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更新日: 2025/6/5

百五銀行

8368.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン金融・保険業
環境スコア145
売上
119,487百万円
総資産
8,097,192百万円
営業利益
--

COR(売上高炭素比率)

年間CO2排出量(kg)÷ 売上高(百万円)
Scope1+2
42kg
Scope3
0kg

COA(総資産炭素比率)

年間CO2排出量(kg)÷ 総資産(百万円)
Scope1+2
1kg
Scope3
0kg

Scope1

事業者自らによる直接排出
1,341t-CO2
2023年実績

Scope2

エネルギー消化に伴う間接排出
3,707t-CO2
2023年実績

Scope3

事業者の活動に関連する他社の排出
--
2023年実績
開示データなし・GHG計算サービスを見る

スコープ3カテゴリー別データ

カテゴリー2021年度2022年度2023年度
2資本財
-
-
9,115
6出張
-
389
404
(15)
7従業員の通勤
-
1,823
1,677
(146)
15投資
-
5,715,383
6,825,618
(1,110,235)

国際イニシアティブへの参加

SBT
RE100
EV100
EP100
UNGC
30by30
GXリーグ

ガバナンス・フレームワーク開示

check
サステナビリティ委員会
check
TCFD・IFRS-S2
TNFD
潜在的環境財務コスト(シナリオ別試算)
2023年度排出量データ: スコープ1(1,341t)、 スコープ2(3,707t)、 スコープ3(情報なし)
低コストシナリオ
想定単価: 3,000円/t-CO₂
スコープ1:4百万円
スコープ2:11.1百万円
スコープ3:情報なし
総額:15.1百万円
売上高比率:0.01%
中コストシナリオ
想定単価: 5,000円/t-CO₂
スコープ1:6.7百万円
スコープ2:18.5百万円
スコープ3:情報なし
総額:25.2百万円
売上高比率:0.02%
高コストシナリオ
想定単価: 10,000円/t-CO₂
スコープ1:13.4百万円
スコープ2:37.1百万円
スコープ3:情報なし
総額:50.5百万円
売上高比率:0.04%
※潜在的環境財務コストは、仮想的なカーボンプライシングシナリオをもとに算出した参考値です。

環境への取り組み

サステナビリティ

百五銀行グループ、「サステナビリティ宣言」を制定し地域と地球の未来に貢献

株式会社百五銀行を中心とする百五銀行グループは、2025年3月27日に「百五銀行グループサステナビリティ宣言」を制定しました。この宣言に基づき、事業活動を通じて地域の課題解決に取り組み、脱炭素社会への移行や循環型経済の実現、さらには地域の豊かな自然と恵みを未来につなぐ生物多様性の保全に貢献することを目指します。これにより、社会的価値と経済的価値の好循環を生み出し、持続可能で活力あふれる豊かな社会の実現に貢献していく方針です 。  

気候変動関連のリスク・機会

※掲載情報は公開資料をもとに作成しており、全てのリスク・機会を網羅するものではありません。 より詳細な情報は企業の公式発表をご確認ください。

リスク

移行リスク

低炭素社会への移行に伴う政策・規制の変更、技術革新、市場や消費者の嗜好の変化は、百五銀行にとって潜在的なリスクとなります。特に、主要な営業エリアである東海地方に集積する製造業など、炭素集約型産業への融資は、将来的に価値が減少する座礁資産となる可能性があります 。2050年までの移行リスクに起因する与信コストの累積増加額について、例えばみずほFGは約1兆9,100億円と試算しています。

物理的リスク

異常気象(台風、豪雨による洪水、高潮など)の頻発化・激甚化は、百五銀行自身の店舗や事務センターといった物的資産への直接的な損害に加え、顧客企業の事業活動や保有する担保不動産の価値を毀損させる可能性があります 。特に、三重県や愛知県など特定の地域に事業基盤が集中しているため、大規模な自然災害が発生した場合の影響は甚大となることが懸念されます。例えば、名古屋銀行は浸水災害による担保不動産毀損に起因した与信コストへの影響を2050年までで最大15~24億円と試算しています。

機会

環境課題への対応は、百五銀行にとって新たな事業機会をもたらします。最大の機会はサステナブルファイナンス市場の拡大であり、グリーンローンやサステナビリティ・リンク・ローンなどを通じて、顧客企業の脱炭素化や再生可能エネルギー導入を支援することで収益機会を開拓できます 。実際に2023年度末までにサステナブルファイナンス累計実行額5,132億円(うち環境分野1,214億円)を達成しています 。また、資源効率改善や循環型経済への移行支援 、生物多様性保全に貢献する事業への投融資 も有望な分野です。

目標

百五銀行は、GHG排出量(Scope1,2)について2030年度末のネットゼロ達成を目標としています 。2023年度のGHG排出量(Scope1,2)は5,048 t-CO2で、基準年の2013年度から50.9%削減を達成しました 。サステナブルファイナンスに関しては、2030年度末までの累計実行額1兆円、そのうち環境分野で5,000億円という目標を設定しており 、2023年度末時点での累計実行額は5,132億円(うち環境分野1,214億円)と順調に進捗しています。

環境アナリストレポート

株式会社百五銀行の環境への取り組みに関する包括的分析:気候変動、資源循環、生物多様性に着目して

1. はじめに

  • 本報告書の目的と構成
    本報告書は、株式会社百五銀行(以下、百五銀行)の環境への取り組みとパフォーマンスについて、「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の3つの重点分野を中心に包括的な分析を行うことを目的とする。この分析は、同行の環境スコア算出に必要な詳細情報を収集し、学術的レベルの報告書を作成するための基礎となるものである。百五銀行は、その統合報告書において、ESG情報を含む非財務情報と財務情報を関連付け、持続的な価値創造の枠組みを説明しており 1、気候変動への対応を重要な取り組みの一つとして位置付けている 2。本報告書では、これらの開示情報を基盤としつつ、より広範な視点から同行の環境戦略を評価する。
    報告書の構成は以下の通りである。まず、第2章で百五銀行の環境への具体的な取り組みを「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の各分野に分けて詳述する。第3章では、これらの環境要因に関連する潜在的なリスクと事業機会を分析する。第4章では、金融業界、特に大手金融機関および他の地域金融機関の先進的な環境事例を紹介し、百五銀行の取り組みを相対化するための視点を提供する。第5章では、百五銀行が現在直面している課題を評価し、今後の重点分野と具体的な行動提案を行う。第6章では、主要な競合地域金融機関の環境への取り組みとパフォーマンスを分析し、比較する。第7章では、CDPスコアやその他のESG評価における百五銀行の位置づけをベンチマーキングする。最後に、第8章で本報告書の分析結果を総括し、百五銀行の環境スコアリングに向けた総合的な考察と今後の展望を示す。
    本報告書が目指すのは、単なる取り組みの記述に留まらず、その有効性を評価し、業界標準や先進事例との比較を通じて、改善の余地や将来の方向性を示唆することである。環境スコアの算出という具体的な目標を念頭に置いているため、可能な限り定量的なデータや具体的な実績に注目し、それらが持つ意味合いを深く掘り下げる。学術的なレベルでの分析を志向する以上、客観的なデータに基づいた批判的な検討と、より広範な企業サステナビリティの文脈における位置づけが不可欠である。したがって、本報告書の導入部は、単なる概要説明ではなく、分析的評価への道筋を示すものとなる。

