量)のポジションです。CORは数値が小さいほど環境に配慮したビジネスであると考えられます。東北電力のスコープ1+2の合計のCORが11981kg-CO2であり、スコープ3のCORが5928kg-CO2になります。グラフはGHG排出量のスコープ別に分かれており、すべての会社と業界内におけるそれぞれのポジションを表しています。
全体における東北電力のCORポジション

CORスコープ1+2

CORスコープ3

業界内における東北電力のCORポジション`

CORスコープ1+2

CORスコープ3

東北電力のCOAポジション

東北電力におけるCOA(総資産(百万円)における炭素排出量)ポジションです。COAもCAR同様、数値が小さいほど環境に配慮したビジネスを行っていると考えられます。東北電力のスコープ1+2の合計のCORが6265kg-CO2であり、スコープ3のCORが3100kg-CO2になります。グラフはGHG排出量のスコープ別に分かれており、すべての会社と業界内におけるそれぞれのポジションを表しています。
全体における東北電力のCOAポジション

COAスコープ1+2

COAスコープ3

業界内における東北電力のCOAポジション

COAスコープ1+2

COAスコープ3

環境スコアランキング(全社)

集計数:1049企業
平均点数:180.6
CDPスコア気候変動勲章
三菱電機
6503.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
505
CDPスコア気候変動勲章
コニカミノルタ
4902.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
500
CDPスコア気候変動勲章
豊田自動織機
6201.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
480
4
古河電気工業
5801.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
470
5
味の素
2802.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
460
6
セコム
9735.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコンサービス業
455
7
アイシン
7259.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
450
8
ダイキン工業
6367.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
450
9
フジクラ
5803.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
445
10
三ツ星ベルト
5192.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
445

業界別環境スコアランキング

集計数:21企業
平均点数:177.1
CDPスコア気候変動勲章
大阪瓦斯
9532.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン電気・ガス業
370
CDPスコア気候変動勲章
東邦瓦斯
9533.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン電気・ガス業
320
CDPスコア気候変動勲章
関西電力
9503.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン電気・ガス業
260
4
中国電力
9504.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン電気・ガス業
260
5
沖縄電力
9511.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン電気・ガス業
255
6
東京瓦斯
9531.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン電気・ガス業
230
7
電源開発
9513.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン電気・ガス業
205
8
北陸電力
9505.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン電気・ガス業
200
9
中部電力
9502.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン電気・ガス業
190
10
西部ガスホールディングス
9536.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン電気・ガス業
185