2. 百五銀行の環境への取り組み:包括的分析

  • 2.1. 気候変動への対応

  • 具体的な取り組みとプログラム
    百五銀行グループは、その環境方針およびSDGs宣言において気候変動対応を最重要課題の一つと明確に位置づけている 3。このコミットメントは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同と、それに基づく情報開示の枠組みの採用という具体的な行動によって裏付けられている 2
    GHG排出量削減に向けた自行の取り組みとして、百五銀行は多岐にわたる施策を講じている。特に注目されるのは、CO2フリー電力の導入であり、岩田本店棟および丸之内本部棟においては、中部電力ミライズ株式会社の「三重美し国Greenでんき」を採用し、100%再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えた 7。これにより、岩田本店棟では年間推定1,786,501kWh、丸之内本部棟では年間推定1,412,451kWh(いずれも2020年度実績)の電力が実質的にCO2フリーとなり、大幅な排出量削減に貢献している 7。この取り組みは、電力の地産地消および三重県内の再生可能エネルギー電源の維持拡大にも繋がり、「地方創生」という地方銀行の重要な使命にも合致するものとして評価できる 7。その他、LED照明の導入 2、環境配慮型窓口端末機の導入 8、ATMの省電力モード運用 8 など、省エネルギー化も積極的に推進している。運輸部門では、燃料電池自動車「MIRAI」の導入実績もある 8。さらに、オリックス株式会社との提携により、顧客企業へのPPAモデル(第三者所有モデル)による太陽光発電システム導入支援も開始しており、再生可能エネルギー普及への貢献を目指している 9
    サステナブルファイナンスの推進は、百五銀行の気候変動戦略のもう一つの柱である。顧客企業の脱炭素化を金融面から支援するため、「百五脱炭素支援サービス」を提供し、GHG排出量の算定支援、削減シミュレーション策定支援、さらには木製の脱炭素経営宣言書交付や自行ホームページへの掲載を通じた対外PR支援まで行っている 2。金融商品としては、グリーン預金、百五SDGs私募債、SDGs取組支援ローン、百五サステナブルローン(グリーンローン型、サステナビリティ・リンク・ローン型)、グリーンローン(個別評価型)、ソーシャルローン、ポジティブ・インパクト・ファイナンスなど、多様なラインナップを揃え、実績を積み上げている 2。また、日本銀行が実施する気候変動対応を支援するための資金供給オペレーションも活用しており、そのための対象投融資の判断基準や具体的な手続きを整備・公開している 3
    顧客企業の脱炭素化支援においては、専門企業との提携に加え、地方公共団体との連携も強化している。例えば、鳥羽市や伊勢市とは「カーボンニュートラルの推進に関する連携協定」を締結し、津市とは「カーボンニュートラルの実現に向けた脱炭素経営の推進に関するパートナーシップ協定」を締結するなど、地域ぐるみでの脱炭素化推進に積極的に関与している 2
    サプライチェーン排出量、すなわちScope3排出量の把握にも着手しており、2023年度には新たにScope3カテゴリ2(資本財)の算定を開始したことが報告されている 2。これは、より包括的な排出量管理への第一歩として評価できる。

  • 目標と実績
    百五銀行は、気候変動対応に関して野心的な目標を設定し、その達成に向けた進捗を報告している。
    GHG排出量(Scope1,2)については、2030年度末までのネットゼロ達成を目標として掲げている 2。ただし、2025年度環境保全活動計画においては、この目標達成年度が2028年度末と記載されており 11、最新の公式見解を確認する必要がある。本稿執筆時点での最新のサステナビリティレポート(2024年発行の2024-20.pdf)では2030年度末とされているため、こちらを優先すべきか、あるいは両目標の背景について注記が必要となるだろう。
    実績としては、2023年度のGHG排出量(Scope1,2)は5,048 t-CO2であり、基準年である2013年度から50.9%の削減を達成した 2。これは、CO2フリー電力やLED照明の導入効果などによるものとされている 2。
    サステナブルファイナンスに関しては、2030年度末までの累計実行額1兆円、そのうち環境分野で5,000億円という目標を設定している 2。この目標に対し、2023年度末時点での累計実行額は5,132億円、うち環境分野は1,214億円と、目標達成に向けて順調に進捗している様子がうかがえる 2
    外部評価としては、CDP(国際環境非営利団体)の2023年気候変動調査において「B」評価を取得しており、気候変動対策におけるマネジメントレベルが一定の水準にあることが示されている 2。
    また、2025年度の環境保全活動計画では、電気使用量を前年度比1%以上削減するという具体的な目標も設定されている 11。
    百五銀行の気候変動戦略は、自行の事業活動における環境負荷削減(Scope1および2)と、投融資活動を通じた顧客および社会全体の脱炭素化支援(間接的なScope3、特にカテゴリ15への対応を示唆)という二つの側面に焦点を当てている。特に、サステナブルファイナンス目標額1兆円(うち環境関連5,000億円)は、地域金融機関としては相当な規模であり、地域経済の低炭素移行における主導的な役割を担おうとする意欲の表れと言える。この戦略の成功は、グリーンファイナンス商品の実際の市場での受容度と、顧客企業への脱炭素化支援策の実効性にかかっている。
    Scope3排出量に関しては、カテゴリ2(資本財)の算定開始は評価できるものの 2、金融機関にとって最も重要かつ影響の大きいカテゴリ15(投融資、ファイナンスド・エミッション)の算定と管理が今後の鍵となる。PCAF(金融向け炭素会計パートナーシップ)スタンダードを参考に投融資先のGHG排出量(Scope1,2)を算定し、そのデータクオリティスコアが4.00から3.46に向上した(数値が低いほど品質が良いとされるPCAFの5段階評価において)ことは進捗を示すが 2、依然としてポートフォリオのかなりの部分で推計値や業界平均値に依存している可能性を示唆しており、データ精度と網羅性の向上が継続的な課題となる。この点の改善は、ネットゼロ目標達成の信頼性を高め、環境スコアリングにおいても重要な評価軸となるだろう。

  • 2.2. 資源循環の推進

  • 具体的な取り組みとプログラム
    百五銀行は、環境方針において持続可能な省資源・省エネルギー・リサイクル活動の推進を掲げ、環境負荷の低減と環境汚染の予防に努めるとしている 6。この方針に基づき、特に紙資源の削減とリサイクルに重点を置いた取り組みを展開している。
    紙資源の消費量削減策としては、事務要綱の電子化 8、還元資料の電子化 8、自動機ジャーナルの電子化 8 など、行内業務のデジタル化を推進している。顧客向けサービスにおいても、取引報告書や取引残高報告書などを郵送ではなく電子ファイル(PDF形式)で提供する電子交付サービスを推進しており、これにより紙資源の削減と地球環境保護への貢献を目指している 12
    リサイクルの取り組みとして特筆すべきは、百五管理サービス株式会社(特例子会社)との連携によるクローズドループリサイクルである。2022年9月より開始されたこの取り組みでは、保存期間が終了した機密書類を製紙会社やリサイクル業者と協力してトイレットペーパーに再生し、百五銀行グループ内で使用している 4。2023年度には、約32トンの古紙から約20万ロールの再生トイレットペーパーが生産され、これにより年間約48トンのCO2排出量削減と、約647本の樹木伐採抑制効果があったと報告されている 4。この活動は、障がい者雇用を通じた持続可能な循環型社会の実現にも貢献するものであり、多面的な価値を持つ取り組みと言える 10。
    その他、持続可能な森林管理から生産された「森林認証紙」の採用 8 や、ペットボトルキャップを回収しリサイクルするエコキャップ運動の実施 8 も行っている。
    紙以外の資源循環としては、「不用備品有効活用システム」を導入し、まだ使用可能な備品の再利用を促進している 8。また、過去には制服をプランターにリサイクルし、地域の学校に寄贈した事例や 8、通帳袋や預金証書入れに再生ビニールを80%使用した素材へ変更した取り組みも見られる 8

  • 目標と実績
    百五銀行は、2025年度の環境保全活動計画において、資源循環に関する具体的な目標値を設定している。
    紙の使用量については、前年同月の実績以下に抑制することを目標としている 11。
    また、本部拠点における紙のリサイクル比率については、94%以上を目標として掲げている 11。
    クローズドループリサイクルの実績としては、前述の通り、2023年度に古紙32トンから再生トイレットペーパー20万ロールを製造したことが報告されている 4。
    百五銀行の資源循環への取り組みは、現時点では主に行内での紙消費量の削減とリサイクルに集中している。特に、機密書類のクローズドループリサイクルは、具体的な成果が数値で示されており、環境負荷削減と障がい者雇用の両面に貢献する優れた事例である 4。しかしながら、金融機関としてのより大きなインパクトは、投融資先の事業活動における資源循環の促進支援にあると考えられる。提供された資料からは、建設・解体工事に伴う廃棄物リサイクル事業を行う企業への「みえグリーンボンド」を通じた投資事例がみられるものの 10、これが百五銀行の広範なファイナンス戦略の一環であるか、あるいは個別のグリーンボンド投資事例であるかは明確ではない。自行の環境行動計画(2025年度)においても、資源循環に関する目標は行内の紙資源管理に限定されている 11。今後、金融商品やコンサルティングサービスを通じて顧客企業のサーキュラーエコノミー移行を支援する戦略を強化することが、同行の環境パフォーマンスを一層向上させる上で重要な鍵となるだろう。これは、持続可能なファイナンスにおける世界的な潮流とも合致する方向性である 13

  • 2.3. 生物多様性の保全

  • 具体的な取り組みとプログラム
    百五銀行グループは、環境方針において、事業活動が環境・気候および生物に与える影響を認識し、生物多様性保全に継続的に取り組むことを理念として掲げている 4。この理念に基づき、主として地域社会への貢献活動を通じた生物多様性保全を推進している。
    その代表的な活動が「百五の森」である。2006年から三重県の「企業の森」づくりに参画し、県内に2箇所の「百五の森」を保有している 4。ここでは、定期的な植樹活動に加え、森林の健全な育成に必要な下草刈りや遊歩道の整備、間伐材を利用した木工体験などを実施している 4。特筆すべきは、これらの活動に新入行員研修を組み込んでいる点であり、行員の環境意識向上にも繋げている 4。例えば2023年9月には、61名の新入行員が多気町の「百五の森」で森林整備活動に参加した 4
    地域への寄付活動も生物多様性保全への貢献の一環と位置づけられる。愛知県に対しては、「あいち森と緑づくり基金」へ寄付を行っており、例えば1,112,224円の寄付実績がある 15。この基金は、愛知県内の森林や里山林、都市の緑の整備・保全事業に活用される 15。また、三重県に対しても森林保全を目的とした寄付(例:約800万円)を行っており、これは災害に強い森林づくりや森林教育を担う人材の育成などに充てられる 16
    その他の取り組みとしては、過去に志摩市へオリーブの苗木を寄贈し、記念植樹会を実施した事例がある 8。また、より間接的ながら、輸出支援を通じて本来廃棄される可能性のあった海苔をアップサイクルし、新たな製品開発に繋げた事例も、海洋資源の保全に貢献するものとして報告されている 4
    投融資活動においては、サステナブル投融資方針の中で、環境や社会に著しい影響を与える可能性のある事業(石炭火力発電事業、森林伐採・焼失を伴う事業、非人道兵器製造事業、強制労働等の人権侵害に関わる事業など)への投融資には適切な措置を講じるとしている 4。特に森林伐採に関しては、十六フィナンシャルグループのTCFDレポートでも同様の慎重な対応方針が示されており 17、金融機関としてのリスク管理の一環とも言える。

  • 目標と実績
    百五銀行の2025年度環境保全活動計画では、「資源循環・生物多様性保全」が活動テーマの一つとして挙げられているものの、生物多様性保全に関する具体的な数値目標は、紙のリサイクル比率を除いては明記されていない 11。
    実績としては、「百五の森」における継続的な森林保全活動と、新入社員研修への導入が挙げられる 4。また、愛知県や三重県への寄付活動を通じた地域貢献も継続的に行われている 15。
    百五銀行の生物多様性への取り組みは、現状では「百五の森」活動や地域への寄付といった社会貢献活動が中心であり、地域社会の一員としての良好な関係構築に寄与している。これは企業市民としての責任を果たす上で重要である。しかしながら、金融機関としての本業、すなわち投融資活動を通じた生物多様性への影響評価や、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)のような新しいフレームワークを参照した体系的なリスク・機会管理については、提供された資料からは明確な戦略や具体的な取り組みが読み取れない。サステナブル投融資方針において、森林伐採等の特定セクターへの慎重な対応が言及されているものの 4、これはリスク回避的な側面が強い。2025年度の環境行動計画においても 11、生物多様性に関する具体的な数値目標が設定されていない点は、今後の課題と言える。
    近年、TNFDの枠組みが注目され、大手金融機関を中心に自然関連リスクの評価・開示の動きが活発化している 18。地域金融機関においても、地域経済と密接に関連する農林水産業や観光業など、自然資本への依存度が高いセクターへの投融資を通じて、生物多様性への影響をより深く考慮する必要性が高まっている 20。百五銀行の現在の地域貢献活動は、TNFDが提唱するような、より戦略的かつ本業に根差した生物多様性戦略を構築するための良い基盤となり得るだろう。

3. 環境要因に関連する潜在的リスクと事業機会

  • 3.1. 潜在的リスク分析
    百五銀行が事業を展開する上で、環境要因は多様なリスクをもたらす可能性がある。TCFDフレームワークで強調される気候変動関連リスクは特に重要である。
    物理的リスクとしては、異常気象(台風、豪雨による洪水、高潮など)の頻発化・激甚化が挙げられる。これらは、百五銀行自身の店舗や事務センターといった物的資産への直接的な損害だけでなく、より広範には顧客企業の事業活動や保有する担保不動産の価値毀損を引き起こす可能性がある 22。特に、百五銀行のような地域金融機関は、特定の地域(三重県、愛知県など 1)に事業基盤が集中しているため、その地域が大規模な自然災害に見舞われた場合、影響は甚大となり得る。日本の地理的特性として、沿岸部に人口や資産が集中していることも、物理的リスクの大きさを増幅させる要因である 26。
    移行リスクは、低炭素社会への移行過程で生じる政策・法規制の変更、技術革新、市場や消費者の嗜好の変化などから発生する。これらは、特に炭素集約型の産業や、変化への対応が遅れる企業にとっては、事業継続性の脅威となり得る。例えば、化石燃料に依存する産業への融資は、将来的に座礁資産化するリスクを抱えることになる 22。百五銀行の主要営業エリアである東海地方は、製造業が集積しており、これらの産業が脱炭素化の潮流にどのように適応していくかが、同行の移行リスク管理において重要なポイントとなる。
    規制リスクも無視できない。環境関連法規制の強化、例えば炭素税の導入や排出量報告義務の拡大は、百五銀行自身の事業運営コストを増加させる可能性があるだけでなく、顧客企業の財務状況にも影響を及ぼし、結果として与信ポートフォリオの質を劣化させる可能性がある 28
    市場リスクとしては、環境評価の低い企業への投資価値が低下する可能性や、環境配慮型の商品・サービスへの需要シフトに適切に対応できない場合に市場シェアを失うリスクが考えられる 29
    評判リスクは、環境への取り組みが不十分であると社会的に認識された場合、またはネガティブな環境インパクトを引き起こした場合に、企業イメージの低下、顧客や投資家からの信頼失墜に繋がる。
    気候変動以外の環境要因として、資源循環や生物多様性に関連するリスクも考慮する必要がある。資源価格の高騰や不安定化、廃棄物処理コストの増大は、多くの産業に影響を与える。また、生物多様性の損失は、生態系サービスの劣化を通じて、特に農林水産業、観光業、食品加工業など、地域の自然資本に大きく依存する産業に深刻な影響を及ぼす可能性がある 20。これらの産業は地域経済の重要な構成要素であり、地域金融機関である百五銀行の投融資ポートフォリオにも影響が及ぶことが想定される。
    地域金融機関である百五銀行にとって、物理的リスクは特に重要度が高いと考えられる。その事業エリアである三重県や愛知県は、過去にも台風や豪雨による被害を受けており、気候変動の進行に伴いこれらのリスクが増大する可能性は否定できない。したがって、地理的に特化した詳細な気候シナリオ分析を実施し、ポートフォリオへの影響を定量的に把握することが、効果的なリスク管理と経営戦略の策定に不可欠である。

  • 3.2. 事業機会の特定
    環境要因はリスクだけでなく、新たな事業機会ももたらす。百五銀行がこれらの機会を的確に捉え、戦略的に活用することが、持続的な成長には不可欠である。
    最大の機会は、サステナブルファイナンス市場の拡大である。グリーンローン、サステナビリティ・リンク・ローン、グリーンボンドなど、環境配慮型プロジェクトへの資金需要は国内外で急速に高まっている 2。百五銀行は既にこれらの分野で実績を積み重ねているが 2、顧客企業の脱炭素化、省エネルギー化、再生可能エネルギー導入支援を一層強化することで、新たな収益機会を開拓できる 31。オリックス株式会社と提携して推進するPPAモデルも、この文脈で有望な取り組みと言える 9
    資源効率・循環型経済への移行支援も大きな事業機会を提供する。リサイクル技術の開発、廃棄物削減への取り組み、サーキュラーエコノミー型のビジネスモデルへの転換を目指す企業に対する投融資は、今後成長が見込まれる分野である 10。また、顧客企業に対して資源効率改善に関するコンサルティングサービスを提供することも、新たな付加価値創造に繋がる。
    生物多様性保全に貢献する事業への支援も、将来的な成長分野として注目される。ネイチャーポジティブ(自然再興)に貢献する事業、例えば持続可能な農林水産業、生態系保全型観光、グリーンインフラ整備などへの投融資は、環境価値と経済価値を両立させる可能性を秘めている 20。TNFDへの対応が企業に求められるようになる中で、自然関連リスク・機会に関するアドバイザリーサービスの提供も考えられる。
    これらの動きは、新たな金融商品・サービスの開発を促進する。環境評価に基づく融資金利の優遇制度、ESG関連デリバティブ商品、インパクト投資ファンドの組成などが考えられる。
    さらに、地域社会のレジリエンス強化への貢献も、地域金融機関ならではの事業機会となり得る。防災・減災のためのインフラ整備プロジェクトへのファイナンスや、気候変動適応策に取り組む地域事業への支援は、地域社会の持続可能性を高めると同時に、銀行自身の事業基盤を強固にする。地域の森林資源や未利用エネルギーなどを活用した環境ビジネスの創出を支援することも、地域経済の活性化と銀行の成長に繋がるだろう 21
    特に、百五銀行のような地域金融機関にとっては、地域の中小企業(SMEs)が直面する脱炭素化やサステナビリティへの移行を支援することが、大きな事業機会となり得る。多くの中小企業は、サステナビリティへの対応に関する専門知識やリソースが不足している場合が多い 31。百五銀行が提供する「百五脱炭素支援サービス」2 はこのニーズに応えるものだが、さらに踏み込んだ、各企業の状況に合わせたテーラーメイドのエンゲージメントとソリューション提供が鍵となる。三重県や愛知県には製造業や農林水産業など、移行期において特有の課題を抱える多様な産業が存在しており 1、これらの地域特性を深く理解する百五銀行は、大手金融機関にはないきめ細やかな支援を提供できる可能性がある。地域の中小企業にとって信頼できるサステナビリティ・パートナーとなることで、百五銀行は新たなビジネス(アドバイザリー収入、専門性の高い融資など)を創出し、地域経済全体の競争力と強靭性の向上に貢献できる。これは、地域金融機関がしばしば強調する「地域への貢献」を具現化する道筋でもある。

4. 金融業界における環境先進事例

  • 4.1. 大手金融機関の動向 (MUFG, SMFG, Mizuho)
    日本の大手金融機関である三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)は、気候変動対応を始めとする環境課題への取り組みを加速させている。これらの動向は、百五銀行を含む地域金融機関にとっても重要な参照点となる。
    気候変動への対応において、大手3メガバンクグループはTCFD提言に基づく詳細な情報開示を進めている。特に、物理的リスクと移行リスクに関するシナリオ分析を行い、その財務的影響を定量的に評価・開示する試みが進んでいる 19。例えば、みずほFGは、Net Zero 2050シナリオにおいて、2050年までの移行リスクに起因する与信コストの累積増加額を約1兆9,100億円と試算している 29。これは、気候変動リスクを具体的な財務数値として捉え、経営戦略に織り込もうとする姿勢の表れである。
    また、Scope1、2のみならず、投融資ポートフォリオのGHG排出量(Scope3、特にカテゴリ15のファイナンスド・エミッション)を含むネットゼロ目標を設定し、その達成に向けた進捗管理を行っている 18。SMFGは、ポートフォリオGHG排出量の削減目標やセクター・事業別の方針を定め、気候関連リスクアペタイト・フレームワークを通じて管理を強化している 18。
    電力、石油・ガス、鉄鋼といった高排出セクターに対する具体的な脱炭素化戦略やエンゲージメント方針を策定し、顧客企業との対話を通じて移行を支援するトランジションファイナンスにも積極的に取り組んでいる 18。MUFGは、2050年カーボンニュートラル実現への貢献、事業を通じた脱炭素社会へのスムーズな移行支援、環境と経済の好循環による持続可能な社会の実現への積極的貢献を3つのコミットメントとして掲げている 43。
    資源循環に関しては、大手金融機関は顧客企業の循環型経済への移行を支援する動きを見せている。例えば、MUFGは百貨店業界のプラスチック廃棄物削減や再生化の推進を支援している 37。また、SMFGは資源採掘・製造による温室効果ガス発生抑制の観点から循環型経済への移行を重視している 18。みずほ銀行は、ヤマダホールディングスの資源循環を中心とした自己完結型システム構築プロジェクトに対し、ポジティブ・インパクト・ファイナンスやグリーンローンで支援した事例がある 32
    生物多様性・自然資本の分野では、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)への早期対応が見られる。SMFGやみずほFGは、TNFDの提言を踏まえ、自然関連リスク・機会の分析と開示の試行を進めている 18。みずほFGは、融資ポートフォリオに関する分析で、重要な自然資本として「水」と「生物多様性」を特定し、これらへの依存・影響が大きいセクターを特定している 30。MUFGも、生物多様性保全に配慮した取り組みとして、生分解性素材開発企業への支援や、「MUFGの森」における植樹活動などを行っている 37
    これらの大手金融機関の動向は、単なるESG方針の策定から、より高度で定量的なリスク評価と管理、そして本業を通じた積極的な課題解決へとシフトしていることを示している。特に、気候変動リスクの財務影響の定量化や、高排出セクターのトランジション支援への注力は、地域金融機関にとっても将来的に求められる対応レベルを示唆していると言える。百五銀行がこれらの先進事例から学び、自らの地域特性や顧客基盤に合わせて戦略を洗練させていくことが期待される。

  • 4.2. 地域金融機関の先進的取り組み
    大手金融機関だけでなく、全国の地域金融機関においても、環境問題への対応は多様な形で進展している。これらの取り組みは、百五銀行にとってより直接的な比較対象となり得る。
    気候変動への対応では、CDP気候変動調査において最高評価である「A」リスト評価を獲得した横浜銀行や八十二銀行のような事例がある 31。また、多くの地域金融機関がPCAF(金融向け炭素会計パートナーシップ)に加盟し、投融資ポートフォリオのGHG排出量測定・開示に取り組んでいる 31。
    地域特性を活かした再生可能エネルギー事業への参入も活発である。東北銀行、滋賀銀行、中国銀行、足利銀行などが、子会社設立や出資を通じて地域エネルギー会社を運営し、PPAモデルなどを推進している 31。
    顧客企業の脱炭素化支援においては、静岡銀行の「しずおかGXサポート」や七十七銀行の「77脱炭素ナビゲーター」のように、独自のコンサルティングサービスやツールを提供する動きが見られる 7。さらに、山陰合同銀行や中国銀行などは、自治体と連携して「脱炭素先行地域」づくりに積極的に関与している 36。
    自行のCO2排出量削減に関しても、八十二銀行は国内銀行で初めてScope1・2排出量のネットゼロを達成したと報告している 31。
    百五銀行の競合となりうる東海地方の金融機関グループの取り組みも注目される。
    愛知フィナンシャルグループ(愛知銀行、中京銀行)は、GHG排出量(Scope1,2)について2030年度までに2013年度比70%削減、2050年カーボンニュートラルを目標とし、サステナブル投融資目標として2022年度から2030年度までに累計1兆円(うち環境関連5,000億円)を掲げている。特筆すべきは、Scope3排出量(カテゴリ1~5および15)の算定を開始し、そのためにPersefoniという排出量算定プラットフォームを導入している点である 46。
    名古屋銀行は、ESG投融資目標として2030年度までの10年間で5,000億円、CO2排出量(Scope1,2)目標として2030年度までに2013年度比70%削減、2050年度までにネットゼロを設定している。Scope3排出量(カテゴリ1~7、15)も算定している 50。
    十六フィナンシャルグループ(十六銀行)は、CO2排出量(Scope1,2)について2030年度カーボンニュートラル、Scope3(投資)については2050年度カーボンニュートラルを目標としている。サステナブルファイナンス目標は2030年度までに累計2兆円(うち環境分野8,000億円)と野心的であり、石炭火力発電向け融資残高については2037年度を目途にゼロとする目標も設定している 17。
    三十三フィナンシャルグループ(三十三銀行)は、CO2排出量(Scope1,2)について2030年度までに2013年度比50%削減、2050年度までにカーボンニュートラルを目指し、サステナブル関連融資目標として2023年度に500億円の実行を掲げた。GHG排出量可視化プラットフォームとして「C-Turtle® FE」や「CARBONIX」を導入し、顧客支援にも活用している 56。
    資源循環に関する取り組みでは、七十七銀行の使用済み事務服リサイクル、武蔵野銀行の海洋プラごみなどを原料とした環境配慮型ボールペンの配布、山陰合同銀行や十六銀行の資源循環モデルATMの採用、TSUBASAアライアンス参加行によるクリアホルダー回収リサイクル、百十四銀行のバイオマス原料ごみ袋導入など、多様な事例が見られる 31。肥後銀行の「わくわく油田プロジェクト」は、家庭から出る廃食油を回収しバイオディーゼル燃料に再生するユニークな取り組みである 61
    生物多様性に関しては、静岡銀行、滋賀銀行、山陰合同銀行、九州FGなどがTNFDフォーラムへ参画し、一部はTNFD提言に沿った情報開示を行う意思を示す「TNFD Early Adopter」として登録されている 31。また、岩手銀行、山梨中央銀行、山陰合同銀行などは環境省主導の「生物多様性のための30by30アライアンス」に参画し 31、多くの銀行が「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」にも参加している 31。関西みらい銀行のヨシ群落保全活動や、鳥取銀行の希少野生動植物保全に関するマッチング支援、肥後銀行の「大観の森」での植樹や棚田での稲作、生物多様性推進会議への参画など、地域特性を活かした独自の活動も展開されている 31。三十三銀行は「NPO応援基金」を通じて環境保全団体を支援している 62
    これらの事例が示すように、地域金融機関の間でも、環境課題への対応は単発のCSR活動から、より戦略的で本業に統合された環境経営へと進化しつつある。特に、PCAFやTNFDといった国際的なフレームワークの採用、SBT認定取得支援、専門的なGHG算定ツールの導入、そして地方自治体や専門機関、さらには他の金融機関との連携といった動きは、その深化を象徴している。百五銀行がこれらの先進事例から学び、自らの戦略に取り入れていくことは、競争力維持と持続的成長のために不可欠と言えるだろう。単に方針や個別プロジェクトを持つだけでなく、体系的な統合とデータ駆動型の管理が標準となりつつある。

5. 百五銀行の現状の課題と提言

  • 5.1. 現状の課題評価
    百五銀行は気候変動対策を中心に環境への取り組みを進めているが、さらなる深化と拡大が求められる領域も存在する。
    まず、GHG排出量管理の深化が挙げられる。Scope1,2についてはネットゼロ目標を掲げ、着実な削減実績を示しているものの 2、金融機関の環境影響の大部分を占めるScope3排出量、特にカテゴリ15(投融資)の算定精度向上と開示の網羅性拡大は喫緊の課題である。現状の投融資先排出量のデータクオリティスコアは3.46(PCAF基準、数値が低いほど良い)であり 2、改善の余地が大きいことを示唆している。
    次に、資源循環戦略の拡大である。現在の取り組みは、行内での紙資源削減やクローズドループリサイクルが中心であり、これらは評価できるものの 4、金融機関としてのより大きなインパクトは、顧客企業のサーキュラーエコノミーへの移行を支援することにある。この点に関する戦略や具体的な金融商品の開発は、現状では限定的に見える。
    生物多様性戦略の具体化も重要な課題である。「百五の森」活動や地域への寄付は地域貢献として価値があるが 4、TNFDなどの国際的なフレームワークを参照し、事業活動全体における生物多様性への依存度や影響を評価し、具体的な数値目標や行動計画を策定する段階には至っていないように見受けられる。本業を通じた貢献をどのように強化していくかが問われる。
    リスク管理の高度化も求められる。気候変動シナリオ分析は実施されているものの、その精緻化、特に地域特性(例えば、三重県や愛知県特有の自然災害リスクや産業構造)を詳細に反映した物理的リスク評価の深化が必要である。また、資源循環や生物多様性に関連するリスクを、既存の統合的リスク管理体制へどのように組み込んでいくかについても、さらなる検討が望まれる。
    情報開示の充実も継続的な課題である。Scope3排出量の詳細な内訳や算定根拠、生物多様性に関する定量的な目標と実績の開示は、ステークホルダーからの信頼性を高める上で不可欠である。
    最後に、これらの課題に対応するためには、行内における環境分野の専門人材の育成と関連部署間の連携強化が基盤となる。複雑化・高度化する環境課題に的確に対応できる組織能力の構築が急務である。

  • 5.2. 今後の重点分野と行動提案
    上記の課題認識を踏まえ、百五銀行が今後重点的に取り組むべき分野と具体的な行動を以下に提案する。

  • 提言1:投融資ポートフォリオのカーボンニュートラル戦略策定の加速
    PCAFスタンダードに基づき、Scope3カテゴリ15(投融資)の排出量算定精度を一層向上させ、開示範囲も段階的に拡大すべきである。主要な投融資セクター(例えば、地域経済への影響が大きい製造業、運輸業など)ごとに、科学的根拠に基づく脱炭素化目標(中間目標を含む)と具体的なロードマップを策定することが求められる。これには、顧客企業とのエンゲージメント戦略を強化し、各企業のトランジション(低炭素移行)を支援するための金融・非金融ソリューション(コンサルティング、技術導入支援など)を拡充することが不可欠である。

  • 提言2:サーキュラーエコノミー・ファイナンスの本格推進
    地域企業における循環型ビジネスモデルの導入を支援するため、専門知識を有するチームを行内に設置するか、外部の専門機関との連携を強化すべきである。その上で、廃棄物削減、リユース・リサイクル促進、シェアリングエコノミーなど、サーキュラーエコノミーに貢献する事業に対する新たな金融商品(融資制度、投資ファンドなど)を開発し、積極的に市場に提供することが期待される。

  • 提言3:TNFDフレームワーク導入準備と生物多様性戦略の強化
    TNFDフォーラムへの参加を検討し、自然関連リスクと機会の評価・開示に関する知見を深めるべきである。行内でTNFDのLEAPアプローチ(Locate, Evaluate, Assess, Prepare)に基づく試行的な分析を開始し、特に百五銀行の事業エリアである伊勢湾や鈴鹿山脈といった重要な生態系への依存度や事業活動が与える影響を評価することが望ましい。その結果を踏まえ、地域の生物多様性保全に資するプロジェクト(例:持続可能な農林水産業、エコツーリズム、グリーンインフラ整備など)への投融資を拡大し、具体的な目標を設定すべきである。

  • 提言4:環境リスク管理の統合と高度化
    気候変動シナリオ分析においては、最新の地域別ハザードマップや産業構造の変化予測などを取り入れ、より精緻な評価を行うべきである。また、生物多様性の損失がもたらすリスク(例えば、原材料調達の不安定化、生態系サービスの低下による地域産業への影響など)を特定し、これらを信用リスク評価プロセスや事業継続計画(BCP)に段階的に組み込む手法を検討すべきである。

  • 提言5:ステークホルダーとの連携強化と透明性の向上
    顧客企業、地域社会、NPO、大学・研究機関など、多様なステークホルダーとの連携を一層強化し、環境保全活動やサステナビリティ推進に関する協働プロジェクトを積極的に展開すべきである。情報開示に関しては、統合報告書やサステナビリティレポートにおいて、環境パフォーマンスに関する定量的データ(特に目標に対する進捗)を充実させ、GRIスタンダードやSASBスタンダードといった国際的な開示基準への準拠度を高めることで、透明性と比較可能性を向上させることが重要である。

これらの提言は、百五銀行が直面する課題を克服し、環境分野におけるリーダーシップを発揮するための道筋を示すものである。多くの地域金融機関が直面する共通の課題は、CSR活動としての環境対応から、本業のビジネス戦略、リスク管理、商品開発にサステナビリティを完全に統合し、それによって新たな企業価値を創造することへと移行する点にある。百五銀行は既に気候変動対策を中心に堅実な取り組みを進めているが 2、大手金融機関や先進的な地域金融機関の事例(例えば、Scope3管理の高度化、TNFDへの対応など 19)と比較すると、戦略の深化と具体化にはまだ伸びしろがある。これらの提言を実行に移すことは、単に環境スコアを向上させるだけでなく、百五銀行自身の持続的な成長と地域社会への貢献をより確かなものにするだろう。この変革には、経営層の強いコミットメント、専門知識とデータへの投資、そして行内全体の意識改革が不可欠である。

6. 競合他社の環境への取り組みとパフォーマンス分析

  • 6.1. 主要競合地域金融機関の特定と比較
    本報告書では、百五銀行の環境への取り組みを相対的に評価するため、事業規模、主要な営業地域(東海地方中心)、およびサステナビリティ情報の開示状況を総合的に勘案し、以下の地域金融機関グループを主要な比較対象として選定した。

  • 愛知フィナンシャルグループ(株式会社愛知銀行、株式会社中京銀行を傘下に持つ)

  • 株式会社名古屋銀行

  • 株式会社十六フィナンシャルグループ(株式会社十六銀行を傘下に持つ)

  • 株式会社三十三フィナンシャルグループ(株式会社三十三銀行を傘下に持つ) これらの金融機関は、百五銀行と同様に東海地方を主要な事業基盤とし、地域経済への貢献を経営の柱に据えつつ、気候変動をはじめとする環境課題への対応を強化している。参考として、百十四銀行も一部比較対象に含める。同行はROE比較で言及があり 63、TNFDフォーラムへの参加や資源循環の取り組み事例も見られるため 31、四国を拠点とするものの、先進的な取り組みの参考となる。

  • 6.2. 各社の環境戦略、実績、及び開示情報の比較分析
    以下に、特定した競合金融機関と百五銀行の環境への取り組みを、「気候変動への対応」「資源循環への取り組み」「生物多様性への取り組み」の3つの観点から比較分析する。

  • 気候変動への対応

  • GHG排出量削減目標(Scope1,2): 百五銀行は2030年度末のネットゼロを目標としている 2(ただし、2025年度環境保全活動計画では2028年度末との記載もある 11)。これに対し、愛知FGは2030年度に2013年度比70%削減、2050年カーボンニュートラル 46、名古屋銀行も同様に2030年度70%削減、2050年ネットゼロ 50、十六FGは2030年度カーボンニュートラル 17、三十三FGは2030年度に2013年度比50%削減、2050年カーボンニュートラルを目標としている 56。百五銀行と十六FGが2030年ネットゼロ(CN)というより野心的な短期目標を掲げている点が注目される。

  • Scope3排出量への取り組み: 百五銀行はScope3カテゴリ2(資本財)の算定を開始し、投融資先排出量(PCAFスタンダード参考、データ品質スコア3.46)の算定にも着手している 2。愛知FGはScope3(カテゴリ1~5、およびカテゴリ15:投融資)の算定を開始し、排出量算定プラットフォームPersefoniを導入している 46。名古屋銀行もScope3(カテゴリ1~7、および15)を算定している 50。十六FGはScope3(投資)に関しても2050年度カーボンニュートラル目標を設定し、PCAFに加盟している 17。三十三FGは、GHG排出量可視化プラットフォーム「C-Turtle® FE」および「CARBONIX」を導入し、顧客の排出量算定支援にも活用している 58。各行ともScope3、特にカテゴリ15の重要性を認識し、算定・管理体制の構築を進めているが、その算定範囲やツールの導入状況には差異が見られる。

  • サステナブルファイナンス目標・実績: 百五銀行は2030年度末までに累計1兆円(うち環境分野5,000億円)を目標とし、2023年度末実績は5,132億円(うち環境分野1,214億円)である 2。愛知FGは2022年度から2030年度までに累計1兆円(うち環境分野5,000億円)を目標とし、2023年度末実績は2,105億円(うち環境分野923億円)46。名古屋銀行は2030年度までの10年間でESG投融資5,000億円を目標としている 50。十六FGは2030年度末までに累計2兆円(うち環境分野8,000億円)という非常に高い目標を掲げ、2023年度末実績は4,594億円(うち環境分野1,704億円)である 17。三十三FGは2023年度の実行額目標として500億円を設定していた 60。目標額の設定規模や期間、実績には各行で差があり、十六FGの目標額の大きさが際立つ。

  • TCFD提言への対応・情報開示: 各行ともTCFD提言への賛同を表明し、関連情報を開示している。シナリオ分析の具体性や財務影響額の試算については、愛知FGが与信コストへの影響額を累計13億円程度の増加と試算 47、名古屋銀行は物理的リスクによる与信コスト影響を最大15~24億円、移行リスク(エネルギーセクター)を単年度1億円程度、同(自動車セクター)を単年度0.3億円程度と試算 50、三十三FGは移行リスクによる追加与信費用を約26億円、物理的リスクによる追加与信費用を約2億円と試算している 60。百五銀行もTCFDレポートでリスク分析を行っているが、具体的な財務影響額の開示レベルは、これらの競合行と比較検討する必要がある。

  • 資源循環への取り組み:
    各行ともペーパーレス化や行内リサイクル活動は共通して推進している。百五銀行の機密書類のクローズドループリサイクル 4 は、具体的な成果(CO2削減量、木材伐採抑制量)が示されており、特徴的な取り組みと言える。愛知FGもペーパーレス化を推進しており 48、十六FGも同様である 54。他行の事例としては、武蔵野銀行の環境配慮型ノベルティ配布や山陰合同銀行の資源循環型ATM採用などがあり 31、各行が独自の工夫を凝らしている。

  • 生物多様性への取り組み:
    森林保全活動としては、百五銀行の「百五の森」4 や十六FGの「じゅうろくの森"みたけ"」54 が代表的である。地域環境NPO等への寄付・支援は、百五銀行 15 や三十三銀行(「NPO応援基金」62)などが行っている。TNFDフォーラムへの参画状況については、十六FGが参画を表明しており 64、他の競合行の状況も注視される。愛知FGは藤前干潟の清掃活動や「あいち森と緑づくり基金」への寄付を行っている 48。投融資方針における生物多様性への配慮については、百五銀行 4 や十六FG 17 が森林伐採やパーム油農園開発といった特定セクターへの慎重な対応を明記している。

この比較分析から、東海地方の主要地域金融機関は、気候変動対策を中心に環境への取り組みを強化しているものの、目標の野心度、Scope3排出量管理の深度、TNFDのような新しい枠組みへの対応スピード、サステナブルファイナンスの規模などで差異が見られる。百五銀行は、Scope1,2のネットゼロ目標時期やサステナブルファイナンスの目標額では競争力のある水準にあるが、Scope3排出量管理の高度化やTNFDへの対応といった点では、一部の先進的な競合から学ぶべき点があるかもしれない。特に、愛知FGや三十三FGによる専門的なGHG算定ツールの導入 49 や、十六FGの野心的なサステナブルファイナンス目標と石炭火力フェーズアウト目標 17 は、業界の動向として注目すべきである。これらの比較は、百五銀行が自らの環境戦略をさらに磨き上げ、地域におけるサステナビリティ・リーダーシップを確立していく上で重要な示唆を与える。

7. 環境スコア及びESG評価におけるベンチマーキング

  • 7.1. CDPスコアの比較分析
    CDPは、企業に対し気候変動、フォレスト、水セキュリティに関する環境情報を開示するよう求め、その回答内容を評価・スコアリングしている国際的な非営利団体である。スコアはAからD-までの8段階で評価され、無回答の場合はFとなる 65。このスコアは、企業の環境パフォーマンスと透明性を示す重要な指標として、投資家や顧客から広く参照されている。
    百五銀行は、2023年のCDP気候変動質問書への回答において「B」評価を取得している 2。CDPの評価体系において「B」スコアは「マネジメントレベル」に位置づけられ、環境課題への認識があり、それに対応するための行動を実施し、管理している企業であることを示す 67
    競合他社の状況を見ると、愛知フィナンシャルグループは2024年度のCDP気候変動質問書で「B」評価を取得している 68。名古屋銀行は、CDPスコア(中小企業版)において「B」以上を維持することを目標としており、2024年度実績は「B」であったと報告している。また、十六銀行が回答支援を行った地域の中小企業2社が「B」スコアを獲得した事例もある 69。十六フィナンシャルグループは、2022年のCDP気候変動調査で「B」評価を取得し、これは東海地区に本社を置く金融機関において最高位であったと述べている 71。三十三フィナンシャルグループに関するCDPスコアの直接的な言及は、提供された資料の中では見当たらなかったが、主要な競合の多くが「B」評価を取得している状況がうかがえる。
    これらの情報から、百五銀行のCDP「B」スコアは、東海地方の主要な地域金融機関の平均的なレベルにあると考えられる。しかし、「A」や「A-」といったリーダーシップレベルの評価を獲得している企業(例えば、他業種ではあるがアイシンが気候変動Aリストに認定されている 72)と比較すると、まだ改善の余地があることを示している。CDPで高スコアを獲得するためには、包括的なリスク評価、野心的な目標設定(特にScope3排出量)、そして気候変動対策におけるリーダーシップの実証などが求められる 67。多くの地域金融機関が「B」評価に留まっている現状は、セクター全体としての成熟度を示すと同時に、百五銀行を含む各行がさらなる高みを目指す機会があることを意味している。CDPスコアの向上は、投資家やその他のステークホルダーに対する企業の魅力向上に繋がり、ブランド価値の強化や資金調達の円滑化にも寄与し得る。また、CDPの評価フレームワーク自体が、企業の気候戦略を強化するための具体的なロードマップを提供し得る。

  • 7.2. その他の主要ESG評価(MSCI、Sustainalytics、FTSE Blossom Japan Index等)における位置づけ
    CDPスコア以外にも、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)パフォーマンスを評価する主要な指標や格付けが存在する。これらにおける百五銀行の位置づけを把握することは、多角的な視点から同行の環境への取り組みを評価する上で重要である。
    MSCI ESGレーティングは、企業のESGリスクへのエクスポージャーとリスク管理能力を評価し、AAAからCCCまでの7段階で格付けするものである 73。提供された資料の中には、百五銀行自身のMSCI ESGレーティングに関する直接的な情報は含まれていなかった(89はニッセイアセットマネジメントによる評価であり、MSCIのグローバルなESGレーティングとは異なる)。競合他社については、愛知フィナンシャルグループが日本格付研究所(JCR)から「A/安定的」の長期発行体格付を 74、三十三フィナンシャルグループが同じくJCRから「A-/安定的」の格付を得ている 75。また、十六フィナンシャルグループの株式が組み入れられている可能性のあるiSharesのMSCIジャパンESGエンハンストUCITS ETFは、ファンドとしてMSCI ESGファンドレーティング「AA」評価を得ている 76。これらは直接的な銀行本体のMSCI ESGレーティングではないものの、関連する評価情報として参考になる。
    Sustainalytics ESGリスク評価は、企業が直面する業界特有の重要なESGリスクと、それらのリスクをどの程度管理できているかを測定するものである。スコアが低いほどリスクが低いことを示す 77。百五銀行に関するSustainalyticsの具体的な評価スコアは、提供資料からは確認できなかった(90は一般的なESG評価の進め方に関する記述)。競合他社では、名古屋銀行がESGリスクレーティング34.5(リスクレベル:High)、業種内順位1041社中951位という評価を受けている 79。これは、改善の余地が大きいことを示唆している。
    FTSE Blossom Japan IndexおよびFTSE Blossom Japan Sector Relative Indexは、優れたESG対応を行う日本企業を選定して構成される株価指数であり、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESG投資を行う際のベンチマークとしても採用されている 80。これらの指数に選定されることは、企業のESGパフォーマンスが一定水準以上であることの証左となる。百五銀行がこれらの指数に選定されているか否かは、提供資料からは不明であった。
    競合他社に目を向けると、愛知フィナンシャルグループはFTSE Blossom Japan Sector Relative Indexの構成銘柄に選定されている 49。名古屋銀行は「FTSE Blossom Japan Index」および「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」に3年連続で選定されていると報告している 88。十六フィナンシャルグループも「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に選定されている 64。三十三フィナンシャルグループの選定状況は不明である。
    これらの情報から総合的に判断すると、百五銀行に関する主要な外部ESG評価機関からの直接的なスコアやレーティング情報は、提供された資料の範囲内では限定的であった。これは、評価機関のカバレッジ(評価対象企業)の問題や、同行の情報開示がまだ評価機関の要求する水準や範囲に達していない可能性などが考えられる。一方で、競合する地域金融機関の中には、FTSE Blossom Japan Indexシリーズに選定されるなど、ESGパフォーマンスが外部から評価されている事例が見られる。これは、地域金融機関もESG評価の対象として注目されつつあることを示している。
    百五銀行にとっては、これらの主要なESG評価機関との積極的なエンゲージメントや、評価手法に沿った情報開示の強化が、今後の課題となる可能性がある。ESG評価機関からの評価を獲得し、関連指数に組み入れられることは、投資家からの認知度向上やESGを重視する資金の呼び込みに繋がるため、企業価値向上に資すると考えられる。提供された資料において同行のスコアが不明であった点は、同行自身が今後のIR・SR活動を通じて補完していくべき情報ギャップと言えるだろう。

8. 結論と環境スコアリングに向けた総合的考察

本報告書では、株式会社百五銀行の環境への取り組みについて、「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の3つの重点分野を中心に、具体的な施策、目標と実績、潜在的リスクと事業機会、業界先進事例との比較、そして主要なESG評価における位置づけを分析してきた。

百五銀行の環境への取り組みは、特に気候変動対策において明確な進展を見せている。GHG排出量(Scope1,2)の具体的な削減目標(2030年度末ネットゼロ)を掲げ、CO2フリー電力の導入や省エネルギー化を着実に進めている 2。また、サステナブルファイナンスに関しても1兆円という野心的な目標を設定し、顧客企業の脱炭素化支援にも積極的に取り組んでいる 2。資源循環においては、行内での紙資源削減に加え、機密書類のクローズドループリサイクルという具体的な成果を伴う先進的な事例も有している 4。生物多様性保全に関しては、「百五の森」活動を通じた長年にわたる地域貢献が特筆される 4。これらは同行の強みと言えるだろう。

一方で、改善が期待される点も明らかになった。GHG排出量管理においては、金融機関にとって最も影響の大きいScope3カテゴリ15(投融資)の算定精度向上と、より野心的な削減目標の設定が求められる。資源循環および生物多様性戦略については、現在の地域貢献活動や内部施策中心の取り組みから、本業である金融サービスを通じて顧客企業やサプライチェーン全体へ影響を及ぼすような、より戦略的かつ具体的な目標を伴った計画へと深化させる必要がある。特にTNFDのような新しい国際的フレームワークへの対応は、今後の重要な課題となるだろう。

競合他社との比較からは、百五銀行の相対的な位置づけが浮き彫りになる。CDPスコアでは主要な地域金融機関と同程度の「B」評価であり、平均的なレベルにあると言える 2。サステナブルファイナンスの目標額は他の地域金融機関と比較しても積極的である。しかし、一部の先進的な地域金融機関が導入している専門的なGHG算定ツールの活用や、TNFDへの早期対応、より踏み込んだセクター別コミットメントといった点では、戦略の高度化やツールの導入検討の余地がある。

環境スコアリングの観点から見ると、百五銀行の評価においては以下の点が主要なポイントとなる。

  • 目標の野心性と達成度: Scope1,2のネットゼロ目標は明確だが、Scope3、特にファイナンスド・エミッションに関する目標設定とその進捗が重要となる。サステナブルファイナンスの実行額と、その環境改善効果の定量的評価も鍵となる。

  • リスク管理の実効性と情報開示の透明性: TCFD提言に基づく気候変動リスク分析の深化、特に地域特性を考慮した物理的リスク評価と、移行リスクの財務影響額の精緻な開示が求められる。自然関連リスクの評価と管理体制の構築も今後の注目点である。

  • 事業機会の創出と本業を通じた環境貢献の度合い: サステナブルファイナンスの提供だけでなく、顧客企業のGX(グリーン・トランスフォーメーション)を具体的にどのように支援し、それがどのような環境的・経済的インパクトを生み出しているかが評価される。

  • イノベーションとリーダーシップの発揮: 地域社会の脱炭素化や循環型経済への移行、生物多様性保全において、金融機関としてどのような独自のソリューションを提供し、リーダーシップを発揮しているかが問われる。

本報告書で得られた分析結果は、百五銀行の環境パフォーマンスを多角的に評価し、環境スコアを算出する上での基礎情報を提供するものである。同行は、気候変動対策における堅実な基盤と、地域社会への貢献という強固な土台を有している。今後の課題は、これらの取り組みをさらに深化させ、環境要因を事業戦略の中核に完全に統合し、より野心的かつ定量的な目標を掲げてその達成を追求することである。特に、投融資活動を通じた環境影響の管理(Scope3排出量、生物多様性インパクト)と、それに基づく新たな事業機会の創出が、持続可能な地域金融機関としての百五銀行の企業価値を一層高める鍵となるだろう。これは単にリスクを軽減したり、CSRの義務を果たしたりするに留まらず、変化する事業環境の中で競争力を維持し、地域社会と共に持続的に発展していくための戦略的要請である。

以上

引用文献

  1. HYAKUGO BANK REPORT 2023, 5月 10, 2025にアクセス、 https://www.hyakugo.co.jp/ir/english/2023/pdf/02.pdf

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百五銀行のGHG排出量推移

GHG排出量推移

「Scope1」の過去3年の推移

2023年1,341t-CO2
2022年1,397t-CO2
2021年1,316t-CO2

「Scope2」の過去3年の推移

2023年3,707t-CO2
2022年3,630t-CO2
2021年4,498t-CO2

「Scope3」の過去3年の推移

データがありません
2023年-
2022年-
2021年-

COR(売上高あたりのCO2排出量)推移

スコープ1+2

スコープ1+2 CORの過去3年推移

2023年42kg-CO2
2022年49kg-CO2
2021年59kg-CO2

スコープ3

スコープ3 CORの過去3年推移

2023年0kg-CO2
2022年0kg-CO2
2021年0kg-CO2

COA(総資産あたりのCO2排出量)推移

スコープ1+2

スコープ1+2のCOA推移

2023年1kg-CO2
2022年1kg-CO2
2021年1kg-CO2

スコープ3

スコープ3のCOA推移

2023年0kg-CO2
2022年0kg-CO2
2021年0kg-CO2

業績推移

売上推移

2023年1,195億円
2022年1,029億円
2021年987億円

純利益推移

2023年143億円
2022年145億円
2021年134億円

総資産推移

2023年8兆972億
2022年7兆5178億
2021年7兆7483億

すべての会社・業界と比較

環境スコアポジション

百五銀行の環境スコアは145点であり、すべての会社における環境スコアのポジションと業界内におけるポジションは下のグラフになります。

すべての会社と比較したポジション

業界内ポジション

百五銀行のCORポジション

百五銀行におけるCOR(売上高(百万円)における炭素排出量)のポジションです。CORは数値が小さいほど環境に配慮したビジネスであると考えられます。百五銀行のスコープ1+2の合計のCORが42kg-CO2であり、スコープ3のCORが0kg-CO2になります。グラフはGHG排出量のスコープ別に分かれており、すべての会社と業界内におけるそれぞれのポジションを表しています。
全体における百五銀行のCORポジション

CORスコープ1+2

CORスコープ3

業界内における百五銀行のCORポジション`

CORスコープ1+2

CORスコープ3

百五銀行のCOAポジション

百五銀行におけるCOA(総資産(百万円)における炭素排出量)ポジションです。COAもCAR同様、数値が小さいほど環境に配慮したビジネスを行っていると考えられます。百五銀行のスコープ1+2の合計のCORが1kg-CO2であり、スコープ3のCORが0kg-CO2になります。グラフはGHG排出量のスコープ別に分かれており、すべての会社と業界内におけるそれぞれのポジションを表しています。
全体における百五銀行のCOAポジション

COAスコープ1+2

COAスコープ3

業界内における百五銀行のCOAポジション

COAスコープ1+2

COAスコープ3

環境スコアランキング(全社)

集計数:1049企業
平均点数:180.6
CDPスコア気候変動勲章
三菱電機
6503.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
505
CDPスコア気候変動勲章
コニカミノルタ
4902.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
500
CDPスコア気候変動勲章
豊田自動織機
6201.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
480
4
古河電気工業
5801.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
470
5
味の素
2802.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
460
6
セコム
9735.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコンサービス業
455
7
アイシン
7259.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
450
8
ダイキン工業
6367.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
450
9
フジクラ
5803.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
445
10
三ツ星ベルト
5192.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン製造業
445

業界別環境スコアランキング

集計数:103企業
平均点数:164.5
CDPスコア気候変動勲章
第一生命ホールディングス
8750.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン金融・保険業
370
CDPスコア気候変動勲章
十六フィナンシャルグループ
7380.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン金融・保険業
360
CDPスコア気候変動勲章
みずほリース
8425.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン金融・保険業
345
5
ジャックス
8584.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン金融・保険業
320
6
ゆうちょ銀行
7182.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン金融・保険業
320
7
しずおかフィナンシャルグループ
5831.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン金融・保険業
315
8
めぶきフィナンシャルグループ
7167.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン金融・保険業
300
9
T&Dホールディングス
8795.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン金融・保険業
300
10
東京センチュリー
8439.T
プライムアイコンプライム
プライムアイコン金融・保険業
285